喉に感染する咽頭淋菌(淋病)の症状とは?治療・検査・予防法について

喉に感染する咽頭淋菌(淋病)の症状とは?

このページでは、淋病がのどに感染した際にみられる症状をはじめ、治療・検査・予防法などについても詳しく解説しています。

まずは、咽頭淋菌(淋病)に感染しているか気になる方は以下の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。

咽頭淋菌(淋病)セルフチェック
性行為をしてからのどに違和感や異常がある
オーラルセックスの頻度が高い
性風俗をよく利用する
性器への感染が確認された
感染の疑いのある人とキスをした
咽頭炎症や扁桃腺炎の治療をしても症状が改善しない

1つでも当てはまる場合、少なからず咽頭淋菌(淋病)に感染している可能性が考えられます。

また、感染していても無症状な方もいるため、不安を感じている方は念のため検査を受けるようお願いします。

フィットクリニックでは、咽頭淋菌(淋病)の検査キットをオンラインで販売しています。
ご希望の方は以下のボタンからご予約ください。

咽頭淋菌(淋病)の症状について

咽頭淋菌(淋病)は、のどに炎症を起こすため、次のような症状が見られます。

のどのイガイガや痛み、腫れ のどのイガイガや痛み、腫れ 咳(せき) 咳(せき) 発熱 発熱

しかし、咽頭淋菌(淋病)は無症状あるいは症状が軽いため、感染したと気づかないケースがほとんどです。

ここで覚えておきたいのが、性器に淋菌が感染した人の10〜30%はのどからも菌が検出されていることです。

のどへの感染は増加傾向にあるので淋病の検査は性器だけでなく、念のためのどの検査も一緒に行うのが望ましいでしょう。

風邪と間違われる?

咽頭淋菌(淋病)の症状だけをみると、風邪の症状とよく似ています

そのため、感染しているとは思わず市販の風邪薬で様子を見ようと、症状を長引かせてしまう場合が多いです。

症状を見過ごし放置することで、知らずにパートナーや別の部位への感染リスクとなります。

そのため風邪の症状かなと思った場合で、直近1週間で性行為またはそれに準ずる行為に思い当たる節があれば、咽頭淋菌(淋病)を疑ってみてください。

咽頭クラミジアとの違い

咽頭淋菌(淋病)と並び、感染が増加しているのが咽頭クラミジアです。

二つとも同じように炎症により風邪と似た症状が見られ、それぞれを見分ける違いはほぼありません。

2つの症状は以下のように症状の経過が異なることがあります。

咽頭淋菌
(淋病)
咽頭炎や扁桃炎を起こすことがある
咽頭
クラミジア
耳や鼻のつまり、難聴、滲出性中耳炎などを起こすことがある

また咽頭淋病(淋菌)と咽頭クラミジアは、同時に感染している場合があります。

見た目や症状に違いがなく、のどに違和感を覚えるのであれば念のため2つの検査を受けることをお勧めします。

咽頭淋菌(淋病)の潜伏期間について

潜伏期間とは、感染してから初めて症状が出るまでの期間を指します。

潜伏期間:2〜7日

淋病は他の性感染症と比べ菌の増殖スピードが早く、感染してから発症するまでに時間を要しません。

ただし、潜伏期間はあくまで目安です。

潜伏期間にも個人差があり、全ての方に当てはまらない場合があります。

そのため、潜伏期間を過ぎても症状が無いから大丈夫と、潜伏期間だけで判断しないよう注意が必要です。

咽頭淋菌(淋病)は自然治癒しない?

自然治癒しない?

咽頭淋菌(淋病)は、放っておいても自然治癒することはありません。

それどころか、そのままにすると症状が悪化し、感染を広げることに繋がります。

悪化すると、扁桃炎や咽頭炎を起こし症状が重くなり、もし知らずにオーラルセックスをしてしまうと「のど→性器」へと感染部位を広げかねません。

特に女性が性器に感染した場合には、無症状なケースも多いです。

そのまま気づかずにいると"上行感染"と呼ばれる症状になります。
これは子宮の奥へまで炎症が及び、将来的に子宮外妊娠や不妊症の原因にもなる恐い病気です。

そのため、感染したら放置しないことが大事です。

ピンポン感染の原因になりやすい?

淋病が厄介なのは、感染しても免疫が得られず何度でも繰り返し感染する特徴があるからです。

そのため、性器の治療後にものどに残った菌によってピンポン感染を引き起こし、治療が振り出しに戻ることに繋がります。

ピンポン感染とは、その名の通りピンポン球がラリーするように、何度もお互いを感染させ合う状態を指す言葉です。

ピンポン感染を引き起こさないためにはパートナーといっしょに治療するのはもちろん、咽頭への感染も考慮に入れた治療を受けることが大切になります。

咽頭淋菌(淋病)の検査方法

咽頭淋菌(淋病)の検査は、大きく分けると2つの方法があります。

  • グラム染色法
  • 核酸増幅法

グラム染色法については検査結果が出るまでがもっとも早い、いわゆる「即日検査」と呼ばれる方法です。

もう1つの核酸増幅法については「PCR検査」や「TMA検査」などが挙げられ、遺伝子レベルで検査できる精度の高い精密検査です。

どちらの検査方法も、性行為後24時間以上が経過していれば菌を検出できるので、気になったタイミングで検査を受けてみてください。

喉以外の感染する箇所について

のど以外に淋菌が感染するのは以下の部分です。

  • 性器(男性⇒尿道、女性⇒膣内)
  • 肛門
  • 眼(結膜)

こうした部分にも、キャリア(菌を持っている人)の粘膜や分泌物との直接接触があれば感染します。

淋菌はヒトの身体でしか生存できないものの、1回の性行為で30〜50%の確率で感染する感染力の強い菌です。

のどに感染していれば、他の部位にも感染しているリスクは十分に考えられるので、行為によっては複数箇所を一緒に検査するのが望ましいです。

クラミジアとの同時感染

淋病は、およそ20〜30%の割合でクラミジアと同時感染しているケースがあると言われています。

3人に1人の割合でクラミジアへ感染することを考えると、淋病と同時にクラミジアの検査も行うのが確実です。

ちなみに同時に検査できるキットもあり、以下の組み合わせがあります。

  • 性器感染のみ
  • 性器+のど

何度も検査するのは手間がかかるため、淋病の疑いがある人は検査項目にクラミジアを追加し、それぞれの「性器+のど」の検査を同時に行うことをお勧めします。

咽頭淋菌(淋病)検査キットの入手方法

検査キットは主に、医療機関またはネットでの購入で入手が可能です。

フィットクリニックでは咽頭淋菌(淋病)の検査キットを取り扱っています。

検査キット 価格
女性4項目セット 女性4項目セット
(淋病、咽頭淋菌、クラミジア、咽頭クラミジア)
23,000円
男性4項目セット 男性4項目セット
(淋病、咽頭淋菌、クラミジア、咽頭クラミジア)
23,000円

こちらの検査キットは咽頭淋菌(淋病)だけでなく、性器淋病、クラミジア、咽頭クラミジアも検査項目に含まれます。

これは、前述にあるように淋病とクラミジアが同時感染しやすいためです。

それ以外にもHIVと梅毒など、併発しやすい性感染症が他にもあるため、当院では5項目、8項目、10項目と咽頭淋菌を含む性感染症の検査キットを用意しています。

さまざまな種類の検査をすることで、咽頭淋菌以外の感染が確認でき、後から発覚することを防げるため安心です。

検査の時点で、すでに症状が現れている場合は、すぐに治療を開始してください。

咽頭淋菌(淋病)の治療

咽頭淋菌(淋病)の治療は性器と同じように、抗生物質による治療となります。

ただ淋菌は薬が効かない耐性菌が増えているため、経口薬だけでなく、静脈注射による治療も用いられます。

経口薬
⇨ セフィキシム(セフスパン)、アジスロマイシン(ジスロマック)、ミノサイクリン(ミノマイシン)、セフトリアキソン( ロセフィン)、セフォジジム( ケニセフ、ノイセフ)など

静脈注射
⇨ セフトリアキソン(ロセフィン)

ちなみに性器に感染した際に用いられる筋肉注射のスペクチノマイシン(トロビシン)は、咽頭淋菌(淋病)への効果が劣るため使用されません。

またセフトリアキソン(ロセフィン)にアレルギーが認められている人は、以下の薬に変更が検討されます。

  • ジスロマックSR(ドライシロップ)
  • クラビットなどのニューキノロン系の抗生物質
  • ミノサイクリン(ミノマイシン)

基本的には注射の場合は1回の治療で終わるため、治療時間は15〜30分程度が目安とお考えください。

治療後は必ず再検査を行う

治療後については、一度の治療で効果が得られない場合もあるので、必ず再検査が必要です。

基本的に治療後2週間ほど様子を見て、経過を確認し再検査を行います。

完治しないまま感染力のある菌が残っていれば、ふたたび相手に感染させてしまう恐れがあります。

治療を受けた、症状が消えた、こうしたことは完治の判断材料にはならないので、十分に注意してください。

治療が完了し再検査により「陰性」の結果が出るまでは、まだ治療中だと考え性行為はお控えください。

咽頭淋菌(淋病)感染経路について

咽頭淋菌(淋病)はのど粘膜に感染するため、感染源は次のように考えられています。

  • 尿道分泌液
  • 膣分泌液
  • 唾液

性器やのどに菌が存在しているキャリア(菌を保有している人)と、のどの粘膜が直接接触するオーラルセックスやディープキスなど"性行為に準ずる行為"が主な感染経路です。

咽頭淋菌(淋病)は、必ずしもキャリアと同じ部位に感染するとは限りません。

行為により性器からのどへ、その逆ののどから性器への感染があります。

そのため感染拡大やパートナーとのピンポン感染を防ぐためにも、性器とのどを同時に検査し、必要に応じて治療することがとても重要になってきます。

オーラルセックスでの感染

淋病は、性器へ感染するイメージが強く、のどへの感染を意識する人は少ないです。

そのため放置してしまい、気づかずパートナーの性器やのどに感染させてしまうケースが増えています。

また咽頭淋菌(淋病)の感染者数が増えている背景には、アダルトビデオや性風俗が一般的になったことがあげられます。

これによりオーラルセックスへの抵抗が薄れ、予防知識のないままパートナーと日常的に行うことが、増加している原因と言えます。

キスでも感染する?

一般的なキスではパートナーとの粘膜の接触は少ないため、咽頭淋菌(淋病)への感染リスクはとても低いです。

一方でディープキスに関しては唾液を介して感染する恐れがあるものの、感染するだけの菌が移行するかはハッキリとしていません。

そのため、キスで感染する可能性はゼロではないことだけは覚えておきましょう。

またキスで感染する性病としてあげられるのは以下の性病です。

  • 梅毒
  • ヘルペス

この二つの性病は口唇に症状が現れるため、たとえキスであっても感染リスクがあるので注意しておきましょう。

咽頭淋菌(淋病)感染の予防法

咽頭淋菌(淋病)は無症状や自覚できないほど軽いケースもあるため、予防が難しいとされています。

ただし、自分が以下の症状を感じた場合は、念のため性行為やそれに準ずる行為は控えてください。

  • 身体のコンディションが悪いとき
  • 微熱がある
  • のどに少しでも違和感がある

また性行為中の咽頭淋菌(淋病)の予防方法もいくつかあるため、ここからもう少し詳しくお伝えしていきます。

コンドームの使用

咽頭淋菌(淋病)からのどの粘膜を守るためには、オーラルセックス時でも性器との接触を防ぐコンドームの使用が推奨されています。

もしコンドームのゴム臭さが気になるという場合は、フレーバー付きのコンドームなどもありますのでお試しください。

また、オーラルセックスで使ったコンドームは、挿入前に必ず新しいものに付け替えてください。

これはコンドームの表面に淋菌が付着している恐れがあり、性器への感染を防ぐのが目的です。

そのためコンドームは、普段から2枚常備しておくよう心がけてください。

パートナー以外との性交渉を行わない

淋病自体の感染者数は国内で2番目に多く、とても身近な性感染症と言えます。

そのため、不特定多数の人と身体の関係を持っていれば感染率は高くなると言えます。

その他にも感染をきっかけに、以下のような問題に発展しかねません。

  • パートナーとのトラブル
  • 感染源がわからなくなる
  • 感染蔓延の原因
など

気づかなかったでは済まないので、性交渉は特定の相手とだけするようにしてください。

もし、性風俗で仕事をしている場合は定期的な検査を行ってください。

よくある質問

Q1
コンドームを付けていれば防げますか?
A1
感染リスクは大幅に下げられますが、100%ではありません。

より万全を期すには、オーラルセックスの際にもコンドームを使用しましょう。

また使用したコンドームに菌が付着している可能性があるので、必ず性行為時には新しいものに付け替えるのも忘れないでください。

Q2
キスするだけでも感染しますか?
A2
通常のキスだけでは感染しませんが、ディープキスについては感染する可能性はゼロではありません。

もしパートナーが感染しているのであれば、治療後の検査で陰性とわかるまではディープキスを控えた方が気持ち的にもお互い安心できるはずです。

Q3
無症状であれば、自然に治る?
A3
淋菌への感染は自然には治りません。治療でのみ治ります。

咽頭淋菌(淋病)は無症状なケースも多いですが、感染していれば菌は存在しています。

そのため自然に治ることはなく、菌が増えたり別の場所に広がるなど悪化する場合があります。
悪化し炎症がひどくなると咽頭炎や扁桃炎などに悪化することもあるので早めに治療してください。

Q4
咽頭淋菌(淋病)は、家に余っている抗生物質で治療できますか?
A4
抗生物質は菌の種類によって服用する系統が変わります。

加えて、抗生物質に耐性を持つ菌もあるため、自己判断での服用はお控えください。

専門の医師の診察を受け、適切な治療を行ってください。

まとめ

咽頭淋菌(淋病)は風邪と症状が似ているため、検査しなければ正確に判断することはできません。

もし、性行為後にのどの違和感や異常などを感じるようであれば、淋病に加え合併しやすいクラミジアの2つを検査することをおすすめします。

またもし感染していたのであれば、パートナーも感染している可能性が高いです。

どちらか一方だけが治療しても感染を繰り返してしまうので、必ずペアで検査・治療するようにしてください。