ただし、シロップタイプは食事の影響を受けるため、空腹時の服用が推奨されています。具体的には、食後2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えることが望ましいです。
ジスロマックの効果・副作用・飲み方について徹底解説!

このページでは、さまざまな細菌感染症の治療で処方されるジスロマックの効果や副作用について詳しく解説しています。
飲み方や注意点などにも触れていますので、ジスロマックを服用する際の疑問や不安があれば参考にしてみてください。
ジスロマックの基本情報
薬品名 | ジスロマック |
---|---|
有効成分 | アジスロマイシン |
効果 | 感染症の原因となる細菌の増殖を阻止または殺菌する。 |
飲み方 | 4錠/1回(1,000mg)をコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用する。 |
副作用 |
|
ジェネリックとの違い |
ジスロマックには同等の効果を持つジェネリック医薬品があり、低価格で利用しやすい。 |
なお、当院では「ジスロマックジェネリック」を処方していますので、気になる症状がある方は以下のボタンよりご予約をお願いいたします。
ジスロマックとは?

ジスロマック(有効成分:アジスロマイシン)とは、細菌を原因とするさまざまな感染症に用いられるマクロライド系の抗菌薬です。
細菌が増殖に必要なタンパク質をつくる器官(リボソーム)の働きを阻害し、新たな細菌が増殖するのを防ぐことで抗菌作用を発揮します。
また、人の細胞も新しいタンパク質を作るためにリボソームを使用しますが、ジスロマックは形状が異なる細菌のリボソームだけを選択的に阻害します。
- 人:80S(60S+40S)
- 細菌:70S(50S+30S)
そのためジスロマックは人の細胞には影響せず、感染症の原因となる細菌にのみ抗菌作用を示します。
ジスロマックの効果とは?何に効く薬?

ジスロマックは感染症の原因となる細菌の増殖を阻止または殺菌する効果があります。
細菌を原因とする感染症はいくつかありますが、ジスロマックの効果が期待できるのは次の感染症です。
- アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌
- 淋菌
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- インフルエンザ菌
- レジオネラ・ニューモフィラ
- ペプトストレプトコッカス属
- プレボテラ属
- クラミジア属
- マイコプラズマ属
また、性病の1つであるクラミジアによる尿道炎や子宮頸管炎に対しては、1回に高用量(1,000mg)を服用することで陰性化率が高いことがわかっています。
-
投与から15日目
⇨ 陰性化率 86.7%(98/113名) -
投与から29日目
⇨ 陰性化率 90.7%(98/108名)
1回の治療で90%前後の方が治癒するため、クラミジア治療ではジスロマック(アジスロマイシン)が第一選択薬となっています。
ジスロマックの飲み方と注意事項

ジスロマック錠の飲み方は、次の通りです。
4錠/1回(1,000mg)をコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用
1回で高用量を服用すると、抗菌作用が1週間以上持続します。
服用は1日のみなので、飲み忘れることなく、安定した治療効果を期待できます。
ただし、薬が効いている時間が長いため、他の病気の治療が必要になった場合には飲み合わせに注意が必要です。
飲み合わせによってはどちらの治療にも影響が出ることがあるので、医師にジスロマックを服用している旨をお伝えください。
他にもジスロマックの注意事項がいくつかあるので以下で解説していきます。
注意①:医師の指示通り服用する
ジスロマックは、医師の判断のもと細菌の種類や症状によって服用方法が変わります。
服用回数や用量など飲み方を自己判断してしまうと十分な治療が行えず、場合によっては症状が長引かせてしまうことがあるのでご注意ください。
また、抗菌薬すべてに言えることですが、医師から処方された分は飲み切るのが基本です。
「症状が消える=完治」ではなく、わずかな菌でも残っていれば症状をぶり返したり、薬剤耐性を持った菌が増えてしまうリスクもあります。
①抗菌薬の効かない菌が増える
↓
②治療が難しくなる(薬の種類が限られる)
↓
③流行や重症化のリスクが高まる
↓
④治療がさらに難しくなる
ジスロマックもすでに薬剤耐性菌の報告があり、十分な治療効果が得られない菌が増えつつあります。
自己判断で服用方法は変更せず、必ず医師の指示通りに服用するよう心がけてください。
注意②:服用したら飲酒は控える
ジスロマック服用後は、感染症が治癒するまで飲酒を控えるのが一般的です。
アルコールによって次のようなリスクが考えられ、体調を崩してしまう原因にもなるのでご注意ください。
-
副作用が出やすくなる
⇨ 下痢が起こりやすくなる
副作用の出やすさには個人差もありますが、下痢が起こりやすく、アルコールによってさらにお腹を下してしまう可能性があります。
また、感染によって身体の抵抗力が落ちているので、飲酒によって体調をより崩しやすくなる可能性もあります。
飲酒との併用を認めている抗菌薬はないことからも、治療期間中の飲酒は控えるようにしてください。
-
成分の代謝に影響する
⇨ 抗菌作用が不安定になる可能性がある
ジスロマックの有効成分アジスロマイシンは、肝臓で代謝される成分です。
アルコールによってアジスロマイシンの代謝・排泄に影響が出てしまい、抗菌作用が不安定になってしまう可能性があります。
肝臓への負担を考えても飲酒は控えるのが望ましいです。
注意③:予防のために飲むのはNG
ジスロマックは感染症の予防を目的に飲むことはできません。
人に感染するのは細菌だけでなく、ウィルスや真菌(カビの一種)、寄生虫などさまざまです。
何に感染しているか分からない状態でジスロマックを服用しても予防にはならず、副作用リスクだけが残ってしまいます。
ジスロマックは、一部の細菌にのみ効果が認められている抗菌薬です。
検査の結果によって、服用する抗菌薬の種類が異なる場合があります。
そのため、感染の原因を特定してから必要な場合にのみ抗菌薬を服用することを覚えておいてください。
ジスロマックの副作用

ジスロマックの副作用として起こりやすいのが、胃腸症状です。
- 下痢
- 腹痛
- 悪心
- 嘔吐
- 腹部の不快感
- 腹部の膨満感(張り)
これらの症状は、ジスロマックが腸内細菌に作用してしまうために起こります。
注意点としては、ジスロマックは1週間以上作用するので、服用翌日以降に副作用が出ることがあります。
症状は軽度なことがほとんどですが、服用から1週間前後は念のため副作用にご注意ください。
なお、特に起こりやすい「下痢」については、気になるようであれば整腸剤で対処も可能です。
市販薬でも問題ないので、お腹の調子が悪い時には併用も検討してみてください。
ジスロマックを服用できない人・飲み合わせについて

ジスロマックは、医師の確認が必要な服用上の注意点があります。
治療効果に影響することや、人によっては服用により副作用が出やすくなることもあります。
医師が判断するので大きな心配はありませんが、持病や服用中の薬、アレルギーなどがあれば診察時に申し出るようにしてください。
参考までに服用できない人や飲み合わせ(併用注意・併用禁忌)について次で解説していくので、該当するものがないか確認してみてください。
ジスロマックを服用できない人
次に該当する人はジスロマックを服用できません。
過去にジスロマック錠に含まれる成分で過敏症のあった人
過敏症とはアレルギーのことです。
ジスロマックに対してアレルギー経験がある方は、次に同じ成分が体内に入った時に「アナフィラキシー」と呼ばれる重いショック症状を起こすおそれがあります。
薬を内服することで皮膚に発疹(薬疹)が見られることが多いですが、呼吸器や消化器、循環器、神経などさまざまな臓器に影響することもあるのでジスロマックを服用できません。
また、服用が禁止されてはいないものの、医師の判断によっては服用できない人もいます。
- 過去に他のマクロライド系またはケトライド系薬剤で過敏症のあった人
- 心疾患のある人
- 高度な肝機能障害のある人
- 妊婦または妊娠している可能性のある人
- 授乳中の人
ジスロマックの服用によって持病に影響するおそれがあり、場合によっては治療にあたる主治医の判断が必要になることもあります。
なお、妊婦や授乳婦については、ジスロマックの治療によるメリットがリスクを上回ると判断された場合にのみ処方となります。
ジスロマックの併用注意
ジスロマックの服用にあたって、併用注意に指定されている薬は次のとおりです。
-
制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)
⇨ 有効成分アジスロマイシンの血中濃度の低下よって効果が得にくくなる -
ワルファリン
⇨ ワルファリンの効果を増強させてしまう -
シクロスポリン
⇨ シクロスポリンの効果が強くなってしまい、代謝も遅れることで副作用が出やすくなる -
ネルフィナビル
⇨ ジスロマックの効果を増強させることがある -
ジゴキシン
⇨ ジゴキシン中毒の発現率が上昇する可能性がある -
ベネトクラクス
⇨ ベネトクラクスの効果が減弱するおそれがあるため併用を避けるのが望ましい
それぞれの治療効果を不安定にすることがあるので、常用している場合はもちろん、新たに薬が必要になった際も医師に相談するようにしてください。
ジスロマックの併用禁忌
ジスロマックとの併用が禁止されている薬の報告はありません。
今後追加される可能性はあるので、その都度医師の指示に従うようにしてください。
ジスロマックの保管方法

ジスロマックの保管方法は、次のことに注意が必要です。
- 室温(1~30℃)で保管
- 子供の手の届かないところに保管
他にも直射日光や高温多湿なところで保管してしまうと、薬の変質によって品質が保てなくなることがあるので保管場所にご注意ください。
なお、治療継続が難しくなったなど特別な事情から錠剤が手元に残った場合、保管せずに処分してください。
他の感染症の治療に代用することはできず、友人や家族に譲渡することもできません。
ジスロマックとジェネリックの違いは?効果や価格を比較

ジェネリック(後発薬)とは、先発薬の特許が切れたタイミングで、他の製薬メーカーが同じ有効成分を用いて製造販売する薬です。
すでに開発されている成分を用いるので時間や費用といった開発コストが抑えられ、先発薬よりも低価格での処方が可能となっています。
ジスロマックとジェネリックの比較まとめ
ジスロマック(先発薬) | ジスロマックジェネリック | |
---|---|---|
効果・効能 | 同等 | |
安全性 | 同等 | |
価格 | 高価 | 安価 |
ジスロマックも特許期間をすでに満了しているため、ジェネリックの処方が受けられます。
医療費を抑える1つの選択肢となることから、治療への影響などジスロマックとの違いについて詳しく解説していきます。
なお、「ジスロマックジェネリック」については以下ページで詳しくご紹介しています。
ジスロマックとジェネリックの効果は同等
ジスロマック(先発薬)とジェネリック(後発薬)は、同じアジスロマイシンを有効成分としており、効果・品質・安全性は同等です。
抗菌薬としての違いはなく、国が定めている4つの厳しい試験をクリアした製品のみがジェネリックとして販売されます。
-
品質試験
⇨ 有効成分の純度や量を確認する検査 -
溶出試験
⇨ 溶け出した有効成分の量を確認する試験 -
生物学的同等性試験
⇨ 先発薬と交互に服用し、血液中の成分濃度を比較する試験 -
安定性試験
⇨ 温度や湿度などによって薬剤の状態変化が基準内であるか確かめる検査
これらの試験をクリアすることで、効果や安全性、品質が先発薬と同等であることが保証されます。
そのためジスロマックと同じように治療に取り入れることができ、有効成分アジスロマイシンが有効な細菌感染症に対して変わらない抗菌作用が期待できます。
価格を重視したい場合はジェネリックがおすすめ
ジェネリックの価格が安い理由は、開発期間や開発費用といったコストに大きな差があるためです。
先発薬とジェネリックの比較
先発薬 | ジェネリック | |
---|---|---|
開発期間 | 約9~17年 | 約3~4年 |
開発費用 | 数百億円以上 | 約1億円 |
先発薬ですでに薬の有効性・安全性が十分に確認されているため、ジェネリックは時間も費用も少なく済みます。
そのため、先発薬と品質や効き目、安全性が同等なジェネリック薬を低価格で処方することができます。
開発コストを大幅に抑えられることで低価格な販売が可能になることで、ジェネリックの普及は個人の負担はもちろん国全体の医療費削減にもつながります。
フィットクリニックの処方価格
フィットクリニックでは性器クラミジアや咽頭クラミジア、マイコプラズマの治療のために、ジスロマックジェネリックの処方を行っています。
また、当院では薬の処方だけでなく、検査キットでの検査も行うことができます。
検査キットも同時に購入または陽性結果による購入で、お薬代が通常価格よりもお安くなります。
当院のジスロマックジェネリックの処方価格
薬品名 | 価格 | 検査込み価格 |
---|---|---|
ジスロマックジェネリック 250mg | 10,000円/4錠 | 8,000円/4錠 |
自由診療となるため保険治療にくらべ費用は高くなりますが、自由診療ならではのメリットもあります。
-
匿名での受診
⇨ 「医療費のお知らせ」に記載されず、家族や会社に知られる心配がない -
オンライン診療に対応
⇨ オンライン上の診察によって検査キットや薬の処方を自宅で受けられる -
検査結果が手軽にわかる
⇨ WEB確認が可能で、手軽に結果が分かるので治療までのタイムラグが発生しにくい
当院では、検査・薬の処方・再検査まですべてご自宅で完結します。
誰にも知られず、できるだけ早く治したいという方のニーズに応えられるため、性病の疑いがある場合は当院までお気軽にご相談ください。
なお、ジェネリックは、一部のネット通販(海外通販)でも販売されています。
ただ偽物や粗悪品の流通も見受けられ、検査に基づいた正しい治療ができなければ症状は悪化する一方です。
場合によっては健康被害のリスクもあるので購入は控え、必ず医療機関で治療するようにしてください。
当院受診のご予約は以下の【電話・WEB・LINE】いずれかのボタンよりお願いいたします。
ジスロマックについてまとめ
ジスロマックについて、これまでの内容をまとめます。
- ジスロマックは細菌感染症に用いる抗菌薬(抗生物質)
- 性器クラミジアであれば1回の治療で90%以上の方が治癒する
- 服用できない人や飲み合わせが悪い薬があるので注意
- ジェネリックを使用すれば治療費を抑えられる
ジスロマックは抗菌薬の中でも比較的新しいため、処方価格も他の抗菌薬にくらべ若干高めです。
同等の効果があるジェネリックであれば負担も抑えられることから、細菌感染症の治療が必要になった際にはジスロマックジェネリックを選んでみてください。
よくある質問
ただし、シロップタイプは食事の影響を受けるため、空腹時の服用が推奨されています。具体的には、食後2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えることが望ましいです。
しかし、胎児への影響がゼロではないので、治療するメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合に限定されます。
症状が消えても完治とならないので、パートナーとのピンポン感染を避けるためにも再検査の結果が得られるまでは性行為やそれに類似する行為はお控えください。
したがって、ジスロマックを予防目的で服用することは推奨されません。コンドームの使用など、セーフセックスを心がけてください。
もし偽物であった場合には治療が遅れて症状が悪化する可能性や、思わぬ健康被害に遭うリスクなども考えられます。
また、感染の確認や治療効果を確認するための検査環境が通販にはないため、購入は控えるべきです。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。