このページでは、女性にとって身近な病気の1つとされる「カンジダ」が自然治癒するのかについて解説しています。
また放置するリスクや、男性にも感染するのかなどにも触れているので、この機会に正しい知識を身につけて今後の検査・治療に活かしてみてください。
なお、フィットクリニックではカンジダ治療薬としてオキナゾール膣錠・クリームを処方しています。
すでに疑わしい症状がある方は、お気軽に当院までお問合せください。
カンジダについての詳しい情報はこちらからご覧ください。
軽症のカンジダは自然治癒する可能性がある
カンジダは、症状が軽ければ自然治癒することがあります。
自然治癒する理由として、カンジダ菌には以下のような特徴があるためです。
- 誰でも持っている常在菌である
- 異常増殖しない限りは、基本的に無害
カンジダ菌は、免疫力の低下やホルモンバランスの変化の影響から膣の自浄作用が弱まり、膣内環境が悪化することで発症します。
そのため症状が軽ければ、膣の自浄作用がふたたび正常に機能し始めることで、膣内のバランスが戻り自然治癒することがあります。
自然治癒に何日かかるかはわからない
カンジダは自然治癒する可能性があるとはいっても、かゆみやおりものの異常などの症状がいつ治るかはわかりません。
はじめは症状が軽くても次第に悪化していくおそれがあり、膣内環境が悪化してる状態なので他の感染症にかかりやすくなるリスクも考えられます。
なにより、不快な症状がいつまで続くかわからない状態は心身の大きな負担にもなります。
ちなみにカンジダを放置せず治療薬を使用すれば、症状自体は2〜3日ほどで落ち着き、通常1週間ほどの治療で治癒に至ります。
軽症の判断は難しいため、早めの治療が大切
カンジダが軽症かどうかの判断は、見極めが難しいです。
また「かゆみ」や「おりものの異常」を起こす性感染症は他にもあり、重複感染しているケースもあります。
「症状も軽いしカンジダなら自然に治るはず」と思って放置した結果、重症化して治りが悪くなってしまうおそれもあります。
膣や外陰部への症状はトラブルが起きているサインになるので、症状を自覚したタイミングで早めに検査・治療を受けることが大切です。
男性のカンジダは自然治癒しやすい
男性のカンジダは症状が出ないことが多く、無症状のまま自然治癒するケースが多いです。
ただし、女性が発症している間に性行為やそれに類似する行為があった場合、以下のような人は発症しやすくなります。
- 包茎
- 糖尿病
- ステロイド剤投与例
- 消耗性疾患例
そのため男性も念のため検査を受ける必要があり、症状が出ていれば適切な治療が必要になります。
カンジダを放置したらどうなる?
カンジダを放置した場合、以下のリスクがあります。
- 湿疹が広がり全身性カンジダを発症する
- 再発を繰り返し慢性化する
- 別の感染症に気づかない
感染初期に薬を使っていれば1週間で完治したはずのカンジダが、放置することで悪化し、難治例となる可能性があります。
また、「カンジダだと思って放置したけど、実は生殖機能にも関わる別の感染症だった」という場合には、最悪不妊を引き起こすこともあります。
将来的なリスクを避けるためにも、カンジダは放置せず早めに対処するようにしましょう。
膣カンジダを発症した際の正しい対処方法
膣カンジダを発症した際は、正しく対処しなければ悪化を招いてしまいかねません。
デリケートゾーンにかゆみやおりものの異常が認められる場合には、以下を参考に検査や治療を受けるようにしてください。
【①検査する】(初発の場合)
初発(はじめての発症)の場合、自覚している症状だけではカンジダ菌が原因かどうかを判断することができません。
原因に対して正しい治療を行うためには検査が必要になり、可能な限りはカンジダと似た性感染症も含めて複数同時に検査することが望ましいです。
カンジダを再発した際は、初発時と同様の症状が現れます。
初発時と変わった様子や不安が特になければ検査は不要とされています。
ただし不安が残る場合は、最終的な判断は医師に確認してください。
なお、当院では性感染症の検査キットを取り扱っています。
カンジダだけでなく、クラミジアや淋病など感染者数の多い病気、また急増している梅毒などもセルフチェックが可能です。
医師による検査に抵抗を感じる方は、当院までお気軽にご相談ください。
【②治療する】
検査結果からカンジダの陽性反応が出た場合、カビの一種であるカンジダ菌に効果を示す抗真菌薬を治療に用います。
当院のカンジダ治療薬 | |
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女性 | オキナゾール膣錠 600mg |
女性・男性 |
オキナゾールクリーム 1% 10g |
処方数/日 |
膣錠:1錠 / 1日間 クリーム:1本 / 7日間 |
費用 |
各7,000円 ※併せて検査キット購入の場合は2,000円引き |
用法用量 |
膣錠:1週1回1錠を膣深部に挿入 クリーム:1日2~3回患部に塗布 |
副作用 |
膣錠:局所発赤、皮膚刺激感など クリーム:発赤、過敏症、発疹など |
フィットクリニックではオキナゾール膣錠・クリームを取り扱っており、症状が出ている部位に合わせて使い分けたり、人によっては併用することもあります。
なお、当院ではオンライン診療で上記の抗真菌薬の郵送処方が可能です。
スマホ1台で自宅からでも受診できるため、人に見られる心配はありません。
以下よりオンライン診療のご予約を承っていますので、初発・再発問わずご相談ください。
再発の場合は市販薬でも治療できる
カンジダは自己感染するため再発例も多く、不快な症状を繰り返すことはQOLの低下にもつながります。
こうした背景から「再発時に限って」市販薬による治療も可能です。
市販薬を使う際は、以前処方を受けたものと同じ有効成分のものを選びましょう。
- 治療効果が高まる
- 複数の成分の使用によりカンジダ菌に耐性(薬が効かない)が付くのを防ぐ
もし当院でオキナゾールの処方を受けた経験がある方であれば、市販薬を購入の際は同じ「オキシコナゾール硝酸塩」が含まれたものを選ぶようにしてください。
なお、一般的なかゆみ止めは根本的な治療にはなりません。
カンジダ治療を行う機会を遅らせてしまう原因になるので、薬剤師に相談の上で市販薬を購入するようにしてください。
【③症状がなくなれば完治】
カンジダは常在菌のため、完治したかどうかは「症状の有無」で判断します。
ただし、治療を初めてから2〜3日ほどで症状は治ってくるものの、処方・市販薬を問わず約1週間の使用が推奨されています。
途中でやめてしまうと再発・再燃のリスクがあるので、決められた期間は治療を続けるようにしてください。
【④並行してパートナーも検査】
カンジダ検査については、パートナーもいっしょに受けるのが理想的です。
相手が感染に気づかず未治療であれば、性行為などの性的な接触により菌をうつし合い、症状が長引いてしまうおそれがあります。
お互いの身体を守るためにも、できる限りカンジダ検査はペアで受けるようにしてください。
カンジダの自然治癒にヨーグルトは関係ない
「カンジダにはヨーグルトが良い」と言われることがあり、いくつもの研究が重ねられています。
確かに、膣内の環境を保つには乳酸菌が必要ですが、膣内の乳酸菌は「デーデルライン桿菌」といってヨーグルトの乳酸菌とは別物です。
そのためヨーグルトには、異常増殖したカンジダ菌を鎮める効果はないようです。
こうした研究結果からも、ヨーグルトを薬の代わりに食べ続け、カンジダの自然治癒を期待するのは現実的ではありません。
症状が長引いたり、他の感染症を見逃す原因にもなりかねないので、自覚症状が現れた時点で検査・治療を受けるようにしてください。
ヨーグルトは免疫力を高めるのに効果的
ヨーグルトでカンジダの自然治癒こそ期待できないものの、カンジダ発症のきっかけとなる免疫力低下の予防には効果的です。
免疫細胞の約7割は腸内に存在すると言われ、ヨーグルトに含まれる善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)により腸内コンディションが整うことで免疫力UPが期待できます。
おすすめのヨーグルトの食べ方としては、以下を参考にしてください。
⇨免疫力をUPさせる様々な菌がとれる
オリゴ糖と組み合わせる
⇨善玉菌が活性化される(きなこやバナナがおすすめ)
100%カンジダ発症を防ぐことはできませんが、体調管理のためにも毎日の食卓にヨーグルトを加えてみてください。
自然治癒を待ってはいけないパターン
カンジダは他の性感染症と異なり自然治癒の可能性があるものの、タイミングによっては速やかに対処する必要があります。
以下のようなケースでは主治医の指示に従い、症状の治癒を目指すようにしてください。
妊娠している場合
妊娠中にカンジダに感染した場合は胎児のことを考え、自然治癒を待たずに治療した方が良いです。
感染を放置したままだと、「羊水内感染」や「産道感染」が起こる場合があります。
赤ちゃんに感染した場合は「鵞口瘡(がこうそう)」といって、舌や頬の内側の粘膜、上あご、歯茎などに、白いミルクかすのようなものがこびりつく症状がみられます。
また、1,500g未満の極低出生体重児であれば、感染に対しての抵抗力が弱いです。
この場合、重い全身性カンジダになることもあるので、妊娠周期や胎児の様子から主治医の判断に基づいた治療を受けるようにしてください。
妊娠中は治療方法が限られる
膣カンジダの治療では、「ジフルカン(フルコナゾール)」という飲み薬を使用することもあります。
しかし飲み薬は全身に作用するため、胎児への影響を考えると妊娠中は使用できません。
妊娠中については、使用箇所の付近にのみ限定して作用する外用薬を用います。
⇨膣錠
外陰部に皮膚症状が現れている場合
⇨軟膏・クリーム
膣と外陰部のどちらにも症状が認められる場合、併用治療を行うこともあります。
妊娠中の女性だけでなく、妊娠している可能性がある女性も上記と同様の治療を行います。
妊娠初期は特に慎重になる必要があるため、妊娠中やその可能性がある方は自己判断での薬の使用は避け、必ず主治医に相談して適切な処置を受けるようにしてください。
症状が重い場合
カンジダの症状が重い場合、他の感染症にもかかっている可能性があります。
膣内環境の悪化や、痒みにより掻いた傷口から他の菌が侵入することもあり、症状がひどくなる一方であれば重複感染の疑いがあります。
上記のようなケースであれば検査を再度受けて、診断に基づいた治療を受ける必要があります。
性感染症の種類によっては子宮の奥にも感染が広がり、将来的に不妊の原因になることもあるのでご注意ください。
まとめ
カンジダは自然治癒を期待してしまうと、症状が長引くことで心身の負担にもなりやすくなります。
放置することによって他の性感染症を見逃す原因にもなるので、膣や外陰部などデリケートゾーンでの症状は、検査・治療を受けて正しい治療につなげていきましょう。
よくある質問
しかし次第に症状が悪化してくることもあり、現状の症状だけで軽症かどうか判断することはできません。
かゆみやおりものの異常といった不快な症状が長引けば心身の負担にもつながるので、早めに検査・治療を受けることをおすすめします。
そのため、パートナーの性器や口腔内への感染を防ぐためにも性行為はお控えください。
また、いつ症状が治るかわからない自然治癒は期待せず、早く治すためにも薬を使った治療を受けるようにしてください。
一方のカンジダは、健康な人でも皮膚や体内にもともと存在する常在菌になり、異常増殖しない限りは基本的に無害な菌です。
そのためカンジダは、膣の自浄作用により菌量のバランスが正常になることで自然治癒することがあります。