このページでは、カンジダと不妊症の関係について詳しく解説しています。
また、不妊治療や妊活中にカンジダを発症した場合の影響や対処法にも触れているので、妊娠を希望されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、当院ではカンジダの治療薬や、カンジダを含む性病検査キットを取り扱っております。
必要な方はこちらから診察をご予約ください。
カンジダは不妊の直接的な原因にはならない
カンジダの発症は、不妊の直接的な原因にはなりません。
そもそもカンジダ菌は膣内に存在している常在菌で、何らかのきっかけで異常増殖し、発症すると「膣」や「外陰部」に炎症が現れます。
そのため妊娠に必要な子宮・卵巣および卵子などの機能に影響を及ぼすことは基本的にはないので、大きな心配は不要です。
ただし、カンジダ菌は不妊と直接的な関係はありませんが、症状が出ている間は妊活に影響する場合があると考えられています。
妊活に影響する理由について、以下より詳しく解説していきます。
カンジダ菌は精子の運動率を低下させる
2007年に行われた試験管内(in vitro)の研究結果によれば、カンジダ菌に触れた精子は以下のような状態になると結論づけられています。
- 精子の運動性を大幅に低下させる
- 精子の構造を損傷させる
このことから、カンジダ菌は精子が卵子に到達するための能力を低下させてしまうことが示唆されています。
そのためカンジダ菌が増殖している間は、精子と卵子が受精しづらくなることで妊娠率が低下する可能性があります。
カンジダ発症中は性行為を控える
カンジダが発症している間に性行為を行うと、妊娠率が低下する可能性があるだけでなく、相手にも感染させるリスクがあります。
パートナーである男性が感染すると「亀頭包皮炎」を起こすことがあり、特に包茎の男性であれば、雑菌が溜まりやすく、カンジダ菌が好む湿気もあるため感染リスクが高まります。
また、男女のどちらかが未治療あるいは完治していなければ、菌をうつし合ってしまうことがあります。
治りが悪くなり、症状が続く可能性もあるため、お互いに治癒するまでは性行為やそれに類似する行為は控えるようにしてください。
カンジダを放置したら不妊になる?
カンジダと不妊症は直接関係しないので、放置したからといって「不妊になる」とは言いづらいです。
ただ、痛みやかゆみ、おりものの異常といった症状が、カンジダではないケースも考えられます。
- 膣トリコモナス症
- 細菌性膣症
- クラミジア
- 淋病
これら全ての性感染症は、「上行感染」という形で子宮の奥へと感染が広がる可能性があり、妊娠機能に影響を与える恐れがあります。
カンジダは症状が軽ければ膣の自浄作用により自然治癒することもありますが、上記の感染症だった場合は放置が不妊につながる可能性はゼロではありません。
また、妊娠36週以降の分娩が近づいているタイミングであれば、羊水内感染や産道感染によりカンジダ菌が新生児に感染するおそれもあります。
カンジダを放置するのは賢明な選択ではなく、疑わしい症状がある時点で検査・治療を受けるようにしてください。
不妊治療や妊活中にカンジダを発症したらすべきこと
不妊治療や妊活中にカンジダの発症が疑われる場合、性行為を控えるだけでなく、診断するための検査や結果に基づいた治療が必要です。
以下より、カンジダの検査や治療の流れについて詳しく解説します。
①検査する(初発の場合)
初めてカンジダの症状が出た場合、検査により医師の診断を受けるようにしてください。
人によっては別の性感染症にかかっている可能性もあり、正しい治療につなげるためにも検査は必須となります。
当院ではカンジダのほか、主要な性感染症を検査できるキットを取り扱っています。
疑わしい症状から複数同時検査も可能なので、詳しくは以下のページよりご確認ください。
②治療する
カンジダの検査結果が陽性だった場合、医療機関で処方される薬で治療を行います。
症状が現れている部位に合わせて膣錠やクリーム・軟膏などを使い分け、場合によっては薬を併用して治療を進めていくこともあります。
なお、カンジダが再発した場合には、市販薬で治療しても問題ありません。
初発時と同じ症状が出るので、ご自身でもある程度は判断できることから「再発時に限って」自己治療という選択肢が認められています。
市販薬を選ぶ際には、副作用などのリスクを減らすためにも、病院で処方された薬と同じ成分のものを選ぶようにしましょう。
フィットクリニックのカンジダ治療薬
フィットクリニックは、カンジダ治療薬として「オキナゾール膣錠・クリーム」の処方を行っています。
フィットクリニックのカンジダ治療薬 | |
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女性 | オキナゾール膣錠 600mg |
女性・男性 | オキナゾールクリーム 1% 10g |
処方数/日 | 膣錠:1錠 / 1日間 クリーム:1本 / 7日間 |
費用 | 各7,000円 ※併せて検査キット購入の場合は2,000円引き |
オキナゾール膣錠・クリームは抗真菌薬に分類される薬になり、膣や外陰部で異常増殖したカンジダ菌の量を正常に戻す効果が期待できます。
通常は1週間ほどの治療で90%前後の方が治癒し、クリームについてはカンジダ菌が原因の「亀頭包皮炎」にもお使いいただけます。
初発・再発を問わず処方できるので、カンジダが疑われる場合はこちらのボタンから診察をご予約ください。
なお、オンライン診療をご利用いただければ、通院せずに受診〜薬の処方までをオンライン上で完結させることも可能です。
オンライン処方の流れ |
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予約 ↓ オンライン診療 ↓ 検査キットの郵送・返送 (状況に応じて薬を処方) ↓ Web上で検査結果を確認 ↓ 必要に応じて再度診療 ↓ カンジダ治療薬の郵送処方 |
詳しくはこちらをご覧ください。
③並行してパートナーも検査する
女性側がカンジダを治療し完治しても、男性も感染していれば菌をうつし合うおそれがあります。
男性は無症状のケースが多いため、無自覚のまま過ごしてしまうことも珍しくありません。
お互いに症状を長引かせないためにも、ペアで検査・治療を受けることが望ましいです。
また不妊治療や妊活中であればなおのことで、男性もできる限りは検査を受けることがパートナーを安心させることにもつながります。
不妊治療中にカンジダを発症する可能性がある
体外受精の前に行う採卵の際、骨盤内感染症を予防する目的で抗生物質を服用することがあります。
ただ、その抗生物質の服用が原因で、カンジダを発症してしまう人もいます。
理由としては、抗生物質の働きにより常在菌のバランスが崩れてしまい、カンジダ菌が増殖してしまうためです。
↓
デーデルライン桿菌(膣内環境を正常に保つ菌)の減少
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膣内の自浄作用が低下
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カンジダを発症
抗生物質を服用するたびに、カンジダになる女性は少なくありません。
かゆみやおりものの異常などの異変を感じた際は担当医に相談し、適切な対処を受けるようにしてください。
カンジダになったらまず治療しよう
カンジダは、体調やホルモンの変化などにより自己感染しやすい身近な病気の1つです。
女性の約5人に1人は発症するとも言われており、不妊症の心配こそないものの、菌に触れた精子の運動性が低下して妊娠しづらくなる可能性も示唆されています。
治療すれば治癒する病気なので、「いつもと違う」と感じた時は医療機関にご相談ください。
よくある質問
- 膣内環境の悪化により他の性感染症にかかりやすくなる
- 違う性感染症にかかっていても気づかない
- 出産時に新生児に感染させてしまうリスクがある