器質性EDとは - 原因と治し方を解説

更新日:2026/07/17
器質性EDとは - 原因と治し方を解説

器質性EDは、神経障害や血管障害による勃起不全の総称です。
主に糖尿病や動脈硬化など神経や血管に異常をきたす疾患が原因となり発症します。

原因となる病気や血管・神経の障害が進行すると、EDの症状も悪化する場合があります。

本記事では器質EDの原因となる病気や症状について詳しく解説しています。

器質性EDについての概要

この記事では、器質性EDの主な治療で服用するED治療薬をはじめとした治し方や、心因性EDとの判別方法について解説します。

自分が器質性EDかもしれない、と不安を感じている方や、器質性EDの改善法・治療法について詳しく知りたい方は、参考にしてください。

ED(勃起不全)については、以下のページで詳しく解説しています。 ED(勃起不全)とは

器質性EDとは

器質性EDとは、血管・神経・ホルモン・陰茎の構造など、身体的な要因が主となって起こるEDです。
以下は、器質性EDの特徴です。

器質性EDで見られる症状
  • 性交時に勃起しない、または時間がかかる
  • 勃起時に十分な硬さが得られない
  • 朝立ちをしない
  • 中折れする
  • 特定の病気の罹患や手術後に勃起しにくくなった
  • 【重度】全く勃起が起こらない

なお、重度の器質性EDの場合、完全に勃起が起こらなくなることもあるため、早期の治療が重要です。

器質性EDは糖尿病や高血圧といった基礎疾患や、直腸がん、前立腺がんの手術で発症率が上がることから、加齢により発症リスクが上がる傾向にあります。

服部院長

器質性EDの原因

器質性EDは、身体的な原因によって引き起こされます。
具体的には、神経障害、血管障害、内分泌機能低下が主な原因です。

器質性EDの主な原因

これらの身体的なトラブルにより、陰茎への血液流入が阻害され、十分な勃起が得られない状態となります。

神経障害による器質性ED

神経障害は、神経に障害が生じることで、脳が興奮を感じても勃起命令が伝達しないために起こります。

神経障害によるEDの仕組み イメージ画像

器質性EDを発症しやすい神経障害は、以下の通りです。

神経障害による器質性EDの原因
不慮の事故
器質性ED使用画像(不慮の事故)
自動車やバイク事故などで脊髄損傷や骨盤を損傷し、神経が傷ついたり断裂してEDを発症
椎間板ヘルニア
器質性ED使用画像ヘルニア
椎間板の組織が脊髄や神経を圧迫することで、中枢からの神経伝達に影響が出てEDを発症
外科手術
器質性ED使用画像(外科手術)
前立腺がん、直腸がんなどの骨盤内外科手術の際に神経が切断されてEDを発症
糖尿病
器質性ED使用画像(糖尿病)
糖尿病により骨盤神経の障害(糖尿病性抹消神経障害)が起こると、脳からの興奮が伝わりづらくなりEDを発症(神経性EDも含む多因子性のED)
脳梗塞
器質性ED使用画像(脳梗塞)
脳梗塞を経験したことで精神的なストレスやうつ状態になり、その結果性欲の減退や身体機能の低下が起こりEDを発症(神経性EDも含む多因子性のED)
パーキンソン病
器質性ED使用画像(パーキンソン病)
ドパミンの減少による運動障害。疾患に付随する肉体的なストレス及び自律神経・中枢神経機能、運動症状、抑うつ、治療薬など複数の要因によりEDを発症
多発性硬化症
器質性ED使用画像(多発性硬化症)
中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患。神経に損傷があり、陰茎まで通常通りに信号が送られずEDを発症

以上の表のように、器質性EDでも発症の要因は多岐にわたります。
中でも、糖尿病の患者のED発症率は高いです。

米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)の調査によれば、糖尿病患者のEDの発症率は、健常者の3倍超に昇り、さらに糖尿病ではない男性に比べて10〜15年も早くEDを発症する可能性があるとされています。

血管障害による器質性ED

血管障害によるEDの仕組み

血管が細くなり血流が悪くなることで、性器の海綿体に十分な血液が流れ込まなくなり、器質性EDを引き起こします。
この障害の主な原因は動脈硬化です

動脈硬化は、陰茎の海綿体内の微細な血管でも起こります。
脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)も血管障害の一因です。
脂質異常症は動脈硬化や血管内皮機能の低下を進め、陰茎への血流を低下させる原因になります。
具体的な仕組みについては、以下の図1を参照ください。

動脈硬化が進行する様子

さらに、糖尿病は神経障害だけでなく、血管障害による器質性EDの原因にもなります。
糖尿病による血管・神経障害や、併存する高血圧・脂質異常症などがEDに関係します。

内分泌機能低下による器質性ED

EDの原因として挙げられるのが、内分泌機能の低下です。
内分泌性のEDには、テストステロン低下を伴う性腺機能低下症のほか、甲状腺や下垂体などの病気が関係する場合があります。

テストステロンが減少する主な原因は、加齢やストレス、喫煙、飲酒などです。

加齢に伴うテストステロン低下に加えて、性欲低下や疲労、気分の変化などがみられる状態を一般的に男性更年期障害(LOH症候群)と呼びます。
EDが症状の一つとして現れることもあります。

男性更年期障害による勃起力の低下については以下のページでも詳しく解説しています。 男性更年期障害とEDについて

器質性EDは20代も発症するのか

20代でも、糖尿病や肥満、高血圧、神経・内分泌疾患、外傷、手術などの身体的な要因によって器質性EDを発症する場合があります。

20代で器質性EDを
発症する主な原因
  • 生活習慣が極端に悪い
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 運動不足
  • 偏った食生活
  • 喫煙

若いからと油断せず、健康に配慮した生活習慣を身に付けていきましょう。

器質性EDと心因性EDの判断方法

器質性EDと心因性EDは、症状だけで明確に判別できるものではありません

発症の経緯や朝立ちの有無、基礎疾患、服用中の薬、心理的な負担などを問診で確認し、必要に応じて検査を行って総合的に判断します。

診察では、主に以下の点を確認します。

器質性EDと心因性EDの判断
  • EDの症状が始まった時期や経過
  • 性行為や自慰の際の勃起状態
  • 朝立ちや睡眠中の勃起の有無
  • 糖尿病や高血圧などの基礎疾患
  • 手術歴や外傷歴
  • 服用している薬
  • ストレスや不安、パートナーとの関係

徐々に勃起しにくくなった場合や、朝立ちが減っている場合は器質的な要因が疑われます。

一方、自慰では勃起できても性行為では難しいなど、特定の状況で症状が現れる場合は、心理的な要因が関係している可能性があります。

ただし、器質性EDの判別ができても、心因性EDも併発した「混合性ED」や、全く別の薬剤性EDといった可能性もあるため、医師に相談しましょう。

心因性EDについて詳しくは以下のページでご確認いただけます。 心因性EDについて

なお、EDのお悩みに対して、フィットクリニック公式LINEでは、ED治療薬に関する限定情報やお得なご案内をお届けしています。
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器質性EDの治し方

器質性EDの改善には、原因となる疾患の治療や生活習慣の改善が必要です。
ただし、それらの根本治療には時間がかかるため、ED治療薬との併用が有効です。

器質性EDの治し方は、以下の3つです。

以下、順に説明していきます。

ED治療薬の服用

PDE5阻害薬は、器質性EDを含むEDの第一選択となる治療薬です。

ED診療ガイドラインでも「EDのファーストライン治療はPDE5 阻害薬(ED治療薬)である」とされています。
ただし、効果は原因や重症度によって異なります。

また、生活習慣改善も並行して行うことでより改善が見込めます。

ED治療薬
  • 加齢によって血流が悪くなっている場合や動脈硬化などの場合も有効
  • 当院処方のED治療薬にはバイアグラ、レビトラ、シアリス、ステンドラ、ザイデナ(全てジェネリックを含む)などがある
  • 有効成分により勃起の強さや効果発現時間、持続時間が異なる

※レビトラは販売終了のため、現在はバルデナフィル錠が流通

ED治療薬は、心筋梗塞や脳卒中の既往、心血管疾患の状態によっては服用できません
禁忌となる期間や条件は薬剤ごとに異なるため、医師が確認します。

服部院長

当院で処方している5種類のED治療薬の特徴や選び方は以下から確認できます。 ED治療薬の種類と比較・選び方

原因となる疾患の治療

糖尿病や高血圧など、原因となりうる疾患の治療を行うことで器質性EDを改善できる可能性があります

糖尿病の場合、食事や運動、薬物療法などによる血糖管理が重要です。
また、高血圧の場合も同じく、適切な薬物療法や生活習慣の改善が必要となります。
これらの治療を行うことで、血管や神経の健康を維持することが可能です。
ただし、個々の症例によって治療方法や効果は異なります。

まずは専門の医療機関で検査を行い、根本の原因が何かを診断してもらいましょう。

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神経の損傷が強い場合は、PDE5阻害薬で十分な効果が得られにくいことがあります。
投薬治療ではなく、陰茎海綿体注射(ICI療法)、勃起補助デバイス、陰茎プロステーシスなどの治療法が有効な場合があります。

※本邦では自己注射は認められていません

生活習慣の見直し

肥満や運動不足、喫煙などが関係する血管性EDでは、生活習慣の見直しによって勃起機能の改善が期待できる場合があります。

ED改善に有効な生活習慣
  • 栄養バランスの良い食事を心がける
  • 睡眠の質を向上させる
  • ストレスを解消する
  • 飲酒を減らす
  • 禁煙する

など

小さな試みでも、日々の積み重ねがEDの改善に繋がります。ぜひ今日から生活習慣の改善を心掛けましょう。

器質性EDは原因に合わせた治療が重要

ここまで、器質性EDの原因や治し方について解説してきました。
最後に本記事の内容をまとめてお伝えします。

器質性EDについてまとめ
  • 器質性EDは血管・神経・ホルモンなどの身体的な要因によって起こる
  • 主な原因として、糖尿病や高血圧、神経疾患、外傷、手術などが挙げられる
  • 心因性EDとの判別は、問診や必要な検査から総合的に行う
  • 20代でも基礎疾患や外傷などにより、器質性EDになる可能性がある
  • 原因疾患の治療や生活習慣の見直しが必要な場合もある
  • 症状により、ED治療薬の服用で器質性EDが改善できる場合がある

器質的な要因と心理的な要因が重なる混合性EDもあるため、症状だけで原因を判断することはできません。
勃起しにくい状態が続く場合は、医療機関に相談して原因を確認しましょう。

なお、当院のED治療については以下のページをご覧ください。

器質性EDに関するよくある質問

  • Q
    器質性EDの治し方はどのような方法ですか?
    A
    器質性EDは、ED治療薬の使用と生活習慣の見直しによって改善できると考えられています。
    ただし、生活習慣の見直しによるED改善は時間を要するため、投薬治療と併せて行いましょう。
    また、器質性EDは糖尿病や脳梗塞などの疾患が潜んでいる場合があります。
    原因により適した治療が異なるため、内科や神経疾患の専門医に相談してください。
  • Q
    器質性EDはどの科を受診すればいいですか?
    A
    器質性EDを治療するためには、泌尿器科や男性専門のクリニックを受診しましょう。
    器質性EDの場合、脳梗塞や糖尿病などの潜在的な健康問題が関与していることがありますので、適切な治療に関しては医療機関にご相談ください。
  • Q
    神経障害はEDの原因になりますか?
    A
    神経障害はEDの原因のひとつです。また、神経障害によるEDを「器質性ED」と呼びます。神経に障害が生じることで、脳が興奮を感じても勃起命令が伝わらずEDを引き起こすのです。
    器質性EDとなりうる神経障害は、糖尿病やヘルニアなどの身近な疾患も含まれます。
  • Q
    器質性EDの特徴はなんですか?
    A
    器質性EDは、神経障害や血管障害による勃起不全の総称です。
    具体的な特徴としては、
    • 性交時に勃起しない、または時間がかかる
    • 勃起時に十分な硬さが得られない
    • 朝立ちをしない
    • 中折れする
    • 特定の病気や手術のあと勃起が起きにくくなる
    などが挙げられます。
  • Q
    糖尿病が器質性EDの原因なのはなぜですか?
    A
    糖尿病が、血管障害や神経障害を引き起こすからです。
    糖尿病によって動脈硬化や高血圧が起こり、血管が細くなることでEDを発症します。
    また、糖尿病はこのような血管障害だけではなく、骨盤神経の障害(糖尿病性末梢神経障害)も引き起こします。
    神経の損傷により脳からの興奮が伝わりづらくなり、EDを発症するという仕組みです。

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参考サイト

この記事の監修

院長名前
フィットクリニック院長
服部 圭太
(はっとり けいた)

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務