牽引性脱毛症とは、髪が繰り返し引っ張られることで、生え際やこめかみなどに抜け毛が生じる脱毛症です。
普段からポニーテールやお団子、エクステなどを続けている方に起こりやすく、年齢や性別に関係なく発症する可能性があります。
初期であれば、原因となる髪型を見直すことで改善が期待できますが、薄毛が長期間続く場合はFAGAなど、ほかの原因が関係している可能性もあります。
女性に起こる薄毛の原因や症状については、以下のページでご確認ください。 FAGAの原因と症状
牽引性脱毛症とは
牽引性脱毛症は、髪や毛根に引っ張られる力が繰り返しかかることで起こる脱毛症です。
- 一過性の脱毛症
- 髪が引っ張られている部分の密度が減っていく(生え際や分け目)
- 切れ毛や枝毛が目立つ
- FAGA(女性型脱毛症)などホルモンによるものではない
髪を強く結ぶ習慣がある女性に多くみられますが、年齢や性別を問わず発症する可能性があります。
特に、生え際やこめかみ、分け目など、髪型によって力が集中する部分が薄くなるのが特徴です。
初期段階で髪への負担を減らせば、毛髪が回復する可能性があります。
しかし、同じ髪型を長期間続けると毛包が損傷し、髪が生えにくくなる場合があるため、早めの対策が大切です。
抜け毛をチェックする
牽引性脱毛症は毛根の状態をチェックしてみると、他の脱毛症と区別しやすいです。
| 牽引性脱毛症のチェックリスト | |
|---|---|
| 毛根に白または半透明な付着物がある | 毛根の先にヒゲがついている |
|
|
| 付着物は髪を守る役割がある毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれるもの。 | 成長途中の髪が引っ張られたことで、毛根が変形した可能性がある。 |
このように牽引性脱毛症は健康な髪が負荷によって抜けているため、毛根の状態が正常であることがほとんどです。
逆に毛根の形がいびつであったり、痩せ細っている、毛根がないなどの異常が見られれば、その他の脱毛症を疑った方が良いと言えるでしょう。
牽引性脱毛症の主な症状
牽引性脱毛症の主な症状は以下のとおりです。
| 生え際やこめかみの 髪が薄くなる |
髪が後方へ引っ張られることで、額が広く見えたり、こめかみの地肌が透けたりします。 |
|---|---|
| 分け目や結び目周辺の 地肌が目立つ |
同じ髪型を続けると一部分に負担が集中し、分け目や結び目周辺の毛量が減ることがあります。 |
| 抜け毛・切れ毛・ 短い毛が増える |
強い力がかかる部分では、抜け毛だけでなく切れ毛や短い毛も目立ちます。 |
| 頭皮に痛み・赤み・ かゆみが現れる |
髪を強く引っ張ることで、頭皮に痛みや赤み、かゆみなどの炎症症状が現れる場合があります。 |
特に、髪が強く引っ張られている部分を中心に症状が現れるのが特徴です。
牽引性脱毛症の原因
牽引性脱毛症の主な原因は、髪を引っ張る髪型や習慣を長期間続けることです。
1度髪を結んだだけで発症するのではなく、毛根への負担が繰り返されることで徐々に薄毛が進みます。
以下では牽引性脱毛症を招きやすい原因について解説しています。
ポニーテール・三つ編み
髪を強く結ぶポニーテールやお団子、三つ編みは、牽引性脱毛症の原因になることがあります。
髪をきつく結ぶほど、生え際やこめかみ、結び目周辺への負担が大きくなります。
仕事やスポーツなどで髪をまとめる必要がある場合も、結ぶ位置や髪型を定期的に変えることが大切です。
エクステを付ける
エクステや編み込みは、装着部分の髪や毛根へ継続的な負担をかけます。
エクステ自体の重さに加え、装着時に髪を強く引っ張ることも原因になります。
長期間つけたままにせず、頭皮や髪を休ませる期間を設けましょう。
また、エクステの編み込み部分には汚れがたまりやすいだけに、頭皮トラブルにも注意が必要です。
ヘアアイロンや強いブラッシング
髪を引っ張りながら使用するヘアアイロンや、強いブラッシングも髪への負担になります。
ヘアアイロンの熱やカラー、ブリーチは牽引性脱毛症の直接的な原因ではありませんが、髪を傷めて切れ毛を増やす可能性があります。
髪を強く引っ張らず、低めの温度で短時間使用しましょう。
毎日同じ髪型を続ける習慣
結ぶ位置や分け目が同じだと、特定の毛根だけに負担が集中します。
きつく結んでいる自覚がなくても、毎日繰り返すことで薄毛につながる可能性があります。
分け目を左右にずらす、結ぶ位置を変える、髪を下ろす日を作るなどの工夫が必要です。
牽引性脱毛症は自然に治るのか
牽引性脱毛症は、毛包が大きく損傷していない初期段階であれば、髪を引っ張る習慣をやめることで改善する可能性があります。
髪を結ぶ必要がある場合は、ゆるく結ぶ、柔らかいヘアゴムを使うなど、頭皮への負担を減らしましょう。
ただし、改善までには数カ月以上かかる場合があり、期間や回復の程度には個人差があります。
また、長期間放置して毛包が損傷し傷痕が残ると 、髪が生えにくくなる可能性もあるため、生え際やこめかみの薄毛に気づいた段階で髪型を見直すことが大切です。
牽引性脱毛症の改善・予防方法
牽引性脱毛症の改善と予防には、髪や頭皮にかかる負担を減らすことが重要です。
症状がある方だけでなく、日常的に髪を結ぶ方も次の対策を取り入れましょう。
それでも改善しない場合は、ほかの脱毛症が関係していないか医療機関で確認する必要があります。
髪を強く引っ張らない
牽引性脱毛症を改善・予防するためには、髪を強く引っ張らないことが大切です。
具体的には以下の対策を行ってください。
- 結ぶ位置を変える
- ゆったりと結ぶ
- 分け目を定期的に変える
- 帰宅後にすぐほどく
髪は頭皮に痛みやつっぱりを感じない程度に、ゆるく結びましょう。
太く柔らかいヘアゴムやシュシュを使うと、髪の一部分に負担が集中しにくくなります。
髪型を定期的に変えてみる
牽引性脱毛症の予防方法として有効なのが、髪型を変えることです。
毎日同じ位置で髪を結んだり、同じ分け目を続けたりすると、特定の毛根に負担が集中します。
結ぶ位置や分け目を変え、髪を下ろす日も設けましょう。
またヘアアイロンを毎日使っているのであれば、髪や頭皮を休ませるためにも使用頻度を抑えてみましょう。
エクステや編み込みを休む期間を決める
エクステや編み込みは長期間続けず、定期的に外して髪と頭皮を休ませるのがおすすめです。
もちろん途中で別のヘアスタイルに変えるのも有効です。
毛束の重さや編み込みによって髪が引っ張る力は、思っている以上に髪や頭皮への負担になっています。
もし、装着部分に痛み・赤み・かゆみがある場合は、使用を中止してください。
エクステの装着方法や、編み込み方にも種類があるので、髪の状態と合わせて美容師と相談しながら期間を決めてみましょう。
負担の少ないヘアケア・頭皮マッサージを行う
負担の少ないヘアケアとして、ブラッシングやヘアアイロンでは髪を強く引っ張らず、シャンプーは指の腹でやさしく行います。
血行不良の改善を目的として、頭皮マッサージによって血流を促すことも予防の1つになります。
手のひらを使って患部を中心に、1回1〜3分を1日3回頭皮全体のマッサージを行ってください。
改善しない場合は女性の薄毛治療を検討する
髪型を見直しても薄毛が改善しない場合は、FAGAなど別の脱毛症が関係している可能性があります。
薄毛の範囲が広がっている方や症状が長引いている方は、医療機関で原因を確認し、状態に合った女性の薄毛治療を検討しましょう。
フィットクリニックでは女性の薄毛(FAGA)診療として治療薬の処方を行っていますので、ぜひご相談ください。 【お悩み別】FAGA治療薬の選び方
牽引性脱毛症とほかの脱毛症の違い
牽引性脱毛症と他の脱毛症とは、主に薄くなる範囲や原因が異なります。
それぞれの脱毛症は原因に合わせた対策や治療が必要となります。
ただし、見た目だけで判断するのは難しく、複数の脱毛症が重なっている場合もあります。
牽引性脱毛症の改善は頭皮への負担を減らすことから
牽引性脱毛症は、髪を強く結ぶ習慣やエクステなどによって、毛根へ負担がかかり続けることで起こります。
初期段階であれば、髪型を変えて頭皮への負担を減らすことで改善する可能性があります。
ただし、長期間放置すると毛包が損傷し、髪が生えにくくなる場合があるため注意が必要です。
髪型を見直しても改善しない場合や、薄毛が広がっている場合は、発毛や育毛をサポートする治療を検討することも選択肢の1つです。
治療はヘアケアと並行して行うことで、より効果的な改善が期待できます。
牽引性脱毛症によくある質問
-
- Q
10代でも脱毛しますか?
- A
10代であっても、髪や頭皮の負担になる髪型を長く続けていれば牽引性脱毛症を起こす場合があります。
もちろん数日ほどで脱毛することはありませんが、長く髪や頭皮に負担をかけていると若くして脱毛に悩まされる可能性は十分に考えられます。
- Q
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- Q
髪型を楽しみたい場合はどうすればいい?
- A
髪型を楽しみたいのであれば、「髪や頭皮への負担」と「楽しむ期間」のバランスを考えましょう。
長期間の物理的な負担が牽引性脱毛症の原因なだけに、ほどほどを心がけるとヘアスタイルも色々と楽しめるはずです。
またエクステを考えているのであれば、美容師と相談しながら決めてみてください。
- Q
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- Q
牽引性脱毛症はすぐ治りますか?
- A
牽引性脱毛症は初期段階であれば、髪や頭皮への負担を減らすことで自然な改善が期待できます。
ただ髪が生えるまでには時間がかかるので、もし早めに改善したいのであれば、治療薬やサプリメントといった治療をご検討ください。
- Q
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- Q
牽引性脱毛症は何カ月で改善しますか?
- A
改善までにかかる期間には個人差がありますが、髪型を変えても見た目に変化が現れるまで数カ月以上かかる場合があります。薄毛の期間や毛根の状態によっても異なるため、改善がみられない場合は医療機関へ相談してください。
- Q
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- Q
牽引性脱毛症に育毛剤は使えますか?
- A
育毛剤を使用するだけでは、原因となる牽引を解消できません。まずは髪型を見直し、毛根への負担を減らすことが優先です。治療薬の使用を希望する場合は、自己判断せず医師へ相談してください。
- Q
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参考サイト
この記事の監修
(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務

