ストレスによる抜け毛の仕組みとは?対策方法も解説!
「最近、抜け毛が増えたような...」
「ひょっとして、ストレスが原因...?」
抜け毛は、ストレスが原因で起こる場合があります。
こちらのページで、ストレスによる抜け毛について詳しく見ていきましょう。
なお、「抜け毛が気になる…」といったお悩みがある場合、薄毛治療することで改善できる可能性があります。
フィットクリニックでは男性はAGA治療、女性はFAGA治療を行っているので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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- どうしてストレスで毛が抜けるの?
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- 自分の抜け毛はどういう状態?
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- ストレスによる抜け毛は治る?
ストレスによる抜け毛の仕組み
過度なストレスが身体の異常を引き起こすことで、抜け毛が発症します。
以下で解説していきます。
自律神経の乱れ
自律神経とは、内臓や血管といった臓器の働きを調整して、心や身体の調子を整える神経です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。
- 交感神経・・・日中の活動的な時に活発になる。緊張状態を作る
- 副交感神経・・・身体を休める時に活発になる。リラックス状態を作る
交感神経は、いわば「攻め」の姿勢を作る神経で、副交感神経は「守り」の状態を作る神経です。
2種類のバランスを保つことで、我々は健康的に暮らしています。
しかしストレスを受け続けると、交感神経が働き続けることになります。
つまり攻めの姿勢、「緊張状態」が続くのです。
交感神経が働き続けると、血流の悪化や睡眠不足などが起こります。
血流が悪くなると、髪の成長に必要な栄養が頭皮まで行き渡らなくなります。
また、寝ている間に分泌される成長ホルモンも、睡眠不足の身体では分泌されません。
髪の毛の成長も当然ストップしてしまいます。
こうして髪の毛の状態が悪化した結果、抜け毛が起こります。
自律神経の乱れは頭皮だけでなく身体や心にまで影響するので、きちんと休むことが大切です。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、特に女性の抜け毛に大きく影響します。
それは、ホルモンバランスが乱れることで、髪の成長に欠かせない「エストロゲン」の減少が起こるためです。
通常時、脳は「視床下部」→「下垂体」→「卵巣」の順で伝言ゲームのように、女性ホルモンを分泌する指令を送ります。
指令によって「卵巣」は女性ホルモンであるエストロゲンを分泌します。
エストロゲンは髪の毛のハリやコシを保つために欠かせない成分です。
しかしストレス時、「視床下部」はストレスホルモンを分泌する指令に集中してしまいます。
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは、主にストレスを感じたときに分泌が活発になります。
視床下部がストレスホルモンの指令にかかりきりだとエストロゲンの分泌は減少するため、髪の成長もストップし、抜け毛に繋がってしまうのです。
なお、女性ホルモンの分泌を促すには、ビタミンEやビタミンB6を含む食べ物が効果的です。
ビタミンEはかぼちゃ、ナッツ類、鮭などに豊富に含まれています。
ビタミンB6はバナナ、レバー、マグロなどが摂取しやすい食材です。
また、食べ物での摂取が難しい場合は、サプリメントでの摂取をおすすめします。
自己免疫疾患
自己免疫疾患とは、本来身体を守るはずの免疫が、なんらかの異常により身体を攻撃してしまう症状です。
免疫細胞は本来、身体を守るためにウイルスなどの有害物質を排除します。
ところがなんらかの異常により、免疫細胞が身体の細胞を有害物質と間違えて攻撃してしまうことがあります。
その結果、身体にさまざまな障害が生じるのです。
ただ、ストレスと自己免疫疾患の関係は現時点ではっきりとしていません。
しかし、ある実験では「ストレスによって自己免疫疾患のリスクが増えた」という結果もあるため、何かしらの関係があるとされています。
症状が抜け毛の場合は免疫の攻撃対象が毛根となり、一気に抜け毛が起こります。
主な症状は円形脱毛症です。
特に髪が短い場合、円形脱毛症は一目でわかります。
帽子などで他人の視線を避けることが、さらなるストレスを防ぐ手段です。
ストレスによる抜け毛の種類
髪の毛の抜け方を見ることで、自分の抜け毛がどのような脱毛症なのかおおよその見当が付けられます。
「抜け毛はあるけどなんという症状なのかわからない」という方はぜひチェックしてみてください。
※あくまでも可能性の範囲ですので、確実な診断を受けたい方は医療機関の受診をおすすめします。
抜け方 | 脱毛症の種類 |
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生え際が徐々に後退してきた(男性) | 男性型脱毛症(AGA) |
側頭部が徐々に薄くなってきた(男性) | 男性型脱毛症(AGA) |
頭部全体が徐々に薄くなってきた | 休止期脱毛症 |
頭部全体の太い毛が短期間で抜けた | 休止期脱毛症 |
気づいたら円形の脱毛が起きていた | 円形脱毛症 |
まとまった毛が急に抜けた | 円形脱毛症 |
頭頂部の分け目が目立ってきた(女性) | 女性男性型脱毛症(FAGA) |
全体的に薄くなってきた(女性) | 女性男性型脱毛症(FAGA) |
男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症(AGA)とは、額の生え際や頭頂部から抜け毛が徐々に進行していく男性特有の脱毛症です。
- ①テストステロンが頭皮に存在する酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化する
- ②DHTが毛乳頭(毛のもととなる部分)に作用し、毛根が弱る
- ③毛が抜ける
これがAGAのメカニズムです。
ただ、ストレスがAGAの直接的な原因になるとは、現時点ではっきりと言えません。
しかし、もしAGAだった場合は早めの治療で改善が可能です。
まずは「AGAかそうでないか」を知りましょう。
それが結果的に、さらなるストレスの回避に繋がります。
お悩みの方は、こちらからお気軽にご相談ください。
休止期脱毛症
休止期脱毛症とは、髪の毛が休止期(成長が止まった)状態で抜けていく症状です。
- 髪の毛は2年~6年かけて成長する
- 退行期・休止期へと緩やかに進む
- やがて抜け落ちる
- 上の画像の①~⑥を繰り返す
- 髪の毛の成長期は数カ月~1年のみ
- 髪の毛が成長しきらないまま退行期・休止期へと進む
- 抜け落ちる
休止期脱毛症の場合は、上の画像のうち成長過程である②・③を飛ばすので、全体的にボリュームのない髪の毛になっていきます。
休止期脱毛症の症状は人それぞれです。
抜け毛が頭部全体で急に起こったり、逆に時間をかけて部分的に薄くなったりと、人によって異なります。
特に急な抜け毛の場合は円形脱毛症と間違われることもあるため、判別が難しい症状です。
一定の時間がたち、ストレス状態から抜け出すことで改善されるケースが多いです。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、髪の毛が円形や楕円形に突然抜けてしまう症状です。
脱毛の大きさは、単発型と呼ばれる10円玉大のものもあれば、全頭型、眉毛やまつ毛にまで及ぶ全身型もあります。
円形脱毛症とストレスの関係性ははっきりとしていませんが、ストレスによる「自己免疫疾患」が原因という説が有力と言われています。
女性男性型脱毛症(FAGA)
女性男性型脱毛症は、頭頂部を中心に、頭部全体の毛が薄くなっていく女性の脱毛症を指します。
女性は男性と抜け毛の仕組みが異なるため、最近は女性型脱毛症(FPHL)という名前もよく使われています。
ストレスによるホルモンバランスの乱れ から、女性ホルモンの分泌が低下し、髪の毛のハリやコシがなくなったり全体のボリュームが無くなったりするのが特徴です。
FAGAを発症するのは40代前後の女性に多いとされていますが、中には20代で発症する女性もいます。
ストレスによる抜け毛の対策
ストレスによる抜け毛の改善は可能です。
ただ、症状の進行具合によっては改善に時間がかかる場合があります。
また、「どんな抜け毛も完全に治る」とは言い切れないのが実際のところです。
しかしストレスの原因を取り除いたり、ストレスの対策法を修得したりすることで改善に繋がることは間違いありません。
ストレスによる脱毛の改善は、「あせらず気長に」が1番の近道です。
おすすめの対策法を詳しく解説します。
クリニックに相談する
医師へ相談することで、抜け毛の不安を軽減することができます。
今の抜け毛がどういう状態で、薬で治せる抜け毛か・根本的な改善が必要なのか、1人で判断するのはあまりにも難しいことです。
医師へ相談すると、1人ではわからなかった不安や疑問がある程度解消され、さらなるストレスによる抜け毛を防ぐことができます。
インターネットの情報は大多数の人に向けたものであり、自分に当てはまるかどうかはわかりません。
しかし医師に相談すれば、自分専用のアドバイスを受けることができます。
当院では患者様1人ひとりに合わせて医薬品やサプリ、生活に関するアドバイスなどを提供し、薄毛改善に向けて全力でサポート致します。
WEB・LINEからのご予約は24時間受け付けておりますので、気になる方はこちらからご予約ください(電話予約は営業時間内に受付中です)。
オンライン診療も行っております。
1人で抱え込まずに、一度ご相談ください。
ストレス解消法を見つける
ストレスはためないのが1番ですが、それはなかなか難しい話。
ストレスとのうまい付き合い方を見つける方がずっと現実的です。
例えば、以下のような方法があります。
それぞれストレス解消のメカニズムがきちんとあります。
今できるものは何か、想像しながらご覧ください。
趣味に打ち込む
趣味に打ち込むと、ストレスの原因から一時的に離れることができます。
ストレスの原因について休みなく考え込んでいると、自律神経が乱れて身体に不調が起こります。
仕事でも家庭でも、トラブルが起きた時うまく対処できるよう、普段の状態を整えておくことが大切です。
また、「休日に〇〇をするぞ」という気持ちが心のよりどころとなり、生活の気力に繋がることもあります。
職場や家庭のほかに居場所を作り、「心の逃げ場」を増やしましょう。
アウトドア、散歩、植物・音楽の鑑賞など、趣味のジャンルは限りありません。
たとえ続かなくても、挑戦することに意味があります。
挑戦するうちに自分にピッタリの趣味が見つかったら、ちょっと得した気分になりますよね。
ストレスを一時的に忘れるのは、決して無責任なことではありません。
趣味に挑戦することで心の居場所を増やして、ストレスからうまく逃げましょう。
適度に運動する
軽い運動によって、「セロトニン」の分泌量が増え、ストレスが軽減されます。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心の安定には欠かせない物質です。
セロトニンが不足してしまうとうつ症状が出てしまうこともあります。
- ウォーキング
- ジョギング
- 足踏み
運動はウォーキングやジョギングなど、単調なリズムを繰り返すものがおすすめです。
同じ動きを20分~30分続けることで、セロトニンの分泌がピークに達します。
それ以上行うと逆効果になるので、長くても30分という点がポイントです。
外に行けない場合は足踏みだけでも効果があります。
毎日無理なく続けることができれば、心が安定して生活もしやすくなります。
十分に睡眠を取る
質の良い睡眠で、ストレス耐性の強い身体を作ることができます。
そもそも「質の良い睡眠」とは、心も身体も十分に休まり、スッキリと目覚められる睡眠です。
浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を90分周期で4~5回繰り返したのちに目覚める状態が1番理想的と言われています。
こちらの参考サイトでは、厚生労働省によって質の良い睡眠の具体的な評価基準が定められています。
理想的な眠りに有効かつ簡単なのは、朝起きてから1時間以内に日光を浴びること。
これによって体内時計が整い、夜は自然な形で眠くなります。
また、質の良い睡眠を取るためにはほかにも準備が必要です。
食事の消化にはエネルギーが必要となるので、睡眠時に休めるよう、2~3時間前には食事を済ませましょう。
また、寝る前のブルーライトは体内時計を狂わせます。
スマホの使用は眠る1時間前までに収めるのが理想的です。
明るい照明は交感神経を活発にするため眠りづらくなってしまいます。
おすすめは、暗いオレンジ色の温かみのある照明です。
身体を休ませるために、しっかり準備をしましょう。
それでも眠れない方は、U.S. Navy Pre-Flight Schoolで開発され、「Relax and Win」という書籍でも紹介されている入眠方法を試してみてください。
この入眠方法は米軍で実際に使われている、実践的なものです。
銃声が聞こえる中でもたった2分で眠れるという方法で、日本でも話題になりました。
手順は以下のとおりです。
- まぶたを閉じ、ゆっくりと深呼吸をする
- あごや舌、目の周りの力を抜き、顔全体をリラックスさせる
- 肩の力を抜いたら、片腕の肩からひじ、ひじから下の順に力を抜き、もう片方も同じことをする
- 深呼吸しながら胸・腹の力を抜き、次に太もも、ひざ下の順に全身の力を抜いていく
- 頭をなるべくからっぽにして、次のうちのどれか1つを想像する
- 青空の下、静かな湖で小舟に寝そべっている
- 真っ暗な部屋の中、真っ黒なベルベットのハンモックに心地よく揺られている
- 「考えるな」という言葉を10秒間自分に言い聞かせる
考え事をして眠れない人も、手順を追っていくうちに考えることから離れていくことができます。
なかなか眠れない方はぜひやってみてください。
ボディマッサージを受ける
ボディマッサージを受けることでストレスホルモンが減少し、心も身体もラクになります。
マッサージは身体の疲れが取れるだけではありません。
丁寧に触ってもらうだけで幸せホルモンが分泌され、心の疲れも取れていきます。
ストレスを受けたときに分泌される「コルチゾール」は、ストレスホルモンと呼ばれ、抜け毛にも繋がる物質です。
そのストレスホルモンがマッサージを受けることで抑えられ、反対に幸せホルモンが増えるのです。
身体と一緒に心の疲れも取れるマッサージ。
一石二鳥のストレス解消法です。
抜け毛部分を隠す
抜け毛部分を隠すことで、「見られているのでは」といったさらなるストレスを防ぐことができます。
簡単な方法は、「ウィッグや帽子を身に着けること」です。 着けるだけで患部を隠せるため、いくらか気がラクになります。
ウィッグや帽子の注意点は、「蒸れ」です。
頭皮も身体と同じように汗をかくため、放っておくと雑菌が増え、頭皮環境が悪化してしまいます。
こまめに熱を逃がし、シャンプー時にきちんと洗って清潔にしておくことが大切です。
ウィッグの場合、年齢と自分の髪質に合った物を選ぶことで自然な見た目になります。
新型コロナウイルスのストレスによる抜け毛
「コロナ抜け毛」はウイルスの後遺症によるものと、精神的な問題によるものとがあります。
国立国際医療研究センターの調査では、コロナ感染者のうち約4人に1人に抜け毛の後遺症があったことが明らかになっています。
コロナウイルスに罹患してから2~3ヵ月で症状が表れると言われています。
ただし、ウイルスの後遺症による抜け毛について、詳しい仕組みはいまだにわかっておりません。
また、コロナ禍で大きく変わった暮らしによるストレスで髪が抜けていくケースもあります。
しかしコロナ抜け毛は時間がたてば治るとも言われています。
コロナ抜け毛にも薄毛治療薬は効果的ですので、気になる方は一度ご相談ください。
よくある質問
女性と男性では抜け毛の仕組みが違うため、同じアプローチでは治療の効果は発揮されません。
さらに、男性用治療薬の中には女性が触れてはいけないお薬もあります(プロペシア)。
きちんと使える薬を選ぶことが重要です。
抜毛症は、意識的・無意識的に関わらず自分で毛を抜いてしまう症状です。
原因としては、子どもの場合は家庭や学校などの環境によるストレスやもともとの癖、大人の場合は不安感や緊張などから起こると言われています。
一方脱毛症は、頭皮や毛髪の状態により自然と毛が抜けてしまう症状です。
治療法として、抜毛症は行動認知療法や向精神薬、脱毛症は抜け毛治療薬や生活習慣の見直しなどがあり、それぞれに対するアプローチも異なります。
まとめ
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
- 自己免疫疾患
- クリニックで相談し、1人では解決できなかったもやもやを解消する
- 趣味、運動、十分な睡眠、マッサージなどでストレスを解消する
- ウィッグや帽子で抜け毛部分を隠す
ストレスは、うまく対処することが大切です。
1人で解決しようとせず、ため込む前に相談して、自分に合ったストレス解消法を探していきましょう。