混合性ED(混合型勃起不全)とは - 原因や治療・改善方法を解説

更新日:2026/07/22
混合性ED(混合型勃起不全)とは - 原因や治療・改善方法を解説

混合性EDとは、血流や神経、ホルモンなどの身体的な要因と、不安やストレスなどの心理的な要因が重なって起こるEDです。
服用中の薬や生活習慣が症状に影響している場合もあります。

複数の原因が関係しているため、ED治療薬だけでなく、基礎疾患の治療、生活習慣の見直し、心理的な支援、服用薬の調整などを組み合わせることが重要です。

この記事を読んでわかること
  • 混合性EDは、身体と心理の原因が重なるED
  • 糖尿病や高血圧、ストレス、服用薬などが関係する
  • 改善にはED治療薬と原因に応じた対策を組み合わせる

本記事では、混合性EDの原因の考え方や診断、治療方法について解説します。
「EDの原因がはっきりしない」「治療法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

ED(勃起不全)については、以下のページで詳しく解説しています。 ED(勃起不全)とは

混合性EDとは

混合性EDとは器質性ED・心因性ED・薬剤性EDの2つ以上が原因で発症するED

混合性EDとは、血流や神経、ホルモンなどの身体的な要因と、不安やストレスなどの心理的な要因が重なって起こるEDです。
服用中の薬が症状に影響し、複数の要因が併存する場合もあります。

EDを引き起こす原因

名称 原因
器質性ED 動脈硬化や神経の損傷
心因性ED 心理的・精神的なストレス、精神疾患
薬剤性ED 特定の薬剤の服用
これらが組み合わさって起こるEDが
「混合性ED」

年齢とともに糖尿病や高血圧、動脈硬化などの身体的要因が増える一方、性行為への不安やストレスが加わることもあるため、中高年では複数の原因が重なりやすくなります。
ただし、混合性EDは若い世代にも起こる可能性があります。

服部院長

混合性EDの原因

混合性EDは、身体的な原因と心理的な原因が重なって起こるEDです。

たとえば、神経や血管の障害などによって勃起しにくくなる身体的な原因(器質性ED)が発生し、その症状に対する不安やストレスが加わることで、心因性EDも一緒に起こることがあります。
また、糖尿病などの病気や、服用中の薬が原因となり引き起こされることもあります。

身体的要因(血流・神経・薬の影響)と心理的要因(不安・ストレス)が互いに影響し合い、ED症状が悪化する(混合性EDにつながる)悪循環を示す図

最初は体の原因(血流や神経、服用中の薬の問題)が小さくても、「うまくいかなかったらどうしよう」という不安が積み重なることで、心因性の要素が加わり症状が悪化することがあります。

反対に、心理的な要因が中心に見えても、糖尿病や高血圧、ホルモン異常、服用中の薬などが併存している場合があります。

このように、心因性・器質性・薬剤性の要因が悪循環的に絡み合うことが、混合性EDの原因です。

混合性EDの原因について、以下で詳細を解説します。

精神的なストレス・トラウマ

精神的なストレスや過去のトラウマによって、混合性EDを発症する可能性があります。
ストレスやトラウマが引き起こされる主な要因は以下です。

精神的なストレス・トラウマを
引き起こす要因
  • 人間関係(職場・家族など)
  • 性に関するコンプレックス
  • 過去の性行為の失敗
  • パートナーとの不仲
  • 妊活など、義務的に感じる性行為へのプレッシャー
  • 経済的不安

過去の失敗から「今度も失敗したらどうしよう」と無自覚にプレッシャーがかかってしまうケースも、EDの症状を悪化させます。
ストレスや不安を自覚していなくても、特定の場面やパートナーとの性行為でのみ症状が出る場合があります。

診察では、症状が始まった時期や場面、朝立ちの有無、生活状況などを確認しながら原因を整理します。

精神的な疾患

以下のような精神疾患にかかると、混合性EDを発症する可能性が高まります。

EDを発症しやすいとされる
精神疾患
  • うつ病
  • 不安症(パニック症など)
  • 統合失調症

など

うつ病や不安症などでは、気分の落ち込みや不安、性欲の低下によって勃起しにくくなる場合があります。

また、治療に使用する一部の抗うつ薬や抗精神病薬が性機能に影響することもあります。

血流・神経・ホルモンに影響する身体的な疾患

以下のような身体疾患にかかると、混合性EDを発症する可能性が高まります。

EDを発症しやすいとされる
身体疾患
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 脳出血、脳挫傷
  • パーキンソン病
  • ホルモン異常

など

糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患、神経疾患、ホルモン異常などは、陰茎への血流や神経の働きに影響し、EDと関係することがあります。

こうした身体的な要因に、性行為への不安やストレスが加わると、混合性EDとなる場合があります。

加齢による身体的要因やテストステロン低下

加齢に伴いEDの原因となる病気や生活習慣上のリスクが増えます。
一部ではテストステロンの低下が性欲や勃起機能に影響する場合があります。

テストステロンの低下は男性更年期に増加するともいわれ、EDも「男性更年期障害」の一部の症状となります。

特定の薬剤の影響

以下のような薬を服用している場合、EDの原因となっている場合があります。

EDの原因となる場合がある薬
  • 一部の降圧薬
  • 抗精神病薬
  • 抗うつ剤
  • 睡眠薬
  • チアジド系利尿薬
  • 5α還元酵素阻害薬
  • 抗アンドロゲン薬
  • 一部のβ遮断薬

など

なお、上記のすべての医薬品がEDの原因となるわけではないため、薬剤の影響が気になる方は医師に相談しましょう。

混合性EDの診断・原因の調べ方

混合性EDは、1つの検査だけで診断するのではなく、症状の現れ方や持病、服用中の薬、心理状態などを総合して原因を判断します。

診察では、主に以下の内容を確認します。

診察で確認する主な内容
  • ED症状が始まった時期やきっかけ
  • 朝立ちや自慰時の勃起の有無
  • 糖尿病、高血圧などの持病
  • 手術歴や神経・血管に関係する既往歴
  • 服用中の薬
  • 喫煙、飲酒、運動、睡眠などの生活習慣
  • 性行為への不安やストレス、パートナーとの関係

必要に応じて、血糖値・脂質・テストステロンなどの血液検査を行うこともあります。

症状が気になる方は、一度EDの疑いがあるかセルフチェックを行ってみましょう。 EDのセルフチェック

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混合性EDの治し方

混合性EDは心因性EDと器質性ED、薬剤性EDのいずれかを合併していますが、ED治療薬は、混合性EDにおいても勃起を補助する治療の一つです。

一方、ED治療薬と並行してそれぞれの原因にあった対策方法で時間をかけて改善も必要です。

混合性EDの治し方
心因性EDへ
の対応
精神的ストレスやプレッシャーを軽減
パートナーとのコミュニケーション、心理カウンセリング、EDに関する正しい知識を持つ
器質性EDへ
の対応
病気や身体的な異常の治療
生活習慣の改善(食事・運動)、基礎疾患(糖尿病・高血圧など)の治療
薬剤性EDへ
の対応
薬剤の休薬・減薬・薬剤の変更
👉 ED治療薬とあわせて、
心・体・薬の面からのアプローチが効果的

混合性EDの改善に対して具体的な治療・改善方法は以下で詳しく解説します。

ED治療薬を服用する

ED治療薬は、混合性EDにおいても勃起を補助する治療の一つです。
ED治療薬服用のメリットはどのタイプのEDにも一定の効果があることと、即効性があるため短期間でED改善の効果を得ることです。

またED治療薬にもさまざまなタイプがあるため、自身の原因や症状に合うED治療薬を選択することもできます。
当院で処方しているED治療薬の種類や選び方などは以下のページで詳しく解説しています。 ED治療薬の種類と比較・選び方

生活習慣を改善する

混合性EDの原因としては、肥満や生活習慣病が関わっているケースが多くみられます。
これらを防いだり改善したりするには、食生活の見直しと適度な運動の両方を組み合わせて取り組むことが大切です。

食生活の改善方法
  • 栄養バランスの良い食事を心がける
  • 糖分や塩分を控える
  • 間食を控える
  • 過度のアルコール摂取は控える

など

運動による改善方法
  • ジョギング
  • ウォーキング
  • ラジオ体操
  • その他有酸素運動

など

体力や持病に合わせ、今より少しでも身体活動を増やすことが大切です。
目安として、歩行程度以上の身体活動を1日60分以上、息が弾む程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日取り入れることが推奨されています。

服部院長

運動を行うことで体力・持久力が向上し、身体活動量を確保しやすくなります。
加えて、筋肉量が増えて代謝が良くなることでEDを引き起こす生活習慣病の予防も期待できます。

生活習慣の見直しをはじめとするEDの治し方の詳細は以下のページをご覧ください。 EDの治し方と方法

ストレスやトラウマを解消する

ストレスを解消するための第一歩として、人間関係、仕事、疲れ、緊張などといったストレスの原因を特定することが大切です。
誰かに相談したり、向き合い方を変えることでストレスがこれ以上かからないようにしましょう。
以下の行動や習慣も、ストレスの解消に有効です。

ストレスの解消方法
  • 適度な運動をする
  • バランスの良い食事をとる
  • 十分な質の良い睡眠をとる
  • パートナーとのコミュニケーション
  • 必要に応じた心理療法・カウンセリング

など

性行為の失敗などによる過去のトラウマは、自分では意識していない記憶や深層心理に根付いている場合もあります。

こうした場合、認知行動療法やパートナーを含めた心理的支援を、ED治療薬などの薬物治療と組み合わせる方法は、ED治療の選択肢として推奨されています。

服用中の薬の変更を行う

服用中の薬がEDに影響している可能性がある場合は、処方医が治療上の必要性を確認したうえで、用量の調整や性機能への影響が比較的少ない薬への変更を検討します。

必ず自己判断で服用の中止や減薬はしないでください。

特定の薬剤がEDに
かかわっている場合
  • 医師に相談し、EDの副作用の比較的少ない薬に変更する
  • 自己判断での服用の中止や減薬をしない

混合性EDは複数の原因のため適切な治療が必要

ここまで、混合性EDのメカニズムや改善方法について説明してきました。
最後に、記事の内容をまとめてお伝えします。

混合性EDについてまとめ
  • 混合性EDは身体的・心理的・薬剤性など複数の要因が関係する
  • 糖尿病や高血圧、ストレス、服用中の薬などが原因となる場合がある
  • ED治療薬は勃起を補助する治療の一つ
  • 基礎疾患の治療や生活習慣の見直し、心理的な支援を組み合わせる
  • 服用中の薬は自己判断で中止・減量しない

混合性EDは、血流や神経などの身体的な要因と、不安やストレスなどの心理的な要因が重なって起こるため、原因に合わせて治療することが重要です。

症状が続く場合は、自己判断で原因を決めつけず、医師に相談して適切な治療方法を検討しましょう。

混合性EDに関するよくある質問

  • Q
    混合性EDとは何ですか?
    A
    混合性EDとは、身体的な要因によるED(器質性ED)と、精神的な影響によるED(心因性ED)、あるいは薬の副作用(薬剤性ED)など、複数の原因が重なって起こる勃起障害のことを指します。
  • Q
    混合性EDになりやすい人はどんな人ですか?
    A
    40代以上(特に50~60代)の方や、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方に多く見られます。
    加えて、精神的ストレスの多い方や肥満の方、喫煙者、アルコールを頻繁に摂取する方、生活習慣の乱れがある方も混合性EDとなるリスクが高いです。
  • Q
    若い人も混合性EDになりますか?
    A
    20代などの若い世代でも混合性EDは起こり得ます。
    原因としては、仕事や人間関係による強いストレスなどの心因性の要因に加え、不規則な生活や肥満、糖尿病といった身体的な要因が重なって発症するケースがあります。
    改善のためには、専門医に相談しながら、心身両面へのアプローチと生活習慣の見直しを行うことが大切です。
  • Q
    混合性EDの治し方はなんですか?
    A
    元となる疾患の治療やED治療薬の服用、ストレス・トラウマの軽減が有効です。
    混合性EDは病気によるストレスやその他人間関係のストレスなどが複雑に絡み合って発症するからです。
    また、改善のためには健康的な生活習慣を確立しましょう。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などは、身体の機能を正常に保つのに役立ちます。
    併せて、医師の指示に従い適切なED治療薬を処方してもらうことで、混合性EDの症状を和らげることができます。
  • Q
    混合性EDは自然に治りますか?
    A
    原因によっては自然に改善する場合もありますが、症状が繰り返す、数か月続く、生活習慣病や服用中の薬がある場合は、原因を確認することが大切です。
    混合性EDでは複数の要因が関係していることがあるため、改善しない場合は医療機関に相談してください。
  • Q
    混合性EDは予防できますか?
    A
    バランスの良い食事や適度な運動、体重管理、禁煙、飲酒量の見直し、十分な睡眠、ストレスをためすぎないこと、糖尿病や高血圧の管理によって、EDにつながるリスクを下げられる可能性があります。

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参考サイト

この記事の監修

フィットクリニック院長 服部圭太
フィットクリニック院長
服部 圭太
(はっとり けいた)

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務