パッチは耐水性があるため、シャワーやお風呂での使用に耐えるように設計されています。ただし、パッチを貼り付けている部分を強く擦ったり、長時間の入浴は避けるようにしてください。
パッチが剥がれてしまう、ニコチンの吸収量が必要以上に増加するおそれがあります。
このページは、ニコチンパッチに関する以下のような基本情報を詳しく解説しています。
ニコチンパッチは、タバコ離れを難しくする離脱症状(禁断症状)をやわらげ、よりスムーズな禁煙をサポートする貼り薬です。
ここでの情報を活かして、健康面や経済面のためにも禁煙を成功させるための第一歩を踏み出しましょう。
※引用:ニコチネルTTS|GSK-グラクソ・スミスクライン
ニコチンパッチとは、タバコをやめたい方に向けた貼るタイプの禁煙補助薬です。
禁煙時のニコチン切れによって起こる離脱症状(禁断症状)をやわらげ、自力でおこなうよりもスムーズな禁煙を可能にします。
第一類医薬品となっており、薬局で購入できる市販薬と医療機関での処方があります。
どちらも基本的には同じ薬ですが、パッチ1枚あたりに含まれるニコチン量に違いがあります。
タバコへの依存度によっては、高用量の処方が可能な医療機関での処方を検討しましょう。
また、施設基準を満たした保険医療機関で患者基準を満たした場合、ニコチンパッチは保険が適用されます。
ニコチンパッチは「経皮吸収ニコチン製剤」にカテゴリされる薬になり、肌に貼ることでタバコよりも少量のニコチンを摂取します。
パッチは多層構造になっており、各層が異なる役割を果たすことで、長時間の使用でも血中内のニコチン濃度が一定に保たれるよう設計されています。
各層がニコチンの吸収量をコントロール、品質を保護することで治療効果を安定させます。
ニコチンパッチの効果により、以下のような禁煙時の離脱症状を緩和します。
ニコチンパッチは、皮膚から必要なニコチンを供給し体内のニコチンレベルを安定させてリラックスした状態を保ちます。
タバコを吸わないことに慣れるまでは、肉体的にも精神的にも「キツい」と感じるシチュエーションが多いです。
ニコチンパッチがこれらの症状を軽減し、禁煙生活のストレスフルな状態から解放できます。
結果として離脱症状は次第に落ち着いていき、よりスムーズに禁煙を続けられるようになります。
ニコチンパッチを使用した場合、自力で禁煙した場合に比べて約1.9倍の成功率が高まるといわれています。
自力での禁煙は成功率の低さから考えても、ニコチンパッチは禁煙補助薬として非常に有効です。
また禁煙の有効性を調べたデータによると、プラセボ群(偽薬)が36.3%に対し、ニコチンパッチを使用した場合の禁煙成功率は53.3%でした。
研究や使用期間によって成功率が変化しますが、これには治療方法、本人の禁煙意志、サポート体制の違いなどが影響しています。
ニコチンパッチの使用は、禁煙の成功率を大きく向上させるサポートとなり得ます。
特に、禁煙外来での医師の指導をうまく活用することで、さらに高い禁煙成功率が期待できます。
まずは、ニコチンパッチの使用方法に関する基本情報から確認していきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
使用枚数 | 1日1枚 |
使用量 | 最初の4週間は高濃度からスタート その後は2週間ごとに用量を調整 |
貼り付ける部位 | 上腕、肩、背中、腹部などの皮膚が清潔で乾燥した部分 |
使用期間 | 8週間から10週間 |
ポイント |
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ニコチンパッチを貼る手順については、以下を参考にしてください。
ニコチンパッチを正しく使用することで、禁煙の成功率を高めることができます。
医師または薬剤師の指導に従って、ニコチンパッチの正しい使用を心がけてください。
ニコチンパッチの副作用には、以下のような症状があげられます。
肌が弱いと、パッチの貼付部位に接触皮膚炎が現れることがあります。
またニコチンを吸収している影響から、めまいや頭痛、不眠といった精神神経系の症状が出てしまうこともあります。
なお、上記の副作用への対処法もあるので、気になる症状が現れた場合には実践してみてください。
【皮膚のかゆみや発赤への対処】
肌がかゆい、赤みが出ているようであれば、パッチを貼る部位を毎日変えることが推奨されます。
それでも症状が落ち着かない場合、医師から抗ヒスタミン剤やステロイド(外用薬)の処方を受けることも可能です。
【不眠への対処】
パッチを貼り替えている時間を確認し、朝起床時に貼り替えることで不眠が改善されることがあります。
それでも改善されない場合は、就寝前に剥がすようにしてみてください。
これらの対処法を実践しても改善がみられない場合、医師または薬剤師にご相談ください。
どうしても肌に合わない場合は、代替品のとしてニコチンガムもあります。
以下の条件に該当する方は、ニコチンパッチを使用しないでください。
上記の条件に当てはまる方がニコチンパッチを使用してしまうと、現在抱えている症状の悪化や副作用が現れやすくなる可能性があります。
条件に該当する場合は、使用前に必ず医師に相談し、その他にも健康状態に不安がある場合には申し出るようにしてください。
また、ニコチンパッチが使えなくてもチャンピックスは使用できる場合があります。
薬が使えるか気になる場合は、医療機関に一度ご相談ください。
ニコチンパッチの購入方法は、市販または医師処方のいずれかを選択できます。
購入方法 | 詳細 | 価格帯 | 製品名 |
---|---|---|---|
市販 | ドラッグストアでの直接購入だけでなく、オンラインのECストアでも購入可能 | 3,000円前後/2週間分 | ニコチネルパッチ |
医師処方 | 条件を満たせば保険が適用され、市販にはない高用量の取り扱いもある | 約13,000円/12週間の治療 ※保険適用時の価格 | ニコチネルTTS |
市販の場合、ドラッグストアや薬局だけでなく、Amazonや楽天といったECストアでも購入が可能です。
購入前には常駐する薬剤師との相談が必要になりますが、気軽に禁煙をはじめやすい購入方法と言えます。
一方で、医師処方は保険適用と高用量処方が可能なため、ニコチン依存度によっては最適な選択となり得ます。
医師のサポートによって禁煙成功率が高まる可能性もあるので、自己管理が難しい方にもおすすめです。
どちらで購入しても、禁煙時の離脱症状を抑える効果は変わらないので、ご自身に合った方法を選んで正しく使用することが禁煙成功の鍵です。
この記事のまとめは以下となります。
ニコチンパッチは禁煙失敗の原因となる離脱症状をやわらげ、禁煙成功率を高めるものです。
貼るだけで効果が得られるので使用も簡単であり、ニコチン依存度や喫煙状況に応じて購入方法も選べます。
医師や薬剤師の指導を受けながら正しくニコチンパッチを使用し、ご自身に合った方法で禁煙に挑戦していきしましょう。
フィットクリニックの禁煙外来では、ニコチンを含まない飲み薬タイプの禁煙治療薬を処方しています。
経皮吸収タイプのニコチンパッチが肌に合わず、かぶれや不快感がある方にとって、飲み薬は効果的な選択肢となります。
また、飲み薬は離脱症状をやわらげるだけでなく、タバコを嫌いにさせる作用もあるので、禁煙欲求のコントロールにも役立ちます。
当院では、治療期間から選べるシンプルな禁煙治療プログラムをご用意しています。
喫煙状況やニコチン依存度、禁煙目標に応じて治療計画が立てられるため、初めての方でも安心です。
さらに、オンライン診療を利用すればいつでも医師のサポートが受けられる環境が整っています。
禁煙治療に用いる飲み薬や治療プログラムの詳細について、以下のページで詳しくご紹介しています。