性病

クラミジアは無症状でもリスクあり!男女の無症状の割合も解説

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
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クラミジアは感染していても無症状で、自覚症状に乏しいことも珍しくありません。

クラミジアは感染しても急激に強い炎症を引き起こすわけではなく、慢性的に炎症を起こします。

そのため、気づかない間に徐々に身体を蝕み、時間の経過とともに数々の障害を引き起こす怖い病気です。

クラミジアの感染に気づかずに放置していると感染状態が続いてしまい、後遺症として不妊症になる場合もあります。

感染者数が多いことから身近な病気とされていますが、治療すれば完治します。ただし、放置など判断を誤ってしまうと怖い病気にもなり得ます。

クラミジアの感染に気づく方法をすくに知りたい方は、以下をクリックしてください。

クラミジアは無症状なことが多い

クラミジアは無症状なことが多い

クラミジアは無症状なことも多く、症状も他の性病にくらべて軽度なことから自覚・他覚が難しいとされています。

さらにコンドームで予防していない無防備な性行為をしてしまうと、1回の感染率は30~50%と高めです。

2~3回に1回の確率で感染し、さらに症状がなかったとしても菌を持ち続けている状態のため、気づくのが遅れてしまうと悪化してしまうケースもあります。

ここでクラミジアに感染しやすいシチュエーションをまとめます。

■クラミジアに感染しやすい状況
  • 10代後半、20代
  • 性行為経験者
  • パートナーが変わった
  • 複数のパートナーがいる
  • 不特定の相手との性的な接触
  • コンドームを使用していない

心当たりがある方は、現在は無症状なだけでクラミジアに感染している可能性があります。

クラミジアは性行為があれば誰でも感染する可能性があり、粘膜や分泌液に直接触れてしまうと感染のリスクは高まります。

またパートナーの人数が多いほど、感染しやすい状況を作り出してしまうので注意が必要です。

男性は5割が無症状

男性はクラミジアに感染した人の5割が無症状とされ、感染に気づけないことも珍しくありません。

さらにクラミジアの感染数が多い20歳代の無症状の若年男性を対象に初尿スクリーニング検査をしたところ、クラミジア陽性率は4~5%との報告もあるほどです。

このようにクラミジアは無症状であることが多いですが、症状がある場合は性器に次のような症状が出ることがあります。

■男性のクラミジアの症状(性器)
  • 尿道のかゆみや違和感
  • 排尿時の軽い痛み
  • 尿道口にさらさらあるいは粘り気のある分泌物

分泌物の量は少量から中等量と少ないですが、陰茎の根本から尿道口に向かって圧迫していくと自分で確認できることもあります。

そのため性器への異常に気づくきっかけになり、下着に汚れ・シミが付いていることもあるので確認してみると良いでしょう。

女性は8割が無症状

女性はクラミジアに感染した人の8割は無症状とされています。

くわえて、膣は子宮、卵管、卵巣へとつながっているため、感染状態が続いてしまうと「上行感染」によって菌が奥へと侵入するおそれもあるので非常に厄介です。

クラミジアは無症状なケースこそ多いですが、女性が発症時に出やすいとされているのが次のような症状です。

■女性のクラミジアの症状(性器)
  • おりもの異常
  • 下腹部痛
  • 性交痛
  • 不正出血(生理以外の出血)

痛みや出血については生理前後の症状にも似ており、その症状だけで女性がクラミジアを疑うのは難しいでしょう。

わかりやすい症状におりものの変化があげられ、ニオイが臭い・色が黄色っぽい・量が増えた、といった異常をきっかけに疑うのも1つです。

またクラミジアは過去の感染が原因で自然妊娠が難しくなってしまったり、タイミングによっては母子感染といって新生児にうつしてしまうこともあります。

早期治療だけでなく、菌に感染しないために日頃の予防が欠かせないといえます。

咽頭クラミジアは9割が無症状

オーラルセックスの一般化につれて感染が増えてきているのが、咽頭クラミジアです。

のどへの感染によって風邪と似た軽い症状が出ることもありますが、無症状なこともあるため放置しやすく注意が必要です。

しかも咽頭クラミジアで無症状の人は87%と9割にも上るとされ、明らかな変化を伴わないので自ら検査を受けないと見過ごしてしまうリスクが高いです。

性器に感染がなくとも、咽頭(のど)だけに感染している例もあり、のど周辺にみられる症状は次のようになっています。

■咽頭クラミジアの症状
  • イガイガする
  • 痛み
  • 腫れ
  • 発熱

また女性で性器(子宮頸管)への感染が確認された人は、無症状であっても10~20%の確率で咽頭からもクラミジアが検出されるとされています。

オーラルセックスが一般的になりつつあるので、クラミジアの検査は「咽頭(のど)+性器」をセットで検査するのが望ましいです。

クラミジアは無症状でも他人に感染する

クラミジアは無症状でも他人に感染する

クラミジアはたとえ無症状であっても他人に感染します。

無症状でも菌を持っているため、知らず知らずのうちに自分が感染源になり、クラミジアを蔓延させてしまうこともあるのです。

性器やのどに菌がいれば症状の有無に関係なく、粘膜や分泌物を介してパートナーにうつしてしまいます。

そのため菌に直接触れてしまうような性的な接触があれば、感染リスクがあることは覚えておきましょう。

■感染リスクがある行為
  • セックス
  • オーラルセックス
  • アナルセックス

クラミジアはいつどこで感染するかわからず、感染者数も国内で圧倒的に多いです。

こうした感染リスクを踏まえれば、症状に関係なく、日頃の予防が自分だけでなく相手にとっても大切なことがわかるはずです。

クラミジアは無症状でも病気は進行していく

クラミジアは無症状でも病気は進行していく

クラミジアは無症状であっても、自然に治ることはありません。

むしろ自覚できないまま症状が悪化していき、上行感染によって身体の奥へと感染が広がることで突然の激痛に見舞われて救急搬送されることもありえます。

また上行感染によって男女ともにクラミジアが不妊の原因になることがあります。

■男性の上行感染 ⇒ 精巣上体炎により精子の通り道が狭まったり、無精子症のリスクがある
■女性の上行感染 ⇒ 卵管の狭窄・閉塞・癒着、さらには子宮内膜の炎症で着床障害などのリスクもある

症状の程度によっては自然妊娠が難しくなることや、女性については他にも子宮外妊娠や早産・流産のリスクもあります。

クラミジアは感染の後遺症によって将来を変えてしまうこともあるので、無症状であっても必ず治療を受けるようにしてください。

クラミジア感染に気づく方法

感染に気づくには検査を受けることが大切

クラミジア感染に対して無症状あるいは無自覚だった場合、医療機関に受診する機会を失ってしまいがちです。

しかし放置すればさまざまなリスクがあり、感染に気づくためには積極的に性病検査を受けにいく以外に方法はありません。

特に20歳代は男女ともに感染している人が多く、できることなら不安な行為があった時だけでなく、定期的に検査を受けるとなお良いでしょう。

ここからはクラミジア感染の早期発見・早期治療につなげるための方法について詳しくみていきましょう。

定期検査をする

クラミジアは国内でもっとも感染者数が多く、男女ともに20代を中心に感染が広がっています。

特に20代の女性については、令和2年の女性の総感染者数13,669人に対して8,431人と全体の約60%を占めるほどで、いつ感染してもおかしくありません。

これに加え無症状・無自覚ともなると、気づかぬうちにパートナーにうつしてしまう可能性もあります。

そのため定期的も検査を受け、早期発見・早期治療により感染を抑えていく必要があります。

定期的な検査の目安は以下の通りです。

■定期的な検査の目安
  • 一般的な目安:3~4ヶ月に1回
  • CSW(性風俗業界やAV業界など):1ヶ月に1回

当院でも郵送でのクラミジアの検査キットを取り扱っています。
無症状でも感染を調べられるので、気になる方やパートナーがいる方は一緒に検査を受けることをお勧めします。

パートナーが感染していないか確認する

もし検査の結果が陽性であれば、パートナーに知らせてあげる必要があります。

そうすることで相手が感染を自覚していなければ検査・治療を受けるきっかけになります。

また、お互い感染に心当たりがなければ、過去にうつされたまま感染状態が続いていたことも発見できます。

また、クラミジアは一度感染しても免疫がつくことはなく、保菌者と性的な接触があれば何度でも感染します。

そのため2人で検査・治療を受ければ、クラミジアをうつしあってしまうピンポン感染も防げ、症状の悪化や再発予防にもつながります。

感染を長引かせないためにも、クラミジア検査は同じ時期にペアで受けるようにしてください。

クラミジアは薬で治療可能

クラミジアは薬を服用して治療する

クラミジアの治療期間は1週間ほどで、抗菌薬(抗生物質)を服用すれば治療できます。

ジスロマックジェネリックという抗菌薬なら1回の服用で治療を済ませられ、治癒を確認する再検査で陰性が出れば完治となります。

また再検査については、感染を確認した時と同じ検査を受けます。

タイミングとしては抗菌薬の効果で菌が消えるまでに一定の時間をおくので、治療後すぐではなく、治療後2~3週間を目安としてください。

注意点として、抗菌薬は市販されておらず医師処方のみとなります。

フィットクリニックではクラミジアの治療にジスロマックジェネリックを処方しています。

ジスロマックジェネリックの価格は以下の通りです。

クラミジア治療薬

治療薬 ジスロマックジェネリック 250mg
ジスロマックジェネリック
成分 アジスロマイシン
価格 6,980円
用法用量 4錠/1回経口投与する
投与日数 1日
副作用 下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症 など

1回4錠を服用することで投与日数が1日で済むため、飲み忘れる心配がありません。

なお、クラミジアの菌に効く種類は限られているので、もし別の病気で処方された抗菌薬が余っていたとしても代用はしないでください。

また、検査キットとセットの場合は薬価が2,000円引きになりますので、治療開始前後に検査を行いたい場合は検査キットとのセットをおすすめしております。

クラミジアは陰性を確認することで完治となるため、治療後2週間以上あけてから、必ず再検査を受けるようにしてください。

まとめ:無症状でも定期的な検査を受けましょう

クラミジアは感染しても無症状なことが多く、気づかないことで検査・治療する機会を失ってしまいがちです。

もし感染していれば菌は身体の奥へと広がってしまうので、3~4ヶ月に1回ほどのペースで自ら検査を受けることをおすすめします。

結果が陰性であれば一安心ですし、陽性だったとしても早期治療によって感染を断ち切れます。

放置すれば不妊症という後遺症が残るリスクもあるので、後になって「あの時治療しておけば…」と後悔しないためにも定期的に検査を受けるようにしていきましょう。

フィットクリニックのオンライン診療・処方なら誰にも会うことなくスムーズにクラミジアの検査・治療を行うことができますので、ぜひご利用ください。

よくある質問

一度クラミジアにかかれば免疫はつきますか?
クラミジアは一度感染しても、免疫がつくことはありません。キャリア(保菌者)と性的な接触があれば何度でも感染するので、性行為のたびに予防する必要があります。
クラミジアは自然治癒しますか?
クラミジアが自然治癒することはありません。
原因となる細菌は人の身体でしか生きられないほど弱いですが、感染部位にいる限りは発育・増殖していきます。
そのため自然治癒を期待して放置してしまうと体内に感染が広がってしまい、人によっては後遺症として不妊の原因にもなるので注意です。
症状がないから放置しても問題ないのでは?
「症状がない=感染していない」ということにはならず、男女ともに半数以上が無症状あるいは気づけないほどの軽い症状とされています。
もし感染していれば悪化するばかりで、お互いにうつしあうピンポン感染の原因にもなりかねません。
感染症の影響は自分だけではなく相手にもあるので、症状ではなく、感染するような行為があったかで判断するようにしましょう。
クラミジアで不妊症になるリスクはどの程度ですか?
不妊症には「排卵因子」「卵管因子」「男性因子」の3大原因があり、このうち卵管因子と男性因子にクラミジアが含まれています。
具体的にどの程度のリスクがあるかは明らかにされていませんが、2つが不妊症の原因全体の約50%を占めているだけに侮れません。
クラミジアは完治しますが、不妊症のように後遺症を残すことがあります。ライフプランの変更を余儀なくされるケースもあるので、早期発見・早期治療に努めましょう。
クラミジアの予防接種やワクチンはありますか。
残念ながらクラミジアの予防接種やワクチンなどはないので、避妊具などによって自分の身は自分で守らなければなりません。
絶対に感染したくないのであれば性行為をしない以外にありませんが、あまり現実的とは言えないでしょう。そのため正しい予防方法を身につけ、パートナーにも協力してもらい実践していくことが大切です。
パートナーが感染しても、自分に症状が無ければ治療しなくても良いですか?
パートナーが感染していれば、無症状でも感染している可能性は十分にあります。
まずはご自身もクラミジアの検査を受け、検査結果によっては必ずパートナーと一緒に治療を受けるようにしてください。完治のタイミングを合わせることで、ピンポン感染の予防にも繋がります。