淋病は、クラミジアやヘルペスに次ぐ感染者の多い性感染症です。
淋病はどんな感染経路でどこから来るものなのか気になる方も多いのではないでしょうか?
- 淋病はセックス以外でも感染する?
- 感染に心当たりがない
- 一緒に食事やお風呂は?
こちらのページでは淋病の感染経路はどこからなのか、どんな行為で感染する・しないなど詳しく解説します。
その他、淋病の症状や検査、治療などについても分かりやすく説明しているので、気になる方は知っておいて損はありません。
現在性感染症の多くは検査キットがあれば、自宅でも検査が出来ます。
通院が難しい方は検査キットのご使用がおすすめです。
フィットクリニックでは、淋病の検査キットをオンラインで販売しています。
ご希望の方は以下のボタンからご予約ください。
淋病の感染経路について
淋病の病原体である淋菌は高温や低温に弱く、基本的に体外での生存はできません。
そのため空気感染はしませんが、粘膜同士が接触した場合、とても感染しやすい特徴があります。
粘膜を介した主な感染経路として以下のものがあります。
- 性行為(オーラルを含む)
- 手指やタオル
- 母子感染
それぞれ詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
主な感染経路は性行為
淋病も他の性感染症と同様、性行為が主な感染経路です。
1回の性行為での性器への感染率はおよそ20~50%と言われています。
近年、オーラルセックスが一般的になり、咽頭(のど)への感染も増えています。
性器感染した方の10~30%が咽頭にも感染していると報告があります。
淋病の感染部位
その他、性行為の1つとして肛門への挿入(アナルセックス)により、性器から直腸の粘膜へ感染する場合や、感染部位の分泌物や粘液の付いた手指から、目(結膜)の粘膜に感染する場合があります。
このように、感染する部位は、性器、喉、目、直腸(肛門)、などいずれも粘膜のある部分です。
キスでもうつる?
通常のキスや同じ器を使った食事、回し飲み程度の接触では感染する可能性は低いと言えます。
ただし、ディープキスなどの唾液を介した感染の可能性を否定はできません。
いまのところ、唾液感染に関する学会などでの研究データの報告はされていません。
手指やタオルからも感染
淋菌が付着した手指やタオル、下着、アダルトグッズなどから、粘膜を通して感染する場合があります。
淋菌の付着する恐れのあるもの
- 手指
- タオル
- 下着
- アダルトグッズ
まれではありますが、淋菌に感染した粘膜や体液を触った指で目をこすると、目(結膜)に感染する恐れがあります。
お風呂や洗濯はOK?
感染者と一緒のお風呂に入っても、感染する可能性は低いと言えます。
ですが、パートナーや家族がいる場合、気持ちの問題として治るまでは控えた方が良いでしょう。
入浴はせずシャワーのみ、もしくは自分が入った後はお湯を捨てるなどの対応であれば問題ありません。
洗濯に関しては、分泌物の付いた下着も洗って乾燥させれば全く問題ありません。
淋菌は粘膜の外に出れば弱い菌のため、数時間で死滅します。
そのため、一緒に洗濯した下着から感染はしませんので、ご安心ください。
妊娠中・新生児への感染
妊娠中の母親が淋病に感染すると、早産や破水、流産の原因となるため注意が必要です。
妊娠前や妊娠が分かった時点で淋病の検査を行ってください。
女性は淋病の症状に気が付きにくい場合が多く、感染したまま出産すると新生児へ産道感染する場合もあります。
産道感染すると、新生児の目や関節、血液に感染し、重症化すると失明する恐れがあります。
感染者 | 妊娠中の母親 | 新生児 |
---|---|---|
原因 | 感染後無症状のまま妊娠、妊娠中の性行為 | 出産時の産道感染 |
症状 | 早産、破水、流産の原因 | 目(結膜)、関節、血液 |
感染の心当たりが無い
「心当たりがないけど感染してしまった」という方もいるかも知れません。
しかし淋菌は自然発生しないため、感染したのであれば何かしら粘膜の接触があったことを意味し、以上で挙げた感染経路が考えられます。
感染が疑わしい場合は、以下のような流れで速やかに検査しましょう。
- ①発病や気になる兆候が見られる。
- ②パートナーに伝える
- ③パートナーと共に検査を行う(症状の有無を問わず)
- ④陽性だった場合、治療を行う
もし自分やパートナーが発病した場合は、必ず相手にお伝えしてください。
発病の前後2週間以内で性行為があった場合は、症状が無くても感染している可能性があるので2人で検査・治療を行ってください。
淋病の検査方法
淋病は重症化すると男女共に不妊症や感染拡大の原因となるため、気になる症状がある方はすぐに検査を行う必要があります。
どんな時に検査が必要?
以下のような自覚症状、思い当たる条件があった場合は淋病に感染した可能性があります。
- 排尿時に痛みや膿が出る
- おりものがいつもと違う(匂い・色など)
- 喉に痛みや違和感がある(オーラルセックス有)
- パートナーが感染
- オーラルを含むセックスでコンドームを未使用
当てはまる場合は必ず検査を受けてください。
検査方法について
基本的に検査は感染部位の粘液や尿から検体を採取します。
淋病は症状の現れていない潜伏期間内(2~7日間)からでも検査が可能です。
感染していれば、潜伏期間内でも陽性となります。
万が一、陰性が出た場合も検査方法やタイミング、部位により偽陰性の可能性がありますので、2日~1週間ほど時間をおいてから改めて検査を行ってください。
検査は感染機会から24時間経過後が望ましいとされています。
クラミジアとの同時感染
淋病に感染した場合、同時にクラミジアに感染する確率がおよそ20%と言われています。 そのため、淋病に感染した場合はクラミジア感染の可能性があります。
現在、淋病とクラミジアを一緒に検査を行っている医療機関や、検査キットもあるので、気になる方は同時に検査を行ってください。
検査キットがあれば自宅で検査できる
現在は病院やクリニック以外でも自宅で行える検査キットがあります。
検査キットがあれば、通院する必要もなく人と顔を合わせずに検査が行え、結果を確認できるため便利です。
現在フィットクリニックでは、淋病の検査キットを扱っています。
こちらの検査キットには、淋菌の他に咽頭淋菌、クラミジア、咽頭クラミジアが検査項目に含まれます。
これは淋病とクラミジアが同時感染しやすいため、当院では推奨とさせていただきます。
淋病の検査キット | 価格 | |
---|---|---|
女性4項目セット (淋病、咽頭淋菌、クラミジア、咽頭クラミジア) |
23,000円 | |
男性4項目セット (淋病、咽頭淋菌、クラミジア、咽頭クラミジア) |
23,000円 |
検査キット2個セット | 10%引き |
---|---|
送料 | 無料 |
ご自身が感染している可能性がある場合は、パートナーにも感染している確率が高いため、一緒に検査することをお勧めします。
なお、検査キットを購入するには診察が必要です。
当院ではオンライン診療を行っていますので、購入をご希望の方はこちらのボタンからご予約ください。
検査キットに関する詳細については、以下のページをご覧ください。
淋病の症状
淋病に感染した場合、淋菌は2~9日ほど体内に潜伏したのち発症する場合があります。
男性と女性でそれぞれ症状が異なり、さらに感染場所によっても症状が異なります。
男性の性器
男性の淋病の主な症状は淋菌性尿道炎です。
女性に比べ尿道が長い男性に多く見られる症状で、排尿時の熱感、尿道から黄白色の分泌物が現れます。
感染が進行すると、精巣や前立腺まで淋菌が達し炎症を起こす場合があります。
治療せずそのままにしておくと、無精子症など不妊の原因となります。
男性性器への感染 | |
---|---|
主な症状 | 排尿時の痛み・熱感、尿道から黄白色の分泌物 |
感染が進行すると… | 前立腺炎、精巣上体炎、不妊症(無精子症) |
女性の性器
女性の淋病は主に、膣や子宮頸管に感染します。
症状が現れる場合は、排尿時の痛みや熱感、黄色・血液交じりの膣内分泌物が確認されます。
治療せずにいると、子宮頸管から卵管へ感染が広がり、卵管の損傷や子宮頸管炎、子宮外妊娠など不妊の原因となります。
女性性器への感染 | |
---|---|
主な症状 | 排尿時の痛み・熱感、黄色・血液交じりの膣内分泌物 |
感染が進行すると… | 子宮頸管炎、卵管炎、胎児への感染 |
性器以外の症状
性器以外の場所でも、粘膜を介して淋菌は感染します。
感染場所は男女共に喉、直腸(肛門)、目に確認されています。
それぞれの箇所で現れる症状は以下のものがあります。
直腸(肛門)
直腸(肛門)への感染は、自覚症状が無い場合が多いと言われています。
現れる症状は以下が確認されています。
- かゆみや不快感
- 肛門挿入時の痛み
- 血便
目(結膜)
目(結膜)に淋菌が感染した場合、淋菌性結膜炎の症状となります。
現れる症状には以下のものがあります。
- まぶたの腫れ
- 充血
- ゼリー状のめやに(膿)が発生する
重症化した場合は失明の恐れがありますので、すぐに治療を受けてください。
症状に気が付きにくい?
淋病は多くの感染者のいる病気ですが、感染者の増える理由として「症状に気が付いていない」のが挙げられます。
最初の感染での発症率は50%ほどで、比較的男性の方が症状が出やすいとされます。
女性の場合、男性に比べ自覚症状が無く感染しても症状が現れない、もしくは軽症のため膀胱炎や膣炎と診断されることが多いと言われています。
男女共にのどへの感染も注意が必要です。
のどへの感染も自覚症状があまりない場合が多いと言われています。
症状があった場合も、風邪や別の疾患だと診断され淋病の完治に至らず、淋菌が体内に留まり続けます。
放って置くとどうなる?
淋菌は人体に免疫が出来ない特徴があるため、自然治癒することはありません。
症状が出ない場合でも放って置くと、以下の可能性があります。
- パートナーへ感染させてしまう
- 他の部位への感染
- 感染が全身に広がり重症化
「感染したかも」と感じたら早めに検査と治療を行いましょう。
淋病の治療方法
淋病は、淋菌という細菌に感染したことで起こる病気です。
そのため前項でも記述していますが、淋病は専用の薬を使い淋菌を体内から除去しなければ完治しない症状です。
その代わり、早期発見で適切な治療を行えば、比較的容易に完治できます。
以下で淋病の治療薬や治療法について解説しています。
淋病の治療薬
体内の菌を除去するためには、抗生物質が必要です。
淋病には主にセフトリアキソンやアジスロマイシンなどの抗生物質が使用されます。
薬の摂取方法は、静脈注射、筋肉注射、点滴薬、経口薬のいずれかになります。
淋病の治療に使用される抗生物質は処方薬のため、市販はされていません。
治療の際には、病院やクリニックでの処方が必要です。
治療期間と治療後について
治療期間は、注射や点滴(30分程度)の場合1日で終わりです。
経口薬が必要な場合は、4日~1週間ほど薬を服用します。
治療後4週間ほど経過した後に再度検査を行ってください。
再検査して陰性になれば治療が終了し、陽性であれば再度治療を行います。
治療期間中は、感染予防のため性行為は控えてください。
淋病には治療薬耐性がある?
治療後再検査を受け、陽性だった場合は治療薬耐性が原因の可能性があります。
淋病の原因である淋菌の中には、治療薬に耐性を獲得したものが存在します。
近年発見され話題となった「スーパー淋菌」は、淋病の治療に最も使用されるセフトリアキソンに耐性があると報告されています。
ただし、現状では用量の増加、他の抗生物質への変更や併用により治療は可能とされており、治療が全く出来なかった報告はありません。
そのため、耐性菌が増えていても、淋病を治療できないことは無いとお考えください。
パートナーも同時に治療を行う
性行為を行うパートナーや自分に感染が確認された場合は、すぐに2人で検査を行ってください。
検査で陽性が確認された場合、症状が無くても2人同時に治療を開始してください。
淋病は一度かかっても再度感染する病気なので、どちらかが完治していない場合、再度うつされるピンポン感染が起こる可能性があります。
・ピンポン感染
どちらかが完治しないまま、性行為などを行うことで再度起こる、ピンポン玉のラリーのような感染。淋病は自分1人だけの病気ではなく、ご自身の周りの性の環境に関係する病気だと認識しておきましょう。
淋病の予防方法とは?
淋病の感染予防は主に、以下の2つです。
- コンドームの使用
- 多数との性行為を避ける
ただし、これらの予防は100%ではないため、あくまでもリスクを減らすものとお考えください。
感染を拡大させないためにも、なるべく予防を行い感染者に接触したらすぐに検査を受けましょう。
コンドームの使用
コンドームの使用により、性器などの感染部位と直接の接触を避けられます。
可能であれば、オーラルセックスの前から付けておくのがベストです。
女性の場合も、性器用のフィルムを使用することで、感染のリスクを減らせます。
多数との性交為を避ける
主な感染経路は性行為なので、多くの方と性行為を行うと感染する確率が高くなります。
そのため性行為は、パートナー以外とはなるべく避けることが感染予防に繋がります。
よくある質問
感染が心配な方は、定期的に検査を行いましょう。
検査で陽性が出る、または自覚症状が出た場合はすぐに治療を開始してください。
そのため、感染防止のため性行為の際はコンドームを装着し、複数との性行為を避けるようにしましょう。
ただし、パートナーや家族へ配慮した際には別に洗う事をおすすめします。
ただし、パートナーの気持ちに配慮すれば、お控えになった方が良いと考えます。
感染者は最後に入浴し、お風呂のお湯は捨てるなど対処が良いのではないでしょうか?
まとめ
淋病に限らず性感染症の主な感染経路は性行為です。
とはいえ、性行為を全くしないのは現実的ではありません。
感染機会がある場合は、感染リスクを減らすためしっかりと予防を行い、気になる場合はすぐに検査を行ってください。
現在、検査キットも市販されているため、通院せずに自宅で手軽に検査を行うことができます。
パートナーも同時に感染し治療をした際には、お互いに完治したことを確認しましょう。