このページでは、バイアグラの持続時間について詳しい解説を行っています。
効き目切れによる不安の解消はもちろん、適切な服用タイミングを知ることでバイアグラの効果を引き出すことにもつながります。
力強さが人気のED治療薬なので、この機会にバイアグラを上手く使いこなす方法を身につけてみてください。
なお、バイアグラについての詳しい解説は、以下のページで行っています。
はじめにどんな薬か知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【医師監修】バイアグラの効果や飲み方・副作用など基本情報を解説!
バイアグラの持続時間

まずは、バイアグラ(ジェネリックを含む)の持続時間についてまとめた表をご確認ください。
成分 | シルデナフィルクエン酸塩 |
---|---|
持続時間 | 25mg / 3〜4時間 50/55mg / 4〜5時間 |
即効性 | なし(服用から30分〜1時間で効き始める) |
服用方法 | 1日1回1錠を空腹時に服用 (25mg〜50/55mg) |
当院の費用 | 270円〜1,600円 / 錠 |
バイアグラの効果の持続時間は最大で5時間です。
長時間の効き目こそ期待できないものの、効きの良さを実感しやすいため、1回の性行為であれば十分にカバーできます。
ここからは効果のピークに到達するまでの時間や用量による違いなど、さらに詳しくバイアグラの持続時間について解説していきます。
効果のピーク時間
バイアグラは服用から効果を発揮するまでには、少しだけ時間をおく必要があります。
効果がピークに達するまでの時間(Tmax)を表したデータを見てみると、以下のようになります。
50mg:0.9±0.4時間
(算術平均値±標準偏差)
いずれの用量も効き始めるまでに個人差がありますが、服用から30分〜1時間ほどで効いてきます。
そのため「服用から1時間」を目安に性行為に臨むと、効果切れで失敗することは避けられます。
尚、効果はピークに達してから時間と共に緩やかに弱まっていきます。
持続時間の後半になるに連れて効果を実感しにくくなるので、ピークに達してから性行為までの流れがスムーズだと効果をより実感しやすくなります。
25mgと50mgの持続時間の違い
バイアグラには25mgと50mgの2つの用量が存在し、持続時間はそれぞれ用量により異なります。
50mg:4〜5時間
以上のように大きな差ではないですが、用量の少ないものは持続時間が短く、多いものは長くなります。
時間に余裕を持ちたい方はバイアグラ50mgを選ぶのが無難ですが、人によっては効きが良すぎると感じる方もいます。
治療をスタートする際の用量は25mgから様子を見つつ、物足りなさを感じる場合に50mgに用量を上げるのがお勧めです。
バイアグラの持続時間のメリット
バイアグラは他のED治療薬に比べ持続時間が短いですが、それがメリットになる場合もあります。
薬が体内に長く留まらず、14時間ほどで成分が消失する短時間型の薬のため、効果が翌日に持ち越される心配がありません。
つまり副作用が長引かず、ED治療薬特有の頭痛や胸焼け、鼻詰まりなどの不快な症状が続きません。
持続時間が短いと効果の面で不安やデメリットに感じることもありますが、副作用という一番のデメリットの軽減にもつながることは覚えておきたいところです。
適切な服用のタイミングとは?

バイアグラは持続時間が短いため、効果を最大限に引き出すためには服用タイミングがポイントになります。
効かない、あるいは効果が不十分であったなどの失敗を防ぐためにも、次に解説する正しい服用方法を活かしてください。
性行為の1時間前頃の服用
バイアグラの服用は、血中濃度がピークに達する性行為の1時間前が効果的です。
その日の体調などによっても効き始めるまでには個人差がありますが、早ければ30分、遅れたとしても1.5時間ほどで効いてきます。
成分が効き始めたサインとして、血管拡張作用に伴う以下の症状があります。
- ほてりや潮紅
- 目の充血
こうした症状は必ず出るものではありませんが、バイアグラを服用した方の多くに見られる一過性の症状です。
バイアグラの服用に慣れるまでは、服用から1時間経過の目安としてお考えください。
空腹時の服用が確実
薬には食前・中・後と飲み方がいろいろとありますが、バイアグラは食前の空腹状態での服用が推奨されています。
成分は腸から吸収されるため、特に高脂質な食事の後では吸収が妨げられてしまい、十分な効果が得られなくなることがあります。
なお、バイアグラの服用後であれば、食事をしても問題ありません。
服用から1時間以上が経過していれば成分は吸収されているため、基本的に何を食べても効果に影響を及ぼすことはありません。
ただし、服用後の効果時間を過ぎてしまうと性行為に失敗する可能性があるのでご注意ください。
いつ飲むかにより効果が左右されるので、「空腹状態+性行為の1時間前」の服用を心がけてください。
持続時間に影響する注意点

バイアグラの服用方法を誤ると、持続時間に影響することがあります。
場合によっては効果が得られない原因になるので、次に解説する注意点を意識する必要があります。
食前・食後の服用時間が間違っている
バイアグラは食事の影響を受けやすく、食事内容やタイミングによっては効果が得られないことがあります。
服用後すぐの食事や、食後すぐの服用では、腸に脂質や油が膜を張ってしまい、成分が吸収されないまま排泄されてしまいます。
食事のタイミングが合わないようであれば、次のことに注意しながら服用してください。
- 和食など低カロリー・低脂質な食事を選ぶ
- 腹6〜7分目にとどめる
- 脂質が含まれる飲料は控える(牛乳など)
以上に注意した上で、「食後2時間以上」を目安にしっかり消化されてから服用することで、食事による成分吸収の妨げを回避できます。
服用後に時間が経過し過ぎている
バイアグラの効果にはタイムリミットがあります。
最大で5時間となり、後半に近づくほど効果は弱まっていきます。
効果が弱まるタイミングの目安となるのが、血液中の成分濃度が半減するまでの時間(t1/2:半減期)です。
服用から2時間以上が経過すると次第に効果が弱まるため、性行為に至るまでの時間が遅れると十分な効果が得られない場合があるのでご注意ください。
過度なアルコールの摂取
バイアグラのアルコールとの併用に関しては、厳密には医学的に禁止はされていません。
適量であればリラックス効果が得られ、勃起には良い影響となります。
ただし、個人差はありますが過度なアルコールの摂取は、勃起に悪影響となる場合があります。
アルコールにはバイアグラと似た血管拡張作用があり、飲み過ぎると相互作用により低血圧の症状が出るため、酔いが回りやすくなります。
低血圧になるとふらつきやめまいなどの症状が出るため、もともと低血圧の方は注意が必要です。
酔いが回りやすくなると、アルコールによる神経伝達機能の低下が強まり、勃起の維持や勃起そのものが難しくなります。
リラックス目的で飲酒する場合は、コップ1〜2杯ほどに留めるのが懸命です。
服用後は24時間あける
バイアグラの服用は、1日1錠までと決められています。
そのため、次回の服用までには24時間以上あける必要があります。
これは50mg錠だけに限った話ではなく、半分の用量である25mg錠でも同じです。
効かないからと1日に何錠服用しても、服用錠数に応じて効果が高まることはありません。
複数回の服用により必要以上に血管拡張作用が強まれば、血圧の下がり過ぎによるふらつきやめまいなどの副作用が出やすくなるためお控えください。
バイアグラが合わない場合
人により効果の出現には個人差がありますが、バイアグラ自体が身体に合わないこともあります。
思うような効果が得られない、副作用が出やすくなるなど、バイアグラによるED治療が安定しない方がそれに当たります。
その場合、無理に治療を続けず医師に相談した上で、別のED治療薬への切り替えの検討が懸命です。
バイアグラ以外のED治療薬の持続時間
バイアグラで十分な効果や持続時間が得られない場合には、その他のED治療薬を選択するのも1つです。
シアリス:30〜36時間
ステンドラ:3〜6時間
ザイデナ:11〜13時間
いずれのED治療薬も効果に違いはありませんが、上記のような持続時間や、その他の特徴に違いが見られます。
シチュエーションに応じて使い分けられるので、どんな特徴を持ったED治療薬かを簡単に解説していきます。
レビトラ

レビトラとは、即効性と強い効果を特徴としたED治療薬です。
効き始めまでが速く、服用から15〜30分ほどで効果を実感できるため、あらゆるシチュエーションに対応できることから人気を博しています。
持続時間については中時間型とされ、服用から5〜8時間ほど効き目が持続します。
効き目 | 最も強い |
---|---|
効果出現時間 | 15~30分 |
持続時間 | 5~8時間 |
個人差はありますが、レビトラはED治療薬で最も勃起力が強く、さらに食事の影響もやや受けにくいことから「バイアグラの上位互換」と表現されることもあります。
残念ながらレビトラは2021年10月にメーカーより販売中止が発表され、国内では在庫限りとなるため、すでに全国的に姿を消しつつあります。
そのためED治療薬の中で唯一、ジェネリック医薬品のみの処方となります。
シアリス

シアリスは、欧米で「ウィークエンドピル」の愛称で親しまれる、長時間の効き目が特徴のED治療薬です。
効き目 | マイルド |
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効果出現時間 | 服用から1~3時間 |
持続時間 | 最大36時間 |
最大36時間にわたって効果が持続し、1日以上も効果が続くため食事などの服用タイミングに悩まされる心配がありません。
持続時間による焦りやプレッシャーもなくなり、より自然体で性行為に臨みたい多くの男性から選ばれています。
ただし、シアリスは勃起力の面では他のED治療薬よりマイルドなため、力強さに欠けるとされます(最後まで性行為が行える硬さは維持される)。
また、シアリスは水に溶けにくく成分の吸収が遅いため、効果発現まで時間がかかる薬です。
そのため、急な予定での使用には不向きと言えます。
ステンドラ

新たなED治療薬の選択肢として、アメリカで製造・販売されているのがステンドラです。
第4のED治療薬とも呼ばれ、バイアグラとレビトラの良さを掛け合わせた特徴があります。
効き目 | 強い |
---|---|
効果出現時間 | 服用から15〜30分 |
持続時間 | 3〜6時間 |
しっかりとした効き目に加え、即効性も兼ね備えているので、性行為中の勃起力に安定感をもたらしてくれます。
なお、有効成分であるアバナフィルは、「アスパラドリンク(滋養強壮剤)」などを販売する日本メーカーの田辺三菱製薬が開発した成分として知られています。
ザイデナ

ザイデナは韓国で開発され、一部のアジア圏やロシアなど、すでに世界30カ国以上で処方されているED治療薬です。
アジア人向けに開発された経緯があるため、発売から間もないものの、その使用感から切り替える方も増えつつあります。
効き目 | やや強い |
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効果出現時間 | 30分〜1時間 |
持続時間 | 11〜13時間 |
ザイデナは食事の影響も受けにくく、これまでのED治療薬の良い部分を兼ね備えた薬として注目されています。
また副作用が出にくい特徴もあります。
そのため、性行為の妨げになる頭痛や鼻詰まりなどの症状が気になる場合、切り替えてみるのも1つ選択です。
バイアグラの持続時間についてまとめ
最後のまとめとして、バイアグラの持続時間についておさらいしておきましょう。
- 効果持続時間は3〜5時間
- 服用から30分〜1時間ほどで効き目がピークに達する
- 服用タイミングや方法を誤ると効果が得られないことがある
- バイアグラが効かない場合には他のED治療薬に切り替える
バイアグラはもっとも古いED治療薬のため、新しく改良された薬に比べ若干使いにくい部分もあります。
しかし、それを補うだけの力強い勃起サポート効果や、長く治療に使われた信頼感があるため、ED治療の選択肢として必ず名を連ねています。
初めは副作用など気になる部分もありますが、繰り返しの使用で慣れるようになります。
短期間の使用でも、81%の方が改善を実感している薬なので、正しい服用を心がければ持続時間や効果を十分に得られるようになります。
よくある質問

バイアグラの服用は1日1回1錠までとし、次に服用できるのは24時間以上が経過してからになります。
反対に、頭痛やほてり、目の充血、心臓がドキドキするといった副作用症状が出やすくなり、場合により血圧が下がり過ぎる症状が出るため大変危険です。
安全性を欠くようなバイアグラの服用は控え、1日1回1錠を守るようにしてください。
脂っこい食事:食後5時間以上
できる限り空腹状態での服用を心がけ、やむを得ず食事を摂る場合には和食などのあっさりしたものを選ぶようにしてください。
他のED治療薬の特徴を確認し、ご自身の希望に沿うものをお選びください。