男性更年期(LOH症候群)のEDの特徴 - 症状・原因・対策を解説

更新日:2025/09/16

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。

男性更年期(LOH症候群)のEDの特徴 - 症状・原因・対策を解説

男性更年期障害(LOH症候群)は、加齢により男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下することで起こる心身の不調です。

テストステロンは性欲や勃起機能に深く関わるため、低下すると性機能の低下(ED)につながる場合があります。

こちらの記事では、男性更年期とEDの関係について解説しています。
症状や対策が気になる方は是非ご覧ください。

当院ではオンライン診療によるED治療を行っております。
EDの症状で悩みを抱えている場合は、お気軽にご相談ください。 フィットクリニックのED治療

男性更年期障害(LOH症候群)とは

男性更年期(LOH症候群)は、男性ホルモン“テストステロン”の分泌が低下することで起こる心身の不調のことを指します。

以下の症状がある場合、男性更年期の可能性があります。

こんな症状は男性更年期かも
精神的な症状
疲労感やうつなど精神的な症状
  • 不安感や抑うつ傾向
  • イライラしやすい・すぐにキレる
  • 集中力・記憶力の低下

意欲の減退精神的な症状は、ストレスやホルモン変化が重なり、うつ病や適応障害と間違われやすいのも特徴です。

身体的な症状
ほてりなど身体的な症状
  • ほてりや発汗・動悸
  • 慢性的な疲労感
  • 筋力の低下
  • 不眠
  • 肩こりや腰痛
  • 頻尿

身体的な症状は、加齢だけでは説明できない不調として現れやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。

性機能低下の症状
性欲減退など性機能に関する症状
  • 性欲減退
  • 勃起しにくい、EDの進行
  • 朝立ちの消失
  • 性行為の満足度の低下

男性更年期では、テストステロンの低下がEDに直結するケースが多く見られます。
性機能の低下は特に悩みにつながりやすい。

男性更年期は、疲労感や抑うつ症状、性機能の低下(ED)など、日常生活に影響を及ぼすこともあります。

男性更年期によるEDの特徴と原因

EDは男性更年期に見られる代表的な症状の1つです。

男性更年期に見られるEDは、加齢による血管や神経の障害による「器質性ED」、男性ホルモンの低下、ストレスなどの心理的要因が関係しています。

EDだけでなく、男性更年期特有の精神的・身体的症状が同時に現れるのも特徴です。

「朝立ちが減った」「性欲そのものが低下している」といった特徴があり、EDの中でも加齢やストレスと強く結びついているのが特徴です。

男性更年期障害の主な原因は、以下の「男性ホルモンの分泌低下」「ストレスや生活習慣の乱れ」の2つです。

男性更年期EDの原因
  • 男性ホルモンの分泌低下
  • ストレスや生活習慣の乱れ

男性ホルモン(テストステロン)は加齢で減少し、40代以降は20〜30代より大きく低下します。
筋力・骨・精神・性機能に関わる重要なホルモンで、不足すると疲労感や意欲低下、性欲減退、EDの原因となります。

慢性的なストレスはテストステロンの分泌を抑え、自律神経を乱して症状を悪化させます。不規則な食事や睡眠不足、喫煙・飲酒もテストステロン低下を加速させる要因です。

男性更年期EDは、それぞれの原因を理解することで適切な対策が行えます。

服部院長

男性ホルモン以外のEDの原因

テストステロンの低下以外にもEDの原因はいくつかあります。

その他のEDの原因

男性更年期が起こりやすい40~60代の方は、家庭や仕事面での責任も大きくなります。
精神的なストレスや慢性的な疲労、男性ホルモンの低下が重なりEDの症状が悪化する場合があります。

EDの症状について詳しくは下記のページで詳しく解説しています。 ED(勃起不全)とは

男性更年期EDの診断(AMSスコア)について

気になる症状が続く場合は、医師の診断とあわせて検査を受けることが大切です。
男性更年期かどうかを確認するには、血液検査によるテストステロン値の測定が有効です。

また、症状の有無を簡単に把握できるチェックシート( AMSスコア)も参考になります。
17の項目について確認してみてください。

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症状 なし 軽い 中等度 重い 非常に重い
Q1 調子が思わしくない 1 2 3 4 5
Q2 腰や膝など関節や筋肉が痛い 1 2 3 4 5
Q3 急に汗をかいたり火照ったりする 1 2 3 4 5
Q4 寝つきが悪い ぐっすり眠れない 1 2 3 4 5
Q5 よく眠くなる 疲れを感じる 1 2 3 4 5
Q6 いらいらする 1 2 3 4 5
Q7 神経質になった 落ち着かない 1 2 3 4 5
Q8 急に不安になる 1 2 3 4 5
Q9 意欲の低下や疲労感が取れない 1 2 3 4 5
Q10 筋力の低下 1 2 3 4 5
Q11 気持ちが沈む 1 2 3 4 5
Q12 人生の絶頂期は過ぎたと感じる 1 2 3 4 5
Q13 燃え尽きた、どん底にいると感じる 1 2 3 4 5
Q14 ひげの伸びが遅くなった 1 2 3 4 5
Q15 性的能力が衰えた 1 2 3 4 5
Q16 早朝勃起(朝立ち)が減った 1 2 3 4 5
Q17 性欲の低下がみられる 1 2 3 4 5
合計 

総合評価と男性更年期障害の関係については以下をご覧ください。

男性更年期障害の評価
  • 17〜26点:恐れなし
  • 27〜36点:軽度の男性更年期障害
  • 27〜49点:中度の男性更年期障害
  • 50点以上:重度の男性更年期障害

いかがでしょうか?
まずは自身の症状を自覚し、早期に必要な対策・治療を開始しましょう。

今日から出来る男性更年期EDの対策法6選

チェックシートで気になる結果が出た方は、日常生活に簡単に取り入れられる対策法を6つ紹介しますのでお試しください。

男性更年期のEDの根本的な改善として、生活習慣を見直しテストステロンを増やすことが大切です。

これからEDが気になる年齢の方は、この対策法を行えば、男性更年期EDの予防に繋がります。

ただし、この対策法は体質改善を目的とするため、男性更年期EDに対して即効性はありません。
今すぐEDを改善したい、即効性を求める方はED治療薬がおすすめです。 ED治療薬についてはこちら

男性ホルモン増加に効果的な食べ物

男性ホルモン(テストステロン)は食べ物に気をつけることで増やすことが可能です。

以下ではテストステロンの増加に効果的な食べ物を表にまとめました。
早速、今日から毎日の食材に取り入れていきましょう。

男性ホルモン増加におすすめの食材

食材 効果的な理由
玉ねぎ・
にんにく・
ニラ
これらの食材に含まれる成分「硫化アリル」には、男性ホルモンの分泌促進作用や、疲労回復の効果が期待できます。
効果的に摂取するためには、切ってすぐ食べる・加熱時間を短くする。
レバー・牡蠣・
ナッツ
これらの食材には亜鉛が含まれています。
亜鉛を取り入れることで、男性ホルモンの増加をサポートします。
アボカド・
納豆・
ほうれん草
アボカドにはビタミンEが、納豆やほうれん草にはマグネシウムがそれぞれ豊富に含まれます。
共にホルモンバランスの調整や、分泌を促す働きがあります。
肉類・卵・大豆 肉類(牛肉・鶏むね肉など)に豊富に含まれるカルニチンは、男性ホルモンの増加をサポートします。
卵や大豆・肉類に含まれるアルギニンには、疲労回復や勃起力向上が期待できます。
魚介類・
きのこ類
含まれるビタミンDには男性ホルモンの産生の促進効果が期待できます。

どの食材も日常に取り入れやすいので、1週間を通して満遍なく摂取する週間を作っていきましょう。

質の高い睡眠

あなたは質の高い睡眠ができているでしょうか?テストステロンとの関係でも睡眠は非常に重要です。
理由は、テストステロンは睡眠時に分泌量が増えるためです。

レイチェル・レプルート博士らの研究によると、睡眠不足が1週間続くことでテストステロンの値が最大で15%低下します。
良質な睡眠をとるためには、次のポイントが重要です。

良質な睡眠をとるためのポイント
  • 夕食は就寝の3時間前に終える
  • 就寝30分前はテレビやスマホを見ない
  • 適度な運動習慣を持つ
  • 飲酒は適量
  • ストレスを溜めない

このように食生活や運動習慣を改善することで睡眠の質も上がっていきます。

適度な運動・筋トレ

テストステロンを増加させるためには適度な運動も効果的です。
特に三十代以降になって運動習慣がなくなった人は、ぜひとも生活に運動を取り入れてください。

テストステロン増加に
効果的な運動
  • スクワット
  • 有酸素運動(ジョギング・ランニング)

生活に取り入れやすい運動としておすすめなのがスクワットです。
エクササイズの王様とも言われるスクワットを10回×3セットを目安に実施してみてください。
スクワットはテストステロンの増加だけでなく、性機能を高める「PC筋」や「BC筋」のトレーニングにもなります。

またジョギングやランニングといった有酸素運動もテストステロンを上昇させます。

ご自身の生活習慣に合う形で、定期的に運動する環境を作りましょう。
ちなみに過剰な運動は逆効果になるので、あくまで適度に行うのがポイントです。 EDとマッサージ・運動・筋トレ

禁煙が重要

適量のお酒を楽しむのは問題ありませんが、タバコはやめた方がよいといえるでしょう。
適量の喫煙が男性ホルモンを増加させるという研究報告もありますが、以下のような喫煙のデメリットが男性更年期障害を悪化させる恐れがあります

喫煙によるデメリット
  • 不眠
  • 血圧の上昇
  • 禁断症状とストレス

など

ニコチンへの依存度が高い場合は禁煙外来も利用して禁煙に臨んでください。
そのほかの禁煙によるメリットは以下からご確認いただけます。

お酒の飲みすぎは禁止

続いては、お酒についてです。
適度な飲酒はテストステロンを増加させる働きを持ちますが、過度な飲酒ではテストステロンを減少させます。
1日の適量は以下を目安に飲むようにしてください。

お酒1日の適量の目安
  • ビール(5%):500ml
  • チューハイ(7%):350ml
  • ワイン:200ml
  • 日本酒:1号(180ml)
  • 焼酎(25%):100ml
  • ウイスキー:60ml

特に普段からメリハリなくお酒を飲む習慣がある場合は、これを機に見直すのがおすすめです。
減酒や休肝日を設けながらメリハリをもってお酒も楽しんでいきましょう。

ストレスコントロール

趣味などリラックスする時間を持つ、十分な休養を取るなどで、ストレスをコントロールすることが大切です。

慢性的なストレスを受けるとコルチゾールの分泌が過多となり、テストステロンの合成を抑え、自律神経の乱れにつながります。

クリニック・病院での対策や治療方法

6つの対策法を解説したところで、続いてはクリニックや病院における男性更年期EDの治療方法について解説します。

男性更年期障害の対策・治療法

漢方薬・サプリによる体質改善

男性更年期の症状が軽い場合は漢方薬やサプリを用いた体質改善が選択されるケースがあります。

男性更年期の改善に使われる漢方薬としては以下が代表的です。

男性更年期の改善に使用される漢方薬
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
    手足の冷え、頻尿、腰痛、EDなど
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
    疲労、倦怠感、食欲不振など
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
    加齢、腎虚(腎の機能低下)による腰痛や冷え、EDなど
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
    イライラ、不安、動悸、不眠など

いずれも直接テストステロンを増やしたりEDを改善するものではなく、疲れやストレスの解消をサポートしたり、身体を温めたりするものです。

当院ではEDサプリ「スタミナイズRX」の処方も行っています。
血流を促し勃起力・持続力の向上をサポートします。

生活習慣の改善と合わせて行うことで高い効果が期待できるでしょう。 EDサプリ

テストステロン補充療法(TRT)

漢方が直接テストステロンを増加させるものではなかったのに対して、テストステロン補充療法はその名の通り、体内にテストステロンを補充していく方法です。
補充方法としては、経口薬・注射・皮膚吸収があり、男性更年期障害の症状が一定程度重い場合にも用いられます。

この治療は、男性更年期への対策であると共に、筋肉量の増加や体脂肪率の減少の効果も期待されます。
こちらも漢方と同様に、生活習慣の改善と合わせて実施していくのがおすすめです。

持病の疾患や体質によりテストステロン補充療法が適切でない場合もあるため、必ず医師にご相談ください。
市販薬を使用する際も、使用方法や用量の厳守が必要です。 テストステロンの市販薬について

※当院ではテストステロン補充療法は行っておりません。

ED治療薬

男性更年期でEDの症状が出ている場合は、ED治療薬が有効です。
ED治療薬を使用することで、性機能の改善に期待できます。

服用してすぐに効果が得られるため、現在EDにお悩みの方は男性更年期の対策と平行してご利用ください。

それぞれのED治療薬には、効果や持続時間など違いがあり、症状や生活スタイルに合わせてお選びいただけます。

ED治療薬の比較:安さならバイアグラ、勃起力ならレビトラ、長時間作用ならシアリス、即効性ならステンドラ・レビトラ、副作用や食事の影響が少ないのはザイデナ・シアリス・ステンドラ

ED治療薬の種類と比較

「どれを選べば良いかわからない」という方でもご安心ください。
診察時にご相談いただければ、お悩みに適したED治療薬をご提案します。

服部院長

大切なパートナーが男性更年期だった場合の接し方

男性更年期は、本人だけでなくパートナーにとっても理解が難しい症状です。

身体の不調や気分の落ち込み、性機能の変化などが重なり、家庭生活や夫婦関係に影響することもあります。
まずは病気として正しく理解し、無理なく支える姿勢を持つことです。

大切なパートナーが男性更年期障害だった場合、以下のような接し方を心がけてみましょう。

男性更年期だった場合の接し方
  • 症状を責めずに受け止める
    イライラしてすぐキレる、落ち込むなどは本人の意思でコントロールできない。
    「疲れているのかな」と受け止める姿勢が大切。
  • 生活習慣を一緒に整える
    食事・運動・睡眠を一緒に整えることで、ホルモンの安定につながる。
    パートナーと一緒に取り組むことで、本人も無理なく続けやすくなる。
  • 医療機関への相談を勧める
    症状が長引いたりEDの悩みは、専門医の診断や検査で原因を明らかにし、治療へつなげる。
  • パートナー自身の心の余裕も大切に
    支える側もストレスを抱えすぎない。趣味や友人との時間を持ち、心のバランスを保つ。

男性更年期やEDを放置するとどうなる

男性更年期やEDの症状を放置すると、次のような影響が出ることがあります。

男性更年期障害の放置による影響
  • 生活の質(QOL)の低下
  • 仕事のパフォーマンス低下
  • パートナーとの関係への悪影響
  • うつ病やメタボリックシンドロームのリスク増加

性生活だけでなく、仕事や家庭生活にも悪影響を及ぼします。
気分の落ち込みが続けば、うつ病やメタボリックシンドロームのリスクが高まることもあります。

そのため、症状を放置せず改善することでこれらのリスクを軽減できる可能性があります。

男性更年期によるEDと感じたら早めに対策を

今回の記事では男性更年期のEDに関する対策と治療について詳しく解説しました。
記事のポイントをまとめると以下のとおりです。

男性更年期のEDのまとめ
  • 男性更年期のEDは、テストステロンの低下やストレスが原因
  • 生活習慣改善の改善や筋トレなどでテストステロンを増やすことができる
  • ED治療薬やホルモン補充剤など症状に合わせた治療が必要
  • 改善には1人で悩まないことが大切

男性更年期とEDは密接に関係しており、ホルモンの低下やストレスが症状を引き起こす大きな要因です。

生活習慣の改善で症状が緩和する場合もありますが、自然に回復することはほぼありません。
医師の診断や治療が有効となるため、気になる症状があれば早めにご相談ください。

当院ではED治療薬によるオンライン診療を行っております。
EDの症状でお心当たりのある場合は、お気軽にご質問、ご相談ください。 フィットクリニックのED治療

男性更年期のEDによくある質問

  • Q
    男性更年期とEDはどう違うのですか?
    A
    男性更年期はホルモン低下による全身の不調を指し、その中の症状の一つとしてEDが現れることがあります。
  • Q
    薬を飲めば両方とも改善しますか?
    A
    ED治療薬は勃起機能改善に有効ですが、ホルモン低下そのものには作用しません。
    必要に応じてホルモン療法が検討されます。
  • Q
    何科に相談すればよいですか?
    A
    泌尿器科や男性外来が適しています。
    オンライン診療で相談できる場合もあります。
  • Q
    自然に治りますか?
    A
    男性ホルモン(テストステロン)は加齢とともに緩やかに低下し続けるため、放置して自然治癒するケースはほとんどありません。
    適切な治療や生活習慣の改善により、症状の緩和が期待できます。
  • Q
    男性更年期とEDは関係がありますか?
    A
    あります。テストステロンの低下は性欲や、性機能の低下に影響します。
    それにより勃起の持続が困難になるなどEDの症状になる場合があります。
  • Q
    男性更年期EDの治療に使われる薬はありますか?
    A
    主にED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリスなど)、ホルモン補充剤があります。
    ※当院ではホルモン補充療法は行っておりません。
  • Q
    男性更年期が終わるサインは?
    A
    男性更年期には明確な終わりがなく、特にサインはありません。
    始まりは40歳以降にだれでも起こりうるものですが、30代でもストレスなどで男性ホルモンが減少すると症状が表れる場合があります。
  • Q
    男性更年期EDになりやすい人は?
    A
    以下のタイプの人は男性更年期EDになりやすいと言えます。
    ・加齢
    ・生活習慣病
    ・肥満
    ・運動不足
    ・ストレスを抱えやすい

その他よくある質問はこちらをご確認ください

参考サイト

この記事の監修

服部圭太院長画像
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務