ルセフィの効果と副作用:飲み方やフォシーガとの違いを解説

更新日:24/06/27
ルセフィの効果と副作用FV

ルセフィは、糖尿病治療薬としても用いられるSGLT2阻害薬で、体重管理・維持を目的としたダイエット薬としても注目されています。

このページでは、以下の内容についてまとめています。

ルセフィの基本情報をまとめていますので、自分にあった治療方法を見つけるヒントとしてお役立てください。

フィットクリニックではルセフィの処方は行っていませんが、同じくSGLT2阻害薬に分類されるフォシーガの処方を行っています。

当院が処方しているダイエット薬について知りたい場合には、以下のページも併せてご参考ください。

ルセフィ錠とは?

ルセフィ

※出典:「2型糖尿病治療剤「ルセフィ錠2.5mg/5mg」に関する販売提携終了のご案内|大正製薬株式会社 ノバルティス ファーマ株式会社」

ルセフィ錠(ルセオグリフロジン水和物)とは、保険診療において2型糖尿病として適応が認められている「SGLT2阻害薬」の一種です

この薬は体内でエネルギーとして使われず残った糖を尿といっしょに排泄させる作用があります。

最近ではダイエット薬として特に注目を集めはじめています。

一部のSGLT2阻害薬は心不全の併存症の薬として用いられることもありますが、ルセフィ錠については適応が認められていません。

また、ルセフィ錠には2.5mgと5mgの2種類の用量があり、治療目的や患者の状態に応じて、医師の指導に基づいた適切な用量が処方されます。

ルセフィとフォシーガの違い

ルセフィとフォシーガは、どちらもSGLT2阻害薬に分類される薬です。
以下の表で、2つの薬の違いをご確認ください。

項目 ルセフィ フォシーガ
製品名 ルセフィ錠 フォシーガ錠
成分 ルセオグリフロジン水和物 ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物
適応症 2型糖尿病 1型・2型糖尿病 / 慢性心不全 ※/ 慢性腎不全※
製造元 田辺三菱製薬 アストラゼネカ
用量 5mg・2.5mg 5mg・10mg
剤形 錠剤 / ODフィルム 錠剤
販売開始年 2014年5月 2014年5月

※慢性心不全は標準的な治療を受けている場合
※慢性腎不全は末期腎不全や透析施行中を除き適応

どちらも同様にSGLT2阻害薬となり、1日あたりの糖の排出量は60gといわれています。

カロリーに換算すると、240kcal程度が消費される計算です。

また、フォシーガは心不全や腎不全にも適応を持つため、糖尿病の治療以外でも用いられる機会が増えています。

ルセフィは2型糖尿病のみですが、錠剤以外にもODフィルム(口腔内崩壊フィルム)があるので水なしでも服用できることがメリットです。

自由診療のクリニックでは、どちらもダイエット薬として用いられることが多い薬です。

ルセフィの効果:痩せる仕組み

SGLT2阻害薬であるルセフィは、体内に余った糖を尿といっしょに排泄させます。

糖質制限ダイエットと似た効果が得られ、余った糖が体脂肪として蓄積されるのを防ぎつつ、体重減少効果を発揮します。

ルセフィの仕組み
ルセフィで痩せる仕組み
①腎臓(近位尿細管)に作用

②糖(グルコース)を再吸収するSGLT2を阻害

③再吸収されなかった糖を尿といっしょに排泄

④過剰な糖の吸収を防いで体重が減少

ルセフィはダイエット中の過度な食事制限をなくし、食べ過ぎさえしなければ食を楽しみながらでも自然な減量が可能になります。

ただし、ルセフィの服用と平行して厳しい食事制限を行ってしまうと、身体に必要な糖まで失ってしまい「低血糖」や「ケトアシドーシス」が起こる可能性があります。

食事の炭水化物の比率が40~55%までであればリスクは抑えられるので、急激な減量を行うことは控えてください。

ルセフィのダイエット効果はいつから感じる?

ルセフィのダイエット効果は、服用をはじめて4週間ごろから現れるといわれています。

尿といっしょに排泄される糖の量は1日あたり約60gとなり、カロリーに換算すると約240kcal相当です。

体脂肪を1kg落とすためには約7,200kcalの消費が必要になるため、以下のような計算結果をみてもダイエット効果が現れるまでに4週間かかることがわかります。

7,200kcal(体脂肪1kg)÷240kcal(糖排泄量/日)=30日(約4週間)

日中の活動レベルや食事内容によって期間には個人差が生じるため、あくまでも目安として考えましょう。

ルセフィを服用したからといって数日で劇的に身体が変化することはありませんが、続けることで体重減少が見込めるといえます。

ルセフィの副作用

ルセフィの副作用として一般的なのが、以下のような症状です。

  • 膀胱炎
  • 便秘
  • 頻尿
  • 検査数値異常(血中ケトン体増加、尿中アルブミン陽性など)
  • のどの渇き
  • めまい
  • 皮膚や陰部のかゆみ など

この他に、稀ではありますが、ルセフィの服用により感染症を引き起こすことがあります。

通常の尿よりも糖が多く含まれるため、それを栄養源として細菌が増殖しやすくなるためです。

膀胱炎などの尿路感染にかかりやすく、性器カンジダ症が起こる可能性もあるため、性器周辺の異常が出た場合は医師に相談するようにしてください。

重篤な副作用

ルセフィは稀ではありますが、服用中に重篤な副作用がみられることがあります。
以下のような症状が現れた場合、速やかに医療機関に受診するようにしてください。

■低血糖

初期症状:空腹感、ふらつき、発汗、動悸、手足の震え など
対処方法:糖質を含む食品を摂取する、医師に相談

■腎盂腎炎、外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症

初期症状:発熱、排尿痛、頻尿、会陰部の痛みや腫れ など
対処方法:医師の診察を受け、適切な治療を行う

■脱水

初期症状:口渇、多尿、頻尿、血圧低下 など
対処方法:休薬、補液など適切な処置を行い、脱水が続く場合は医療機関を受診

■ケトアシドーシス
初期症状:息切れ、吐き気、嘔吐、腹痛、疲労感 など
対処方法:すぐに医療機関を受診し、適切な治療が必要

ルセフィを服用中はインスリンの不足や尿量の増加に伴った症状が現れることがあります。

ルセフィの服用中は体調の変化には十分注意するようにしてください。

ルセフィの飲み方

ルセフィの服用ポイント

ルセフィの飲み方は、1日1回朝食前あるいは朝食後に服用となります。
効果が不十分な場合には医師の判断により、経過をみながら5mgに増量することが可能です。

ルセフィの飲み方のポイント

服用タイミング:朝食前後に服用
食事の有無:食前・食後を問わず服用可能
飲み方:水またはぬるま湯で服用
飲み忘れ:気が付いたタイミングで服用、次の服用が近い場合はスキップ
アルコール:服用中は控えるように意識

なお、過度なアルコール摂取は低血糖を引き起こす原因になりかねません。

アルコールは肝臓の働きを抑え、血糖値が下がってもブドウ糖が放出されないためです。

ルセフィの服用中は、アルコールを控えてください。

また、尿量が増えることがあるので、睡眠を妨げないためにも寝る前ではなく、朝食前後の服用を心がけてください。

ルセフィODフィルムの飲み方

ルセフィODフィルムの飲み方は、以下のとおりです。

①:乾いた手でシートの包みをはがす

②:フィルムを取り出し、舌の上に置く

③:唾液で自然に溶けるのを待つ(水やぬるま湯での服用も可能)

フィルムが上あごに張り付く場合がありますが、そのまま口の中で溶けるのを待って飲み込むようにしてください。

また、フィルムは水に溶けやすいため、濡れた手でフィルムを取り出してしまうと溶けだす可能性があるので取扱いには注意が必要です。

ルセフィの注意事項

ルセフィの注意事項

ルセフィを服用する際には、以下のようなことに注意が必要です。

■過度な糖質制限ダイエットをしない

過度な糖質制限は、低血糖やケトアシドーシスといった重篤な副作用のリスクを高めます。ダイエットのペースを上げたい場合でも、食事の炭水化物比率は40~55%にとどめてください。

■尿意を我慢しない

ルセフィは糖を尿と一緒に排泄するため、尿意を我慢すると膀胱炎や尿路感染症のリスクが増加します。尿意を感じたらすぐにトイレに行くよう心がけてください。

■こまめな水分補給

脱水症状を防ぐため、口やのどが渇いていなくても、服用中はこまめな水分補給が必要です。尿量やトイレ回数の増加を気にして、水分を摂るのを控えないようにしてください。

■体調がすぐれない時は医師に相談する

風邪などをひいて全身の体調がよくない時は、脱水や血糖コントロールが不安定になりやすいです。一時的に休薬が必要になるので、体調が優れない場合には医療機関に相談するようにしてください。

安全にルセフィの服用を続けるためにも、これらの注意事項や医師の指示に従って服用を続けるようにしてください。

ルセフィの併用注意薬

ルセフィとの飲み合わせが悪い併用注意薬は以下となります。

薬品名 注意事項 対処法
糖尿病治療薬
(スルホニルウレア剤、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、DPP-4 阻害薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、リベルサス、インスリン製剤 など)
血糖値を下げる作用が必要以上に強くなる 低血糖のリスクから、血糖値などをモニタリングしながら併用する。また、スルホニルウレア剤、インスリン製剤、GLP-1 受容体作動薬は用量を減らすことを検討する。
血糖値を下げる作用を強めてしまう薬
(β-遮断薬、サリチル酸系薬剤、MAO阻害薬、フィブラート系薬剤 など)
血糖値を下げる作用が必要以上に強くなる 血糖値などをモニタリングしながら併用する。
血糖値を下げる作用を弱めてしまう薬
(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン など)
血糖値を下げる作用が弱まり、本来の治療効果が得られなくなる 血糖値などをモニタリングしながら併用する。
利尿薬
(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬 など)
利尿作用が強くなる 必要に応じて、医師の判断のもと利尿薬の用量を調整する。

これらの薬剤は、ルセフィとの併用を禁止されているわけではありません。

しかし、重篤な副作用のリスクを高めてしまう場合や、併用により治療が妨げられることもあるため、医師の判断のもとで慎重な使用が求められます。

上記に限らず、服用中の薬があれば事前に医師に相談してください。

ルセフィを服用できない人

以下に当てはまる人は、ルセフィを服用することができません。

  • 重いケトーシス状態の方
  • 糖尿病性の昏睡状態、または糖尿病性の昏睡状態になりそうな状態
  • 重い感染症を患っている方
  • 最近手術をした方、または手術の予定がある場合
  • 現在、大きな怪我をしている方
  • 過去にルセフィに含まれる成分で過敏症になったことがある方

また、上記に当てはまらない場合であっても、以下の人はルセフィの服用に特に注意が必要です。

医師の判断によっては、服用できないこともあります。

  • 低血糖のリスクがある方(脳下垂体機能や副腎機能に異常のある、飢餓状態や栄養状態が良くない、食事が不規則、衰弱している、激しい筋肉運動をよくする、飲酒量が多いなど)
  • 現在、尿路感染症あるいは性器感染症にかかっている方
  • 脱水を起こしやすい方(血糖コントロールが悪い、高齢、利尿剤を使用中など)
  • 腎臓に中~重度の障害がある、または透析中の末期腎不全を患っている方
  • 肝臓に重度の障害がある方
  • 妊娠または妊娠の可能性がある方
  • 授乳中の方

※「患者向医薬品ガイド ルセフィ錠 2.5mg、ルセフィ錠 5mg」参照

健康状態によってはルセフィの服用がリスクになるため、体調面での不安などがあれば必ず医師にその旨を伝えるようにしてください。

ルセフィの薬価と購入方法

ルセフィの薬価については、以下の表をご確認ください。

製品名 薬価
ルセフィ錠2.5mg 149円/錠
ルセフィ錠5mg 220.8円/錠
ルセフィODフィルム2.5mg 161.20円

上記はあくまでも薬価となり、自由診療での処方となると約2〜3倍程の価格となります。

ルセフィは医療用医薬品となるため、クリニックや病院で処方される薬です。

メディカルダイエットで用いる場合は適応外処方となり、自由診療として扱われるため保険適用外となります。

ただし、2型糖尿病の治療に用いる場合は保険適用で治療が可能です。

自由診療の場合、クリニックによって処方価格が異なるため、治療費については事前に確認するようにしてください。

なお、ルセフィは、個人輸入で販売されていることがありますが、製品の品質や有効性、安全性は保証されません。

健康被害のリスクや、薬事法に抵触する可能性もあることから、必ず医師から購入を推奨します。

ルセフィは販売中止している?

ルセフィは現在も販売されています。
2019年12月にルセフィを製造販売していた大正製薬とノバルティスファーマ社の提携が終了しましたが、2020年1月からは大正製薬が単独でルセフィ錠の販売を続けています。

提携終了を理由に、一時的に供給が不安定になることが懸念されましたが、大正製薬は製造体制を整え、安定した供給を維持しています。

今のところ販売中止になる予定はなく、2022年6月17日には「ルセフィODフィルム2.5mg」という新たな選択肢も加わりました。

治療薬の切り替えを余儀なくされる心配はないので、ルセフィを安心して利用できる環境が整っています。

フィットクリニックのメディカルダイエット

フィットクリニックのフォシーガ

フィットクリニックはダイエット外来を設けており、ルセフィと同じSGLT2阻害薬である「フォシーガ」を処方しています。

  フォシーガ 5mg 5mg フォシーガ 10mg 10mg
30錠 14,000円 19,000円
90錠 37,800円(12,600円/月) 51,300円(17,100円/月)
180錠 71,400円(11,900円/月) 96,900円(16,150円/月)
定期配送 12,600円/30錠 17,100円/30錠

当院では、メディカルダイエットのオンライン診療を実施しています。

オンライン診療なら通院の手間がなく、自宅などご自身がもっともリラックスできる環境で医師の診察から薬の処方が受けられます。

日本国内ならどこにいても、医師のサポートを受けながら体重管理・維持が可能です。

当院ではフォシーガ以外にも、脂質の吸収を抑える薬など各種ダイエット薬を取り扱っています。

太る原因に合わせた最適なアプローチをいたしますので、自己管理によるダイエットが難しい方はお気軽にご相談ください。

ルセフィの効果と副作用についてのまとめ

このページのまとめは以下となります。

  • ルセフィはダイエット薬として注目されている
  • 同じ系統の薬であるフォシーガもメディカルダイエットに用いられる
  • 糖質制限と似た効果が得られる
  • 約4週間後からダイエット効果が現れる
  • 副作用や服用禁忌があるため医師の指示に従った服用が必要
  • ダイエット薬として使用するには必ずクリニックで処方を受ける

フィットクリニックでは、ルセフィと同じSGLT2阻害薬のフォシーガを含む各種ダイエット薬の処方を行っています。

スマホがあれば国内どこからでも受診でき、処方された薬も自宅に届くので、ご自身のタイミングですぐに治療をはじめられます。

太る生活を見直しながら体重管理・維持するのは簡単なことではありません。

自己管理のサポートが必要な方は、フィットクリニックまでぜひ一度ご相談ください。

よくある質問

Q1
ルセフィのジェネリックはありますか?
A1
現在のところ、ルセフィのジェネリック医薬品は日本で販売されていません。
ジェネリック医薬品の開発情報などもないため、治療には先発薬のみ利用可能です。
Q2
ルセフィとリベルサスは併用できますか?
A2
ルセフィとリベルサスは、飲み合わせが悪い併用注意薬に指定されています。
絶対に併用できないわけではありませんが、血糖値が必要以上に下がるリスクがあるため、医師のもとで血糖値などを観察しながらの併用になります。
Q3
ルセフィを飲むと副作用でカンジダになりやすいですか?
A3
ルセフィを飲むと尿中に含まれる糖が増えるため、これが原因で膣カンジダ症を発症するリスクがあります。
排尿時の痛みや陰部のかゆみ、排尿後の残尿感などの症状があれば医師にご相談ください。