一方の膣錠については、外陰のかゆみや膣炎といった女性に対してのみ有効です。
ただし尿道や子宮の奥に感染が進んでしまっていると膣錠では効果が期待できないため、症状によっては内服薬との併用治療を行うこともあります。
このページでは、トリコモナスの薬について詳しく解説しています。
薬の種類や剤形(内服薬・膣錠)の使い分け、検査についても触れているので、トリコモナスの感染に不安がある方は参考にしてみてください。
当院のトリコモナスの薬
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薬品名 | フラジール内服薬 250mg |
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処方数 | 20錠 |
価格 | 10,000円 ※検査キットとのセット処方で2,000円引き |
トリコモナスの薬として治療に用いられるのが、「ニトロイミダゾール系」の抗原虫薬です。
それぞれの薬の特徴や効果・副作用について、詳しく解説していきます。
トリコモナス治療の第一選択薬とされているのが、メトロニダゾールです。
有効成分がほぼ100%吸収されることでほとんどの方が一度の治療で治癒するため、トリコモナス治療に多く使われます。
メトロニダゾールは1961年から国内で販売が開始されており、信頼できる薬です。
なお、フィットクリニックでもメトロニダゾール(フラジール)を取り扱っています。
検査で陽性だった場合は薬の処方が可能なので、性器へのかゆみや炎症、おりものの異常といった感染が疑われる症状があれば当院までご相談ください。
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薬品名 | フラジール内服薬 250mg |
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処方数 | 20錠 |
治療期間 | 10日 |
処方価格 | 10,000円 ※検査キットとのセット処方で2,000円引き |
用法・用量 | 1回250mgを1日2回、10日間経口投与する |
副作用 | 末梢神経障害 、 四肢のしびれ 、 四肢異常感 、 中枢神経障害 、 脳症 、 痙攣 、 錯乱 、 幻覚 、 小脳失調 、 ふらつき |
メトロニダゾール(フラジール)には、感染部位に寄生したトリコモナス原虫を駆除する効果があります。
DNAを切断された原虫は生きることができなくなり、10日の治療で90〜95%の方が治癒します。
また膣トリコモナス症のほか、症状の似ている細菌性膣症にも効果効能が認められています。
メトロニダゾール(フラジール)の副作用は、以下のとおりです。
〇重大な副作用
末梢神経障害 、 四肢のしびれ 、 四肢異常感 、 中枢神経障害 、 脳症 、 痙攣 、 錯乱 、 幻覚 、 小脳失調 、 ふらつき など
〇その他の副作用
食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢、腹痛、発疹、かゆみ など
メトロニダゾールはほかの薬剤と比べて副作用が少ないため、大きな心配はありません。
ただし、高用量での投与や長期服用になると「末梢神経障害」などの重い副作用が起きることもあるので、医師の服薬指導に従って服用してください。
チニダゾールは、メトロニダゾールにアレルギーが出る場合や、メトロニダゾールでトリコモナスの症状が改善しないケースで用いられる抗原虫薬です。
チニダゾールは成分が体内に長くとどまるため、服用日数が7日間と少なく(メトロニダゾールは10日間)、1回の高用量投与によっても治療することができます。
処方はジェネリック医薬品のみとなり、副作用の発生頻度がわかる使用実績調査が行われていないため、処方機会は少なくなっています。
チニダゾールはメトロニダゾールと同系統の薬になるので、治療効果は同じです。
トリコモナス原虫のDNAを切断することで死滅させ、感染部位から駆除します。
また膣トリコモナス症のほか、症状の似ている細菌性膣症にも有効です。
チニダゾールの副作用は、以下のとおりです。
胃腸症状が見られやすいものの、軽い症状であることがほとんどなので大きな心配はありません。
もし症状がひどくなったり、長引くようであれば、早めに医師までご相談ください。
トリコモナスの薬である「メトロニダゾール(フラジール)」や「チニダゾール」には、膣錠と内服薬の2つの剤形があります。
症状に応じて使い分けられるので、膣錠と内服薬の使いどころについて詳しく解説していきます。
トリコモナスは、女性の外陰部や膣、男性の尿道に感染するのが一般的ですが、前立腺や子宮内(子宮内膜や卵管など)、膀胱といった、身体の奥に原虫が寄生してしまうことがあります。
そのため男女ともに、全身作用が期待できる内服薬を使った治療が基本です。
ただし、妊娠3ヶ月以内または妊娠の可能性がある女性は内服薬の服用ができません。
成分が胎盤を通じて胎児へ移行するのを避けるため、血液中に成分の移行がほとんどない膣錠を用います。
膣錠は、膣に直接挿入して使用する坐剤(座薬)です。
膣内で溶け出した薬剤が、膣や外陰部に寄生する原虫をピンポイントで駆除します。
局所作用に限られるため、胎児への影響はほとんどなく、妊娠中でも比較的安全にトリコモナス治療を行えます。
なお、男性は膣錠を使用できません。
内服薬の代わりとして服用することもできないのでご注意ください。
トリコモナスは内服薬や膣錠の使用でほとんどの方が治りますが、まれに治りが悪い難治例や再発例もあります。
このようなケースでは不快な症状が長引き、悪化するおそれもあることから、内服薬と膣錠の両方を用いた併用治療を行うことがあります。
トリコモナスの薬の投与期間は、以下を参考にしてください。
上記の投与期間を1クールとし、症状の改善が見られず、追加の治療が必要になれば、1週間空けてから再び投与を開始します。
メトロニダゾールやチニダゾールの内服薬による治療中の飲酒は大変危険です。
アルコールを代謝するための酵素の働きが薬によって阻害されてしまい、二日酔いの原因物質となるアセトアルデヒドの血中濃度が上昇してしまうためです。
またアセトアルデヒドが血中に増えると、次のような症状が現れることがあります。
なお、服用期間中だけでなく、服用後3日以内も飲酒はできません。
二日酔いに似たひどい症状が出て大変危険なため、服用から約2週間は絶対に飲酒しないでください。
トリコモナスの薬は内服薬や膣錠に関係なく、カンジダを誘発してしまうことがあります。
発生頻度はわかっていませんが、体内の常在菌のバランスが変化することで起こると考えられています。
また、カンジダは真菌(カビの一種)が原因となるので、抗原虫薬では治療ができません。
抗真菌薬を用いた別の治療が必要なので、かゆみや炎症、おりものの異常(酒粕状、カッテージチーズ状など)といった症状の悪化を感じるようであれば医師に相談しましょう。
トリコモナスの薬のうち、メトロニダゾール(フラジール)の膣錠は、零売(れいばい)薬局でも取り扱いがあります。
ただ、トリコモナスの治療は内服薬がスタンダードです。
内服薬の入手には医師の処方箋が必要になるので、ドラッグストアや薬局では購入できません。
自己判断での薬の投与は危険であることも踏まえ、トリコモナスの薬は医療機関で入手するのが望ましいです。
フィットクリニックでは、医療機関への受診に対する不安や抵抗感を和らげる取り組みとしてオンライン診療を実施中です。
オンライン上で性病検査から薬の処方までをワンストップで行え、トリコモナス治療の基本となるメトロニダゾール(フラジール)内服薬を郵送でお届けすることも可能です。
また自由診療になるので「医療費のお知らせ」(医療費通知)に記載されず、ご家族に知られる心配も一切ありません。
気軽に相談できる環境・体制が整っているので、トリコモナスへの感染に不安がある方は当院までご相談ください。
トリコモナスと症状が似ている感染症は他にもいくつかあり、症状だけを頼りに感染症の種類を判断することは難しいです。
人によっては同時感染のリスクなども考えられるので、複数の項目をセットで検査するのがおすすめです。
検査キット | 価格 | クラミジア | 淋菌 | 咽頭クラミジア | 咽頭淋菌 | トリコモナス | カンジダ | HIV | 梅毒 | B型肝炎 | C型肝炎 |
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女性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
女性8項目セット | 29,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
男性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
検査キット2個セット | 10%引き |
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マイコプラズマ検査 | +12,000円 |
送料 | 無料 |
また感染した病原体によって、有効な薬の種類も変わります。
適切な治療を行うためにも、まずは疑わしい症状からいくつかの検査をまとめて受けるようにしてください。
女性が検査でトリコモナス陽性であった場合、パートナーである男性も感染している可能性が高いです。
男性は症状が現れにくく、原虫が排尿で洗い流されることもあるので、感染していても検査で陰性の反応が出ることがあります。
ただ、前立腺や精嚢(せいのう)に寄生していることもあり、ペアで治療を行わないと感染させ合ってしまい、症状が長引く原因になりかねません。
お互いの身体を守るためにも、女性が陽性だった場合はパートナーと一緒に治療を受けるようにしてください。
トリコモナスは男女の性器で尿道炎や膣炎を起こしますが、こうした症状は他の性感染症にも認められています。
症状だけではトリコモナスだと判断することはできず、感染した病原体の種類によっては薬の種類も異なります。
正しい治療につなげるためにも、まずは疑わしい症状に合わせた検査を受けるようにしてください。