- ビタミン(脂溶性)の不足
- 油漏れ
脂溶性ビタミン(A・D・E・K)が不足すると身体に不調が起こるため、マルチビタミンとの併用は必須です。
また、意図せず油が排泄されたり、トイレの回数が増えることがあります。
ゼニカルは、肥満治療薬として知られるオルリスタットという成分を含む医薬品です。
オルリスタットは、脂肪を吸収するための酵素であるリパーゼを阻害することにより、脂肪の吸収を減らす効果があります。
このため、ゼニカルを服用することで、摂取した脂肪の吸収を抑えることができ、体重を減らす効果が期待できます。
このページでは、ゼニカルの効果や副作用、さらに服用上の注意点についても詳しく解説しています。
ゼニカルとは、「脂肪吸収阻害薬」と呼ばれる脂質の吸収を阻害するお薬の1つです。
もともと高度肥満や生活習慣病(糖尿病や高血圧など)といった方のための肥満治療薬として処方されていました。
しかし、疾患のない方にも同じ効果が見られたことから、現在ではダイエット薬としても処方されています。
効果や安全性については、欧米諸国をはじめ100カ国以上で認められており、日本でも美容クリニックを中心に処方されています。
ゼニカルの有効成分であるオルリスタットには、消化酵素の働きを阻害する作用があります。
①リパーゼ(消化酵素)の働きを弱める
②脂質が消化されて身体に吸収されてしまうのを抑える
③吸収されなかった脂質は24〜48時間で便といっしょに排泄
こうした作用によって、摂取した脂質の30%を阻害して減量効果や体型維持の効果を発揮します。
海外の試験にはなりますが、次のようなデータが出ています。
ゼニカル120mgを1年間服用:-6.1kg
元の体重が97kgの方が食事制限や運動療法などもなく減量に成功しています。
また、試験を受けた1,561人のうち、元の体重から「5%以上」あるいは「10%以上」減少したという試験結果が出ています。
5%以上:45.3%
10%以上:20.2%
ゼニカルを服用することで日々の脂質摂取量をコントロールすることができるため、着実なダイエット効果が期待できます。
体重の変化 → 2~3週間
見た目の変化 → 6~12ヶ月
個人差があり、体質の差だけでなく、食事内容・量によっても効果が出るまでのスピードは変わります。
脂質の吸収を防ぐお薬なので、炭水化物(糖質)が中心の食生活を送っていると、ゼニカルの効果は出にくくなります。
この間に毎日服用する必要はなく、脂質多めの食事のタイミングで服用すると負担を減らせるはずです。
ゼニカルよりも低価格で同等の効果があるゼニカルジェネリックについては、下記のページで紹介しています。
ゼニカルの服用方法は、次のとおりです。
1日1カプセル(120mg)を3回服用
服用のタイミングとしては、食事中あるいは食後1時間までとなります。
脂質が含まれていない食事を摂る際には服用をスキップでき、食事内容から服用するか判断するようにしましょう。
注意点としては、120mgを超える用量を服用しても追加の効果が期待できません。
副作用の面からも、1回の用量を超えた服用はしないでください。
吸収を阻害された脂質は腸内に溜まるため、下痢と似た症状を起こしたり、トイレに行く回数が増えたります。
また、重い副作用が稀に出ることもあります。
服用中に次のような症状が出た場合、異変を感じるような場合があれば、直ぐ医師に相談してください。
重い肝機能障害
⇨ 食欲減少、皮膚のかゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、琥珀色の尿、明るい色の便、胃の右上部分の痛み など
腎機能障害
⇨ 脚の腫れ、尿量が少ない・出ない、頻尿または排尿痛、血尿、食欲不振、吐き気、嘔吐、背中・腹部、鼠蹊部の激しい痛み など
胆石症
⇨ 胃の右上部分の痛み、吐き気、嘔吐 など
油漏れは、吸収されなかった脂質が無意識に排泄されてしまう症状です。
時にはオナラと同時に油も出てしまうこともあり、下着やズボンを汚してしまうこともあるので対策をしておくと安心です。
男性 ⇨ 尿取りパットや大人用紙オムツの着用
女性 ⇨ ナプキン
ゼニカルは食事に含まれる脂質を阻害するお薬ですが、その際に脂溶性ビタミンも同時に排泄されてしまいます。
ビタミンA・D・E・Kが不足することがあり、夜盲症や皮膚の乾燥、骨軟化症(くる病)、貧血、脱毛などの症状を起こす可能性があります。
ビタミン欠乏症を避けるためにも、ゼニカルの服用の少なくとも2時間前または後に、βカロテンを含んだマルチビタミンを服用するようにしてください。
人によっては必須脂肪酸の吸収量が減ることで、ウロコ状に肌がカサカサになることがあります。
βカロテンも不足するので、肌表面の潤いが失われやすい状態になります。
保湿やサプリメントで肌のカサつき対策を行いましょう。
ゼニカルの併用禁忌薬はありませんが、併用注意薬には次のようなお薬があげられます。
服用しているお薬があれば事前に医師に伝えるようにしてください。
シクロスポリン
⇨ シクロスポリンの作用を弱める可能性があるため、ゼニカルの服用3時間後に服用
レボチロキシン
⇨ 甲状腺機能低下症を起こすおそれがあるため、ゼニカルの服用から少なくとも4時間以上の服用間隔を空ける
ワーファリンなどの抗凝固薬
⇨ ゼニカルによるビタミンKの不足から出血しやすくなる可能性があるので注意が必要
アミオダロン
⇨ アミオダロンの治療効果を低下させる可能性がある
抗てんかん薬
⇨ 痙攣を起こす可能性がある
抗レトロウィルス薬(HIV治療薬)
⇨ HIVウィルス量が増加する可能性がある
以下に該当する方は、ゼニカルの服用ができません。
授乳に関してはゼニカルの成分が母乳に移行するかは不明ですが、胎児・小児に悪影響を与える可能性があるため、妊娠中・授乳期の服用も避けるようにしてください。
ゼニカルのダイエット効果を高めるには、食事制限や適度な運動が効果的です。
取り入れることでより一層痩せやすい身体になり、体重の減少、お腹周りがすっきりしやすくなります。
ダイエット効果を高めたい方はこれから紹介することを実践してみてください。
ゼニカルは食事で摂取した脂質を約30%阻害しますが、炭水化物(糖質)の阻害できません。
そのため、炭水化物を食べすぎてしまうと思うようなダイエット効果が得られない可能性があります。
炭水化物を過度に減らしたり、全く摂取しないと体調を崩しやすくなるので、食事のバランスを見直していくと、よりダイエット効果が望めます。
ゼニカルの服用に加えて、軽めの運動で脂肪燃焼を促すと体重の減少、お腹周り、二の腕などの脂肪が落ちやすくなります。
運動をすることで基礎代謝の向上にもつながるため、痩せやすく、リバウンドもしづらい身体になります。
始めは有酸素運動で脂肪を燃焼させて、慣れてきたら筋トレ(無酸素運動)を取り入れて基礎代謝の向上を図りましょう。
運動は身体にほどよい負荷になるように行い、出来る範囲で行いましょう。
有酸素運動
⇨ 階段の上り下り、ウォーキング、ジョギング
筋トレ
⇨ 脚・お尻・背中・胸などの大きな筋肉のトレーニング
メディカルダイエットでは、他のお薬との併用療法も効果を高める方法の1つになります。
メトホルミンは糖質(お米、パン、麺など)の吸収を阻害するお薬です。
ゼニカルと併用することで糖質と脂質の吸収を抑制することが可能です。
ゼニカルは2023年3月より「アライ」という市販薬として販売予定でしたが、現在(2023年4月4日時点)はまだ販売されていません。
有効成分は同じオルリスタットになりますが、1カプセルあたり用量については、医師処方の半分となる60mgです。
また、アライは「要指導医薬品」として販売予定なのでネット購入はできません。
購入時には必ず薬剤師の確認が必要となります。