治療にかかる費用はすべて自己負担となります。
サクセンダのダイエット効果は?使い方や副作用について

痩せる薬「サクセンダ」はどのくらい痩せることが可能なのか?このページではサクセンダのダイエット効果や使い方、副作用について解説しています。
サクセンダとは

サクセンダとは、食欲抑制ホルモンと同様の作用をするGLP-1を含んだ肥満治療薬です。
肥満症への適応がFDA(米国食品医薬局)やEMA(欧州医薬品庁)から認められており、ダイエットのサポート薬として痩身治療に用いられています。
<アメリカやヨーロッパでの使用対象者>
- BMI 30kg/m2 以上の方で+食事療法と運動療法で体重管理を実行している方
- BMI 27kg/m2 以上の方で+2型糖尿病、糖代謝異常など肥満に起因ないし関連する合併症を1つ以上伴う過体重の方
日本では「未承認適応(適応外使用)」になるものの、ダイエット外来を併設する自由診療のクリニックであればサクセンダの処方が可能となっています。
同じ成分のビクトーザとの違いは?

サクセンダとビクトーザの違いは、次のとおりです。
名称 | サクセンダ | ビクトーザ |
---|---|---|
1回の最大投与量 | 3.0mg | 1.8mg |
1回投与量の調節 | 0.6㎎ずつ | 0.3mgずつ |
適応 | 肥満症(FDAで承認) | 2型糖尿病 |
ビクトーザは糖尿病治療薬としてのみ国内承認を得ているものの、サクセンダと有効成分が変わらないことからダイエット目的で処方を行うこともあります。
また、1回に使用できる用量にもそれぞれ違いがあります。
ダイエットにより高い効果を求めるのであれば、サクセンダの方が体型の変化を実感しやすくなるはずです。
2023年3月には、「ウゴービ」というGLP-1受容体作動薬の製造販売が日本でも認められました。
肥満症の薬としては約30年ぶりの新薬となり、販売時期は未定ではありますが、保険診療でも肥満症が治療できるようになる見込みです。
サクセンダのダイエット効果

ここからは、サクセンダのダイエット効果について順を追って見ていきましょう。
- サクセンダの作用機序
- どのくらい痩せる?いつから痩せる?
- サクセンダとリベルサスどっちが痩せる?
- サクセンダダイエットのメリットは?
詳しいデータも用いているので、サクセンダによるダイエットを検討している方は参考にしてみてください。
サクセンダの作用機序
①リラグルチド(GLP-1)が膵臓に作用
②インスリンの分泌を促す
③食後の血糖値が下がることで糖が脂肪に変わるのを抑える
サクセンダの有効成分であるリラグルチドには、インスリンの分泌を促す作用があります。
この作用によって血糖値が上がるのを抑え、脂肪を溜め込みにくくなる「痩せやすい体質」へと変化していきます。
また、血糖値を下げる作用にくわえて、GLP-1にはさまざまな作用が期待されます。
胃排泄遅延作用 ⇨ 消化管の働きをゆるやかにし、普段よりも少ない食事量で満腹感を感じやすくなる
いくつもの作用によって体重をコントロールしやすくなり、毎日続けることでダイエット効果を期待ができます。
どのくらい痩せる?いつから痩せる?
成人を対象とした1年間(56週間)の研究では、サクセンダの治療によって85%の方に体重減少が見られたことがわかっています。
10%以上の体重減少 33.9%
20%以上の体重減少 〜6%
平均すると21ポンド(約9kg)の減量に成功しており、さらにウエスト周りも3.2インチ(約8cm)減少したことが確認されています。
またサクセンダは、使用開始から2週間目から徐々に痩せ始めます。
ただし、生活習慣や元の体重、年齢、体質などによって、効果が出始めるまでには個人差もあります。
体重や体調の変化を見つつ、医師と相談して治療用量をコントロールしてみてください。
サクセンダとリベルサスどっちが痩せる?
リベルサス(セマグルチド)の治療用量の上限である14mgは、サクセンダ(リラグルチド)の1.8mgに相当すると考えられています。
一方で、サクセンダの治療用量の上限は3.0mgとなるので、単純な用量だけで見るとサクセンダの方が痩せやすいと言えるでしょう。
ただし、治療用量を増やすと効果が高まるだけではなく、副作用が出やすくなることも意味します。
体質などから薬との相性もあるので、必ずしも上記が当てはまるとは限らないので注意してください。
サクセンダでダイエットするメリットは?
サクセンダを使用してダイエットするメリットはいくつかあります。
- 医学的根拠に基づいた体重減少効果のデータがある
- 厳しい食事制限やハードなトレーニングを必要としない
- 依存性がなく、薬が効かなくなる薬剤耐性の心配もほとんどない
データが乏しいのにも関わらず、ダイエット薬をうたう製品はいくつもあります。
サクセンダはそういった薬とは異なり、試験データも豊富で、肥満の方が多いアメリカやヨーロッパなどの28カ国で肥満症に使われる実績のある薬です。
また、ダイエットが長続きしない原因の1つである、厳しい食事制限やトレーニングは必要ありません。
サクセンダダイエットに必要なのは、「目標体重まで続けること」のみです。
使い続けることで薬の効きが悪くなったり、依存してしまう心配もないので、長期にわたって使用できるのもメリットと言えるでしょう。
サクセンダの使い方
サクセンダは注射剤となるため、打ち方や保管方法、注意点といった使い方を覚える必要があります。
人によってはサクセンダの使用ができないケースもあるので、ここから詳しく見ていきましょう。
使用の際に注意すること
サクセンダは1日1回、脂肪の多い「太もも」「上腕」「腹部」のいずれかの部位に自己注射します。
用量はもっとも少ない0.6mgからスタートし、1〜2週間を目安に0.6mgずつ増やし、最大で3.0mgまで増やしていくのが一般的です。
用量を上げると体重が減りすぎてしまったり、副作用によって体調を崩すこともあるので、必ず医師の指示の下で用量調整を行うようにしてください。
また、使用のタイミングはいつでも構いません。
食前食後を問わないので、決まった時間に使うようにしましょう。
なお、1回の注射で効果が24時間持続し、効き目のピークは7.5〜11時間となるので、朝食前に打つのがおすすめです。
サクセンダの打ち方

サクセンダの保管方法
- 未使用のものは、冷蔵庫で保存
- 使用後は室温保管し、日光に当たらない日陰で保管(冷蔵も可)
- ほこりやゴミ、汚れが付着しやすい場所は避ける
- 小さな子の手が届かない場所
サクセンダを冷凍してしまうと使用できなくなるため、保管方法は「冷蔵」または「室温」のみとなります。
また、使用期限については、使用開始から30日以内となっています。
期限を超えたものや未使用であっても、本体あるいはパッケージに記載のある使用期限を過ぎたものは使用しないでください。
併用禁忌薬と注意薬
サクセンダには、併用禁忌薬はありません。
ただし、使用中のお薬によっては飲み合わせに注意が必要です。
- ビグアナイド系薬剤
- スルホニルウレア剤
- 速効型インスリン分泌促進剤
- α-グルコシダーゼ阻害剤
- チアゾリジン系薬剤
- DPP-4阻害剤
- SGLT2阻害剤
- インスリン製剤
血糖値を下げる作用が強まってしまい「低血糖」が現れるリスクが高まるので、服用中のお薬があれば必ず医師に申し出るようにしてください。
サクセンダの使用に注意が必要な人
- 腹部手術の既往歴または腸閉塞の既往がある患者
- 膵炎の既往歴がある患者
- 糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患などの胃腸障害が認められている患者
-
低血糖を起こすおそれがある健康状態の人
(脳下垂体機能不全又は副腎機能不全栄養不良状態・飢餓状態・不規則な食事摂取・食事摂取量の不足又は衰弱状態・激しい筋肉運動・過度のアルコール摂取者)
上記に該当する方がサクセンダを使用してしまうと、病状が悪化したり、重い副作用のおそれがあるので注意です。
サクセンダを使えない人
- サクセンダの成分に対してアレルギーの既往歴があるがある人
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者
- 重症感染症、手術などの緊急の場合
- 本人または家族内にMTC(甲状腺髄様がん)または多発性内分泌腫瘍症の既往歴がある人
- 多発性内分泌腫瘍症(MEN2)の疑いがある人
上記に該当する方は、サクセンダを使用できません。
治療中の病気や既往歴があれば、必ず医師に申し出るようにしてください。
サクセンダの副作用

サクセンダの副作用として、吐き気便秘、下痢といった胃腸症状が現れることがあります。
また、稀なケースではあるものの、重い副作用が起きることもあるので初期症状には注意したいところです。
どんな副作用があるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
サクセンダの重篤な副作用
膵炎 ⇨ 嘔吐が続く激しい腹痛 など
腸閉塞 ⇨ 高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常 など
こうした症状にくわえ、普段と異なる症状や異常を感じた場合には、サクセンダの使用を中止し、すぐに医師に相談するようにしてください。
サクセンダは危険?
サクセンダは自己注射になるので危険と感じてしまう方もいますが、健康状態に問題がなく、医師の指導に従って使用している限りは安全性は高いです。
使い方を自己判断で変えてしまうと、十分に効果を得られない、副作用の強く出てしまうなどの危険を伴います。
治療を続けられないばかりか、健康を損ねることもあるので、治療用量や使用方法には注意してください。
サクセンダはどこで購入できる?
サクセンダの購入方法は、次のとおりです。
- ダイエット外来を併設している自由診療クリニック
- 個人輸入(海外通販)
クリニックでの処方が一般的ですが、サクセンダは海外医薬品になるので、仲介業者を通じて海外から輸入することもできます。
しかし、個人輸入は偽物や粗悪品といったトラブルが後を絶たず、健康状態がわからない状態での使用は危険しかありません。
痩せないばかりか、予測できない健康被害に遭ってしまうこともあるので、個人輸入によるサクセンダの購入は控えるようにしてください。
サクセンダはオンライン診療でも処方できる
サクセンダは通院による処方以外にも、オンライン診療による郵送処方も可能です。
<オンライン診療の簡単な流れ>
-
1予約
日時を決めて予約します。
-
2クリニックからの連絡
予約の日時になったらクリニックから連絡があります
-
3診察
スマートフォンやパソコンで診察を行います。
-
4お支払い
診察料や処方薬の代金を支払います。
-
5薬の発送
クリニックから薬が発送され、到着まで1~3日かかります。
予約から処方までをスマホ1台で完結でき、クリニックに足を運ばなくとも、オンライン上で通院時と同じ治療が受けられます。
治療用量は治療時期や体調面によっても個人差があるので、治療用量が増えた場合には1本あたりの価格が高くなることもあります。
サクセンダの費用
サクセンダの費用は、処方するクリニックごとで多少異なります。
サクセンダ1本あたり18mgとなるので、日に0.6mgが維持量であれば30日持つ計算です。
治療用量は治療時期や体調面によっても個人差があるので、治療用量が増えた場合には1本あたりの価格が高くなることもあります。
よくある質問
治療にかかる費用はすべて自己負担となります。
ただし、食べ過ぎによるカロリーオーバーが続いてしまうと、この限りではありません。
治療中に食生活を見直したり、軽い運動習慣をつけておくのが理想的です。
安全性が確立されていないため、胎児や乳児への悪影響を及ぼす可能性もあるので注意です。
筋肉や静脈は避ける必要があるので、医師の自己注射指導を必ず受けるようにしてください。
目標体重によって期間には個人差があるので、定期的に医師と相談しながら使用期間を決めましょう。
1回の注射で24時間効果が持続することから、朝食前に打つのがおすすめです。
そのため痩せやすい体質へと変化させることができ、効率よく脂肪を燃焼させられます。
- 治療前と変わらない食事量
- まったく運動しない
サクセンダのカートリッジの中に血液が混入することがあり、血液を介した感染リスクが高まります。
絶対に使い回しはしないようにしてください。
問診だけでは健康状態を把握できないことがあり、持病によっては治療ができないケースもあるためです。
12時間未満:できるだけ早く打ち、翌日は通常どおりの時刻に打つ
12時間以上:その日の使用はパスし、翌日は通常どおりに打つ
打ち忘れたからといって、一度に2回分を打たないようにしましょう。
また、3日以上打ち忘れが続いてしまうと、ふたたび使用した際に吐き気などの副作用が出ることがあります。
副作用を避けるためにも、0.6mgから使用を再開するのがおすすめです。
事前に航空会社に確認を取るようにしてください。
そのまま使用を続けてしまうと、薬液の汚染につながるので注意です。