淋病はどう治療する?
各治療法の特徴や費用相場を解説!

淋病はどう治療する?各治療法の特徴や費用相場を解説!

淋病は、国内でもクラミジアや性器ヘルペスの次に報告数の多い性感染症です。

もし淋病に感染した場合は、きちんと治療するための知識を持った上で対処を進めましょう。

このページでは以下のことがわかります。

このページでわかること
  • 淋病の治療方法
  • 淋病の治療薬
  • 淋病の治療期間
など

その他、淋病の治療に関する質問への回答もしておりますので、治療を進める際にお役立てください。

なお、フィットクリニックでは淋病を含む性感染症の検査キットを取り扱っております。

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淋病の治療方法

淋病の主な治療方法は以下の3種類です。

淋病の治療方法

場合によっては2つの治療法を併用することもあります。

それぞれの特徴を詳しく解説します。

淋病の内服薬

内服治療の特徴
  • ほかの治療法よりも安価
  • 時間がなくても治療できる
  • 錠剤やシロップがある
治療薬の種類 アジスロマイシン、オーグメンチンなど
治療期間 4日~7日程度服用

内服薬による治療は、3種類のうちもっとも手軽な治療方法です。

お薬が手元にあれば、おうちで治療を進めることができるため、忙しい方でも治療ができるのが大きなメリットです。

剤型は、主に錠剤やシロップがあります。

医師によって内服薬で治療できると判断された場合には、90%以上の有効性があるため安心して治療が行えます。

また、内服薬は点滴や注射の薬にアレルギー反応が見られる際に使われることもあります。

点滴・注射と併用して使われることも多く、特にアジスロマイシンの内服薬はクラミジアと同時感染している際に使われます。

淋病の点滴

点滴治療の特徴
  • 有効性が高い
  • 病院に行かないと治療が受けられない
  • 自費診療だと治療費が高い
治療薬の種類 セフトリアキソン
治療期間 15~30分の投与を1回
※重症度によって投与の回数や期間が変わります

点滴は静脈に有効成分を入れる治療方法です。

全身に成分が素早く行き渡るため、即効性があります。

クラミジアとの併発が疑われる場合に、アジスロマイシンの内服薬と併用して治療を進めることもあります。

淋病の注射

注射治療の特徴
  • 有効性が高い
  • 病院に行かないと治療が受けられない
  • 自費診療だと治療費が高い
治療薬の種類 セフトリアキソン、スペクチノマイシン
治療期間 注射1回分
※重症度によって投与の回数や期間が変わります

セフトリアキソンは静脈注射、スペクチノマイシンは筋肉注射と、成分によって注射部位が異なります。

重症度によっては、スペクチノマイシンをお尻に投与することもあります。

なお、スペクチノマイシンは咽頭感染の治療には向かないため、点滴や内服薬での治療が必要です。

注射での治療も、点滴と同様に内服薬と併用して治療することがあります。

淋病は治療が難しくなっている?

淋菌は、治療薬に対抗する耐性菌が次々と作られる特殊な菌です。

そのため、時代とともに治療薬が効かなくなってきています。

日本において点滴治療の際に使われるセフトリアキソンでも、耐性菌が出現したという報告が出ています。

そんなどの治療薬も効かない淋菌は「スーパー淋菌」と呼ばれています。

治療薬が完全に作用しない時代がくる前に、早く治療して二度と感染しないよう適切に予防することが重要です。

淋病の完治までの期間

淋病は菌が消滅して初めて「完治」と言うことができます。

そのため、治療が終わってから2~4週間後の検査で陰性が出たらようやく完治です。

なお、検査までどのくらいの期間を空けるべきかは、診察を受けた医師の指示に従いましょう。

また、治療期間の中で、やってはいけないNG行為がいくつかあるので、解説します。

治療期間のNG行為① 
「症状がなくなったから」と薬の服用を中止する

症状がなくなっても、淋菌がまだ残っている可能性は十分にあります。

中途半端な治療をすると淋菌に耐性がついて薬が効かなくなる可能性があるのでやめましょう。

医師から処方された分は必ず飲み切ってください。

治療期間のNG行為② 
「点滴を受けたから」とすぐに性行為をする

陰性の確認もできていないのに性行為をすると、相手に淋病をうつしてしまう可能性があります。

陰性の確認ができるまで性行為は避けましょう。

淋病の治療費の相場

淋病の治療費の相場は、全額負担の自費診療か、3割負担の保険診療かで大きく異なります。

淋病の治療費相場

  自費診療 保険診療
内服 7,000~9,000円 1,000~2,000円
点滴・注射 9,000~22,000円 2,000円前後

金額に差がありますが、それ以外の点でも重要な違いがあります。

自費診療・保険診療を両方行っているクリニックでは、違いを確認した上で、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

自費診療の特徴
  • 家族に知られなくて済む
  • 症状が無くても受けられる
  • クリニックごとに値段に幅がある
保険診療の特徴
  • 3割負担で済むので安い
  • 症状が出ていないと使えない
  • 家族に知られてしまう可能性がある
  • 適応症が限られる

淋病は無症状のケースが多いため、保険が適用されないことが多いです。

そのため無症状の場合は自費診療一択ですが、症状がある場合はメリット・デメリットを考えた上で診療方法を選びましょう。

淋病を治療しないと不妊になる?

淋病を治療せず放置してしまうと、どんどん重症化して最悪の場合不妊になってしまう可能性があります。

男性

前立腺炎、精巣上体炎→不妊

女性

卵管炎、卵巣炎など→不妊

このように、尿道や子宮頸管に感染した淋菌を放置すると、妊娠に必要な器官まで淋菌に浸食されてしまいます。

「妊活を始める際に淋病が深刻化していた」という事態を防ぐためにも、定期的な検査を行いましょう。

また、ご自身の感染が発覚した場合は必ずパートナーにも検査を促してください。

見逃し注意!クラミジアとの同時感染の確率は20%

淋病の感染が発覚した場合、クラミジアにも感染しているケースは20%、つまり5人に1人と高確率です。

せっかく淋病の治療が完了しても、クラミジアの感染に気付いていなければ感染がどんどん進行してしまいます。

見逃しを防ぐため、淋病の検査をする際は必ずクラミジアの検査も行いましょう。

ちなみにどちらも感染していた場合は、淋病の治療→クラミジアの治療といった流れが一般的です。

クラミジアの治療には、アジスロマイシンが有効です。

まとめ:定期的な検査で早期発見・早期治療を

淋病の予防には、コンドームが有効です。

しかし現在ではオーラルセックスが主流になり、コンドームを付けていない状態での、喉や性器を介した感染が増えています。

自分が感染していると気づいていないために感染を広げるケースも多いです。

そうした感染拡大や放置による悪化を防ぐためにも、まずは定期的に検査をしましょう。

現在は郵送で検査ができる便利な検査キットもあるため、通院の時間が無い方なども簡単に調べることができます。

重症化する前に早期発見をして、早いうちに治療を始めることが大切です。

淋病の治療に関する質問

Q1
淋病は自然治癒しますか?
A1
淋病は自然治癒することはありません。
感染が発覚した場合には治療が不可欠です。
Q2
ドラッグストアに売っている薬で治療できますか?
A2
淋病はドラッグストアの薬では治療できません。
医師の診察を受け、処方薬を使ってください。
Q3
淋病の治療中にオナニー(自慰行為)してはダメですか?
A3
淋病治療中の自慰行為は避けましょう。
尿道にダメージがかかり、治療が長引く可能性があります。
Q4
淋病の治療薬を服用していましたが、症状がなくなったのでもう飲まなくていいですか?
A4
症状がなくなっても、菌がなくなっていない可能性が十分あるので、途中でやめてはいけません。
処方された分は、必ず飲み切りましょう。
Q5
薬を飲み切ったので、性行為してもいいですか?
A5
薬を飲み切っても、陰性確認をするまで性行為はしないようにしましょう。
死んだ菌の検出を避けるためにも、飲み切ってから2~4週間後に検査してください。
詳しい期間は医師の指示に従いましょう。
Q6
点滴で治療を受けたいです。何科に行けばいいですか?
A6
淋病の点滴治療を受け付けているのは、性病科や泌尿器科、婦人科が多いです。
点滴治療を行っているかは事前にホームページ等で確認しましょう。