性病

男性のクラミジアについて|症状・感染を知る方法・検査・治療法

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
性病

もし尿道に違和感や異常を感じることがあれば、性器クラミジアに感染している疑いがあります。

性器クラミジアは20代を中心に国内感染者数がもっとも多い性病で、身近で感染しやすい性感染症であり、他の性病より感染の可能性が高いと考えられます。

そこで、このページでは男性のクラミジアの全体像を見ていくとともに、感染経路や治療方法、さらに放置したケースなどについても詳しく触れています。

また、感染に心当たりがない女性もこのページを読むことで「もしかしてあの時の・・・」と振り返るきっかけにもなるので参考にしてみてください。

フィットクリニックではクラミジアの検査・治療を行っております。

便利なオンライン診療・処方は以下よりご予約ください。

男性のクラミジア症状について

クラミジアは感染後1〜3週間で発症するとされており、無自覚・無症状のケースもある性感染症です。

★ポイント 無自覚・無症状の割合は男性患者の5割だが、無症状だからと言って治療しないと深刻な病気に発展する危険がある

そして、性器にクラミジアが感染すると尿道炎を起こすことがあり、ペニスに病状が出る場合は以下のような症状を起こします。

クラミジアの男性器への感染症状
  • 膿の分泌(性質:サラサラとした透明〜粘度がある)
  • かゆみ
  • 不快感
  • 痛み
など

こうした症状の程度には個人差があります。

また、膿については陰茎を根元から尿道口に向かって圧迫していくと確認できることがあります。

そして炎症による「痛み」については他の細菌による尿道炎にくらべても軽く、あっても少し違和感を感じる程度です。

そのため、痛みのありなしで判断するのは、クラミジアの性器への感染を見逃す原因になりかねないので注意しましょう

咽頭クラミジアの症状

クラミジアは性器というイメージが強いですが、のどに感染し炎症を起こす咽頭クラミジアも増えつつあります

感染した際の初期症状としては以下のようなものがあります。

クラミジアの喉への感染症状
  • 喉の痛みや腫れ
  • 発熱
など

上記のような風邪に似た症状が現れる一方、人によっては無症状のケースもあります。

また、のどを見ただけでは、咽頭クラミジアとわかる明らかな変化はありません。

そのため、知らずに感染源になってしまいがちで、オーラルセックスから性器に感染させてしまうこともあるので注意が必要です。

感染が進行するとどうなるか?

男性は性器クラミジアが進行すると、感染が精巣上体(副睾丸)にまで及びます。
これは精巣上体炎と呼ばれ、炎症によって陰のうや全身に症状が出ることもあります。

精巣上体炎の主な症状
  • 陰のうの腫れ
  • 痛み
  • 発熱

さらに悪化すれば皮膚が破れ、中に溜まっている膿が漏れ出してくると、より深刻です。

また、咽頭クラミジアに関しては、上咽頭炎を起こすケースがあります。

上咽頭炎の主な症状
  • のどの痛みや違和感
  • 咳払い
  • 鼻の奥がにおう
  • 頭痛
  • 倦怠感

さらに滲出(しんしゅつ)性中耳炎といって、一部の人は耳の病気を併発することも確認されています。

クラミジアは悪化すれば感染部位を起点に身体の奥へと進行してしまい、精巣上体炎では炎症が原因で無精子症になるおそれもあります。

男性不妊の原因になるので、将来的なことも考えて早期発見・早期治療につなげるようにしましょう。

男女別感染者数からみる感染の特徴

性器クラミジアの国内感染者数の最新データ(2020年)によれば、男女の感染者数は次のとおりです。

2020年の性器クラミジア国内感染者数 <総数>
男性:14,712人
女性:13,669人

男女で大きな差はなく、女性はより症状が出にくいとされているだけに、それを考慮すれば差はほとんどないと言えるでしょう。

しかし年齢別にして20代前半に目を向けてみると以下のような割合に変化します。

2020年の性器クラミジア国内感染者数(20代前半) <20〜24歳>
男性:3,537人
女性:5,116人

20代前半では女性の感染者数が上回っており、全年齢を含めても感染者数がもっとも多いというのも特徴です。

このように、性器クラミジアは20代前半から後半で多い傾向にあり、男女ともに感染者数がもっとも少なかった2015年から再び感染者数が増えつつあります。

20代は性への興味・関心が強い世代でもあるだけに、これ以上感染を広げないためにはセーフセックスの意識をお互いに持つことが大切です

感染を知る方法

クラミジアは、感染者の粘膜に直接触れてしまうことで感染します。

つまり性器だけでなく、喉、肛門、場合によっては目にも感染することがあるため、以下の行為はすべて注意が必要です。

クラミジアの感染リスク行為
  • 性行為(セックス)
  • オーラルセックス
  • アナルセックス
  • 分泌物が目に入る(手で目をこするなど)

また、性器クラミジアは、何も予防しなければ1回の性行為で30〜50%が感染するとされます。

しかも感染はパートナーと必ずしも同じ部位とは限りません

行為によっては性器から咽頭のように異なる部位にも感染します。

こうしたことを踏まえ、クラミジアの感染を知るためのポイントをいくつか見ていきましょう。

自覚症状で知る

クラミジアに感染すると早い人で1週間、遅くとも3週間前後に症状が現れます。

男性のクラミジアの自覚症状

刺激症状
⇨ 排尿時に痛いと感じることや、しみる、尿道が熱い感じがする(灼熱感)など

膿・分泌液
⇨ 膿の量は他の性病にくらべ少なく、透明でサラサラした分泌液が特徴

ただ男性の約50%は無自覚とされ、特に痛みについては個人差が大きくなっています。

痛みなどの自覚症状を感じなくても、パンツにシミがついていたり、排尿の前に尿道口から膿や分泌液が出ていないかチェックしてみると良いでしょう。

また、いずれの症状もないものの、感染に心当たりがある人や不安に感じている人は、検査を受けるのがもっとも確実な方法です

検査を受ける

クラミジアの検査方法は大きく2種類あり、症状の有無で使い分けてみてください。

明らかに症状がある人
(グラム染色法・イムノクロマトグラフィー法)
⇨ 検査結果が30分〜60分ほどで知られる即日検査

明らかに症状がある場合には、原因菌を特定してすぐに治療する必要があり、結果が出るまでに時間がかかる検査方法は向きません。

そのため、スピード重視の検査ですぐに治療をはじめるのがおすすめです。

心当たりや不安がある人
(PCR法)
⇨ 結果が出るまでには2〜3日かかるが、検査精度がもっとも高い精密検査

一方で精密検査については、菌の検査を検査会社に依頼するのが一般的です。

遺伝子をターゲットにする検査となり、わずかな菌量でも見逃さないため、症状がなくとも検査が可能となっています。

またクラミジアの検査については、パートナーといっしょが望ましいと言えます。

どちらかが感染していれば相手も感染している可能性が高く、また一方が治療しただけでは性行為によってふたたび感染します(ピンポン感染)。

パートナーとタイミングが合わなければ別日でも構わないので、必ずペアで検査・治療をうけるようにしましょう。

フィットクリニックではクラミジアと淋病の検査キット(男性女性)を取り扱っております。

検査キット 価格
(税込)
クラミジア 淋菌
女性2項目セット 6,600円
男性2項目セット 6,600円

※単品での販売は行っておりません(治療薬との販売)。
※過去に取扱いがあったその他の検査キット(HIV・カンジダなどを含むセット)は現在販売を終了しております。

検査キットに関する詳しい内容については、以下のページをご確認ください。

他の性病の可能性は?

性器クラミジアは尿道炎を起こしますが、尿道炎を起こす病気は他にも淋病や、そのどちらでもない病原菌(マイコプラズマ・ウレアプラズマ)やウィルスに感染している可能性も考えられます。

またクラミジアと淋病については症状が似ていますが、以下のように若干違いもあります。

  クラミジア 淋病
潜伏期間 1〜3週間 3〜7日
発症
スピード
緩やか 急激
痛み 軽い 強い
分泌物の
形状
透明でサラサラか
多少粘り気がある
黄白色の膿性

それぞれに特徴はあるものの、無症状のケースや痛みの感じ方には個人差があることも考慮すると、どちらに感染しているかは自己判断や診察では難しいでしょう。

その点でも性病検査は複数種類の菌やウイルスの特定が可能な検査もあるため、検査項目を増やすのも有力な方法です。

特定できれば治療はいずれも可能なので、適切な治療を受けるためにも疑わしいものは検査するようにしてください。

どうやって相手に感染させるのか?

原因とされるクラミジア・トラコマティスは、人の体の中でのみ生きることができる細菌です。

人から離れると感染性を失うため空気や飛沫で感染することはないため、感染はキャリア(保菌者)との「粘膜の接触」あるいは「分泌物」を介して起こります。

つまり「お風呂」「温泉」「飲み回し」といった日常生活での感染リスクはほぼなく、あくまでも「性行為やそれに準ずる行為」が感染経路になると覚えておきましょう。

一方で、キス(ディープキスを含む)については、唾液を介しての感染の可能性は否定できません。

感染リスクは極めて低いとはされていますが、もし咽頭(のど)に感染している可能性があるのであれば念のため控えるのが無難でしょう。

潜伏期間中も感染する

クラミジアは、発症する前の潜伏期間中であってもパートナーに感染させるおそれがあります

クラミジアの潜伏期間 感染後1〜3週間

淋病(3〜7日)にくらべて緩やかに菌が発育・増殖するため、潜伏期間は比較的長いとされています。

ただし、発症しても感染に無自覚な程度であったり無症状のケースもあるので、必ずしも期間通りにはならない点、注意が必要です。

潜伏期間の注意点 感染部位にはすでに菌が存在している状態で、感染のおそれがある

潜伏期間はあくまでも目安で個人差もあるので、自己判断しない

潜伏期間中に性行為やそれに準ずる行為をしてしまうと感染リスクがあります。

つまり症状のありなしだけで性行為ができるかを判断するのは避けるべきです。

もし無防備な性行為を行った場合はパートナーとともに検査を受け、問題ないことが確認できるまでは性行為などは控えるようにしましょう。

身に覚えがなくても相手のせいとは限らない

「クラミジアの感染に身に覚えがない」といった事例が起こることがあります。

心当たりない感染の原因
  • パートナーが感染源だった
  • すでにクラミジアに感染していたが無症状で気づかなかった

人によっては数年から10年前の感染に気づかず放置していた例もあり、相手の感染が発覚したからといって不貞行為と決めつけるのは時期尚早です。

ただし、パートナーがコロコロ変わるような人であれば、感染経路を特定するのはまず困難です。

性風俗店の利用も含め、性的な接触機会が多い人ほど感染リスクは高まるので、パートナーの過去にも目を向けてみるとトラブル回避につながるでしょう。

クラミジアは人間関係にヒビを入れてしまうこともある、厄介な病気です。

しかも浮気や不倫が原因とは必ずしも言えず、いつどこで感染したかはっきりさせられずにいるとモヤモヤだけが残ります。

もしパートナーとの信頼関係を維持したいのであれば、時には「疑わしきは罰せず」、そしてピンポン感染を防ぐため二人同時に検査と治療を行いましょう。

すでに感染している場合も治療可能

すでにクラミジアに感染していても、潜伏期間や発症に関わらず治療が可能です。

治療には抗菌薬(抗生物質)が用いられますが、特定の種類は治りが悪いものも確認されています。

そのため、手元に残っている抗菌薬は服用せず、医師から新たに処方された抗菌薬を必ず服用するようにしましょう。

クラミジアの主な治療薬 アジスロマイシン(ジスロマック / ジスロマックSR)、クラリスロマイシン(クラリス・クラシリッド)

テトラサイクリン系抗菌薬 ⇨ ミノサイクリン(ミノマイシン)、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)

ニューキノロン系抗菌薬 ⇨ レボフロキサシン(クラビット)、トフロキサシン(オゼックス、トスキサシン)、シタフロキサシン(グレースビット)

これらの中で処方される機会が多いのが、1回の服用で治療が完了するアジスロマイシン(ジスロマック)です。

飲み忘れや自己判断の服用による菌の耐性化も防げる上、ほとんどの人が1回の治療で完治するため、クラミジア治療の特効薬に位置付けられています。

ただし、体質や健康状態から服用できない人もおり、その際は他の種類が処方されるので服薬指導に従って治療を行っていきましょう。

治療中の性行為は禁止

クラミジア治療中の性行為については禁止されています。

もちろん咽頭(のど)への感染が認められていれば、オーラルセックスなどの行為も同じです。

抗菌薬を服用したからといって菌がすぐに消えるわけではなく、人によっては一度の治療で完治しないこともあります。

そのため治療中であっても感染状態は続いていることから、パートナー間でうつしうつされのピンポン感染の原因にもなりかねません。

またコンドームについても100%感染を防げず、使用タイミングも感染してからではなく、感染しないために使用するものです。

コンドームで感染を防げない場合の例 行為中に外れる
  • 精液が漏れている(漏れた状態から装着)
  • ピンホール(小さな穴がある)
  • ゴムの劣化
  • 以上のようなリスクがあるため、当然、感染した状態で装着しても性行為は禁止です。

    相手を不安にさせ、リスクが大きいと考えましょう。

    治療後の検査で陰性を確認すること

    クラミジアは、再検査(治癒検査とも)で陰性を確認するまでが治療です。

    感染部位に菌が残っているかは目では確認できないため、「症状が消えた=完治」ではなく、改めて検査することで完治を確認する必要があります。

    一般的に再検査の目安は、次のとおりです。

    クラミジア再検査(治癒検査)を行う目安

    治療後2〜3週間

    症状の程度には個人差もあるため、期間については担当医師の指示に従うようにしましょう。

    また、クラミジアは一度感染したからといって、免疫がつくといったことはありません

    何度でも感染するので、パートナーも陰性の結果が得られるまでは性行為も禁止です。

    今後のお互いのためにも、再検査(治癒検査)は忘れないでください。

    フィットクリニックのクラミジア治療薬

    フィットクリニックではクラミジア治療薬の「ジスロマックジェネリック」「クラビット」を処方しております。

    オンライン診療・処方なら誰にも知られずクラミジアを治療することができます。

    ●オンライン診療・処方
    • 面倒なアプリの登録なし
    • 最短で診療当日の発送
    • 診察時間は短時間の電話診察
    • 治療薬とわからない梱包でプライバシー保護

    ●フィットクリニックのクラミジア治療薬

    治療薬 ジスロマックジェネリック 250mg
    ジスロマックジェネリック
    成分 アジスロマイシン
    価格 7,700円
    用法用量 4錠/1回経口投与する
    副作用 下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症 など
    治療薬 クラビット 500mg
    クラビット500㎎錠剤
    成分 レボフロキサシン
    価格 7,700円
    用法用量 1日1錠 7日間経口投与する
    副作用 発疹、不眠、めまい、頭痛 など

    ただし、クラミジアは必ず完治するというわけではありません。

    そのため、治療後2週間以上あけたのち、必ず再検査を受けるようにしてください。

    中途半端な服用や自己判断の服用中止では、薬の効かない「薬剤耐性」菌が生まれてしまうおそれがあります。

    まとめ

    ここまで男性のクラミジアについて詳しく見てきましたが、最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

    • 20代に多い
    • 無自覚あるいは無症状のケースあり
    • 咽頭(のど)や眼にも感染する
    • 10年以上感染に気付かないこともある
    • 放置すれば悪化し、将来的に不妊症の原因になるおそれ
    • 抗菌薬によって治療の必要がある(自然治癒はしない)
    • 潜伏期間や治療中も性行為やそれに準ずる行為は禁止
    • 再検査で陰性の確認ができるまで性行為は禁止

    クラミジアは治る感染症ではあるものの、判断を誤ってしまうと、悪化、再感染、蔓延など、さまざまなリスクが付きまとう厄介な病気です。

    状況によってはパートナーとの関係に亀裂が入るというケースも含め、予防が必須と言えます。

    また、パートナーである女性も、男性の尿道口から分泌物が出ているなど「いつもと違う」と感じるようであれば性行為は控えるのが無難です。

    その際にはいっしょに検査を受けにいき、お互いに協力して早期発見・予防につなげるようにしていきましょう。

    フィットクリニックではクラミジアの検査キット取り扱い・治療薬処方を行っております。

    便利なオンライン診療・処方は以下よりご予約ください。

    よくある質問

    男性に現れる症状を教えて
    男性はクラミジアに感染すると尿道炎を起こすため、尿道に次のような症状が現れます。
    • かゆみ
    • 痛み
    • 不快感
    • 膿の分泌(透明でサラサラしている)
    など

    また臭いなどはなく、あくまでも炎症による身体的な症状のみとなっています。 ただし無症状・無自覚なケースもあるので、症状がないから感染していないとは言い切れないので注意です。
    無症状も多いというが放置してもいいか
    クラミジアは無症状に進行するケースがあり、気づくのが遅れてしまうと悪化のリスクが伴います。
    もし菌が奥へと進んでしまい精巣上体炎(精子を蓄える器官)を起こすと、無精子症になるおそれもあります。
    また病院に行きたがらない人もいますが、いくら放置しても自然治癒することはなく、市販薬で完治させることもできません。
    クラミジアを放置すれば悪化する一方なので、必ず医療機関に受診するようにしてください。
    検査をして自分が陰性なので相手が陽性の場合、浮気しているということになるのか
    どちらか一方にクラミジアの感染が発覚すると、ついつい浮気や不倫を疑ってしまいがちです。
    しかしクラミジアは何年も前の感染が後になって発覚するパターンもあり、直近で不貞行為があったとは一概に言い切れません。
    また、何年も前の感染であれば感染経路もはっきりしないため、その点も理解した上で冷静に話し合ってみてください。
    検査の日数はどのくらい?
    クラミジアの感染確認検査であれば、結果が出るまでの日数は次を目安にしてみてください。

    即日検査:検査当日(30〜60分ほど)
    精密検査:検査後2〜3日

    また再検査(治癒検査)は精密検査となるので、上記と同じ2〜3日が目安となります。