ED(勃起不全)とは満足な性行為ができないという、陰茎の勃起に関する病気です。
ただし、完全なED症状か、EDにつながる一過性の兆候か、またどの種類のEDかという判断を個人で行うのは難しいと言えます。
本記事ではEDの種類や症状の段階、EDを診断する方法、日本のED人口や治療の種類についてわかりやすく解説します。
EDの治療方法について知りたい方は以下の「ED(勃起不全)治療」をお読みください。
EDとはどのような病気か
通常の勃起 | EDになった場合 |
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EDとは「Erectile Dysfunction」の略で、勃起不全、勃起障害という意味です。
「満足な性行為を行うための勃起に至らない、または勃起を維持、持続できない状態」をEDといいます。
「勃起はするが硬度が足りない」
「挿入はできるが射精前に収縮(中折れ)してしまう」
「朝立ちしなくなった」
といった陰茎の症状もEDに含まれます。
EDの種類
EDの中でも身体の問題から起こる器質性ED、身体に問題はないがEDを発症する機能性(心因性)ED、服用中の特定の医薬品によって起こる薬剤性ED、そしてこれらが複合する混合性EDがあります。
器質性ED | 更に血管性(高血圧・糖尿病)、神経性、内分泌性、陰茎性に分類できる |
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機能性ED (心因性) |
仕事のストレス、性的なトラウマ、異性に対する苦手意識などによる |
薬剤性ED | 向精神薬、降圧薬、抗アンドロゲン薬など特定の薬の服用による |
混合性ED | 心理的問題と身体的障害が重複や、薬剤性EDとの重複もある |
EDと早漏・その他性機能障害の違い
EDとは別の性機能障害として早漏があります。
早漏は、性的興奮の初期段階や挿入後すぐに射精してしまう射精障害という症状で、勃起の維持ができず自分やパートナーが望むよりも早く射精が起こる状態を指します。
精液が出ない「逆行性射精」や射精に時間がかかる、または射精に至らない「遅漏」「膣内射精障害」といった性機能障害もEDとは別ですが、これらはすべてEDと同時に発症、または併発する場合もあります。
早漏・遅漏は女性の性機能障害の原因ともなる可能性があることからも治療が必要です。
早漏および射精障害の治療に関して調べたい方は以下のページをご確認ください。
ED・インポテンス・勃起不全・勃起障害の違い
ED・インポテンス・勃起不全・勃起障害はほぼ同じ意味であり、「Erectile Dysfunction」の和訳が「勃起不全」や「勃起障害」です。
EDの以前の呼称が「インポテンツ」「インポテンス」「インポ」でしたが、差別的な意味合いで使われることからEDが一般的となりました。
一方、EDは陰茎の勃起に限定した疾患であるのに対し、インポテンスは性欲、快感、射精に関する性機能障害も含みます。
EDの症状には段階がある
EDの症状は陰茎が完全に勃起しない状態の前にも段階があります。
EDの初期症状 |
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中程度のED症状 |
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重度のED |
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一方、以下のケースは一時的なEDである場合もあります。
飲酒後勃起しにくい | 自身の飲酒量に見合わない多量の飲酒により中枢神経の働きが抑制され、勃起をするための信号が性機能に上手く伝わらなくなる |
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過激なポルノ画像・映像への依存 |
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コンドーム装着段階でEDを発症 |
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これらは一時的なEDの場合もある一方、すでにEDが進行している場合や心因性EDである可能性もあります。
なお、EDは放置すると症状は悪化する傾向にあり、自然治癒はほぼ期待できません。
いずれの場合もED治療薬の使用で改善が期待できます。
ED治療薬は効果の強さや効き始めるまでの効果発現時間、効果持続時間など違いがあり、ご自身の症状に合った最適なED治療薬で改善を行うのが効果的です。
EDを診断する方法
EDを診断する方法には問診や診察といった身近なものから、心理テスト、内分泌検査、生理的勃起機能検査、神経系検査、血管系検査など専門的な検査もあります。
また、EDの症状をご自身で診断する目安に、国際勃起機能スコア(IIEF-5)や、Sexual Health Inventory for Men(SHIM)があります。
日本人は性行為の機会が少ないため、ED診療ガイドラインでは国際勃起機能スコアよりも0点の項目を持つSHIMを用いて診断するのが適格とされています。
Sexual Health Inventory for Men(SHIM)
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
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勃起を維持する自信は どの程度ありますか |
非常に低い | 低い | 中くらい | 高い | 非常に高い | |
性的刺激によって勃起した際、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりますか | 性的刺激は なかった |
ほとんど、 又は全くない |
たまに (半分よりかなり低い頻度) |
時々 (ほぼ半分の頻度) |
しばしば (半分よりかなり高い頻度) |
ほぼいつも、 又はいつも |
性交の際や挿入後、どれくらいの頻度で勃起の維持ができましたか | 性交を 試みなかった |
ほとんど、 又は全くない |
たまに維持 (半分よりかなり低い頻度) |
時々維持 (ほぼ半分の頻度) |
しばしば維持 (半分よりかなり高い頻度) |
ほぼいつも、 又はいつも維持 |
性交の際や性交を終了するまで、勃起の維持はどれくらい困難でしたか | 性交を 試みなかった |
極めて困難 | とても困難 | 困難 | やや困難 | 困難でない |
性交を試みた際、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか | 性交を 試みなかった |
ほとんど、 又は全く満足できない |
たまに満足 (半分よりかなり低い頻度) |
時々満足 (ほぼ半分の頻度) |
しばしば満足 (半分よりかなり高い頻度) |
ほぼいつも、 又はいつも満足 |
※スマホでは横にスクロールします
重症度分類 | 合計点(25点満点) |
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重度ED | 5~7点 |
中程度ED | 8~11点 |
軽度~中程度ED | 12~16点 |
軽度ED | 17~21点 |
EDではない | 22~25点 |
※性交機会があった場合のみこの分類が当てはまります。
ご自身のEDの進行度を判断できるフィットクリニックのセルフチェック診断もご利用ください。
日本国内のED全国調査データ
勃起障害(ED)に関する全国調査は1998年に行われていましたが、日本性機能学会の臨床研究促進委員会が2023年に25年ぶりに実施、2024年に調査結果を発表しています。
2023年 | 1998年 | |
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日本国内ED有病率 | 約1,400万人 | 1,130万人 |
この調査では国内成人男性の約3人に1人がEDであるということが示されています。
世代別ED割合
今回の調査では、中高年に多いイメージだったEDが、20歳代で3割弱という高い比率で発症していることがわかりました。
若年層は体力的には性的活動に支障ない人が多い一方、性行為の経験不足や仕事・生活環境のストレスといった心因性EDの発症が多いとされます。
男性不妊の原因としてのED
近年は不妊の原因が男性にある場合が多いことも認知されてきました。
不妊治療の性行為に必要なタイミングでのプレッシャーや、妊娠の失敗からくる焦りで、心的負担から生じる心因性EDです。
これらの治療に大きく貢献するのがED治療薬です。
EDは薬で治療が可能
EDの改善の選択肢として、ED治療薬の使用があります。
EDの原因は様々ありますが、一部の原因を除き(勃起に必要な神経や細胞の損傷など)ほとんどの症状にED治療薬は有効です。
ED治療薬は陰茎海綿体の血管を拡張させ勃起を促す働きがあり、通常より勃起をしやすい状態にすることでEDを改善します。
ED治療薬は性機能に直接アプローチするため、確かな効果を感じられます。
心因性EDの場合も有効です。
ED治療薬を服用して性行為できたという「成功体験」が自信となり、EDの症状が改善された例もあります。
また、ED治療薬の含有成分には耐性や中毒性は少ないため、長期間継続して服用しても問題ありません。
加えてED治療薬は射精後不応期(賢者タイム)の短縮効果も期待でき、性交時の満足度も高まります。
フィットクリニックのED治療薬
当院では5つの有効成分のED治療薬を処方しております。
バイアグラ | レビトラ | シアリス | ステンドラ | ザイデナ | |
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有効成分 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル | アバナフィル | ウデナフィル |
価格 | 270円(※1)~1,600円 | 900円~1,200円 | 700円~1,200円 | 1,300円 | 1,000円 |
勃起力 | 硬い | とても硬い | マイルド | 硬い | やや硬い |
即効性 (発現時間) |
服用後30~60分 | 服用後15~30分 | 服用後約1時間 | 服用後15~30分 | 服用後30~60分 |
効果の持続時間 | 3~5時間 | 4~10時間 | 24~36時間 | 3~6時間 | 11~13時間 |
(※1)270円の処方については当院へお問い合わせください
ED治療薬の購入は個人輸入(海外通販)で購入する方法もありますが、インターネットに流通するED治療薬には偽造薬の割合が40%というデータもあり健康被害の実例もあるため、クリニックの処方で安全な医薬品をご利用ください。
ED治療薬の効果・副作用・効果発現時間といった比較は以下のページで詳しく解説しています。
EDサプリメントでの体質改善
EDを改善するという触れ込みでEDサプリメントが販売されていますが、サプリメントは副作用も少ない反面、長期間飲み続け体質を改善させていくといった利用方法の栄養補助食品で、明確な治療効果を持つ医薬品とは違います。
本気でED治療を希望するなら、ED治療薬をご利用ください。
ただし、サプリメントでの体質改善を併用することで、より治療効果が見られることもあります。
「EDとは」のまとめ
ここまで、EDとは何かについて解説してきました。以下に本記事の内容をまとめます。
- EDは「十分な勃起が得られない、維持できない状態」を指す
- 日本のED患者数は2023年の調査で1,400万人
- EDは心因性、器質性、薬剤性、混合性に分類でき、自分のED症状を判断し最適な治療法を見つけることができる
- EDは過剰な飲酒やポルノ依存など、あらゆる事象との因果関係がある
- EDは放置すると症状が悪化する可能性がある
- ED治療薬の個人輸入は危険であり、医療機関に相談する方法が一番安全
- あらゆるEDの症状はED治療薬で改善できる
- 当院のED治療薬は先発薬から最新の後発薬まで種類が豊富
よくあるご質問
-
- Q
EDはなんの略で読み方はなんですか?
- A
「ED」とは、英語「Erectile Dysfunction」の略称で勃起不全のことです。
「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」を指します。
- Q
-
- Q
EDを治さないとどうなりますか?
- A
EDを治さないでいると、いざ治療を開始した時に回復まで時間がかかってしまいます。
また、症状が悪化する可能性もあるため早めの治療が大切です。
中でも特定の病気に起因するEDの場合、命に関わる可能性もあります。
EDの治療はできるだけ早めにスタートさせましょう。
- Q
-
- Q
どうしたらEDが治りますか?
- A
ED治療薬の使用によって、EDが改善する可能性があります。
その他、症状の軽さによっては以下の方法でEDが治る可能性があります。- 運動や食事などの体質改善
- EDの原因となっている疾患の治療
- サプリメントの摂取
- 定期的なストレスの発散
- Q
-
- Q
急に勃たなくなったのはなぜですか?
- A
ED(勃起不全)にはさまざまな原因があります(ストレス、生活習慣の変化、薬の副作用、過剰な飲酒や喫煙、その他の健康問題)。
ただし、自己判断で原因を特定するのは危険なため、異常を感じたら医師に相談しましょう。
EDの治療法は人によって異なるため、自分に合った解決策を見つけることが大切です。
- Q
-
- Q
EDが治った運動はなんですか?
- A
EDは、以下の運動で改善する可能性があります。
- 有酸素運動(ウォーキング、ランニングなど)
- 筋肉トレーニング(腹筋、スクワットなど)
- 開脚ストレッチ
- ケーゲル体操(骨盤底筋体操)
- Q
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- Q
EDはどうやったらなりますか?
- A
ED(勃起不全)は、心理的なストレスや身体的な健康問題、不健康な生活習慣などが原因で起こります。
血管の問題や病気も関与している可能性もあるので、性機能に異常を感じた場合は自己判断せず、医師に相談しましょう。
- Q
-
- Q
EDになりやすい人はどんな人ですか?
- A
EDになりやすいのは、以下の特徴を持つ人です。
- 高血圧や糖尿病、心臓病を抱えている
- 運動不足や肥満、喫煙など生活習慣が不健康である
- うつ病を患っているなど精神的な負担が大きい
改善のためには生活習慣を正す方法はもちろん、ED治療薬で性機能を向上させる方法が有効です。
- Q
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- Q
男性EDの症状はなんですか?
- A
EDは男性機能が正常に働かない症状のため、男性のみ発症します。EDの主な症状として、勃起しない又は勃起状態が続かない、性的な興奮を感じない、勃起時に硬くならない、などが挙げられます。
これらの症状が長期間続く場合は、医師の診断が必要です。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください