
禁煙方法には主に以下の3つがあり、成功率の順に並べてあります。
①位:禁煙外来で禁煙治療の飲み薬の処方
②位:禁煙補助薬のニコチン製剤を使う
③位:自力での禁煙
1位の方法は3位の方法に比べ、禁煙成功率が約3倍高いという特徴があります。
スパッと禁煙する方法をお探しの方は、ニコチン依存度のチェックリストをぜひ是非ご活用ください。
それぞれの禁煙方法の特徴や適したタイプについて、禁煙をする際に大切な準備についても解説しています。
↓このページでは禁煙方法のランキングのほか、禁煙失敗の原因、禁煙を成功させるためのコツについて解説していきます。
あなたが知りたいことは?
チェックリストであなたにぴったりの禁煙方法を診断

自分に合った禁煙方法を知るためにも、まずは今の状態を把握しましょう。
「TDS(Tobacco Dependence Screener)」と呼ばれるニコチン依存度テストを使えば、10個の問いに当てはまるものを選択するだけで依存度を判定できます。
TDSニコチン依存度テスト | ||
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問1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? | |
問2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? | |
問3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか? | |
問4 | 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか? (イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
|
問5 | 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? | |
問6 | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? | |
問7 | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? | |
問8 | タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? ※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。 |
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問9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? | |
問10 | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? | |
合計:10 / 10点
5点以上が「ニコチン依存症」 |
もし5点以上であれば、「ニコチン依存症」です。
自力での禁煙が難しく、1日の喫煙本数によってはつらい離脱症状も出やすくなります。
各禁煙方法の成功率に沿って、おすすめの禁煙方法を以下のように独自に設定しました。
おすすめの禁煙方法
5点以上:
喫煙本数の多いヘビースモーカー向け。
他の方法で禁煙に失敗したことのある方や、楽に効果の高い方法でスパッと禁煙したい人に選ばれています。
治療を受ける際に条件がある場合があります。
1~4点:
ニコチン依存度が平均的なミドルスモーカー向け。
重を増やしたくない、比較的楽に禁煙したい方が適しています。
正しい方法ではないと効果が得られにくく、普段の生活でパッチやガムが使用できない方には不向き。
0点:
喫煙本数の少ないライトスモーカー向け。
依存度が少なく、薬に頼らずご自身の力で克服を望む方が適しています。
自力での禁煙の場合、失敗する確率が高い。
ただし、飲み薬による禁煙方法は4点以下の禁煙にも十分有効です。
ここからは各禁煙方法について、「向いている人」も含めてランキング形式で解説します。
禁煙方法のランキング

おすすめの禁煙方法を成功率が高い順にランキング形式でご紹介します。
特に禁煙補助薬の紹介には、それぞれ「向いている人」についての情報も入れているため、自分にどの禁煙方法が合うか考えながら確認してみてください。
成功率1位:飲み薬での禁煙方法

禁煙成功率が最も高いのは、飲み薬のチャンピックスです。
何も使わず禁煙するのに比べ3.1倍の禁煙成功率があります。

チャンピックスは離脱症状を抑えるほか、ニコチン製剤にはない「タバコをおいしくなく感じさせる機能」があり、禁煙がグッとやりやすくなる禁煙補助薬です。
さらに、チャンピックスジェネリックはニコチン成分を含まないため、循環器疾患のある方でも使用しやすい特徴があります。
チャンピックスが向いている人
- 1日1箱以上吸うヘビースモーカー
- パッチやガムなどの禁煙補助薬で禁煙に失敗した人
- ニコチンを含んでいない薬を求める人
- 自力での禁煙が難しいと感じる人
なおチャンピックスは現在、先発薬が製造中止のため、治療にはジェネリックを使う必要があります。
フィットクリニックのチャンピックスジェネリック
フィットクリニックではチャンピックスジェネリックの処方を行っています。
製品 | 価格(税込) | 1日あたり |
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12週間禁煙プログラム | 36,000円 | 429円 |
24週間禁煙プログラム | 64,800円 | 387円 |
各プログラムの要点 | |
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12週間禁煙プログラム | チャンピックスの基本の治療期間である12週間をカバーできるプログラム。 |
24週間禁煙プログラム | 禁煙の継続をしっかりサポートする24週間の長期プログラム。 1日あたりの費用を抑えられ、コストパフォーマンスにも優れています。 |
離脱症状を抑えたストレスの少ない禁煙方法を探している方は、下のボタンより診察をご予約ください。
なお、当院では予約~処方まで自宅で完結するオンライン診療での処方も可能です。
成功率2位:ニコチン製剤での禁煙方法

成功率2位は、ニコチンパッチ・ガムなどのニコチン製剤による禁煙方法です。
ニコチン製剤は、ニコチンを少量摂取することで離脱症状を抑えながら禁煙を目指します。
ただし、チャンピックスのような「タバコをおいしくなく感じさせる効果」はありません。
ニコチンパッチ |
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![]() ニコチンを皮膚から吸収させて離脱症状をやわらげる、貼るタイプの薬 |
ニコチンパッチが向いている人
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画像出典:ニコチネルTTS|GSK-グラクソ・スミスクライン
ニコチンガム |
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![]() 吸いたくなった時に噛む、即効性のあるガムタイプの薬 |
ニコチンガムが向いている人
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画像出典:ニコチネル|GSK-グラクソ・スミスクライン
第一類医薬品のため、市販薬として購入が可能です。ただし市販薬は成分量が少ないため、重度のニコチン依存症の場合は、医療機関で処方される成分量の多いものをご利用ください。
なお、フィットクリニックではニコチン製剤の取り扱いはないためご了承ください。
ライトスモーカー・ミドルスモーカーの方で、ニコチン製剤を使用してもタバコをやめにくい場合は、是非チャンピックスジェネリックを利用してみましょう。
成功率3位:自力での禁煙方法
自力での禁煙は成功率約10%と言われており、失敗する人がほとんどとなっています。
以下の内容はどの禁煙方法を使うにも大切な内容ですが、自力で禁煙する場合はより入念に準備しておくと良いでしょう。
自力での禁煙方法
- 離脱症状の対処法を決める
- 喫煙の代替行動を知っておく
- 喫煙具を処分する
- 身近な人に禁煙を宣言する
禁煙失敗の原因は「3つの依存」
タバコをやめたいのにやめられないのは、ご自身の意志が弱いからではありません。
含まれているニコチンの強い依存性が原因で、タバコをやめようにもやめられない状態に陥っているためです。
薬物(合法・非合法)の依存度 | |
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薬物名 | 依存性スコアの平均値 |
ヘロイン | 3.00 |
コカイン | 2.39 |
タバコ | 2.21 |
アルコール | 1.93 |
アンフェタミン(覚醒剤) | 1.67 |
マリファナ(大麻) | 1.51 |
【出典】Nutt D, et al. Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse. Lancet 369:1047-53,2007.
依存性のみに関して、危険ドラッグと比較しても数値がほぼ変わらないため、タバコは嗜好品というより、むしろ薬物に近い依存性があります。
こうしたタバコへの依存を「ニコチン依存症」と呼び、身体に悪いとわかっているものの、喫煙による快感や欲求を満たすため、タバコに火を付ける行為が繰り返されます。
ニコチン依存には、「身体的依存」「心理的依存」「習慣的依存」の3つの依存があります。

それぞれの依存について以下で詳しく解説します。
原因01:身体的依存
身体的依存とは、ニコチン依存症のことを指します。
身体がニコチンに依存する仕組みを見てみましょう。

タバコを吸うと気分が良くなり美味しさを感じるのは、ニコチンによりドーパミンを始めとした様々な脳内神経伝達物質が放出され、快感やリラックス、目が覚める感覚になるからです。
喫煙が繰り返されると、気分が良くなる脳内神経伝達物質の放出が自力では出来なくなり、 喫煙時のニコチン頼りになってしまいます。
そのため、ニコチンが欠乏すると脳内神経伝達物質の放出も無くなるため、脳が不快感を覚えるようになります。
これがいわゆる「ニコチン切れ」と呼ばれる離脱症状になり、イライラや集中力の欠如、喫煙が我慢できなくなるなどの症状が現れます。
またニコチンの特徴として、喫煙の回数が増えてくると同じニコチン量では満足できなくなり、より喫煙量が増えていきます。
依存の悪循環に陥り、タバコをやめようにも「ニコチン切れ=不快感・ストレス」と強く感じてしまい、禁煙失敗の原因になってしまいます。
原因02:心理的依存
タバコを吸うと、「ストレスの解消」「スッキリする」「気分が良い」「仕事がはかどる」などと感じる方も多いでしょう。
しかし、こうした気持ちは脳が起こしている錯覚で、「心理的依存」と呼ばれるものです。


あたかも喫煙によりコンディションやモチベーションをUPさせると思い込んでしまい、気付けばタバコが心の拠り所になってしまいます。
何か嬉しいことや良いことがあった場合の一服も、より充実感を感じるものとして結びつくようになります。
そしてそれは、喫煙歴が長い方ほど心理的依存が強くなり、思い込みだと自覚できない傾向にあるのです。
人によってはお酒を飲む時、パチンコ、食後など「タバコ=楽しみ」が結び付き、タバコが必要なものだと認識してしまう場合もあります。
錯覚や思い込みによるタバコに対する良かった思い出やプラスのイメージが、禁煙を失敗させる原因の1つになっていることは覚えておきましょう。
原因03:習慣的依存
事あるごとについ一服してしまうのが、習慣的依存です。
生活パターンの中に「タバコを吸う」ことが組み込まれてしまい、喫煙と行動が結びついてしまいます。

何かのアクションの前後に必ずタバコを吸いたい衝動にかられ、間が持たない場合など無意識にタバコに手が伸びてしまうこともあるでしょう。
長年染み付いた習慣はある種の癖のようなもので、わかっていても意識的に抑えるのが難しいです。
しかもタバコが吸いたくなるシチュエーションが所々にあるので、タバコをやめられない原因につながってきます。
【独自調査】禁煙経験者の失敗した理由
当院が独自に行ったアンケート調査では、以下のような結果が出ています。

禁煙に失敗した人に行った調査では、禁煙の失敗理由として「周りの喫煙者の影響」が55.5%を占め、最も多い結果となりました。
依存性の強さだけではなく、周囲の環境も禁煙の失敗に大きく関わっていることがわかります。
なお、禁煙に成功した人に行った調査では、禁煙に成功した理由として以下の項目が上位となりました。
■【独自アンケート】禁煙経験者の成功・失敗した理由
1位 自制心が強かった(60.5%)
2位 薬やパッチ、ガムなどのサポート(30.5%)
3位 周りの協力があった(21.0%)禁煙には「今度こそ禁煙を成功させよう」という強い意志も大切ということが、調査結果にあらわれています。
簡単に始められる!禁煙に失敗しないためのコツ

禁煙したいと思っても、数時間ももたずに失敗したという経験は禁煙ではよくあることでしょう。
ただ、「禁煙失敗=意志の弱さ」と結びつけてはいけません。
多くの方がコツを知らずに禁煙に挑戦してしまっているだけで、これからご紹介するコツを実践すれば成功率は高まります。
ついタバコを吸わないことをゴールに置いてしまいがちですが、その前にどう禁煙するのか、プロセスを練ることに禁煙成功のコツがあります。
行き当たりばったりで無計画にタバコをやめるのではなく、決心・実行・維持の3つのサイクルを計画的にこなしていきましょう。
3つのプロセスについてそれぞれ詳しく解説していくので、自力で禁煙に挑戦するのであれば参考にしてみてください。
①禁煙を決心する

喫煙者にとって、禁煙は大きなイベントですが、まずは「禁煙する!」と決心しましょう。
そして決心した後に、最初に取り組んでほしいのはイメージすることです。
この時イメージする上で注意したいのは「禁煙に成功している自分」をイメージするのではなく「禁煙するまでのプロセス」をイメージすることです。
◯:「禁煙するまでのプロセス」をイメージする
✕:「禁煙に成功している自分」をイメージする
禁煙に成功している自分をイメージするだけでは、禁煙できたような気分になって終わってしまい実際には禁煙できないことが多いです。
そうではなく、禁煙に必要なものや禁煙までのプロセスをイメージしましょう。
プロセスをイメージすることで実際に行動に移すことができるので禁煙ができます。
次に、禁煙を決心した上で具体的に起こすと良いプロセスをご紹介します。
禁煙計画を立てる
禁煙計画を立てる際にポイントになるのが、自分がどんなシチュエーションでタバコを吸いたくなるかです。
寝起き、食後、ほっと一息つく時、時間潰しなど、人によってタバコを吸いたくなるタイミングはさまざまでしょう。
当たり前になった喫煙習慣をもう一度見直すことによって、いつが我慢のしどころかが分かるようになります。
「タバコをずっと我慢しなきゃ」と力むよりも、吸いたい時にどう我慢するかだけを考えれば良いので気持ちが楽になるはずです。
また、タバコを吸ってしまった時の考え方も大切です。
◯:「しょうがない」と割り切って禁煙を再スタートする
✕:「自分には無理だ」と禁煙をやめてしまう
自力での禁煙はスモールステップアップの繰り返しなので、一度失敗したからといって諦めず、吸わないでいられる時間を少しずつ伸ばしていきましょう。
「禁煙する!」と周囲に宣言する

「禁煙する!」と声に出し、周囲に禁煙の決意を宣言することが大切です。
家族、恋人、友人、職場、誰でも構わないので、ツラい時に支えてくれるサポーターを周囲に増やしてみてください。
また、周囲に宣言するのは、引っ込みがつかない状況を作り出す意味もあります。
周囲は「無理でしょ」「続かないよ」と言ったり、あえて誘惑してくるかもしれませんが、マイナスな言葉や逆境がモチベーションをUPさせることも。
- 協力者や禁煙仲間が現れる
- 「どうせできない」と言われたら反骨精神でエネルギーに変えられる
- タバコ仲間の誘いを断りやすくなる
1人でこっそり禁煙する方が良いという方もいますが、孤独感はタバコに手を伸ばす原因にもなりがちです。
禁煙を宣言するメリットの方が多いので、思い切って禁煙宣言をしてみましょう。
吸いたい気持ちをうまくコントロールするためにも、時には他人をあてにすることが禁煙への近道といえます。
②禁煙を実行する

禁煙する決心がついたら、その日からスッパリやめましょう。
中途半端に吸ったり吸わなかったりを繰り返してしまうと、ニコチン依存症が解消できず、いつまでもニコチン切れによる離脱症状に悩まされます。
ツラい経験を重ねてしまうと、かえって禁煙が難しくもなるので、「ツラい症状は1回きり」の気持ちで挑戦してみてください。
禁煙を実行に移す際のコツがあるので、チェックしてから禁煙をスタートさせていきましょう。
締め切りを2つ作る
ズルズルと禁煙を先延ばしにしてしまい行動に移せないという事態を避けるために、締め切りは2つ作るのが理想です。
①禁煙スタートの締め切り
(いつまでにはじめるか)
②完了の締め切り
(どのくらい吸わずにいられたか)
禁煙を始める具体的な締め切りを設定すると、ズルズルと禁煙を延ばすことを防ぎ、具体的な目標に向けて進むことができます。
また、禁煙を続ける期間を明確に設定することは、モチベーションを高める上で効果的です。
完了の締め切りを設けることで、一定期間禁煙を続ける目標ができ、それに向かって取り組むことができます。
また、完了の締め切りが近づくにつれて、自身の成果を実感することができ、禁煙を継続する意欲が高まるでしょう。
「一生吸わない」と気負ってしまうと、終わりのない目標に途中で疲れてしまうこともありえます。
小さな目標をいくつも作って乗り越えていくことで、禁煙を続ける自信につながりやすくなります。
気づけば禁煙○○年くらいの感覚がちょうど良く、やがては「吸わない」を選べる生活が訪れるはずです。
逃避行動をしない
禁煙できるか自分を試したいからといって、ウォーミングアップするのはNGです。
罪悪感による逃げ道や言い訳を生み出す原因になってしまうので、タバコに関わることは生活から全て取り払うようにしましょう。
- 1日の喫煙本数を減らす
- ニコチンやタールの低いタバコに変える
- 加熱式タバコや電子タバコに変える
こうしたNG行動がニコチンへの依存を強めることも示唆されており、つい出来心のお試し感覚が今後の禁煙を難しくしてしまう可能性があります。
タバコの種類を変えても、禁煙したことにはなりません。
せっかく禁煙を決心したのであれば、やめると決めたその日からスッパリやめ、目標に対し吸わずにどれだけいられたかに挑戦してみてください。
禁煙状況を記録・報告する
タバコをどれだけ吸わずにいられたかの禁煙状況は、毎日記録したり、身近な人に報告することを習慣にしてみましょう。
- 禁煙成功を体感だけでなく視覚化できる
- 誰かに見られていると思えばモチベーション維持につながる
- 禁煙失敗の原因がわかりやすくなる
わざわざ記録したり、報告するのは面倒と思うかもしれませんが、毎日記録することで自分の行動をコントロールできるようになります。
「口に出すと叶う」と言われていますが、禁煙も例外ではありません。
「かならず禁煙する!絶対やる!」と言いながら喫煙してしまうのは、言葉と行動が一致しないため、心理的に抵抗感が生じます。
人間は「自分の言葉と行動を一致させたい」と思っているため、言葉にすることで、言葉の通りの自分に近づく行動が取れ、セルフマインドコントロールができます。
また、メモ程度でも日記をつけてみたり、ブログやツイッターなどを使って禁煙仲間が増えれば、それだけでも心強いはずです。
日々の禁煙状況を文字に起こしたり、発信し続けることで、不思議と禁煙日数も1日、2日と伸びていく可能性が高まります。
禁煙補助薬を使って成功率を上げる
自力での禁煙よりも、禁煙補助薬に頼った方が禁煙成功率は高まることがわかっています。
2017年の全国的な調査では、最後まで治療を受けた人の約80%が少なくとも4週間以上の禁煙に成功し、約50%が9ヶ月以上にわたって禁煙を持続できたというデータもあるほどです。
自力での禁煙は、成功率が10%程度と考えられています。
これを踏まえると、2人に1人が1年近くの禁煙に成功している禁煙補助薬は積極的に用いるべきと言えます。
治療費こそかかりますが、タバコ代が浮くことを考えれば、将来にわたっての金銭的なメリットは大きいです。
「1回で禁煙に成功したい」という思いがあるならば、クリニックなどに相談して禁煙補助薬の処方を受けてから禁煙することも検討してみてください。
③禁煙を維持する

禁煙スタートから3日以内は山場とも言われ、離脱症状が強く出るタイミングです。
そこから約1週間、長くても2~3週間で、ニコチンによる依存から解放されます。
この時期さえ乗り越えてしまえば、後は禁煙を維持していくだけです。
ただし、ここで気を緩めてはいけません。
ふとした時に吸いたい気持ちがぶり返されることもあるので、禁煙を維持するコツについてもしっかりおさえておきましょう。
「禁煙できる!」と自己イメージを持つ
「自分は絶対に禁煙できる!」と自己イメージを高く持ち、タバコが恋しいと思う気持ちをセルフコントロールしていきましょう。
「自分は絶対に禁煙に成功できる」と口に出して言えば、行動も伴うようになり、タバコへの考え方も変わっていくことで禁煙成功率も高まります。
また、タバコに良いイメージを残してしまうと、ふたたびタバコに火をつけてしまう危険性があります。
できるなら、タバコを吸うことに対してのマイナスイメージを持つようにしてみてください。
- 健康を損ねる
- 大切な人の受動喫煙
- 毎月の出費がかさむ
- 時間を浪費する
つい出来心のたった1本が、全てを台無しにすることも珍しくありません。
吸いたくなったら踏ん張りどころと思って、気持ちの面でタバコの誘惑に負けないようにしましょう。
「環境」を変えてタバコの誘惑を避ける
タバコを吸っている人を見れば、吸いたい衝動にかられることもあります。
そのため、自らタバコを遠ざける環境を作ることが大切です。
- タバコ、ライター、灰皿を捨てる
- 喫煙者に近づかない
- 喫煙所に誘われても行かない
- タバコを吸いたくなるような場所を避ける(喫茶店など)
- お酒の席は控えめにする
「捨てる・買わない・もらわない」の3つをルールとしてみてください。
また、できることならタバコの臭いが染み付いたものは捨てたり、消臭するようにしましょう。
ふとした時にタバコの臭いがすると、吸いたい気持ちが駆り立てられてしまうこともあり、落ち着く環境ほど誘惑に負けやすくなります。
環境が変わると気分も一転するので、意識的に吸わない環境づくりを整えるよう心がけていきましょう。
「行動」パターンを変える
喫煙者のほとんどがタバコを吸うことが習慣化されており、生活パターンと行動が結びついてしまっています。
習慣を見直すことでタバコと行動を切り離し、吸いたい気持ちをコントロールしていきましょう。
- 朝一番の行動をタバコ以外にする(歯磨き、洗顔、シャワーなど)
- タバコとセットになっているコーヒーやアルコールを控える
- 食後の一服をしないためにもすぐに席を立つ
- タバコのことを考えないためにも夜ふかしをやめる
他にもタバコとセットになっている行動はいろいろあり、無意識にタバコを探してしまうこともあるはずです。
癖のようなものとも言えるので最初は戸惑うかもしれませんが、少しずつでも行動パターンを矯正していってみてください。
「代わりのこと」でまぎらわせる
どうしてもタバコを吸いたくなった時のために、代わりのものを用意しておくことで気分を紛らわせることができます。
タバコが吸いたくなる場面と代替行動
吸いたくなる場面 | 代わりの行動 |
---|---|
口寂しさを感じる | ⇒ ガムやアメ、フリスクなどを使う |
気分転換 | ⇒ 歩いたり、体操する |
お酒を飲んだ時 | ⇒ 冷たい水やお茶などを飲む |
イライラした時 | ⇒ ゆっくりと深呼吸する |
手持ち無沙汰 | ⇒ 掃除や細かい作業をする |
ひょんなことからタバコが欲しくなることがあり、さまざまなシチュエーションで吸いたい気持ちが突然現れます。
吸いたくなった時の保険として、タバコの代わりになるものを見つけておくと、楽に禁煙を維持できるようになるはずです。
まとめ:あなたにぴったりの禁煙方法で無理なく禁煙しましょう
最後に、禁煙方法についておさらいしておきましょう。
■禁煙方法まとめ
- 禁煙方法には飲み薬・ニコチン製剤の使用、自力での禁煙がある
- お薬を使えば、自力よりも禁煙成功率が2~3倍に高まる
- 自力で禁煙するなら環境・習慣(行動)を見直すことが大切
- 自分の意志だけで禁煙できる人は一握り
禁煙方法には「お薬」と「自力」の2通りあり、失敗を繰り返したくないのであれば、禁煙補助薬のサポートを受けるのが懸命な判断になります。
特に飲み薬であるチャンピックスは2人に1人以上が禁煙に成功しているとのデータもあるため、積極的に取り入れることが望まれます。
禁煙するのに、遅いということはありません。禁煙は、「したい」と思った時に始めるのがベストです。
さらに、禁煙の成功は難しいため、一度失敗しても気に病むことはありません。何度かチャレンジすることで、次はどうすればいいかわかることもあります。
あらためてご自身の喫煙習慣を振り返ってみて、禁煙するためには「何が必要か」を考え、今後の禁煙に活かしてみてください。
禁煙方法によくある質問
-
- Q
成功率の高い禁煙方法はなんですか?
- A
成功率の高い禁煙方法は、飲み薬(チャンピックス)による禁煙です。
- Q
-
- Q
なぜ飲み薬での禁煙治療がおすすめなのですか?
- A
チャンピックスには離脱症状を抑え、タバコをおいしくなく感じさせる効果があるため、他の禁煙方法よりもスムーズに禁煙を進めることができます。
ただしチャンピックス先発薬は現在出荷停止中のため、ジェネリック薬を使う必要があります。
- Q
-
- Q
自力で禁煙する方法はありますか?
- A
例として、以下の方法があります。
- 吸いたくなった時に代わりに取る行動を決めておく
- 周囲に禁煙宣言をする
- タバコやライターを処分する
そのため禁煙補助薬などと併用して上記の対応をするのが望ましいです。
タバコを吸いたい時どう我慢するかなどについては以下で詳しく解説しています。
- Q
-
- Q
飲み薬が向いている人はどんな人ですか?
- A
飲み薬(チャンピックス)が向いているのは、以下の人です。
- 1日1箱以上吸うヘビースモーカー
- パッチやガムなどの禁煙補助薬で禁煙に失敗した人
- ニコチンを含んでいない薬を求める人
- 自力での禁煙が難しいと感じる人
- Q
-
- Q
妊娠中の禁煙方法について教えてください。
- A
妊娠がわかっても喫煙を続けている場合は、禁煙成功率が高いチャンピックスの使用を担当医と相談してみてください。
ニコチン製剤は妊娠中は使用できないので注意しましょう。
- Q
-
- Q
タバコをやめた何日目が一番きついですか?。
- A
ファイザーのアンケート調査によれば、自力で禁煙に挑戦した1,414人のうち、再び喫煙してしまうまでの期間の割合は3日以内が31.8%と一番多い結果となりました。
このことからタバコをやめて3日以内が一番きつい期間といえます。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください