びまん性脱毛症とは|女性に多い理由や原因・改善方法を解説

更新日:2026/06/17
びまん性脱毛症とは|女性に多い理由や原因・改善方法を解説

「最近頭が全体的に薄くなってきた」
「自分はびまん性脱毛症なのかな?」
「びまん性脱毛症って治るのかな?」

びまん性脱毛症とは、30代後半から40代にかけての女性が発症するケースが多く、頭部全体の髪の毛の密度が下がるように進行する特徴があります。

びまん性脱毛症は治療や対策を行えば改善が見込める症状です。

このページでは、「びまん性脱毛症」の原因や改善方法について解説します。

女性の薄毛「FAGA」について詳しくは、以下のページで解説しています。 FAGAとは

びまん性脱毛症とは“髪が全体的に薄くなる”症状

びまん性脱毛症とは、髪の毛が全体的に薄くなっていく状態を指します。
「びまん」とは、ひとつの部分に限らず全体に広がっている状態を意味する言葉です。

びまん性脱毛症では、生え際だけが後退するというよりも、分け目や頭頂部を中心に髪全体のボリュームが少なくなったように見える傾向があります。

男性のAGAでは、生え際や頭頂部など一部の薄毛が目立つことが多い一方、女性の薄毛では髪全体の密度が低下し、地肌が透けて見えるようになるケースがあります。

そのため、びまん性脱毛症は初期の段階では気づきにくく、「髪が細くなった」「以前よりヘアセットが決まらない」といった変化から自覚する方も少なくありません。

びまん性脱毛症が女性に多いとされる理由

びまん性脱毛症が女性に多いとされるのは、女性ホルモンの変化や栄養状態、ストレスなどの影響を受けやすいためです。

女性の髪は、加齢や更年期、出産、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスなど、さまざまな要因の影響を受けます。特に更年期以降は、髪の成長に関わる女性ホルモンの分泌が減少し、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。

また、無理な食事制限や偏った食生活によって、髪の成長に必要なタンパク質・亜鉛・鉄・ビタミンなどが不足すると、髪全体のボリューム低下につながることもあります。

このように、女性の薄毛はひとつの原因だけでなく、複数の要因が重なって起こることが多いのが特徴です。

FAGAとの違い

びまん性脱毛症は「髪全体が薄くなる状態」、FAGAは女性に起こる薄毛の原因・疾患名のひとつです。

髪全体が薄くなる点は共通していますが、原因やメカニズムが違う場合もあり、全く同じ意味ではありません。

びまん性脱毛症 FAGA
意味 髪全体が薄くなる状態 女性男性型脱毛症という疾患名
特徴 髪全体のボリューム低下 分け目・頭頂部、前頭部を中心に進行しやすい
原因 FAGA、栄養不足、ストレス、生活習慣など ホルモンバランス、遺伝、加齢など
対応 原因に合わせた対策が必要 進行を抑える治療・発毛治療が必要

ただし、びまん性脱毛症の髪全体のボリュームが低下するケースでは、原因の多くがホルモンの影響によるため、FAGAとして扱われることが増えています。

びまん性脱毛症の原因にFAGAがある場合、放置すると薄毛が進行する可能性があります。
見た目だけでは原因を判断しにくいため、髪全体のボリューム低下が気になる場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

一方で、ストレスや栄養不足など一時的な原因による抜け毛であれば、原因の改善によって回復が期待できる場合もあります。 FAGAとは

びまん性脱毛症のセルフチェック方法

自分がびまん性脱毛症に該当するのか不安な方向けに、セルフチェックリストを用意しました。
この中でひとつでもチェック事項があればびまん性脱毛症が始まっている可能性があります。

びまん性脱毛症の診断チェックリスト
髪の毛が細く柔らかくなった気がする
髪の毛のハリやつやが失われてきた
くせ毛が増えた
髪のボリュームが減った
分け目が薄くなった
つむじ周りが薄くなった
短い髪が抜ける
排水溝に抜け毛が詰まる
枕に何本も抜け毛がつく
ヘアスタイルが決まらなくなった

毛髪牽引試験による確認方法

さらに、びまん性脱毛症の確認方法に毛髪牽引試験(Hair Pull Test)があります。
頭部の3ヵ所で約40本(一房分)を優しく引っ張ってみて、抜けた本数を数える簡単なテストです。

毛髪牽引試験(Hair Pull Test)
毎回の牽引で3本未満なら正常
毎回の牽引で3本未満なら正常
毎回の牽引で4~6本以上なら要注意
毎回の牽引で4~6本以上なら要注意

正常であれば、1回の牽引(引っ張る)で脱毛する毛髪は3本未満とされています。
毎回の牽引で4〜6本以上の毛髪が脱毛するようであれば陽性であり、びまん性脱毛症の可能性が高いでしょう。
びまん性脱毛症が疑われる場合は、セルフチェックだけで判断せず医師に相談することが大切です。
びまん性脱毛症およびFAGA治療についてはこちらで詳しく解説しています。 FAGA治療について

びまん性脱毛症の原因

上記でも触れたように、びまん性脱毛症の原因は1つではなく複合的と考えられています。
主な原因として以下が挙げられます。

それぞれ原因を詳しく説明します。

原因①:加齢による女性ホルモンの減少(更年期など)

加齢・更年期による女性ホルモンの変化は、びまん性脱毛症の原因のひとつです。

更年期になると、女性ホルモンなどが急激に減り、バランスが崩れます。
髪の毛が細くなるのは、女性ホルモンが減少するためで、人によっては若い頃と髪質が変わってきたと感じる人もいます。

これは「エストロゲン」という女性ホルモンが関係しています。
実はこのエストロゲンは髪の毛の成長に大きく関わっており、次のような働きがあります。

  • 髪の毛の成長を促す
  • 髪の毛の成長期を長く保つ

ところがエストロゲンは、40代半ば以降、更年期になると急激に減っていきます。

エストロゲンが減少すると、髪の毛の成長期が短くなり、休止期が長くなります。
結果、髪の毛が十分に成長しないため、ハリ・つやが失われて、抜けやすい髪の毛になってしまいます。 女性の更年期の抜け毛・薄毛

原因②:強い精神的ストレスや心身の疲労

強いストレスや体調変化によって、一時的に抜け毛が増えることがあります。

ストレスを感じると、自律神経が乱れます。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、ストレスを受けると交感神経が優位になります。

交感神経は興奮・緊張・血圧上昇などをつかさどっているため、優位に働いてしまうと、血流が悪くなり、栄養が身体の隅々まできちんと行き渡らない状態になります。

これが続くと、当然髪の毛もダメージを受け、抜け毛や薄毛が起こってしまいます。 休止期脱毛症について

原因③:過度なダイエット・栄養不足

過度なダイエットや栄養不足は、髪の成長に必要な栄養が不足する原因になります。

ダイエットも正しい食事や運動によって適度に行う分には良いのですが、食事を減らしたり、食べなかったりという極端なダイエットによる栄養不足は抜け毛の大きな要因になります。

栄養不足になると、人間は髪や爪など、「生きるためにあまり関係ない場所」から栄養の供給をカットしていきます。
その意味では栄養不足のダメージが最初に来るのが髪の毛なのです。
見た目を気にして無理なダイエットをしたばかりに、薄毛になってしまっては本末転倒です。

また、ダイエットだけではなく「偏食」による栄養不足も薄毛に関係します。
野菜を全く食べないとか、たんぱく質が極端に不足しているなどの食生活を送っていると、髪の製造工場となる毛根部に必要な栄養や酸素が行き渡らず薄毛に繋がります。

原因④:睡眠不足・運動不足・喫煙など生活習慣の乱れ

睡眠不足、運動不足、喫煙といった生活習慣の乱れが、血行不良を招きます。
血行不良が起こると髪質や頭皮環境の悪化に繋がり、薄毛の原因になります。

例えば、睡眠不足は薄毛に影響を与えます。
なぜなら寝ている間に分泌される「成長ホルモン」が細胞の新陳代謝を活発にし髪を育てるからです。
眠りが浅かったり、深夜まで起きていたりすると、成長ホルモンが十分に分泌されず、髪の毛も十分に発毛できません。

また、運動不足が続くと血行不良や代謝の低下につながり、頭皮や毛根に必要な栄養が届きにくくなることがあります。

また、タバコにはニコチンが含まれており、ニコチンは血管を収縮させ、血行を悪くしてしまいます。
すると髪の毛に十分な栄養や酸素が行き渡らず、成長が妨げられ、薄毛に繋がります。

髪の成長には、頭皮に十分な栄養と酸素が届くことが大切です。生活習慣が乱れている場合は、治療とあわせて睡眠・運動・喫煙習慣を見直していきましょう。

原因⑤:間違ったヘアケアや頭皮ダメージ

間違ったヘアケアは頭皮にダメージを与えてしまい、薄毛になる可能性があります。
例えば、洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗ったり、1日に2回以上シャンプーをするのはやめましょう。

また、不衛生なブラシでのブラッシングやブラッシングのしすぎは頭皮ダメージに繋がります。
カラーやパーマも繰り返し行うことで、髪の毛が生える土壌となる頭皮に悪影響を及ぼします。

びまん性脱毛症の改善方法

びまん性脱毛症の改善方法には以下の方法があります。

それぞれ詳しくご紹介します。

原因に合わせた治療を受ける

びまん性脱毛症を改善するには、まず原因に合わせた治療を受けることが大切です。

FAGAが関係している場合は、進行を抑えながら発毛を促す治療が検討されます。
一方、栄養不足やストレス、体調変化による抜け毛であれば、生活習慣や食事内容の見直しが重要になることもあります。

薄毛の原因はひとつとは限らないため医師の診察を受けることで、現在の状態に合った治療やケアを選びやすくなります。

栄養バランス・睡眠・運動を見直す

びまん性脱毛症の改善には、髪が育ちやすい生活環境を整えることも必要です。

食事では、髪の材料となるタンパク質をはじめ、亜鉛、鉄、ビタミンなどをバランスよく摂取しましょう。
肉、魚、卵、大豆製品、野菜、海藻類などを組み合わせることで、髪に必要な栄養を補いやすくなります。

また、睡眠不足は髪の成長に悪影響を与える可能性があります。
できるだけ睡眠時間を確保し、寝る前のスマートフォンや飲酒を控えるなど、眠りの質を高める工夫も大切です。

適度な運動は血流の改善やストレス解消にもつながるため、無理のない範囲で取り入れましょう。

頭皮に負担をかけるヘアケアを避ける

頭皮に負担をかけるヘアケアを避けることも、びまん性脱毛症の対策として大事です。

シャンプーの際は爪を立てず、指の腹でやさしく洗いましょう。
洗浄力の強すぎるシャンプーや、1日2回以上の洗髪は頭皮の乾燥や刺激につながることがあります。

また、髪が濡れたまま寝ると頭皮環境が悪化しやすいため、洗髪後はドライヤーで根元から乾かしましょう。

カラーやパーマを繰り返している方は、頻度を見直したり、頭皮への刺激が少ない方法を美容師に相談したりすることもおすすめです。

「植毛」「増毛」「ウィッグ」は根本的治療ではない

植毛・増毛・ウィッグは見た目をカバーする方法ですが、びまん性脱毛症の原因そのものを改善する治療ではありません

ウィッグや増毛は、薄毛が気になる部分を一時的に目立ちにくくする方法として役立つ場合があります。しかし、髪が抜けている原因に対して治療を行うものではないため、FAGAなどが進行している場合は、薄毛そのものが悪化する可能性があります。

また、増毛は今ある髪に人工毛を結びつける方法のため、髪や頭皮に負担がかかることもあります。

見た目のカバーも選択肢のひとつですが、抜け毛やボリューム低下が続いている場合は、まず原因を確認し、必要に応じて治療を受けることが大切です。

びまん性脱毛症による髪全体のボリューム低下は早めに相談を

びまん性脱毛症は、髪全体のボリュームが減って見える脱毛症です。
女性ホルモンの変化、FAGA、ストレス、栄養不足、生活習慣の乱れ、頭皮ダメージなど、さまざまな原因によって起こることがあります。

一時的な抜け毛であれば原因の改善によって回復が期待できる場合もありますが、FAGAが関係している場合は進行する可能性があります。

「髪が細くなった」「分け目が目立つ」「抜け毛が増えた」と感じたら、自己流のケアだけで様子を見るのではなく、早めに医師へ相談しましょう。

びまん性脱毛症のよくある質問に対する医師の回答

実際に患者様から当院に寄せられるよくある質問に服部院長が回答します。

  • Q
    女性でもクリニックで薄毛治療は受けられますか?
    A
    A
    薄毛治療は男性だけのものではなく、女性もクリニックで治療することが可能です。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    女性も男性と同じ治療ですか?
    A
    A
    いいえ、女性と男性で治療が異なる場合があります。
    女性と男性では抜け毛の仕組みが違うため、同じアプローチでは治療の効果は発揮されません。
    さらに、男性用治療薬の中には女性が触れてはいけないお薬もあります(プロペシア)。
    きちんと使える薬を選ぶことが重要です。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    びまん性脱毛症の治療はどのくらいで効果が現れますか?
    A
    A
    びまん性脱毛症を含む女性の薄毛治療は、基本的に効果が出てくるまでにある程度の期間が必要になります。どれくらいで発毛を実感できるかには個人差がありますが、大体3〜6か月ほどで効果が見られます。
    途中で自己判断により治療を中止すると、十分な効果を確認できない場合があります。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    朝起きたときに、枕に抜け毛がどっさり。放置しておいてもいいのでしょうか?
    A
    A
    寝ているときはシャンプーの時と違って髪の毛に刺激を与えているわけではないので、たくさん抜けるというのは、抜け毛が進行している可能性があります。当院などの専門のクリニックで相談してみましょう。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    びまん性脱毛症は自然に治りますか?
    A
    A
    びまん性脱毛症は、原因によって自然に改善する場合もあります。
    ストレス、体調不良、出産、栄養不足などによる一時的な抜け毛であれば、原因が落ち着くことで改善が期待できることがあります。
    ただし、FAGAが関係している場合は進行する可能性があるため、自然に治ると判断せず、早めに医師へ相談しましょう。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    更年期の抜け毛とびまん性脱毛症は関係ありますか?
    A
    A
    更年期の抜け毛は、びまん性脱毛症と関係することがあります。
    更年期には女性ホルモンの分泌が変化し、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。その結果、髪全体のボリュームが減り、びまん性脱毛症のように見える場合があります。
    ただし、更年期以外にもFAGAや栄養不足、ストレスなどが関係している可能性があるため、原因を確認することが大切です。
    服部院長
    服部院長
    服部院長
  • Q
    栄養不足による抜け毛は改善できますか?
    A
    A
    栄養不足による抜け毛は、食生活の見直しによって改善が期待できる場合があります。
    髪の成長には、タンパク質、亜鉛、鉄、ビタミンなどの栄養素が必要です。
    過度なダイエットや偏食によってこれらが不足すると、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。
    ただし、栄養を補えば必ず改善するとは限りません。薄毛の背景にFAGAなど別の原因がある場合もあるため、抜け毛が続く場合は医師へ相談しましょう。
    服部院長
    服部院長
    服部院長

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参考サイト

この記事の監修

服部圭太院長画像
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務