バイアグラによる頭痛の原因と対策|ロキソニンなど頭痛薬との併用方法も解説
バイアグラはED治療に効果的ですが、一方で頭痛の副作用に悩まされる方も多いです。
この記事では、バイアグラによる頭痛の原因とその対策について詳しく解説します。
バイアグラを服用すると頭痛を起こしてしまう方は、是非参考にしてください。
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バイアグラによる頭痛はなぜ起こるのか
バイアグラの頭痛の原因には、以下が挙げられます。
次の章で順に解説していきます。
血管拡張作用による頭痛
バイアグラの有効成分であるシルデナフィルクエン酸塩が頭痛を誘発します。
陰茎だけでなく脳(頭蓋骨内外)の血管も同時に拡張し、周辺の神経が刺激されることで、頭痛の症状があらわれるというメカニズムです。
バイアグラの副作用による頭痛の発生率は、3.87%であると調査で報告されています。
高い数値ではないため、身体に大きな影響はありません。
その他、同じくED治療薬であるシアリスは11.3%、レビトラは11.7%と頭痛発生率は高い傾向です。
※当院調べのデータではありません
シアリスは持続時間が36時間と長く、レビトラは即効性があるためその分副作用の発生率も高くなるとされています。
ED治療薬の中でバイアグラは比較的頭痛が起きにくいですが、個々の体質によって副作用が出やすい薬とそうでない薬があるため、上記の数値はあくまで参考程度として下さい。
個々の体質や健康状態の影響
副作用による頭痛の発現には個人差があります。
頭痛が起こりやすい主なシチュエーションは以下です。
- 片頭痛持ちである
- 生活リズムが不安定
- 飲酒や喫煙の頻度が高い
その時の健康状態にも左右されるため、バイアグラが体質に合っていないとは一概には判断できません。
バイアグラによる頭痛への効果的な対策
バイアグラの副作用で頭痛が起きた場合、以下の対策で頭痛を軽減できる可能性があります。
次の章で順に解説していきます。
性行為を中止し安静にする
性行為中に頭痛を感じた場合、性行為を中断して安静にしてください。
性行為を継続すると心拍数や血圧の上昇により症状が悪化する可能性があるからです。
頭痛だけではなく、めまいや立ちくらみを引き起こす恐れもあるため無理な性行為は避けましょう。
頭痛はまぶしい光や物音が誘因となることも多いため、暗くて静かな場所で睡眠をとってください。
患部やこめかみを冷やす
痛む部分を冷たい保冷剤やタオルで冷やすことで、痛みが和らぐ可能性があります。
特にこめかみの脈打つ部分を冷やすと血流を阻害できるため効果的です。
ただし、冷やし過ぎても急激に血管が収縮することで症状が悪化するため、様子を見ながら冷やしてください。
温めることで頭痛が緩和される説もありますが、バイアグラによる頭痛の場合、温めると血管拡張作用が増幅するため逆効果です。入浴もお控えください。
カフェインの入った飲み物を摂取する
コーヒーや緑茶など、カフェインの入った飲み物は脳の血管を収縮させる働きがあるため、バイアグラによって過剰に拡張された脳の血管を元に戻す効果が期待されます。
さらに、カフェインだけでの改善は困難ですが、継続的なカフェイン摂取はED(勃起不全)改善の一助となるため、性機能の向上にも効果的です。
ただし、カフェインによる頭痛緩和効果には個人差があり、人によっては頭痛が悪化する恐れもあるため少しでも症状の悪化を感じたら摂取をお控えください。
また、市販の頭痛薬にはカフェインが含まれていることが多いため、カフェイン飲料を取り過ぎると過剰摂取となる点にも注意が必要です。
市販の頭痛薬を使用する
バイアグラによる頭痛がひどい場合は、市販の頭痛薬との併用が可能です(※ただし、既往歴や持病によっては併用不可)。
以下の表は、バイアグラと市販頭痛薬の効果発現時間と持続時間をあらわしています。
名称 | 効果発現時間 | 持続時間 |
---|---|---|
バイアグラ | 服用後約30分~1時間後 | 約3時間~5時間 |
一般的な市販の頭痛薬 | 服用後約30分~1時間後 | 約4~6時間 |
バイアグラによる頭痛は、バイアグラ服用後1時間程度で発症します。
頭痛薬が効き始める時間が30分~1時間ごと考えると、バイアグラと頭痛薬を飲むタイミングは本来であれば同時が望ましいですが、頭痛がひどい場合はいつ服用しても問題ありません。
バイアグラと併用可能な市販頭痛薬
バイアグラと併用可能な市販頭痛薬は以下です。
名称 | 主な有効成分 | 区分 | 用法 |
---|---|---|---|
ロキソニンS | ロキソプロフェンナトリウム60mg | 第一類医薬品 | 1回1錠 1日2回まで(15歳以上) |
バファリンA | アセチルサリチル酸330mg | 第二類医薬品 | 1回2錠 1日3回まで(15歳以上) |
バファリンEX | ロキソプロフェンナトリウム60mg | 第一類医薬品 | 1回1錠 1日2回まで(15歳以上) |
イブA錠 | イブプロフェン150mg | 第二類医薬品 | 1回2錠 1日3回まで(15歳以上) |
新セデス錠 | エテンザミド200mg | 第二類医薬品 | 1回2錠 1日3回まで |
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市販頭痛薬を使用する際の注意点
市販の頭痛薬を併用する際は、以下の点に注意してください。
次の章で順に解説していきます。
胃が弱い人は胃薬を併用する
バイアグラは空腹時に飲むことで効果が発揮されますが、一方で頭痛薬は空腹時に飲むと胃に負担がかかります。
特に胃が弱い人は副作用で胃痛が出る恐れがあるため、できるだけ胃薬を併用しましょう。
有効な市販の胃薬は以下です。
- ガスター10
- ファモチジン錠
- アシノンZ
用法・用量を確認する
頭痛薬を併用する際は、用法・用量を必ず確認して下さい。
- (頭痛薬を続けて服用する場合)何時間空けると良いのか
- 1日に服用できる錠数
また、以下の点にも注意して服用しましょう。
- 他の頭痛薬とは併用しない
- 水かぬるま湯で服用する
- 連続服用はしない
- 長期服用はしない
併用できないケースを把握する
市販の頭痛薬を併用できない人の特徴は以下です。
-
消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍など)がある人
胃の血流量が減り症状悪化の危険がある - 頭痛薬の有効成分でアレルギーの既往歴がある人
-
重篤な血管異常や肝臓病、腎臓病、心臓病の治療を受けている人
心臓への負担が大きくなり症状悪化の危険がある - 赤血球または白血球の数値異常を医師より指摘されている人
-
アスピリン喘息又はその既往歴のある人
喘息発作を誘発する危険がある
飲み合わせの可否は必ず事前に確認しましょう。
バイアグラによる頭痛を予防する方法
バイアグラによる頭痛を防ぐ方法は以下です。
次の章で順に解説していきます。
性行為前のアルコールを控える
アルコールにも血管拡張作用があるため、飲酒とバイアグラの服用の相乗効果により頭痛の副作用が強まる可能性があります。
お酒は適量(コップ1杯程度)に留めるか、性行為前には飲酒をお控えください。
また、過度の飲酒は勃起力にも悪影響を与えますので注意しましょう。
バイアグラの用量を減らす
国内承認のバイアグラは、25㎎と50㎎の2種類です。
50㎎のバイアグラを服用している場合、用量を少なくすることで頭痛の副作用が軽減される可能性があります。
また、バイアグラの25㎎を服用中の場合でも「バイアグラを半分に割って飲む」選択肢がありますが、基本的には1錠での服用を前提としています。
バイアグラを半分にした際の影響は研究データがなく、副作用も半減するという医学的な根拠もないため、半分での服用はあくまで自己責任となります。
体調管理を徹底する
頭痛の副作用はその日の体調によっても発現率が異なるため、体調管理をすることによって頭痛が防げる可能性があります。
以下は、体調を改善する方法の例です。
-
質の良い睡眠をとる
寝具を上質なものに変えるなどして睡眠環境を整える、睡眠時間を7時間以上確保するなど -
栄養バランスの良い食事を取る
主菜・副菜・主食・汁物のバランスを考えたメニューにする -
過度の飲酒や喫煙を控える
過度の飲酒は血流を過剰に促進し、喫煙は血流を滞らせる影響があるためできるだけ避ける
このような生活習慣の改善によっても副作用が緩和できる可能性があります。できることから少しずつ始めていきましょう。
その他のED治療薬に変更する
バイアグラは頭痛に関しては副作用が出にくい薬ではありますが、場合によっては体質に合っていない可能性もあります。
医師に相談し、他のED治療薬の服用も検討するのも良いでしょう。
以下は、当院で処方を行っているED治療薬の一覧です。
バイアグラ |
レビトラ(※ジェネリックのみの取扱い) |
シアリス |
ステンドラ |
ザイデナ |
|
---|---|---|---|---|---|
価格 (後発薬含む) |
270円~1,600円 | 900円~1,200円 | 700円~1,600円 | 1,300円 | 1,000円 |
主な特長 | 一番ポピュラーなED治療薬 | 即効性と強い勃起力がある | 持続時間が他の治療薬より長い | バイアグラの効果はそのままに、より効果が持続 | アジア人向けに作られた新しいED治療薬 |
勃起の強さ | 強い | 最も強い | マイルド | 強い | やや強い |
副作用 | 出やすい | 出やすい | 出にくい | 出にくい | 出にくい |
効果持続時間 | 3~5時間 | 5~8時間 | 30~36時間 | 3~6時間 | 11~13時間 |
効果開始時間 | 30分~1時間 | 15~30分 | 1~4時間 | 15~30分 | 30分~1時間 |
食事の影響 | 受けやすい | やや受けにくい | 受けにくい | 受けにくい | 受けにくい |
有効成分 | シルデナフィルクエン酸塩 | バルデナフィル塩酸塩水和物 | タダラフィル | アバナフィル | ウデナフィル |
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※感じ方には個人差があります
まとめ
ここまで、バイアグラによる頭痛のメカニズムや対策、市販薬との併用方法について解説しました。
最後に、記事の内容をまとめます。
- バイアグラには血管拡張作用があり、脳の血管も同時に拡張し神経を刺激するため頭痛が起こる
- 個々の体質や健康状態によって副作用の発現率も変わる
- バイアグラの頭痛は一過性のものであり、過度な心配は不要
- 仮眠や患部の冷却、市販の頭痛薬の服用により対策が可能だが頭痛薬の服用は用法・用量・併用禁忌に注意する
- 性行為前のアルコールを控えたり、バイアグラの用量を減らすなどして頭痛を予防できる可能性がある
- バイアグラが体質に合っていない可能性もあり、医師に相談して他のED治療薬に変える選択肢もある
フィットクリニックでもバイアグラを処方しており、ジェネリック医薬品も取り扱っています。
よくある質問
併用できないケースは以下です。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍である
- 血液異常、肝障害、腎障害、心機能障害がある
- ロキソニンの成分にアレルギーの既往歴がある
- アスピリン喘息の既往歴がある
また、バイアグラが体質に合っていない場合はその他のED治療薬に変更することで頭痛が治まる場合があります。自分に合ったED治療薬を知るためにも、一度医師に相談してみましょう。