新型コロナ後遺症のED(勃起不全)症状|ワクチンとED治療薬も解説
新型コロナウイルスの感染拡大とともに、現在は後遺症(COVID-19の罹患後症状)に悩む方も増えています。
そのコロナ後遺症の中にコロナED(勃起不全)があります。
本来は若年層男性で発症する心配の少ない疾患ですが、10代、20代であってもコロナの後遺症で発症したという報告や、これまでEDに無縁だった人の発症も多くなっています。
こうした場合、治療法の知識も少なく、また恥ずかしさといった障壁によって、クリニックでの治療という選択に踏み切れない人も多い傾向です。
しかし、EDは治療なしで治るほど簡単なものではありません。
そこでこのページではコロナED(勃起不全)の症状をはじめとしたEDの基本情報と、EDの治療法、EDかどうかを知りたい方のための自己診断法などを紹介します。
また、コロナワクチン接種に関わる「ワクチンED」や、ワクチン接種前後のED治療薬服用の安全性についても解説します。
コロナEDについて
コロナEDは新型コロナウイルス感染症の後遺症がまだ未知の領域ながら、後遺症として現れる人がいるという点を除けば、症状は通常のED(勃起不全)と同様と考えられます。
ただその発症に関して海外の論文では、EDが心血管系の初期症状であると考えられることと、COVID-19が身体のさまざまな部位に炎症を起こす可能性があるとされます。
このため、ペニスの組織を含む血管を炎症・硬直させることで血液供給に支障が起こり勃起不全を引き起こすという説が唱えられています。
ED(勃起不全)の自己診断(セルフチェック)方法
もしご自身がコロナEDの疑いで不安な場合、はじめて勃起不全の症状を体験する方にとって、EDであるかどうかの判断がわからないものです。
そこでEDの自己診断(セルフチェック)方法をご用意しました。
ただし、診断結果はあくまでも予想される疑いであり、必ずしもそれが原因と断定するものではないため、詳しくはクリニックへご相談ください。
また、EDであると判断できる場合、クリニックを受診してED治療を受けることになります。
以下のページで初めての方への診療方法(オンライン診療・来院処方)をわかりやすく紹介しておりますので、ご参照ください。
コロナ感染後に男性更年期障害を発症することもある
コロナ感染後のED症状が、ED(勃起不全)ではなく男性更年期障害の可能性があるとの報告があります。
男性更年期障害とは本来、加齢によってテストステロン値(男性ホルモン量)が低下して引き起こされ勃起機能が低下する症状です。
加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)とも呼ばれます。
本来40代後半から、50~60代に多くみられる症状です。
ただし、コロナ感染後、後遺症によって引き起こされる場合はこの限りではありません。
男性更年期障害の有無は「AMSスコア」と呼ばれる質問票や、午前中の採血によるテストステロン値で調査が可能です。
こうして男性更年期と診断された場合は、ED治療ではなく、テストステロン補充療法や漢方といった治療や生活習慣の見直しによって治療・改善を行います。
「ワクチンED」とは
一時期、「ワクチン接種後に睾丸が腫れた」、「精子が減る」という情報や、ワクチンによる性機能低下といった噂が流れました。
しかし、新型コロナウイルス感染によって性行為に影響を及ぼす可能性が指摘されている一方、これら「ワクチンED」については誤情報だと結論づけられています。
コロナワクチン接種とED治療薬の併用について
コロナワクチンとED治療薬の併用について、接種前後の服用に問題があるという報告はありません。
ただし「ED治療薬服用=性行為」と考えると、コロナワクチン副反応が現れる場合は経過観察と安静が推奨されていることからも、接種後の服用には体調を優先させ注意するべきです。
特に、ED治療薬がはじめてという場合は、ワクチン接種の前後2日は服用を控えることをお勧めします。
副作用が出た場合
ワクチン接種後のED治療薬服用で副作用が出た場合ですが、ワクチンによる副作用か、ED治療薬による副作用かを判断するのは難しいのが現状です。
頭痛、発熱、倦怠感などは安静にして副作用が収まるのを待つか、市販の解熱鎮痛剤の服用も有効です。
それでも副作用が収まらないときや、重篤な副作用におそわれた際は、速やかに最寄りの医療機関を受診してください。
新型コロナ治療薬とED治療薬の併用は危険
ワクチンとED治療薬の併用についてはそれほど心配がない一方、コロナ治療薬とED治療薬の併用はお控えください。
抗 SARS-CoV-2剤 (新型コロナ治療薬)はバルデナフィル(ED治療薬レビトラおよびジェネリック)、シルデナフィル(ED治療薬バイアグラおよびジェネリック)、タダラフィル(ED治療薬シアリスおよびジェネリック)は併用が禁忌とお考えください。
新型コロナウイルス後遺症について
新型コロナウイルス感染症は2020年以降感染が拡大した新しい病気のため、その後遺症(COVID-19の罹患後症状)も、まだ多くのデータに根拠(エビデンス)が伴っていません。
しかし、噂の域の話ではなく、実際起こっている症状は事実であるため、ここでは現時点での新型コロナウイルスの後遺症についての情報を紹介します。
新型コロナウイルス後遺症 (COVID-19の罹患後症状)について |
|
---|---|
後遺症の 定義 |
世界保健機関(WHO)「コロナ罹患患者に見られる少なくとも2カ月以上持続する症状で、他の疾患による症状として説明がつかないもの」 厚生労働省「コロナ罹患後で、感染症は消失したにもかかわらず、他に原因が明らかでなく、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさす」 |
後遺症の 期間 |
2か月以上を後遺症と定義しているが、感染1か月程度で自然に治る場合が多い一方、長期におよぶ症状もある |
後遺症の 症状 |
|
後遺症の 感染 |
コロナウイルス自体は発症後7~10日ウイルスを排出しており、コロナが感染する可能性があるが、罹患後症状自体が感染することはない |
後遺症の 頻度 |
WHOの調査ではCOVID-19感染者の約10~20%に罹患後症状が発生するとされる ※1 |
後遺症の 治療 |
コロナ罹患後症状に特化した治療方法はなく、現在研究中 |
後遺症の 支援制度 |
【労災保険】【健康保険】【障害年金】【障害者手帳(身体障害者手帳)】【障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)】【生活困窮者自立支援制度】など症状により利用できる場合がある |
また、ワクチン接種とコロナ後遺症の関係について、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の2024年7月17日電子版で公開された論文によると、予防を行った場合も、コロナウイルス感染後の後遺症発症率は依然として高いという報告がされています。
新型コロナウイルスに関する相談窓口
新型コロナウイルスの相談窓口は厚生労働省が電話相談を開設しています。
ただし、2024年9月30日に終了が予定されているため、各都道府県の相談窓口などもご利用ください。
厚生労働省新型コロナウイルス感染症電話相談窓口(令和6年9月30日終了予定)
電話番号:0120-565-653
厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター(令和6年9月30日終了予定)
電話番号:0120-700-624
海外からのご相談:(+81)22-745-4077
日本語・韓国語・中国語・英語・スペイン語:ポルトガル語・9時~21時
タイ語 : 9時~18時
ベトナム語 : 10時~19時
まとめ
新型コロナウイルス感染症の後遺症であるコロナED、ワクチンED、ワクチン接種とEDの関係について、最後にまとめてわかりやすくお伝えします。
- 新型コロナ後遺症(COVID-19の罹患後症状)で年齢を問わずED(勃起不全)を発症することがある
- コロナ感染後のED症状が、ED(勃起不全)ではなく男性更年期障害の場合もある
- ワクチン接種によるEDについては誤情報
- ワクチンとED治療薬の併用は可能だが、接種前後2日は控える
- コロナ罹患の場合、コロナ治療薬とED治療薬の併用は厳禁
関連記事
〒151-0073
東京都渋谷区笹塚1-30-3 ビラージュ笹塚Ⅲ 5階
電話050-1860-3550
平日・土曜10:00~20:00 / 日・祝日10:00~18:00
年中無休・男女入り口別 / 現金、代金引換、各種クレジットカード、デビットカード、電子マネー対応