「カンジダ感染後に妊娠が発覚したけど大丈夫?」
「妊娠してからカンジダに感染しても治療は出来る?」
「赤ちゃんへの影響は?」
実に女性の3割が感染すると言われるカンジダ。妊娠前後や妊娠中に感染する可能性もあるので、不安になる方もいるのではないでしょうか?
このページではカンジダ感染と妊娠にまつわる疑問などについて解説しています。
その他、妊娠中のカンジダの対処法や予防法についても紹介しますので、思い当たる方は落ち着いて対応していきましょう。
カンジダ感染後に妊娠が発覚した場合
カンジダは性行為でも感染しますが、体にもともとある常在菌です。
体調の崩れなど何かのきっかけで善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで、カンジダ菌が増殖し症状となって現れる感染症です。
妊娠前後・妊娠中の女性は体調に変化が現れるため、カンジダに感染する可能性が高まります。
実際にカンジダ菌の保有率は、非妊娠時で15%、妊娠時で30%だと言われています。
非妊娠時 | 妊娠時 | |
カンジダ菌保有率 | 15% | 30% |
治療が必要な割合 | 35% | 15~30% |
その中で治療が必要な症状が現れる割合は、非妊娠時で35%、妊娠時は15~30%となっ ています。
このように、カンジダに感染しながら妊娠することは珍しくありません。
さらに、カンジダは比較的治療しやすい症状のため、早期発見で処置も早ければ特に心配する必要はありません。
感染の疑いがある場合はまず、性感染症を扱う医療機関にご相談ください。
赤ちゃんへの影響は?
カンジダに感染後の妊娠や、妊娠後のカンジダ感染による赤ちゃんへの影響は特にありませんのでご安心ください。
ただし、出産時にカンジダに感染したままだと、産道感染により赤ちゃんにカンジダが感染する可能性があります。
そのため、出産までにはカンジダを治療しておく必要があります。
妊娠中に治療薬を使用しても良い?
カンジダ菌は真菌と呼ばれるカビの一種のため、抗真菌薬で治療を行います。
妊娠中の治療薬の種類には、服用薬、膣錠(膣坐薬)、外用薬があります。
妊娠中は使用できる薬に限りがあるので、医療機関で診察を行い症状に適した治療薬を使います。
注意点として、妊娠中は自己判断での市販薬を使った治療は行わないでください。
お腹の赤ちゃんに影響の出る場合や、かゆみだけ治まる、治りきらないで症状が続く可能性があります。
妊娠中のカンジダ感染の症状
妊娠中のカンジダの症状 基本的には妊娠前と変わらない症状が現れる。 |
|
・膣内のひりひりした痛み、強いかゆみ、熱感 | |
・外陰部の強いかゆみ、赤み、発疹 | |
・ポロポロと白濁したおりものが増える | |
・排尿時や性交時の痛み |
通常の膣カンジダについて詳しくはこちらをご覧ください。
妊娠中のカンジダは膣内や外陰部の粘膜に現れるのが特徴で、主な症状は強いかゆみとおりものの変化です。
カンジダが膣内や外陰部に感染した場合は、ひりひりした痛みや強いかゆみ、熱感、発疹などが現れます。
膣内の炎症により、おりものに変化が現れます。
色は白濁し、酒かすやカッテージチーズのようなポロポロした状態の独特なおりものが増えます。
これらの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
妊娠初期の場合
妊娠初期のカンジダは、妊娠前と変わらない症状が現れます。
母親がカンジダに感染しただけでは、特に赤ちゃんへの影響はありません。
ただし、症状が治らないまま長期化すると、症状の悪化や出産時に赤ちゃんへの感染の危険性があります。
「そのうち治るだろう」とそのままにせずに、早期の治療を心掛けてください。
妊娠前に再発を繰り返していた方は、妊娠中に感染しないようできるだけ予防を行いましょう。
妊娠後期の場合
前述にもありますが、妊娠後期のカンジダ感染で大事なのは出産までに治すことです。
まだ膣内のカンジダが治らない状態での出産では、産道を通る際に赤ちゃんに感染する可能性があります。
その他、妊娠中でも治療が遅れると膣内から子宮へ上行感染し、羊水内で感染する場合があります。
赤ちゃんが感染すると、口の中に白いカスが現れる症状「鵞口瘡(がこうそう)」や、皮膚のただれ・かぶれにより、哺乳の妨げやとなる場合があります。
妊娠後期になるとお腹が大きくなり、膣錠を入れるなどの自分で行える治療が困難になる場合もあるので、早めに医療機関にご相談ください。
妊娠中のカンジダの対処法
妊娠中でもカンジダの治療は行えます。
まずは検査を行い、カンジダ菌による症状なのか確認します。
似た症状が現れていても違う原因の場合があるためです。
検査 膣内分泌液を採取し、カンジダ菌による症状か確認 |
診察 症状を確認し、適切な治療を決める |
必要に応じた治療を決められた期間行う。 |
医師の診察のもと、治療薬を使い伝えられた期間は治療を続けます。
治療を開始し、症状が無くなったからと言って途中で治療を止めないでください。
完全に治り切っていないと、症状が再発する可能性があります。
妊娠期間中にカンジダの再発が何度かある場合は、パートナーの検査・治療を行いましょう。
現在カンジダの検査キットもあるため、自宅での検査も可能です。
オンライン診療を行う医療機関もあるため、通院せずご自身のタイミングで検査ができます。
検査キットは主に、医療機関またはネットでの購入で入手が可能です。
フィットクリニックではカンジダなどさまざまな性感染症に対応した検査キットの取り扱いをしています。
1度にさまざまな種類の検査を行うことで、梅毒以外の性病への同時感染が確認でき、後からの発覚を防げるため安心です。
検査キット | 価格 | クラミジア | 淋菌 | 咽頭クラミジア | 咽頭淋菌 | トリコモナス | カンジダ | HIV | 梅毒 | B型肝炎 | C型肝炎 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
女性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
女性8項目セット | 29,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
男性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
検査キット2個セット | 10%引き |
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送料 | 無料 |
ご自身が感染している可能性がある場合は、パートナーにも感染している確率が高いため、一緒に検査することをお勧めします。
検査キットの購入にはオンライン診療の受診が必要となりますので、以下のボタンよりご予約ください。
検査キットに関する詳細については、以下のページをご覧ください。
治療薬の使用
妊娠中はカンジダに限らず、薬の服用は飲まないよりも飲んだ方が良いと判断される場合のみにしか服用できません。
カンジダ菌は真菌と呼ばれるカビの一種で、治療薬には抗真菌薬が使用されます。
真菌は細胞膜に包まれた状態で生育しますが、抗真菌薬はこの細胞膜の成分の合成を阻害します。その作用により菌の増殖を抑え症状を改善します。
妊娠中に使用が可能なカンジダの治療薬は、以下の膣錠と外用薬の2種類の抗真菌薬です。
薬のタイプ | 膣錠・膣坐薬 |
種類 |
イミダゾール系
|
使用方法 |
連日投与 1日1回1錠(100mg)を6日間服用 1回投与 1錠(600mg)または2錠(300mg)を1回服用 |
膣錠は連日投与と1回の投与の2パターンあります。
薬のタイプ | 外用薬(クリーム・軟膏など) |
種類 |
イミダゾール系
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使用方法 | 1日2~3回の塗布を、5~7日間続ける |
症状により単独または併用して治療する場合もあります。
カンジダに有効な抗真菌薬は他にも様々な種類がありますが、妊娠中でも使用可能なのは以上のものとなります。
フルコナゾールなどの服用タイプもありますが、妊娠中または授乳中の場合はご使用できません。
強いかゆみを抑える薬としてステロイド剤がありますが、免疫力を低下させる働きがあるため、妊娠中のカンジダの治療には使用されません。
※糖尿病の場合は医師に相談
フィットクリニック処方の治療薬
フィットクリニックでは、以下のカンジダの治療薬を処方しています
※妊娠中の方でも使用が可能です。
当院のカンジダ治療薬 | |
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女性 |
オキナゾール膣錠 600mg |
女性・男性 |
オキナゾールクリーム 1% 10g |
成分 | オキシコナゾール |
処方数/日 |
膣錠:1錠 / 1日間 クリーム:1本 / 7日間 |
費用 |
各7,000円 ※併せて検査キット購入の場合は2,000円引き |
用法用量 |
膣錠:1週1回1錠を膣深部に挿入 クリーム:1日2~3回患部に塗布 |
副作用 |
膣錠:局所発赤、皮膚刺激感 など クリーム:発赤、過敏症、発疹 など |
カンジダの治療薬について詳しくはこちらのページを参照ください。
膣洗浄について
膣洗浄は、症状の膣内の洗浄が必要な場合に行う施術です。
膣内の余分なおりものやカンジダ菌を除去し清潔にすることで、膣錠やクリームを効果的にし、症状の進行を抑えます。
妊娠されている場合、必要性を医師に判断してもらいメリットとなる場合は膣洗浄を行います。
注意点として、過度な膣洗浄を行うのはお控えください。
症状によっては洗浄を行うことで、常在菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増え症状が悪化する場合があります。
カンジダになると早産になりやすい?
稀ではありますが、カンジダによる膣内の炎症が悪化し子宮内に以降(上行感染)し、切迫早産になった事例が報告されています。
これは、カンジダ菌が赤ちゃんの入っている羊膜の組織を分解するのが原因です。
万が一を考え、カンジダの感染を発見したら早めの治療を行いましょう。
治療中の性行為は避ける
治療中でもパートナーに感染する場合もあるため、性行為は避けてください。
カンジダはほとんどが自己感染によるものですが、性行為による粘膜の接触で感染する場合があります。
パートナーとお互いに感染をさせ合う「ピンポン感染」の恐れもあります。
コンドームを着けずに性行為をした場合は、感染した恐れがあるため、パートナーの検査も必要となります。
妊娠時のカンジダを防ぐポイントや注意点
カンジダは体調の変化が原因による自己感染や再発が多く、これといった予防策はありません。
少しでもカンジダ菌が増殖しないように食い止めるためには、以下で紹介する方法をお勧めします。
体調を整える
カンジダ菌は体調の変化に敏感に反応します。
特に妊娠中は服用できる薬にも制限があるため、風邪などへの注意をしなければなりません。
そのためにも、栄養や睡眠時間をしっかり取るなど十分な休養が必要です。
その他、糖尿病にもご注意ください。
妊娠中に糖尿病になる方がいますが、カンジダは糖尿病の方に多く感染が見られます。
糖尿病が発症すると免疫力を低下させるため、糖質を多く含む甘いものを摂りすぎないよう控え、バランスの取れた食事をお摂りください。
デリケートゾーンのケア
カンジダに感染しやすい条件の一つが、デリケートゾーンの蒸れです。
カンジダは真菌と呼ばれるカビの一種のため、高温多湿を好みます。
そのため蒸れの起こりやすい場所は、カンジダ菌が増殖しやすい環境となります。
衣類は体を締め付けないものを選び、下着(綿など通気性に優れたもの)やタオルも毎日清潔なものをお使いください。
注意点として、デリケートゾーンを清潔にすることは大事ですが、過剰に洗い過ぎないようにしてください。
洗浄力の強いボディソープや石鹸などで洗うと、刺激が強いため炎症の悪化に繋がります。
なるべくぬるま湯でやさしく洗ってください。
ストレスの軽減
妊娠前や妊娠中はホルモンバランスが急激に変化するため、イライラや体に自由が効かなくなるなど、心と体に強いストレスがかかります。
強いストレスは免疫力を低下させるため、カンジダに感染しやすくなる原因の1つです。
そのため、他のストレスを軽減できるように心掛けましょう。
なぜ妊娠前後や妊娠中にカンジダになりやすい?
カンジダに感染・再発する原因として以下が挙げられます。
抵抗力・免疫力の低下
風邪、糖尿病、睡眠不足、疲労、ストレス
常在菌バランスの変化
ステロイド剤・抗生物質の使用
環境の変化
高温多湿・発汗による蒸れ、陰部の過剰な洗浄
性的接触による感染
性行為、感染した分泌物への接触(タオルの共有など)
カンジダ菌は普段は体の常在菌として存在し、特に人体への影響はありません。
ただし、何らかの理由で抵抗力や免疫力が低下した際に、常在菌のバランスが崩れカンジダ菌の増殖が起こります。
カンジダは性行為でも感染しますが、主な感染は常在菌による自己感染です。
妊娠中の体の変化
妊娠前後や妊娠すると女性の体にさまざまな変化が現れますが、その一つに免疫力の低下があります。
これは、お腹の胎児を異物と認識し排除させないための働きです。
その影響で、保たれていた常在菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖し感染が起きやすくなります。
もう一つの理由として女性の場合、妊娠前後は10か月にわたり生理による膣内の自浄作用がなくなります。
定期的に生理が来ることで、膣内は酸性の状態で殺菌力が保たれますが、生理が定期的に来ないことで膣内はアルカリ性になり、カンジダ菌が増殖しやすい傾向となります。
つわりやホルモンバランスの変化
つわりになると、これまで大丈夫だったものが食べられなくなる、食べても吐いてしまうなどの理由で十分な栄養を取れなくなり、体力の低下に繋がります。
カンジダを再発しやすい方は、体力の低下も感染の原因になります。
妊娠前後または妊娠中は、ホルモンバランスの急激な変化は、精神的に大きなストレスになります。
強いストレスは免疫力を低下させ、カンジダ菌の増殖に繋がります。
まとめ:感染させないために早期治療
このページをまとめると以下の内容になります。
- カンジダは妊娠前後・妊娠中によく見られるが、発見も治療も難しくない
- 妊娠前後・妊娠中は免疫力の低下や、膣内の自浄作用の低下などの変化が起こりやすく、カンジダの感染・再発がしやすい
- カンジダに感染しても、すぐお腹の赤ちゃんへ感染することはない
- 重症化や長期化すると産道・子宮内感染の可能性があるため、早期に治療を終わらせるのが望ましい
- 妊婦さんの治療には、抗真菌薬の膣錠または外用薬を用いる
- 治療中の性行為は避ける
- 感染や再発を防ぐためには、体調を整えデリケートゾーンを清潔にし、ストレスを軽減する
カンジダは体調の変化により感染や再発を繰り返す症状です。
妊娠前後や妊娠中は特に発症しやすくなりますが、発見や治療が難しくないので特に不安になる必要はありません。
カンジダに感染したと感じたら早期に治療を行い、お腹の赤ちゃんに感染しないようにしましょう。
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よくある質問
そのため、早期治療が必要となります。