性病

クラミジアは自然治癒しない!放置するとどうなる?何をすればいい?

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
性病

クラミジアは性病の中で最も感染者数が多い性感染症(STD)です。

そしてクラミジアは絶対に自然治癒しません。

しかも感染者の半数は無症状と言われており、放置するとさまざまな病気の原因となったり、無自覚のまま他人に伝染させてしまいます。

そこでクラミジアが自然治癒しない理由や、放置するとどうなるか、そして検査、予防や治療には何をすればよいかをすべて解説します。

フィットクリニックではクラミジアの検査・治療を行っております。

便利なオンライン診療・処方は以下よりご予約ください。

クラミジアが自然治癒しない理由

クラミジアが自然治癒しないのは以下の理由です。

  • 免疫が成立しにくい特異な特徴の菌である
  • 2~3日で増加する増殖サイクルである

クラミジア菌は宿主に依存するタイプの細菌であるため、免疫が成立しにくいという特徴を持っています。

そのため外敵を攻撃する白血球の攻撃力が弱く、自然には治癒しません。

攻撃力が弱いということは炎症も弱いため、自覚症状が弱く、無自覚の感染も多いのです。

そして、放置していても絶対に自然治癒しない上、症状を伴う他の病気へと深刻化していきます。

もし少しでも疑いがある場合は、一刻も早くクリニックで検査や治療を受けることをおすすめします。

自然治癒したようにみえるケースもあり注意

例外として、自然治癒したかのようなケースもあります。

<自然治癒したと勘違いする例> 風邪や他の病気による抗生物質の服薬が、クラミジア菌に効果を与える場合

しかしこの場合、知らないうちに治癒したと安易に喜ぶことはできません。

なぜなら、クラミジア菌への効果はあったとしても、完全に滅菌できたかはわからないためです。

もし少しでも菌が残存していた場合、また増殖を繰り返したり、身体の奥へと侵入し深刻な他の病気への原因となります。

クラミジアを放置するとどうなる?

クラミジアを治療せずに放置しておいた場合、クラミジア菌は体の中へと侵入しつづけます。

その結果、主なリスクだけでも以下のようにさまざまな病気を引き起こしてしまうことが確認されています。

●クラミジア菌が原因で引き起こされる疾患

<男性>

  • 尿道炎
  • 前立腺炎症
  • 精巣上体炎

<女性>

  • 上行感染による骨盤内炎症性疾患(→PID=卵管、子宮、卵巣へ感染すること)
  • →子宮頸管炎

    →子宮内膜炎

    →卵管炎

    →卵管周囲炎

    →卵巣炎

    →卵管周囲癒着

<咽頭感染>

  • 咽頭炎
  • 扁桃腺炎

さらに、HIVにかかる可能性も、3〜5倍高くなるというデータも報告されています。

将来の妊娠にも影響する

クラミジア感染が将来の妊娠や赤ちゃんにも影響することはあまり知られていません。

男性の場合はクラミジア感染から引き起こされる、男性の「前立腺炎症」「精巣上体炎」、女性の「子宮頸管炎」「卵管炎」は、どちらも不妊の原因となります。

女性の場合、更に以下のようにリスクが膨らんでいきます。

卵管炎

卵管周囲や卵管采周囲に癒着がおこる

排卵後の卵子を卵管に取り込むことができなくなる

さらに進行すると卵管留水腫

体外受精が必要となる上、体外受精の妊娠率までも低下

また、妊娠した状態でクラミジアに感染している場合、赤ちゃんが産道を通る段階で感染するリスクがあります。

もし感染してしまった場合、赤ちゃんには以下の疾患を引き起こす可能性があります。

●クラミジアに感染した赤ちゃんに起こるリスク
  • 結膜炎
  • 新生児肺炎

感染に気付かない場合も多いので注意

クラミジアは症状が少なく、半数以上の人に自覚症状がおこらないと報告されています。

そのため感染に気付かないケースが多く、結果的に放置となる可能性があるので注意が必要です。

注意といってもキスや回し飲み程度では感染しないので、心配ありません。

性行為のほかオーラルセックス、アナルセックス、相手の性器に触れた手で自分の身体(性器、目、口など)を触れたという自覚がある場合は、感染の24時間後からは検査が可能となります。

自然治癒しないが治療薬で治る

クラミジアに一度感染してしまうと自然治癒しないことは解説しましたが、感染自体は治療薬(抗生物質)の服用で治療が可能です。

ただし、治療に関しては症状が治まった時点でも治療終了ではありません。

●クラミジアの治療で注意すること
  • 身体に耐性菌ができる場合、処方された治療薬では治療できない
  • 症状が進行すると骨盤や肝臓周辺まで罹患し、点滴が必要となる
  • 症状が治まっていても細菌が身体に残っている場合もある

そのため、治療が進み完治したと考えられる状態で、再度検査をするのが大変重要です。

クラミジアの治療薬

治療薬の具体的な紹介や、治療薬の一覧表

治療薬
クラミジアの治療薬は主に以下の3種類に分かれます。

系統 主な副作用
マクロライド系
・ジスロマック(アジスロマイシン)
・クラリスロマイシン

⇒副作用の少なさから安全性が高く、ひろく使われている
・下痢、腹痛
・肝臓・胃腸障害、気管支喘息の治療薬との併用で副作用の可能性
ニューキノロン系
・シタフロキサン
・レボフロキサン

⇒抗菌力が強いため、治りにくい感染症などにも優れた臨床効果があるとされている
・発疹、めまい、下痢、頭痛、腹痛、吐き気、口内炎など
・妊婦と小児の服用は厳禁
(乳幼児の軟骨形成に支障)
テトラサイクリン系
・ミノサイクリン
・ドキシサイクリン

⇒重症の際処方される場合が多い
・胃腸障害
・過敏症状

クラミジアに関する基礎知識

ここからはクラミジアに関する基礎知識をわかりやすく紹介していきます。

原因、主な症状、感染について知っておけば、自覚症状の少ないクラミジアの感染をいち早く疑うこともできます。

クラミジアになる原因

クラミジアに感染する主な原因は性行為です。

さらに解説すると原因は保菌者であり、ある日突然クラミジアになるということはありません。

保菌者との接触でクラミジアになります。

●感染に関わる性行為
  • セックス
  • オーラルセックス
  • アナルセックス

一度の性行為で感染する可能性は30〜50%と言われており、健常な成人男女の3~5%はクラミジアの保菌者であるというデータもあることから、めずらしい感染症ではありません。

また、性行為以外の感染原因として、胎児への母子感染が起こります。

主な症状

クラミジアの主な症状を男女別にまとめました。

以下の表をご覧ください。

●男性の主な症状
  • 軽度のかゆみ(尿道掻痒感)
  • 軽度の不快感
  • 軽度の排尿痛
  • 精巣上体部の腫れ
  • 尿道からの少量の分泌物(漿液性~粘液性)
●女性の主な症状
  • おりものの増加
  • 下腹部の痛み
  • 生理以外の出血
●咽頭感染の症状
  • のどの腫れ
  • のどの痛み
  • 発熱ほか風邪に似た症状

感染、伝染について

性器同士の感染、性器から喉への感染、性器に触れた手を経由して目に感染が起こることもあります。

必ず保菌者からの感染で、空気感染といった心配はありません。

唾液の接触(キス、回し飲みなど)での感染率はかなり低いとされています。

また、クラミジアにより発症した病気が伝染するということではなく、クラミジア菌が感染し病気を引き起こします。

無症状、無自覚の人もいるため、知らず知らず感染を拡げてしまうこともあります。

クラミジアの予防方法、検査方法

クラミジアはまず予防することが重要です。

感染が拡大しないためにも正しい予防方法の知識を身につけましょう。

それでも予期しないトラブルや、予防せずに性行為を行ったのち感染を疑う場合は、簡単な検査から精密検査までさまざまな検査方法があります。

ここからはクラミジアの予防方法と検査方法について詳しく解説します。

検査キットに関する詳しい内容は以下のページをご確認ください。

予防方法

クラミジアの予防は2つの点で非常に重要です。

まずは感染しないこと、そして感染した場合は治療したのち、再発や相手への感染を防止するということです。

●クラミジア感染の予防方法
  • コンドームを使用する

    コンドームは避妊目的に使う避妊具ですが、性感染症予防の点でも非常に重要な役割を持っています。

    コンドームにより粘膜接触を回避できるため、クラミジアの予防には効果的です。

  • 不特定多数との性行為を控える

    クラミジアは性行為による感染経路により感染するため、特定の相手との性行為に限定することは感染、再感染に対して有効です。

  • 性行為は体調を考えて行う

    クラミジア保菌者相手の性行為でも、自身の抵抗力が高い状態に保たれていれば、必ず感染するというわけではありません。
    そのため、「生理中」、「性器の怪我、病気」、「体調不良」といった時は性行為を控えると、それが感染リスクの低下につながります。

検査方法

クラミジアの検査方法は大きく分けて抗原検査と抗体検査の2種類があります。

そして抗原検査の中にも簡単にできる検査と精密検査があります。

ちなみに最近の新型コロナウイルスでもよく聞かれるPCR検査は抗原検査と同じ意味合いを持つ検査です。

以下からは自身の症状、状態、生活、予算に適した検査を受けられるよう、さまざまな検査方法を紹介していきます。

●抗原検査・・・ウイルスを構成する抗原(タンパク質など)を検出する検査。抗原が検出されることでウイルス感染がわかる。

特徴 感染機会より24時間経過後に検査をする
検査方法 ●男性
尿の採取

●女性
膣からの分泌物の採取

●咽頭
うがいでの採取

●肛門
肛門分泌物
種類 ・即日簡易検査(簡易検査キットなど)
・精密検査(SDA法、PCR法)
・即日精密検査(TMA法)
メリット ・各部位で行うので感染部位を特定できる
・症状が出ていれば即日簡易検査ですぐに判明できる
・即日精密検査は症状がなくても当日~翌日に判明
・精密検査は症状がなくても2日~7日で判明
デメリット 生理中の検査ができない

●抗体検査・・・過去にそのウイルスに感染していたかを調べる検査。

特徴 感染機会より4週間経過以降に検査可能
検査方法 血液の採取
種類 精密検査(IgA/IgG)
メリット 妊娠中でも母子の安全性を確保した検査が可能
デメリット ・過去の感染でも陽性となるため現在の感染を判断できない
・完治したかの判断ができない
・陽性の場合でも部位を特定できない

クラミジア治療薬、検査キットはクリニックで入手

クラミジアの検査キットやクラミジア治療薬は、性病科目を取り扱うクリニックで処方されています。

フィットクリニックでもクラミジアのオンライン診療・処方を行っております。

オンライン診療なら、知人・隣人に知られることなく、クラミジア検査から治療まで安心して行うことができます。

フィットクリニックのクラミジア検査

フィットクリニックでは各種検査キットを取り扱っております。

検査キット 価格
(税込)
クラミジア 淋菌
女性2項目セット 6,600円
男性2項目セット 6,600円

※単品での販売は行っておりません。
※過去に取扱いがあったその他の検査キット(HIV・カンジダなどを含むセット)は現在販売を終了しております。

検査キットに関する詳しい内容は以下ページをご確認ください。

フィットクリニックのクラミジア治療薬

フィットクリニックではクラミジア治療薬のジスロマックジェネリック、クラビットを処方しております。

●フィットクリニックのクラミジア治療薬

治療薬 ジスロマックジェネリック 250mg
ジスロマックジェネリック
成分 アジスロマイシン
価格 7,700円
用法用量 4錠/1回経口投与する
副作用 下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症 など
治療薬 クラビット 500mg
クラビット500㎎錠剤
成分 レボフロキサシン
価格 7,700円
用法用量 1日1錠 7日間経口投与する
副作用 発疹、不眠、めまい、頭痛 など

ただし、クラミジアは必ずしも完治するというわけではありません。

そのため、治療後2週間以上あけた上で、必ず再検査を受けるようにしてください。

中途半端な服用や自己判断の服用中止によって薬の効かない「薬剤耐性」菌が生まれてしまうおそれがあります。

よくある質問

クラミジア感染はどのような症状がでるのでしょうか
無症状の患者さんも多く、知らないうちに感染している場合があります。症状は男性で尿道のかゆみ、精巣上体部の腫れ、女性でおりもの増加、下腹部の痛み、不正出血、咽頭部なら喉の腫れなどがあります。
無症状なら放置しておいても良いのでは?
初期段階では無症状でも、クラミジア菌は体内に進んでいくことで、さまざまな病気を引き起こします。HIV感染リスクの増加や男女の不妊にもつながるうえ、絶対に自然治癒はしないので必ず治療する必要があります。
無症状ならどうやって感染を知るのでしょうか?
感染疑いがあった場合、検査を受けて判別します。検査方法によりますが、一般的には感染リスクから24時間後以降に受ける抗原検査を用いることが多くなっています。
治療薬はどこで購入できますか
性病科目を取り扱うクリニックで処方されます。フィットクリニックでも各種検査キット取り扱いとクラミジア治療薬をオンラインで処方しております。