女性でも抜け毛に悩まされる人が増えており、地肌の透け感や分け目の広がり、ボリュームダウンなどを訴えてクリニックに相談に訪れる人も多いです。
年齢も関係してきますが、女性は身近な環境に原因が潜んでいることも多く、生活習慣によって抜け毛を増やしているケースもあります。
このページでは女性の抜け毛の原因について見ていきながら、今日からでもできる抜け毛対策について詳しく解説していきます。
抜け毛対策について先に知りたい方は「女性の抜け毛を減らす対策6選」をクリックすると本文中の対策項目へ移動します。
なお、抜け毛が気になるようであれば、できるだけ早くFAGA治療を始めることをおすすめします。
症状が軽いうちから治療を始めるとより効果を実感できるでしょう。
女性の薄毛治療について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
抜け毛の本数から異常をチェック
女性の頭皮には約8万本~12万本の髪の毛が生えており、一般的に健康な女性でも、毎日50〜150本ほどの髪が抜けています。
また生えかわりの時期でもある、夏の終わりから秋にかけての季節の変わり目には、1日200本以上抜けることも珍しくありません。
そのため抜け毛があること自体はまったく問題はありませんが、ボリュームダウンや分け目の広がりが気になってくると薄毛の疑いがあります。
女性の薄毛のチェック方法としては、簡単な引き抜きテスト(hair Pull test)を試してみてください。
引き抜きテストは、頭部の3ヵ所の髪を1房(約40本)、痛みのない程度に引っ張り、抜けた髪の本数で判断する方法です。
正常であれば、1回の牽引(引っ張る)で脱毛する毛髪は3本未満とされています。
毎回の牽引で4~6本以上の毛髪が脱毛するようであれば陽性であり、薄毛の可能性が高いでしょう。
ただし引っ張る力や痛みの感じ方には個人差があるので、あくまでも薄毛を疑う1つの目安としてください。
女性の抜け毛を増やす原因4選
女性の抜け毛を増やす原因にはさまざまあり、いくつかの原因が複雑に絡み合って抜け毛が増えてしまうこともあります。
特に多いとされる原因4つに注目し、抜け毛がなぜ増えてしまうかを見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
髪の健康にも関わる女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は、20代後半をピークに下り坂になります。
これにより30代から40代にかけて、抜け毛やボリュームダウンといった髪のトラブルに悩まされる女性は増える傾向にあります。
また抜け毛の原因は年齢だけに限らず、
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出産後
⇒急激な女性ホルモンの減少
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更年期(閉経前後の10年間)
⇒男性ホルモンの働きが優位になる
こうしたライフステージの変化にともなって、ホルモンバランスに乱れが生じてしまい、それが抜け毛となって現れることもあります。
過度のダイエットでの髪と頭皮の栄養不足
ダイエット自体に問題はありませんが、行き過ぎた過度なダイエットは抜け毛の原因にもなります。
また無意識に偏食しているケースもあり、栄養の偏りが知らず知らずのうちに抜け毛を増やしていることもあります。
東洋医学では髪は「血余(けつよ)」とも呼ばれ、身体の中で最後に余った栄養で髪の健康を維持しています。
少ない栄養でやりくりしているので、栄養不足の状態が続いてしまうと生命に関わらない髪は真っ先に切り捨てられます。
そのため、抜け毛が栄養不足を知らせるサインになっていることもあるので覚えておきましょう。
蓄積されたストレス
強いストレスにさらされ続けていると、身体の機能をコントロールする自律神経のバランスが崩れやすくなります。
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交感神経
⇒身体と心を活発にする神経
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副交感神経
⇒身体と心を休ませる神経
本来は状況によって交感神経と副交感神経がスイッチしますが、ストレスは交感神経を活発にさせてしまいます。
それにより興奮状態が続き、血管の収縮によって頭皮への血流が悪くなることが原因で抜け毛となってしまうこともあります。
またストレスによって細胞をサビつかせる活性酸素が発生し、それを分解するためにミネラルである亜鉛が消費されます。
亜鉛は細胞の生まれ変わりが活発な髪には特に重要で、不足すれば髪が弱ったり、抜け毛、さらには薄毛を進行させる原因にもなりかねません。
「ストレスは万病のもと」とも言われますが、身体や心だけでなく、髪にとっても悪影響を及ぼす可能性があるので注意です。
睡眠不足
睡眠不足が続いてしまうと、髪の成長や頭皮の代謝・修復に関わっている成長ホルモンの分泌を減少させます。
成長ホルモンにはタンパク質の合成を促す働きがあり、タンパク質を材料に成長している髪にとって欠かせないホルモンです。
そのため睡眠不足が続いてしまうと成長不十分な髪が増えることや、コラーゲン不足により頭皮のハリや弾力が失われてしまい、抜け毛や薄毛を引き起こす原因となってしまいます。
女性の抜け毛を減らす対策6選
ここからは今からできる抜け毛を減らす方法を6つご紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食事の栄養バランスを見直す
\ 抜け毛を減らす対策① /
栄養バランスのとれた
食生活を送る
もっとも大切なのが、髪にとって良いものを食べるのではなく、栄養バランスを考えた食生活です。
髪はタンパク質を材料にしているため肉類はもちろん、その働きをスムーズにしてくれるビタミンやミネラルは野菜や魚介類に豊富です。
また鉄分の不足から起こる貧血によって、抜け毛が増えることもあります。
厚生労働省の発表によれば20~40代の貧血の人の割合は、貧血(鉄欠乏性)が21%、かくれ貧血が65%とのことです。
特に非ヘム鉄の吸収率は3~5%ほどと少ないため、野菜だけでなく、豆類、穀物、海藻など、毎日の食事で鉄分補給を欠かさないことも大切です。
なお、育毛に良い食べ物について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ストレスをためない
\ 抜け毛を減らす対策② /
ストレスを
コンスタントに解消する
ストレス社会と言われるだけあって、誰しもが少なからずストレスを感じて生活しています。
そのためストレスフリーになることは難しいですが、ストレスをためないよう心がけることは誰でもできます。
- ストレスになっているものから距離を置く
- 本音で話せる相手を見つける
- 旅行、運動、趣味など、好きなことをする
- 物事をポジティブに捉えてみる
とにかく自分が心地いいと思える環境をつくるのが大切で、無理に避けようとするのではなく、ストレスとうまく付き合ってみると良いでしょう。
またストレスがたまってきてから行動するのではなく、コンスタントに解消してあげることでストレスの蓄積も防げるはずです。
睡眠習慣を改善する
\ 抜け毛を減らす対策③ /
6~7時間ほどの
まとまった睡眠をとる
睡眠には深さ(ノンレム睡眠・レム睡眠)があります。
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ノンレム睡眠
⇒特に入眠直後の3時間に訪れる深い睡眠
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レム睡眠
⇒脳が覚醒している浅い眠り
通常は90分周期で、ノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返しています。
これを「メジャースリープ」と呼び、6~7時間ほどのまとまった睡眠をとることが正しく成長ホルモンを分泌させるコツです。
特に入眠直後の90分は成長ホルモンの分泌が増えるため、メジャースリープを乱さないための睡眠の質にこだわってみてください。
正しいシャンプー方法で頭皮ケア
\ 抜け毛を減らす対策④ /
正しいシャンプーのコツは
髪ではなく、頭皮を洗うこと
正しいシャンプーは皮脂や汚れによる毛穴詰まりを防ぎ、髪の成長をサポートしてくれます。
シャンプーのコツとしては、髪ではなく、頭皮を洗うことです。
以下で正しいシャンプーの仕方をご紹介します。
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STEP1:手の上でシャンプーを泡立てる
手ぐしで髪をすすいだら、シャンプーを手のひらに適量とり泡立てる。
髪に直接シャンプーをつけてゴシゴシ泡立てると、余計な摩擦が生じ頭皮の負担になる。 -
STEP2:襟足から上に向かって洗う
襟足から徐々に上に向かって頭皮をマッサージするように洗う。
襟足→後頭部→側頭部→頭頂部→前頭部→生え際の順。 -
STEP3:毛の流れに逆らうようにすすぐ
シャワーは下から上に向けて、髪の毛の流れに逆らうように流す。
トリートメントが頭皮に残らないようにする。 -
STEP4:頭皮にシャワーを当ててためすすぎをする
シャワーを頭皮にあて手のひらにためた湯に頭皮を浸す「ためすすぎ」で、すすぎ残しを防止。
またシャンプー前のプレメンテとしておすすめなのが、ブラッシングと、シャンプーをする前にお湯のみで髪や頭皮を洗う予(よ)洗いです。
ブラッシングで不要な皮脂を浮かせ、シャワーで流すだけでも、頭皮の汚れはかなり落ちます。
ゴシゴシ洗いによって頭皮を傷めるのを防ぐことにもつながるので、試してみてください。
血行促進のため頭皮マッサージをする
\ 抜け毛を減らす対策⑤ /
頭皮マッサージで血行促進
頭皮マッサージによって頭皮をやわらかくしてあげることで、頭皮の血流量は増え、髪の成長をサポートする効果も期待できます。
さらに頭皮がほぐれると顔のむくみの解消にもつながるので、美容面においてもおすすめです。
以下がマッサージの方法です。
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STEP1:首の後ろから頭頂部へ向けて
シャンプーする時と同じように、指先ではなく指の腹を使う。
地肌においた指はすべらせず、地肌ごとゆっくり揉むようにマッサージする。
頭頂部に向かって少しずつ指の位置をずらしながら行う。 -
STEP2:耳の上から頭頂部へ引き上げるように
耳の上の側頭部の地肌に指をつけたまま頭頂部へ引き上げるようにマッサージする。
耳の上の頭皮は頭頂部に比べて可動性があるところだが、しっかり行う。 -
STEP3:こめかみから頭頂部へ
前頭の生え際から頭頂部へ向かってゆっくり指を押し上げるようにマッサージする。
指の腹で軽くもむ感じで行う。強く押さないように気をつける。
1回1〜3分ほどを、1日3回を目安に続けてみましょう。
またマッサージで大切なのは、押すだけでなく、こする、揉むを組み合わせ、部位によって手のひらや指先の使い分けも効果的です。
発毛剤やサプリメントを使用する
\ 抜け毛を減らす対策⑥ /
クリニック処方の発毛剤・
サプリメントを使用する
抜け毛があまりにひどいようであれば、薄毛が進行している可能性もあります。
セルフケアには限界もあるので、発毛剤である「ミノキシジル外用薬」を使うことも検討してみましょう。
ミノキシジル外用薬は市販薬(第一類医薬品)としても購入できますが、1%~5%と濃度が低く、人によっては効果につながらないこともあります。
そこで当クリニックではミノキシジル8%の高濃度処方を行っており、さらに必要に応じてパントガールをはじめとしたサプリメント(HGPα・亜鉛)で不足する栄養をピンポイントで補うこともできます。
やみくもに市販品を購入するよりもクリニックで相談して処方された方が費用対効果が高い場合があるので、クリニック処方も検討してみてください。
当クリニックの薄毛治療について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
髪が原因で老けて見える!早期対策が肝心
P&Gジャパン合同会社が20〜50代の女性200人に向けて行った調査によれば、「肌の状態よりも髪の状態のほうが見た目年齢に影響があると思いますか」という質問に、72%の人が「影響がある」と回答したことがわかっています。
出典:P&Gジャパン合同会社/2014年
対象)20~50代の女性200人
このことから、髪のコンディションによって見た目年齢に差が出ることがわかり、髪が「老け見え」の原因になるといえます。
抜け毛が気になる方は、髪は肌よりも見た目年齢に影響を与えることを知って早期に対策をするのがいいでしょう。
若さや美しさの象徴とされる髪のトラブルはデリケートな問題ゆえに、1人で抱え込んでしまうケースも珍しくありません。
ただ自己流の誤ったケアは薄毛の悪化を招くこともあるので、避けておきたいところです。
もし抜け毛やボリュームダウン、生え際の後退など、気になる髪の悩みがあれば、医師と一緒に早めに解決していくのが望ましいと言えます。
抜け毛が気になるならクリニックへ相談を
女性の薄毛・抜け毛といっても、その原因はさまざまです。
治りを早くするためには原因を見つけ、それを取り除いてあげるのが最優先になります。
「自分でどうにかしたい」という気持ちがあるかもしれませんが、それがかえって抜け毛・薄毛を悪化させるリスクになることもあります。
女性の薄毛は対応が早ければ早いほど治療効果も出やすいため、髪の悩みができたタイミングでお気軽にご相談ください。
また当クリニックでは、オンライン診療を実施しています。
他の人の目が気になるという人はオンラインで医師に相談できる環境が整っているので、ぜひ検討してみてください。
女性の抜け毛でよくある質問
まとめ:不安ならクリニックに相談しよう
ここでもう一度女性の抜け毛対策をおさらいします。
- 食事の栄養バランスを見直す
- ストレスをためない
- 睡眠習慣を改善する
- 正しいシャンプー方法で頭皮ケア
- 血行促進のため頭皮マッサージをする
- 発毛剤やサプリメントを使用する
女性は脱毛パターンが男性と異なり、頭頂部の分け目などから全体的に薄毛が広がっていきます。
また一定の毛量は保たれるため、症状がかなり進んでから気づくケースもよくある話です。
全体のボリュームダウンや、うぶ毛のような短い髪が目立ってくるようであれば、薄毛が進行している可能性はあります。
毎日のヘアケアで気づいたこと、不安に感じることがあれば、まずはクリニックにご相談ください。