<一般的な注射針> | <GLP-1の注射針> |
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太さ:約0.8mm | 太さ:約0.23mm |
長さ:約25.4mm | 長さ:約4〜8mm |
GLP-1ダイエットとは?効果や副作用を解説

メディカルダイエットの1つとして人気を集めている、GLP-1は食欲を抑えることで摂取カロリーをコントロールするお薬です。
このページでは、GLP-1を使ったダイエットの効果や副作用について詳しく解説しています。
GLP-1受容体作動薬とは

GLP-1受容体作動薬はGLP-1と呼ばれる、もともと体の中にあるホルモンを補う薬です。
糖尿病(2型糖尿病)の治療に用いられ、インスリンの分泌を促すことで血糖値を下げる作用があります。
GLP-1には他にもさまざまな働きがあり、メディカルダイエットのお薬としても注目を集めています。
食事制限によるリバウンドの心配もなく、辛い運動をする必要もないので、定期的に摂取するだけで自然にダイエット効果が得られます。
ここからは、GLP-1受容体作動薬のダイエット効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。
GLP-1受容体作動薬のダイエット効果
GLP-1受容体作動薬のダイエット効果は、主に3つあります。
- 少量の食事で満腹感をキープする効果
⇨ 胃の運動を遅らせることで、普段よりも少ない食事量で満足できる - 食欲そのものを抑える効果
⇨ 中枢神経に作用して食べ過ぎを予防する - 太りにくい体質へと変える効果
⇨ 食後の血糖値の上昇を抑えることで、体に脂肪を溜め込みにくくする
食事量をコントロールすることで摂取カロリーを抑えられ、自然な食事制限ダイエットが出来ます。
また、空腹感によるストレスも感じることが少なくなるため、ストレスの反動によるリバウンドの可能性を抑えることが可能です。
GLP-1受容体作動薬はダイエットに適しているのか?
GLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬になるので、健康な人がダイエット目的で使用しても問題ないのか心配になるでしょう。
ダイエット目的でGLP-1受容体作動薬を使っても問題ない理由としては、次のことがあげられます。
- 海外では肥満治療の治療薬として使用されている実績がある
- 日本でも肥満治療薬として承認予定
海外での使用実績が豊富なため、国内では自由診療の美容クリニックがダイエット薬として処方し、国内での実績も豊富になりつつあります。
糖尿病でない方でも医師の管理下であれば安全に使用ができます。
GLP-1受容体作動薬を使い始めてから効果が現れるまで
GLP-1受容体作動薬の効果が現れるまでには、2〜3ヶ月ほどかかります。
年齢による基礎代謝の違いや、1日の摂取カロリーにより個人差はありますが、続けることで少しずつ体重の変化を実感できるようになります。
また、効果が現れるまでの期間を早めたいからといって、食事を抜いたりするのは控えてください。
糖質は太る原因ではあるものの、体で最も早く・多く利用されるエネルギー源でもあります。
不足すれば不調を招く原因にもなるので、食事はとりつつ、摂取カロリーを抑えるよう意識することを心がけましょう。
1か月でどのくらい痩せる?
海外の臨床試験で得られた、GLP-1を使った期間ごとの体重減少率は次のとおりです。
6ヶ月:10.9%
体重が80kgある方であれば、3ヶ月で約4.7kg、6ヶ月で約8.7kgの減量効果が期待できるということになります。
1ヶ月で1.5kg前後痩せる計算になるため、定期的に使い続けることでダイエット効果が得られます。
GLP-1ダイエットで痩せなかった人がしていること
食欲や血糖値上昇の抑制作用を過剰に期待しすぎてしまう方がいます。
下記のような場合、痩せることが難しくなってしまったり、逆に太ってしまう、体調が悪くなってしまう事もありますので注意しましょう。
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食べても太らないと勘違いしている
たくさん食べても大丈夫
間食が増えた「薬を使用しているから痩せられる」と勘違いをしてしまうと、GLP-1を使用していても痩せることは難しくなってしまいます。
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バランスの良い食事をしていない
GLP-1ダイエットでは、食欲抑制や糖の吸収阻害などの効果で減量していきます。
その為、普段よりも食事の量が少なくなりますが、栄養バランスが崩れてしまいがちです。
食欲が抑えられても、高カロリーなものを食べたりした場合ではダイエット効果が期待できなくなってしまいます。 -
適度な運動をしていない
GLP-1でのダイエットは食欲が抑えられることで無理なくダイエット出来ます。
しかし全く運動をしない場合、運動している人に比べると痩せるスピードは非常に緩やかになってしまいます。
食事の量が減ることで少しづつ体重は減少しますが、効率よく痩せるためにもジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。 -
使用方法を守っていない
用法用量を正しく守っていない場合、薬の効果を得られないことがあります。
内服薬 :1日1回1錠を120mLの水で空腹時に飲む/服用後30分以上は飲食を避ける
注射剤 :週1回投与する (必ず同じ曜日に投与する)※セマグルチド(リベルサス・ビクトーザ)を例にしています。
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過度な飲酒は避ける
GLP-1はインスリンに働きかけるホルモンで、インスリンは膵臓から分泌されています。
お酒を飲むと膵臓に負担がかかり、過度なアルコール摂取によって膵臓のキャパオーバーとなってしまい体調を崩してしまいます。
またお酒の中にはカロリーの高い種類もありますので、お酒を飲む際はカロリーの少ないお酒を適度に飲むようにしましょう。
GLP-1受容体作動薬の種類と費用相場
GLP-1受容体作動薬は、薬のカタチから2種類に分けられます。
「注射剤」と「錠剤」があり、それぞれ費用相場や使い方、有効成分などにも違いがあります。
ここからは、2種類のGLP-1受容体作動薬について見ていきましょう。
注射剤として処方される機会の多いビクトーザ(サクセンダ)・オゼンピックと、錠剤タイプのリベルサスの大まかな概要は次のとおりです。
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製品名 | ビクトーザ/サクセンダ | オゼンピック | リベルサス |
剤形 | 注射剤 | 注射剤 | 錠剤 |
成分 | リラグルチド | セマグルチド | セマグルチド |
飲み方・ 使い方 |
1日1回決まった時間に腕・足・お腹のいずれかに自己注射 | 1日1回決まった時間に腕・足・お腹のいずれかに自己注射 | 1日1回空腹時に120ml以下の水で1錠服用 |
特徴 | 治療用量を細かく調整できる | 治療用量を細かく調整できる | 飲むだけなので使用しやすい |
費用相場 | 25,000円前後 / ヶ月 | 20,000円前後 / ヶ月 | 15,000円前後 / ヶ月 |
同じGLP-1受容体作動薬でも違いがあり、ビクトーザ(サクセンダ)やオゼンピックは自己注射という治療ハードルの高さはあるものの、体調の変化に合わせて用量をコントロールしやすいです。
一方のリベルサスは、飲むだけなので使用上の負担も少なく、1ヶ月あたりの費用も抑えられます。
GLP-1受容体作動薬でダイエットするメリットとデメリット
GLP-1でダイエットするメリット | GLP-1でダイエットするデメリット |
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GLP-1受容体作動薬でダイエットするメリット・デメリットを比較してみると、次のようなことが言えます。
1食ごとに食事を管理し、摂取カロリーを計算する手間もなく、使用するだけでダイエット効果が得られるのがGLP-1受容体作動薬の1番のメリットです。
ただし、どんな薬にも効果と副作用があります。
痩せたいがあまりに使用方法を誤ってしまうと、体調を崩してしまう、副作用が出やすくなってしまいます。
また、保険が適用されないので、一般的な診療と比較して治療費が高額になってしまうのもデメリットとなります。
GLP-1受容体作動薬の副作用と発現率
GLP-1受容体作動薬の副作用と発現率については、表にまとめたので確認しておきましょう。
リベルサス | 5%以上 | 1〜5%未満 | 0.5〜1%未満 | 頻度不明 |
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免疫系障害 | 過敏症(発疹、じん麻疹等) | |||
代謝及び 栄養障害 |
食欲減退 | |||
神経系障害 | 頭痛 | 浮動性めまい、味覚異常 | ||
眼障害 | 糖尿病網膜症 | |||
心臓障害 | 心拍数増加注1 | |||
胃腸障害 | 悪心、下痢 | 便秘、嘔吐、腹部不快感、腹痛、消化不良、上腹部痛、腹部膨満、胃食道逆流性疾患 | 鼓腸、胃炎、おくび | |
肝胆道系障害 | 胆石症 | |||
全身障害及び 投与部位状態 |
疲労、無力症 | |||
臨床検査 | リパーゼ増加 | 体重減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、アミラーゼ増加 |
ビクトーザ | 5%以上 | 1〜5%未満 | 0.5〜1%未満 | 頻度不明 |
---|---|---|---|---|
感染症 | 胃腸炎 | |||
血液及び リンパ系障害 |
貧血 | |||
内分泌障害 | 甲状腺腫瘤 | |||
代謝及び 栄養障害 |
食欲減退 | 高脂血症 | 脱水 | |
神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻、味覚異常 | |||
眼障害 | 糖尿病性網膜症 | |||
心臓障害 | 心室性期外収縮 | 心拍数増加注1) | ||
血管障害 | 高血圧 | |||
呼吸器、胸郭 及び縦隔障害 |
咳嗽 | |||
胃腸障害 | 便秘、悪心 | 下痢、腹部不快感、消化不良、腹部膨満、嘔吐、腹痛 | 胃食道逆流性疾患、胃炎、おくび | 鼓腸 |
肝胆道系障害 | 肝機能異常 | 胆石症 | ||
皮膚及び 皮下組織障害 |
じん麻疹、そう痒症、紅斑、湿疹、発疹 | 皮膚アミロイドーシス | ||
全身障害及び 投与部位状態 |
注射部位反応(紅斑、発疹、内出血、疼痛等) | 倦怠感、胸痛 | ||
臨床検査注2) | 膵酵素(リパーゼ、アミラーゼ等)増加 | ALT増加、AST増加、体重減少 |
どちらも胃腸障害が見られやすく、特にはじめて使用する人は胃もたれが続いているように感じることもあります。
体が慣れてくると症状は次第に治り、胃の運動を遅らせている良いサインと捉えるようにすると使いやすくなるはずです。
重篤な副作用
GLP-1受容体作動薬には、いくつか重篤な副作用の報告もあります。
- 低血糖
⇨ 倦怠感、手の震え、冷や汗などの自律神経症状など - 膵炎
⇨ 吐き気を伴う上腹部の激しい痛み、背中の痛みなど - 腸閉塞
⇨ 悪心、便秘が続く、腹部全体にチクチクとした刺したような痛みなど - 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
⇨ 上腹部の不快感や鈍痛など
いずれの症状も稀なケースとされておりますが、医師の事前の診察によってリスクが考えられる場合、服用できないと判断されるので大きな心配はありません。
しかし低血糖については、GLP-1受容体作動薬の使用にくわえて、過度な食事制限をしてしまうと起こるリスクを自ら高めてしまいます。
使用方法を守り、糖質不足に陥らないよう食事はきちんと摂るようにしてください。
また、使用中に普段と異なる症状を感じた際には、必ず医師に相談するようにしてください。
GLP-1受容体作動薬を使用できない人と併用に注意が必要な薬

GLP-1受容体作動薬は、体質や健康状態によっては使用できない人がいます。
- 成分にアレルギーの経験がある人
- 1型糖尿病の患者
- 重症感染症の患者
アレルギーのリスクをなくすためだけでなく、1型糖尿病や症状が重い感染症の人の使用も適さないと考えられています。
また併用に注意が必要な薬があり、代表的なものをいくつかご紹介します。
- 糖尿病治療薬
- レボチロキシン製剤
こうした薬との併用は治療に影響を及ぼす可能性があるので、服用中の方は医師の判断によってはGLP-1受容体作動薬を使用できません。
GLP-1受容体作動薬を安全に使用するためにも、持病やアレルギー、また服用中のお薬があれば、事前に医師に申し出るようにしてください。
GLP-1受容体作動薬は医師の管理のもと使用しましょう

GLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬ではあるものの、医師の管理下であればダイエット目的での使用も可能です。
医師の治療実績が豊富なことはもちろん、万が一の時でも対応できる治療環境の整ったクリニックを選んでみてください。
また、誤った使用をしてしまうと、体の不調を招く原因になってしまいます。
必ず服薬指導どおりの適切な使用を行い、治療後の体型維持のことも含めた無理のないダイエットプランを医師といっしょに検討してください。
よくある質問
一度は必ず医師に自己注射指導を受け、その後は決められた用量を1日1回注射していきます。
注射に苦手意識のある方もいますが、皮下注射となるので痛みもほとんどなく、深く刺さらない設計になっているので安心してご使用いただけます。
痩せたからといって治療後に暴飲暴食をしてしまうと、体重が元に戻ってしまう可能性があります。
治療中に食生活をコントロールできるよう摂生し、可能であれば体型維持のためにも軽い運動をする習慣をつけましょう。
ただ、目標体重には個人差もあるので、治療期間については医師の相談しながら決めるようにしましょう。
自由診療となるので、治療にかかる費用はすべて自己負担になります。
基本的には低用量からスタートし、健康上の問題がなければ、様子を見つつ用量を少しずつ増やしていきます。
さらにダイエット目的では自由診療のクリニックでのみ処方しているので、購入を希望される方は、ダイエット外来が併設されたクリニックにご相談ください。