バイアグラなどのED治療薬が保険適用に 男性の不妊治療やその詳細について

更新日:24/07/10
バイアグラなどのED治療薬が保険適用に 男性の不妊治療やその詳細について

厚生労働省は2022年4月より、ED治療薬「バイアグラ」、「バイアグラODフィルム」、「シアリス」を不妊治療目的に限り、保険適用の対象と定めました。

保険適用された場合は、通常薬価の3割負担で処方されます。

■記事の要点

バイアグラやシアリスといったED治療薬が保険適用されるのは、不妊治療を希望する夫婦やカップルの負担を軽減し、少子化に歯止めをかけるのが目的です。

このページではバイアグラをはじめとするED治療薬が保険適用となる条件などを解説します。

「不妊治療目的」に限りバイアグラとシアリスが保険適用

2022年4月から、厚生労働省はED治療薬の「バイアグラ25mg/50mg」「バイアグラODフィルム25mg/50mg」「シアリス5mg/10mg/20mg」を不妊治療目的に限り、公的医療保険の対象と定めました。

ただし、バイアグラジェネリック(シルデナフィル錠)、シアリスジェネリック(タダラフィル錠)や、その他のED治療薬は保険適用外です。

バイアグラの保険適用には年齢制限がなく、一般的な医薬品と同様に医療費(薬代)の3割負担で処方が受けられます。

また、この保険適用は、不妊治療を望む既婚だけではなく、事実婚や未婚のカップルも対象です。

ただし注意が必要なのは、誰もが保険適用でバイアグラやシアリスを処方されるものでは無いという事です。

ED治療薬の保険適用の条件は7項目あり、厳しく設定されています。

そのため、条件に当てはまらない方は、従来通り自由診療でED治療薬を購入する必要があります。

バイアグラなどのED治療薬が保険適用する条件

バイアグラを保険適用で処方する条件を厚生労働省は定めており、以下の7つの条件をすべて満たす必要があります。

条件①

泌尿器科で5年以上の経験がある医師から処方を受けること。
ただし、近隣に要件を満たす医師がおらず、投与可能な他の保険医療機関に患者を紹介できない等があれば一般不妊治療管理料に係る施設の届出を行っている保険医療機関に限り処方可能。

⇒原則として泌尿器科で5年以上の経験がない医師からの処方は保険適用外です。
運営歴の長い病院やクリニックでも、泌尿器科での経験が浅い医師が在籍している場合があるため、担当の泌尿器科医が必ずしも保険適用で処方できるとは限りません。
事前に医療機関に電話(不妊治療目的でED治療薬を処方してほしい旨を伝える)したり、ホームページなどで確認しましょう。

条件②

他の医療機関で不妊症に係っている患者に対し、紹介を受けてED治療薬を投与する場合は、紹介元の施設と連携し必要な情報を共有する必要がある。

⇒他の医療機関で不妊治療を受けている場合、ED治療薬を保険適用で処方してもらいたいことを伝え、紹介状を書いてもらいましょう。

条件③

日本泌尿器科学会が作成した勃起不全に関する診療ガイドラインの診断に従い、勃起不全と判断された患者でないと処方の対象外となる。
なお、その旨を診療録に記載する必要がある。

⇒勃起不全(ED)と診断されるには、病歴確認、身体所見、臨床検査(血糖値やテストステロン値の検査)をする必要があります。

条件④

処方される患者またはそのパートナーのどちらかが、服用から遡り6ヶ月以内に、一般不妊治療管理料や生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていないと処方が出来ない。
不妊治療を受けた確認が出来ない場合は処方の対象外となる)

⇒パートナーもしくは本人のどちらかが6ヶ月以内に不妊治療を受けている必要があります。
なお、不妊治療を中断している状態でも、最後の受診が6ヶ月以内であれば保険適用します。

※管理料:医療技術の提供とは別に、医師による患者指導や医学的管理を行った際に算定される診療報酬項目(点数制)

条件⑤

1回の診察につき処方できる数量は、タイミング法における1周期分に限り、かつ、4錠以下

⇒不妊治療におけるタイミング法とは、女性の生理周期に合わせ、排卵日付近で性行為を行って妊娠確率を高める方法です。女性の生理周期が約1ヶ月のため、ED治療薬を処方できるのは1ヶ月につき4錠以下です。

条件⑥

繰り返し投与する場合は、処方の継続期間は6ヶ月を目安とする。
6ヶ月を超えて投与を継続する場合は必要性が検討されるが、継続投与は原則として初期投与から1年以内とする。

⇒初回の処方から6ヶ月経っても妊娠しない場合、服薬の継続ができます。ただし必要と判断した理由と初回投与の年月を、診療録・診療報酬明細書の摘要欄に記載することが必須条件です。服用の継続期間は初回の投与から1年以内です。

条件⑦

保険適用で処方する場合は、処方箋の備考欄に保険診療である旨を記載する。

⇒処方箋の備考欄に記載がない場合は、医療機関にお申し出ください。

これら7つの基準が満たされない場合は、バイアグラなどのED治療薬の保険適用はできません。

不妊治療でない場合の購入方法

不妊治療を行っていない場合、保険適用でのED治療薬の処方は難しいとお考えください。

保険適用外でED治療薬の費用を抑えたい方には、先発薬と同等の効果がありながら安価なジェネリック医薬品(後発医薬品)の選択をおすすめします。

フィットクリニックでは、バイアグラジェネリックやシアリスジェネリックを取り扱っており、自己負担を抑えたい方に最適です。

名称 容量 価格
バイアグラジェネリック
バイアグラジェネリック50mg 100mg
25mg 270円/1錠
※お問い合わせください
50mg 700円/1錠
100mg 1,000円/1錠
シアリスジェネリック
シアリスジェネリック22mg
10/11mg 700円/1錠
20mg 1,200円/1錠

バイアグラが保険適用された場合の3割負担の価格と、フィットクリニックで処方している保険適用外のバイアグラジェネリック50mgの価格を比較します。

■バイアグラ50mgが保険適用した場合
  • 薬価:バイアグラ錠50mgの算定薬価は1,214円
  • 個人の負担額:3割負担で1錠364円(1,214円×0.3=364円)
  • 追加費用:薬代のほかに初診料または再診料、検査費用、一般不妊管理料がかかる
  • 制限:継続して保険適用で処方できる期間は最長1年、1ヶ月につき4錠の制限がある
■当院のバイアグラジェネリック50mgの場合
  • 価格:バイアグラジェネリック50mgは1錠700円
  • 追加費用:お薬代のみで、診察料は無料
  • まとめ買いの特典:20錠を購入すると10錠追加(1錠あたりの価格は約467円)

保険適用によるバイアグラの処方は、1錠あたりの負担額が364円と安価に見えますが、診察料や検査費用などの追加費用がかかります。

また、保険適用での処方期間は最長1年で、1ヶ月に4錠の制限もあります。

一方、フィットクリニックのバイアグラジェネリックは、診察料が無料で、1錠あたりの価格が700円です。

さらに、まとめ買いをすることで1錠あたりの価格を抑えることができます。

これらの点を考慮すると、自由診療のフィットクリニックのバイアグラジェネリックを選ぶ方が、経済的で柔軟な治療を受けられると言えます。

保険適用される6成分16品目一覧

薬価収載により不妊治療で保険適用となる「6成分16品目の不妊治療薬」の詳細は以下の表をご覧ください。

2022年4月からの不妊治療の保険適用に伴い、ED治療薬では「バイアグラ」、「バイアグラODフィルム」「シアリス」が薬価収載され、ED(勃起不全)による男性不妊にのみ保険が適用されます。

  薬品名 薬価/錠 成分名 効果効能
1 バイアグラ錠
25mg
914.6円 シルデナフィルクエン酸塩 ED(勃起不全)治療薬

中折れなど勃起不全の症状を改善。
満足な性行為を行える勃起やその維持が可能。
2 バイアグラ錠
50mg
1,214.8円
3 バイアグラ
ODフィルム
25mg
974.6円
4 バイアグラ
ODフィルム
50mg
1,404.1円
5 シアリス錠
5mg
1,118.9円 タダラフィル ED(勃起不全)治療薬

中折れなど勃起不全の症状を改善。
満足な性行為を行える勃起やその維持が可能。
6 シアリス錠
10mg
1,233.5円
7 シアリス錠
20mg
1,300.6円
8 レコベル皮下注
12μgペン
10,507円 ホリトロピンデルタ
(遺伝子組換え)
脳下垂体ホルモン剤

生殖補助医療における
調節卵巣刺激
9 レコベル皮下注
36μgペン
26,014円
10 レコベル皮下注
72μgペン
45,039円
11 ガニレスト皮下注
0.25㎎シリンジ
8,904円 ガニレリクス酢酸塩 ホルモン剤

調節卵巣刺激下における
早発排卵の防止
12 セトロタイド注射用
0.25mg
9,057円 セトロレリクス酢酸塩 ホルモン剤

調節卵巣刺激下における
早発排卵の防止
13 ルテウム
腟用坐剤
400mg
541.90円 プロゲステロン 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤

生殖補助医療における
黄体補充
14 ウトロゲスタン
腟用カプセル
200mg
361.20円
15 ルティナス腟錠
100mg
361.20円
16 ワンクリノン
腟用ゲル
90mg
1,083.80円

※薬価は2023年(令和5年)4月1日適用の薬価改定後の価格(2024年6月24日現在)

保険適用の医薬品を処方される際には、自治体から送付される書類「医療費のお知らせ」に詳細が記載されます。

いつどこで、どれくらいの量を処方されたのか、保険による負担、支払った金額等が確認できます。

自由診療の場合は保険は適用されないため、記載されません。

バイアグラ・シアリスが保険適用の対象に選ばれた理由

ED治療薬のバイアグラ、シアリスが保険適用の対象に選ばれた理由は、ED(勃起不全)による男性不妊の治療に関して、日本生殖医学会のガイドラインでレベルA「強く推奨する」に該当し、国の薬事承認を得たものだったからです。

日本生殖医学会の推奨レベル 主な治療・検査
レベルA
(強く推奨)
  • 体外受精
  • EDなど勃起障害を伴う男性不妊への薬物治療
レベルB
(推奨)
  • 2回続けて流産した女性に、流産回避の目的で行う着床検査
  • 射精障害に対する抗うつ薬の治療
レベルC
(実施を考慮)
  • 受精卵の成長を専用の装置で連続撮影し、妊娠の可能性が高い受精卵を選ぶ治療
  • 子宮内の細菌を調べる検査

なお、レベルB「推奨」と評価されている排卵誘発剤や射精障害に効果的な抗うつ薬なども、不妊治療に限り保険適用となっています。

まとめ:バイアグラの保険適用は不妊治療目的のみ 

「バイアグラ」「バイアグラODフィルム」「シアリス」といったED治療薬は、不妊治療目的に限り保険適用となります。

しかし、保険適用には7つの条件があり、すべてを満たすのは難しいのが現状です。

フィットクリニックでは、ジェネリック医薬品を取り扱っているため、保険適用外でも手に取りやすい価格でご提供しています。

また、ご自宅で受診でき、ED治療薬を郵送にて受け取れるオンライン診療も行っています。

不妊治療目的でない方や、保険適用の条件を満たさない方は、ぜひフィットクリニックにご相談ください。

バイアグラの保険適用についてよくある質問

Q1
泌尿器科でバイアグラの保険適用はされますか?
A1
泌尿器科でバイアグラの処方を受けることができ、「不妊治療目的」に限り保険適用されます。厚生労働省は2022年4月より、ED治療薬である「バイアグラ」、「バイアグラODフィルム」、「シアリス」を不妊治療目的に限り、公的医療保険の対象と定めました。
Q2
バイアグラの3割負担はいくらですか?
A2
バイアグラ50mgを保険適用(3割負担)で1ヵ月4錠の処方を受ける場合、薬代は1,500円程度が目安です。その他、診察料などの追加費用がかかります。
Q3
バイアグラは保険適用外だといくらですか?
A3
自由診療であるフィットクリニックの場合、バイアグラジェネリック50mg1錠の値段は700円です。診察料は無料で、まとめ買いをすることで1錠あたりの価格を抑えることができます。
Q4
バイアグラは70歳以上でも保険適用になりますか?
A4
男性の不妊治療には、女性の不妊治療のような年齢制限はありません。
そのため、条件を満たせば男性の年齢に関係なく70歳以上も保険適用でバイアグラの処方を受けられます。
Q5
保険適用になるように虚偽申告をしたらどうなりますか?
A5
保険適用により3割負担だけでバイアグラを手に入れたいからといって、虚偽の申告をするのは絶対に避けてください。不正に健康保険証を使うと、医療費の返還義務が生じます。バイアグラの使用目的が不妊治療でなくED治療の場合は、正確に申請し、自己負担で処方を受けましょう。
Q6
男性不妊の治療は保険適用ですか?
A6
ED治療薬である「バイアグラ」、「バイアグラODフィルム」、「シアリス」が不妊治療目的に限り保険適用です。
また、男性不妊の原因である精管閉塞、先天性の形態異常、逆行性射精障害、造精機能障害などに対する手術療法や薬物療法も保険適用となります。
Q7
ED治療薬は妊娠に影響しない?
A7
ED治療薬を使用しても精子の運動量、数、射精の際の精液量に影響はありません。
精液への成分の移行もごく少量(投与量に対して0.0002%未満)なため、妊娠しても胎児に影響はありません。