
カフェインは血管や神経といった勃起に必要な器官に対する作用があるため、毎日の摂取がED予防に繋がる可能性があります。
このページではカフェインは勃起にどう影響があるか、その仕組みについて詳しくお伝えします。
なお、すでにEDを発症している場合、カフェインだけで治すことは難しいです。
当院ではED改善に有効なED治療薬を取り扱っています。当院のED治療については以下のページをご覧ください。
4月1日より処方価格が変更となります。詳しくは以下でご確認ください。
カフェインが勃起に良いとされる理由
カフェインが勃起に良いとされる理由は、主に以下の3つと考えられています。
いずれも勃起までのプロセスに関連してくる作用となっています。
ここからそれぞれの作用について、もう少し詳しく見てみましょう。
末梢血管の拡張作用

カフェインには末梢血管を拡張させる作用があり、勃起に必要な血液の流入に良い影響を与えます。
加齢による動脈硬化は勃起力を低下させる原因になりやすく、悪化すればED(勃起不全)を引き起こす場合があります。
定期的なカフェイン摂取によって末梢血管を拡げメンテナンスすると、血管の健康を保ち、血液がスムーズに全身へと巡るようになります。
その結果、もっとも細い動脈が通っている陰茎への血流も良くなり、勃起力の維持にもつながります。
興奮作用
カフェインを摂ると眠気が覚めるのはカフェインのもつ興奮作用によるものです。
カフェインは神経を落ち着かせるアデノシン(図1)という物質と構造が似ており、この物質の働きを抑えることで神経を興奮させます(図2)。

図1 アデノシンがアデノシン受容体と結合することで神経が落ち着き、眠気を感じる

図2 カフェインがアデノシン受容体と結合することでアデノシンの結合を阻害し、神経が興奮・覚醒する
正常な勃起をする過程において、性的な興奮・刺激を陰茎に伝える神経の働きはとても重要です。
カフェインによって性的興奮を起こしやすくし、性欲の低下による勃起力の低下を防ぎます。
疲労やストレスの緩和作用
カフェイン摂取によって気分や意欲の低下を防ぐことで、性行為に臨みやすいメンタルを整えてくれます。
ストレスや疲労といった精神的・肉体的な負荷がかかった状態では、頭が別のことに取られてしまい勃起に影響を及ぼすことがあります。
米国科学アカデミー紀要(PNAS) で発表された論文では「カフェインには慢性的なストレスを緩和する作用がある」と明らかにされました。
肉体の影響に目が行きがちですが、勃起には精神状態も影響するため、ちょっとした一息にコーヒーなどのカフェイン飲料で気持ちを落ち着かせてみてください。
カフェインとEDの関係
カフェインとEDの関係について、毎日のコーヒーがED予防の観点でプラスになる可能性はあります。
テキサス大学健康科学センターが3,700人の男性を対象に行った実験でカフェインとEDについての関連性を調査した際、以下の結果が出ています。
1日2〜3杯のコーヒー(1日170〜375 mgのカフェイン)を摂取していた人のEDの可能性が減少した
また、この結果はEDのハイリスク群である肥満や高血圧の人に顕著に現れたものの、糖尿病の方に対しては同じような効果が確認されませんでした。
また、この調査ではカフェインと勃起の因果関係までは明らかにされていません。
しかし、カフェイン摂取による血管拡張作用や疲労軽減の効果を考えると、個人差によってはプラスの影響を受ける可能性も考えられます。
カフェインの推奨摂取量
欧州食品安全機関(EFSA)ではカフェイン推奨摂取量を以下のように発表しています。
習慣的なカフェイン摂取量 | 400mg / 日以下 |
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一回の摂取量 | 200mg以下 / 日以下 |
※健康な成人の目安
また最近ではカフェインを含んだ飲料も数多くあり、知らず知らずのうちに口にしていることもあるので摂りすぎには注意してください。
勃起に好影響なのはコーヒー2,3杯
カフェインを含む飲料として代表的なコーヒーの場合、勃起に好影響なのはコーヒー2,3杯です。

これは冒頭でも言及した実験の結果において、カフェイン170~375㎎を摂取したグループが勃起に対して一番良い影響があったことからわかる適切な摂取量です。
もしコーヒーが苦手という人でも、カフェイン量を意識すれば他の飲料からでも摂取することができます。
カフェインが含まれる飲み物
カフェインが含まれる飲み物はコーヒーだけではなく、お茶やエナジードリンクにも含まれています。
それぞれ100ml中にどれくらいのカフェインが含まれているのか、飲む際の目安に使ってみてください。

※タップで拡大できます。
「カフェイン=コーヒー」のイメージが強いですが、日本では高級茶とされる玉露には意外にもコーヒーの約2.5倍のカフェインが含まれています(100mlあたり160mg)。
ただ市販される「玉露入り」という表記のものは、茶葉から淹れたものよりもカフェイン量は減るので、パッケージに書かれた成分表をもとに計算してみてください。
カフェインの注意事項
カフェインを摂る際の注意事項として知っておきたいのが、以下の3点です。
-
摂取しすぎによる中毒症状
エナジードリンク類は、カフェインと同時に糖質を摂りすぎる可能性があり、肥満や生活習慣病はEDのハイリスク群とされている -
亜鉛の吸収の阻害作用
亜鉛を含むミネラルの吸収を妨げるため、カフェインの摂りすぎによる亜鉛不足で精力全般や薄毛、抜け毛に大きな影響を与える -
空腹時の摂取による胃の不調
神経や消化器官がカフェインで必要以上に刺激されてしまうと、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、さらには下痢、吐き気、嘔吐を起こす場合がある
1日に何本もエナジードリンクを飲んだり、大量のお茶やコーヒーを飲む生活は控えるのが望ましいです。
まとめ:カフェインとEDの関係
最後にカフェインとEDの関係についてまとめてお伝えします。
- カフェインはED予防には有効である
- カフェインが勃起に良い理由は「末梢神経の拡張作用」「興奮作用」「疲労やストレスの緩和作用」
- ED予防に有効な摂取量はコーヒーで1日2~3杯(カフェイン170~375㎎)
- すでにEDの症状に悩んでいる場合、カフェインでの治療は難しい
- さまざまなライフスタイルにあったED治療薬を選択可能
カフェインでEDをすぐに改善するのは困難です。
すぐに改善したい場合はED治療薬が有効です。まずはフィットクリニックのED治療の詳細をご確認ください。
カフェインとEDの関係に関するよくある質問
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- Q
カフェインでEDは治りますか?
- A
カフェインでEDが治ることはありません。
あくまでも健康増進の一環として、血管の健康維持によってED予防につながるにとどまります。
EDの改善を目指すのであれば、悪化させないためにもED治療薬の服用をお勧めします。
- Q
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- Q
毎日カフェインを摂取するのは身体に悪いですか?
- A
健康な成人の場合、推奨量の範囲であれば毎日カフェインを摂取しても問題ありません。
ただし飲料の種類によって濃度も異なり、摂取量を超えてしまうと好ましくない症状が現れるので注意してください。
またあくまでも食品の一成分になるため、すぐに変化を感じられるものではないことは覚えておきましょう。
- Q
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- Q
妊活中の男性はカフェインを摂っても問題ないでしょうか?
- A
カフェインが精子に影響するという報告は少ないものの、研究結果の中には妊娠率の低下を示すデータもあります。
パートナーの意見も考慮した上でカフェイン摂取は判断するようにしてください。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
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この記事の監修

(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務