【医師監修】禁煙の健康的効果を徹底解説!

更新日:24/06/14
【医師監修】禁煙の健康的効果を徹底解説

禁煙は、はじめた時点から身体は健康に向かいます。そして、続けるほどそのメリットは大きくなっていきます。

このページでは、禁煙がもたらす健康的効果について詳しく解説しています。

タバコをやめるきっかけを探している方は、ぜひご参考ください。

また、禁煙には健康的効果だけではなくQOL(生活の質)を上げるすごい効果があります。
詳しくは以下ページをご確認ください。

禁煙の健康的効果一覧

禁煙による健康への効果はいくつもあります。

それぞれのメリットについて、以下で簡単にご紹介していきます。

心臓発作の可能性が低下

禁煙することで、心臓発作のリスクは低下します。

タバコに含まれる化学物質にさらされなくなることで、以下のような心臓の働きを損ねる原因が減るためです。

心臓発作の可能性が低下する理由
  • 動脈硬化や血栓ができやすくなる
  • 交感神経を刺激する(心拍数や血圧の増加)
  • 心臓に酸素や栄養を供給する冠動脈を収縮させる
など

禁煙からわずか24時間で心拍数や血圧、血流は改善されていき、やがては心臓に関わる病気のリスクも非喫煙者と変わらないレベルにまで低下します。

肺機能の改善

禁煙数日で呼吸や歩行が楽になりはじめ、肺機能が回復をはじめます。

肺機能は時間をかけて改善されていくのが特徴で、肺組織の回復が進むにつれて少しずつ実年齢と肺年齢が近づいていきます。

また患者の90%以上が喫煙者であり、「タバコ病」とも呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の発症リスクも抑えられます。

ただし、喫煙によってダメージを受けた肺は完全に元通りになることはありません。

今の肺の状態がもっとも健康ということになるので、将来にわたって健康な肺を残すためにも禁煙するのは早いに越したことはありません。

せき・喘息など呼吸器官の改善

禁煙をはじめてから1ヵ月ほどが経過すると、せき・喘息といった呼吸器官に起こる症状が改善されます。

これはタバコによる気道の炎症や、それによって過敏になっていた状態が改善されるためです。

また禁煙すると、気道の自浄作用(自ら老廃物を除去する力)も元に戻っていきます。

これにより免疫機能が正常に機能しはじめ、風邪やインフルエンザといった感染症にもかかりにくくなり日々の健康維持にもつながります。

心臓・血管など循環機能の改善

禁煙により以下のような有害物質が身体から排除されることで、心臓・血管など循環機能が改善されていきます。

タバコに含まれる有害物質

■ニコチン
血管を収縮させて血圧や脈拍を上昇させて心臓に負担をかける

■一酸化炭素
体内を酸欠状態にしたり、血液が固まりやすくすることで動脈硬化が進む


禁煙でこれらが排除される

喫煙者は、心臓や血管の病気による突然死のリスクが非喫煙者の5~10倍にもなるとされています。

このことから長く健康的であり続けるためにも、禁煙するメリットは大きいと言えます。

虚血性心疾患の可能性が低下

狭心症や心筋梗塞のことをまとめて「虚血性心疾患」と呼びます。

虚血とは血がない状態を意味し、冠動脈(心臓に血液を送る血管)が狭くなったり、詰まることで、十分な血液が心臓に行き渡らなくなることで発症します。

喫煙者の虚血性心疾患のリスクは、非喫煙者にくらべて2~3倍高いとされています。

タバコを2~4年吸わないだけでリスクは約1/3にまで低下し、10年以上禁煙を続けられれば、そのリスクは非喫煙者と変わらないレベルにまでなります。

肺がんの可能性が低下

肺がん最大の原因として指摘されているのが、タバコの影響です。

タバコによる肺がんのリスクは、男女で以下の通りとなっています。

男性:約4.8倍
女性:約3.9倍

喫煙歴や喫煙本数が多いほどリスクも高まり、逆に5〜9年禁煙を続けることでリスクは明らかに低下することがわかっています。

タバコを吸わない方でも肺がんにはなりますが、早くにタバコをやめるほど大きな効果が期待できることは覚えておいてください。

男性、女性それぞれの禁煙については下記ページで解説しています。

EDの改善

タバコは血管の収縮や動脈硬化の進行、さらには交感神経を刺激してしまうので、こうした影響が男性の勃起力にも影響します。

非喫煙者のEDリスクを1とした時、喫煙者がEDになるリスクは1日の喫煙本数に応じて高まることが海外の研究でわかっています。

喫煙本数別EDリスク
1~10本 /日 1.27
11~20本 /日 1.45
21本以上/日 1.65

※非喫煙者のリスクを1とする

また他の調査ではEDに悩んでいる人の40%が喫煙者とも言われ、タバコは男性の勃起力を低下させることがわかっています。

EDを「年のせい」と諦めるのではなく、すぐにできるED改善の1つとして禁煙に挑戦してみてください。

寿命が長くなる

20歳になる前に喫煙をはじめてしまうと、寿命が男性でマイナス8年、女性はマイナス10年短縮することがわかっています。

またタバコ関連の病気でなくなった人は毎年12~13万人にもなり、これは国内年間死亡者数の10%前後を占めます。

こうした死亡率の高さから、喫煙は一時的な快楽のために寿命を削る行為と言わざるを得ません。

40歳までに禁煙できれば喫煙前の余命を取り戻せ、50歳なら6年、60歳でも3年寿命が伸びると言われています。

人生100年時代をどう過ごすか、ライフプランの中に禁煙を組み込んでみてください。

周りへの健康的効果も大きい

禁煙がもたらす効果は、喫煙者本人だけではありません。

受動喫煙による望まない喫煙から、家族、友人、恋人など周囲の人を守ることができます。

日本では受動喫煙が原因で、年間1.5万人もの人が命を落としています。

未来ある子供の成長にもタバコの害は及んでしまうので、身近な大切な人のためにも積極的に禁煙することを検討してみてください。

健康のために禁煙を検討している方へ

禁煙は簡単なことではありません。

タバコに含まれるニコチンには強い依存性があり、わずか数分、数十分我慢しただけでも離脱症状が現れてしまいます。

毎年喫煙者の約1/3が禁煙に挑戦していますが、自力で1年以上の禁煙に成功している人は1〜3%という報告もあるほどです。

禁煙は、タバコをやめようとする意志だけでは上手くいかないことがほとんどです。

ニコチン依存症という病気なので、失敗・挫折を繰り返さないためにも、以下の禁煙治療薬の処方を受けてスムーズに禁煙することをおすすめします。

フィットクリニックの禁煙治療薬

フィットクリニックでは、チャンピックスジェネリックという禁煙補助薬の処方を行っています。

この薬は禁煙時の辛い離脱症状を抑えつつ、喫煙欲求を軽減させる効果もあるため、無理なく吸いたい気持ちをコントロールしながら禁煙することが可能です。

製品 成分量
チャンピックスジェネリック(ニコピクス) チャンピックスジェネリック 1~3日目:0.5mgを1回/日
4~7日目:0.5mgを2回/日
8日目以降:1mgを2回/日
製品 価格
(税込)
1日あたり
(12週間分購入した場合)
12週間禁煙プログラム 49,200円 585円
定期配送プログラム 17,685円 631円
お試しプログラム2w 12,000円 678円

オンライン診療を利用して受けられる禁煙プログラムをご用意しており、通常は12週間の治療プログラムで禁煙を目指します。

診察料や送料はかからず、1日あたりタバコ1箱相当で治療を続けられるので、治療コストの面でお悩みの方もお気軽に当院までご相談ください。

禁煙の健康的効果についてまとめ

タバコは「百害あって一利なし」と言われるように、喫煙にはメリットがなに1つありません。

その一方で、禁煙するだけで得られる健康的効果は計り知れません。

心臓や血管の病気、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気リスクの低下や、血圧や呼吸機能、免疫力など正常になることで生活の質も大きく改善されます。

周囲の方が受動喫煙にさらされるリスクもなくなるので、ご自身のためだけでなく、家族や友人のためにも禁煙に踏み切ってみてください。

また、「タバコの離脱症状がつらい」「禁煙出来る気がしない」という方はぜひ禁煙治療薬をご検討ください。

よくある質問

Q1
禁煙すると肺は元の健康な状態に戻りますか?
A1
残念ながら、100%元の状態になるわけではありません。
ただ、タバコによる気管支の炎症などが治まることで肺機能は改善され、禁煙を続けることで肺にまつわる病気のリスクを抑えることはできます。
Q2
禁煙すると健康寿命は延びますか?
A2
40歳までに禁煙できれば、喫煙前の余命を取り戻すことができると言われています。
また50歳以降でも6年、60歳に入っても3年は寿命が伸びると考えられています。
禁煙に遅いということはないので、少しでも禁煙を考えるのであれば積極的にチャレンジしていきましょう。
Q3
禁煙をはじめる時、離脱症状は辛いですか?
A3
離脱症状の辛さには、個人差があります。
ただ、1日の喫煙本数が多く、喫煙年数も長いと、禁煙による反動で症状が強く出てしまう傾向にあります。
離脱症状を抑えるお薬もあるため、お気軽に当院にご相談ください。
Q4
非喫煙者と変わらないレベルの健康状態になるにはどのくらいかかりますか?
A4
禁煙開始から10年以上が経過すると、タバコによるさまざまな病気のリスクが非喫煙者と同じくらいのレベルにまで近づきます。
長いと感じてしまうかもしれませんが、禁煙した直後から身体は少しずつ健康に向かいます。
日々なにかしらの変化を実感でき、吸わない生活に慣れてしまえば、10年はあっという間に過ぎ去っていくはずです。
Q5
禁煙治療を受けた方がいいですか?
A5
自力で禁煙に成功する方は、ほんの一握りです。
失敗や挫折を繰り返して禁煙自体を諦めてしまわないためにも、禁煙に伴う離脱症状や喫煙欲求を減らす薬を使った禁煙治療をおすすめします。