薬によってアルコールの代謝が遅れてしまい、二日酔いなどの原因になる「アセトアルデヒド」が血中に増えてしまいます。
これに伴って腹部の仙痛や嘔吐、潮紅といった、酔った時と似た症状が出てしまい危険です。
このページではトリコモナスの治療方法や注意点など、治療を行う上で大切なポイントをまとめて解説しています。
治療に対する不安の解消に役立つ情報もお届けしているため、感染の疑いがある方は医療機関に受診するきっかけになれば良いと考えています。
なお、トリコモナスがどんな性感染症かは、以下のページで詳しく解説しています。
感染時に起こる初期症状や感染部位などにも触れているので、ぜひ参考にしてください。
トリコモナスは、男女の性器に原虫が寄生して炎症を起こす性感染症の1つです。
原虫を駆除しなければ症状は治らず、悪化すれば身体の奥へと感染を広げてしまうため、ニトロイミタゾール系の抗原虫薬(飲み薬)を使った治療を行います。
なお、トリコモナスは自覚症状を伴わないケースも珍しくありません。
女性は20〜50%が無症状とされ、男性にいたっては感染にまったく気づかない、あるいはあっても一過性のケースが多いです。
適切な治療を受けるタイミングを失ってしまいがちなため、定期的に検査を受け、早期発見・治療につなげていくことが大切です。
フィットクリニックのトリコモナス治療で処方している薬は、以下のフラジール内服薬です。
フラジール内服薬 | |
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価格 |
10,000円 / 20錠(10日分) ※検査キットとのセット処方で2,000円引き |
成分 | メトロニダゾール |
用法・用量 | 1回250mgを1日2回、10日間の服用 |
効果 | トリコモナス原虫の駆除作用のある抗原虫薬 |
副作用 | 舌苔、食欲不振、胃腸障害、悪心・吐き気、胃部不快感、軟便 など |
特徴 | 1度の治療で90〜95%が完治する |
フラジールはトリコモナスに対して高い有効性が認められ、前立腺や尿道、子宮内(卵管など)への感染にも効果が期待できることから第一選択薬となっています。
一度の治療でほとんどの方が完治するので、少しの不安でも先送りにせず、当院までお気軽にご相談ください。
フラジール内服薬の詳細については下記ページでご確認ください。
その他、女性に限り外陰部や膣内に炎症が起きる膣炎に効果的な膣錠があります。
全身作用のある内服薬が治療の基本となり、難治例や再発時などでは膣錠との併用療法を行うことがあります。
※フラジール膣錠は当院での処方はありません。
トリコモナスの治療薬は、「処方箋医薬品」に指定されています。
診察や検査に基づいて医師が必要と判断した場合のみ処方され、治療に用いることができます。
薬局やドラッグストアなどでは市販薬として購入はできません。
トリコモナスへの感染が疑われる場合には必ず医療機関を受診し、適切な治療薬の処方を受けるようにしてください。
なお、一部の医療用医薬品を処方箋なしで購入できる零売薬局では、フラジール膣錠の取り扱いがあります。
ただし、「やむを得ない場合」に限ってのみ購入でき、トリコモナスの感染を調べるには医療機関への受診が必要です。
感染したかもしれないというだけでは購入できないのでご注意ください。
トリコモナスの治療期間は薬ごとに異なるため、以下を目安にしてください。
トリコモナスの薬別の治療期間 | |
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フラジール内服薬 |
1回250mgを1日2回、10日間の服用 ※妊娠3ヶ月以内は膣錠による治療 |
フラジール膣錠 | 1回250mgを1日2回、10〜14日間膣内に挿入する |
チニダゾール内服薬 |
1回200mgを1日2回、10日間の服用 または1回2,000mgを1日1回、1日のみ服用 ※妊娠3ヶ月以内は膣錠による治療 |
チニダゾール膣錠 | 1回200mgを1日1回、7日間膣内に挿入する |
内服薬による治療が基本となるので、治療期間は10日間になります。
もし10日間で症状の改善がみられない場合は、1週間は空けてから追加治療を行っていきます。
また服用中に症状が消えても原虫は体内に残っている可能性があるので、処方された分の薬は飲み切るようにしてください。
トリコモナスの検査は、男性は尿、女性は膣分泌物を採取して行います。
採尿や綿棒で患部を拭うだけなので痛みを伴う心配はなく、検査キットを使用すれば医師に性器を診せずにセルフチェックも可能です。
<検査の種類> | |
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検査の種類はいくつかありますが、検査方法によっては時間がかかるものや、原虫の数や剥離細胞(尿など)の影で見落とす可能性があります。
そのため「DNA検査」を行うのが確実で、1〜2日ほどで検査結果を知ることができます。
なお、フィットクリニックでもトリコモナスの検査を実施しており、DNA検査を採用しています。
感染機会から24時間以上が経過していれば検査が可能となり、検査キットによるセルフチェックもできるので、不安の解消にお役立てください。
男性のトリコモナスは検査の性質上、精度が安定しません。
これは、尿道に寄生していた原虫が排尿により洗い流されてしまうためです。
検査では尿道につながる精嚢や前立腺への感染確認は難しいことから、パートナーの感染が認められた場合には治療を優先して行います。
「症状が無いから自分は大丈夫」と思うかも知れませんが、感染者との性行為があった以上、症状がないから感染していないとは言い切れません。
パートナーに陽性反応が出た際には、お互いに感染を繰り返さないためにも、積極的に治療を受けてください。
トリコモナスの治療は、治療終了後の再検査で陰性が出るまでとお考えください。
治療後に一定の期間を空けてから再検査(治癒検査)を受け、原虫が消失している「陰性」の結果が出れば完治となります。
<再検査時期の目安> | |
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男性 ⇨ 服用後2週間以上が経過 |
女性 ⇨ 服用後2週間以上が経過した次回生理後 |
女性の再検査のタイミングは、男性と異なります。
これは原虫が残っていた場合、経血中で増殖するリスクがあるためです。
なお、体内にわずかでも原虫が残っていれば症状をぶり返すことや、再感染リスクも考えられます。
「症状がない=完治」ではありませんので、治療後の再検査は必ず受けてください。
トリコモナスの治療を受ける上で、いくつか注意点があります。
自己判断での治療を行うと、症状の長引きや感染の繰り返しなどが懸念されます。
また妊娠中や授乳中であれば、胎児や乳児への影響も考慮する必要も出てきます。
以下より注意点を詳しく解説していくので、トリコモナスの治療を受ける際の参考にしてください。
トリコモナス治療中のアルコール類は厳禁です。
トリコモナス治療薬とアルコールの相性は悪く、服用中にアルコールを摂取してしまうと「アンタビュース様作用」によって二日酔いと似た症状を起こします。
<アルコールと治療薬の併用による症状> | |
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上記の症状は治療薬がアルコールの代謝を遅らせ、二日酔いなどの原因になる「アセトアルデヒド」が血中に増えてしまうために起こります。
「服用期間である10日間」と「服用後3日以内」の約2週間は併用による症状が出るため、治療開始から約2週間はアルコールをお控えください。
トリコモナスに一度感染してしまうと、自然治癒することはありません。
原因となる原虫は、抗原虫薬を使用して駆除する必要があり、放置すると身体の奥へと原虫が侵入し重症化する恐れがあります。
トリコモナスが重症化した症状 | |
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男性 |
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女性 |
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男女ともに妊娠機能に影響を及ぼすリスクがあり、過去に放置したことが原因で不妊となるケースもあります。
「あの時に治療しておけば…」と後悔しないためにも、疑わしい症状があれば必ず医療機関で検査・治療を受けるようにしてください。
トリコモナスの治療により原虫の数が減ってくると、次第に症状も軽快してきます。
ただし、症状が軽減したり消えた場合でも、処方された薬の服用は続けてください。
感染部位にわずかでも原虫が残っていれば、再発・再燃のリスクがあります。
治療を途中で止めるのは、治療薬に耐性が付く原因の1つです。
海外の報告によれば、治療薬に耐性を示す原虫がすでに見つかっており、アメリカではトリコモナスの4%が耐性を示したとの報告もあります。
中途半端な薬の服用を行うと、今後のトリコモナス治療が難しくなるリスクが十分に考えられます。
耐性を持つ原虫を増やさないためにも、自己判断で薬の飲み方を変更せず、必ず決められた期間は服用を続けるようにしてください。
妊娠中(3ヶ月以内)や妊娠の可能性がある場合、内服薬による治療を行うことができません。
血液中にある有効成分が胎盤を通じて胎児に影響するため、膣や外陰部にのみピンポイントで作用する「膣錠」を用います。
※当院では膣錠の処方を行っていません。
また妊娠3ヶ月以降については、医師が「治療するメリットがリスクを上回る」と判断した場合にのみ内服薬を服用します。
治療方法が通常とは異なることから、必ず担当医に相談し適切な治療を受けてください。
なお、妊娠中は膣内の自浄作用(膣や子宮を守る作用)が低下します。
トリコモナスや他の感染症にもかかりやすくなるので十分にご注意ください。
トリコモナス治療中の性交渉は、お互いが治療後の再検査によって「陰性」の結果が得られるまでお控えください。
ペアで完治させなければピンポン感染により感染しあうため、完治を遅らせる原因になりかねません。
またキスやオーラルセックスによる感染リスクは低いとされていますが、感染部位と粘膜の接触により感染部位を広げるリスクがあるのでご注意ください。
なお、1つの感染症にかかっていると、他の感染症にも感染しやすくなります。
感染の蔓延を防ぐためにも不特定多数と身体の関係を持つのは控え、日頃からセーフセックスを心がけてください。
当院では、オンライン処方によるトリコモナス治療が可能です。
自宅にいながら治療をスタートできるので、他人の目を気にして通院に億劫になっていた方でも相談しやすい環境が整っています。
オンライン処方の流れ | |
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予約 ↓ 検査キット郵送・返送 ↓ Web上で検査結果を確認 ↓ トリコモナス治療薬の郵送処方 |
オンライン処方を利用すれば、予約〜薬の処方までスマホ内で完結させられます。
またセルフチェックが可能な検査キットの種類も充実しているので、トリコモナス以外の検査を受けたい方にもおすすめです。
なお、症状がなくても検査だけの対応が可能です。
感染の不安を払拭するためや、定期的に検査を受けたい方も、オンライン診療からお気軽にご相談ください。
最後に、トリコモナス治療についてまとめておきましょう。
このページのまとめ
トリコモナスは処方された抗原虫薬を飲み切ることで、ほとんどの方が一度の治療で完治します。
放っておいても自然に治ることはなく、悪化によって男女ともに不妊の原因となることもあるので、積極的に医療機関で検査・治療を受けるようにしてください。