シアリスは、有効成分タダラフィル(Tadalafil)を含む長時間作用型のPDE-5(ホスホジエステラーゼ5)阻害剤です。
通常、ED(勃起不全)、肺動脈性肺高血圧症、前立腺肥大症や排尿障害の治療に使われます。
しかし近年の研究では、これらの一般的な適応症に加え、「シアリスでの血管若返り効果」が注目されています。
本記事ではシアリスが血管を若返らせるメカニズムや、血管を若返らせる服用方法について解説しています。
シアリスのED(勃起不全)以外の効果に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
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シアリスに血管の若返り効果はあるのか
結論から言うと、シアリスには血管を若返らせる効果が期待できます。
なぜなら、シアリスを服用することによって以下のようなメカニズムが働くからです。
これらの働きにより、シアリスには血管を若返らせる効果があると言えます。
詳細は次の章で解説していきます。
シアリスによる血管内皮細胞機能の改善
シアリスは血管内皮細胞機能を改善し、血管を若返らせる効果が期待できます。
2004年に発表されたイタリアの論文では、シアリスの有効成分であるタダラフィルの継続的な服用で、心血管リスクの高い患者の血管機能を改善し、治療終了後も効果が持続することが明らかにされました。
この調査は、ED治療薬のバイアグラ(シルデナフィルクエン酸塩)と同様に、シアリス(タダラフィル)にも血管機能の改善効果が見られるのかを調べる目的で行われています。
行われたのは32人の心血管リスクが高い男性を対象にしたランダム化試験で、タダラフィル20mgを隔日で4週間服用し、血管機能(上腕動脈血流依存性拡張、FDM数値※1)や血漿レベルを調査するというものです。
結果、タダラフィルがEDの程度に関係なく、心血管リスクが高い患者の内皮機能を改善することがわかったのです。
さらに、治療を中止した後も少なくとも 2 週間改善効果が持続することも明らかになりました。
この研究は動脈硬化の初期段階の患者を対象としたものであり、病気の進行具合によって効果が変動する可能性がありますが、シアリスの有効成分が血管内皮細胞の機能を改善する可能性を示しています。
シアリスによる血管拡張機能の向上
シアリスによるFMD数値の改善は、血管がより柔軟に拡張できるようになったことを示しています。
シアリスによって血管が拡張することで血流が良くなり、血管へのコレステロール沈着や血栓を予防する効果も期待できます。
結果、全身の血管内皮細胞が若返ることに繋がるのです。
心血管リスク(狭心症や心筋梗塞など)の軽減にも効果的であり、シアリスはEDの改善だけではなく、血管内皮細胞の保護や改善にも作用します。
他にもメリットとして、シアリスを服用した状態での筋トレは、血管拡張作用により筋肉へ酸素や栄養素が送り込まれやすくなります。
このメカニズムが筋肉の成長(筋量の増加)の促進につながり、男性ホルモンである「テストステロン」を増加させるのです。
テストステロンの増加は
- 筋力と骨密度の向上
- 脂肪の減少
- 心血管の健康維持
などの効果が期待でき、若返りにもプラスの影響をもたらします。
したがって、シアリスと筋トレを組み合わせることで、健康的で若々しい身体が維持できるのです。
確かにシアリスと運動を組み合わせることで心身の健康に効果が見込めますが、服用直後の運動はシアリスの血管拡張作用と重なり副作用が出やすくなる危険性があります。
呼吸や心拍数が落ち着いたら服用してください。
加えて、シアリスには「酸化ストレス」を軽減させる効果が医学的に認められました。
運動不足や過度の飲酒、喫煙によって活性酸素の生成バランスがくずれると、酸化ストレスが生じます。
シアリスはその酸化ストレスの軽減に寄与することが実験によって明らかになっており、血管にとどまらず、身体の若返り効果も期待できるのです。
シアリスで血管若返り効果を得る服用について
ここまでシアリスによる若返り効果が事実であることを解説しましたが、より効果を得るためには服用方法に工夫が必要です。
シアリスで血管若返り効果を得る服用方法
シアリスの血管若返り効果(血管内皮細胞の修復)を目的として使用する場合、効果的な服用方法は以下です。
シアリスの効果的な飲み方 | |
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服用頻度 | 2~3日ごとに定期的に服用する ※服用後は24時間空けて次回の服用を行う |
服用量 | 血管の若返り効果を期待する場合は、長期的な服用が推奨されるため、低用量(例:5mg)でも効果が期待できる(※2) |
服用間隔 | 血管の若返り効果を目的とする場合は、長期的な服用が重要 |
シアリスを毎日飲むとリスクはあるのか
前項の表にある通り、血管若返り効果を期待するなら継続して服用するのが望ましいです。
よって、シアリスは毎日服用しても問題ありません。
シアリスは脳に作用する薬ではなく依存作用もないためご安心ください。
また、シアリスは他のED治療薬と比較して副作用が少ないため、継続して服用しやすい薬です。
シアリスの主な副作用と発現率は以下の画像を参照ください。
稀に、以下のような副作用が起こると言われていますが可能性は極めて低く、基本的には副作用を過度に心配する必要はありません。
起こりうる副作用や症状 | 実際の発現状況 |
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失明⇒✖因果関係は無い |
まれに視力低下の原因となる「非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)」の発現が報告されている ※NAIONを発症した患者の多くはNAIONの危険因子を持っており、シアリスとの因果関係は明らかになっていない |
脱毛(抜け毛)⇒✖報告事例は無い | シアリスの副作用で脱毛は報告事例が無い
今後発現する可能性は否定できないが、現段階で発現の可能性は低い |
耐性がつく⇒✖耐性はつかない | シアリスには依存性が無く、毎日飲んでも効果は薄まることはない |
性機能の衰え⇒✖シアリスが要因ではない | シアリスが性機能をを衰えさせる報告は無い
衰えを感じたならば、加齢や生活習慣病などの影響である可能性が高い ※勃起力の過度な増強は0.2%未満の確率で発現報告がある |
肝臓への負担⇒✖過度の飲酒をしなければ問題ない | 過度なアルコール摂取のあとにシアリスを服用すると肝臓に負担がかかる可能性がある
肝機能以上の副作用発現率はわずか0.2%~1%未満 |
※スクロールしてご覧ください
シアリスは65歳以上でも服用できる
シアリスには年齢制限がないため、高齢者(65歳以上)の方でも医師との相談の上、安心して服用可能です。ただし、初めて服用する方は低用量から始めることを推奨します。
医師の判断のもと、様子を見ながら用量や服用頻度を調整しましょう。
また、未成年の方もシアリスの服用が禁止されていますのでご注意ください。
シアリスの血管若返り効果に保険は適用されない
シアリスをED治療目的ではなく血管若返り効果を期待して服用する場合、保険適用されずに自由診療となるためご注意ください。
また、ED治療であっても保険適用には条件があります。
- ED診療ガイドラインにもとづき、EDと診断されている
- 本人またはパートナーが6ヶ月以内に不妊治療を受けている
- 処方箋の備考欄に保険診療である旨が記載されている
このほか諸条件をクリアして初めて保険適用となるため、詳細は以下のリンクよりご確認ください。
まとめ:シアリスには血管の若返り効果が期待できる
ここまで、シアリスによる血管の若返り効果やそのメカニズム、効果的な服用方法について解説しました。
最後に、記事の内容をまとめます。
- シアリスによる血管を若返らせる効果は研究で明らかにされている
- 血管内皮細胞機能の改善や血管拡張能力の向上により、血管機能が向上するというメカニズムが働く
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血管の若返りを目的にシアリスを服用するなら、長期にわたる継続服用が望ましい
※継続服用による依存性は確認されていない - シアリスは副作用の発現率も低く年齢制限もないが、血管の若返り目的の服用は保険適用ではない点に注意
シアリスは血管を若返らせ、健康にもプラスの影響をもたらすことが明らかにされています。
フィットクリニックでは、本記事でご紹介したシアリスも処方可能です。
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ED(勃起不全)にお悩みの方はもちろん、シアリスによって健康にも気を配りたいとお考えの方はぜひ一度当院へご相談ください。