禁煙

運動が禁煙にもたらす効果とは?禁煙におすすめの運動も解説

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
運動が禁煙にもたらす効果とは?禁煙におすすめの運動も解説 禁煙

運動は健康維持のためだけでなく、禁煙においても大きなサポートになると考えられています。

タバコへの欲求減少、ストレス管理、禁煙による体重増加を防ぐ効果への期待も大きいです。

このページでは、運動が禁煙に与える具体的な効果、研究論文をもとにしたおすすめの運動について詳しく解説します。

また、禁煙を目指す方におすすめする運動についてもご紹介します。

運動が禁煙にもたらす効果3選

運動と禁煙の関係については、さまざまな研究が行われています。

ここからは、禁煙時の運動がどのような効果をもたらすのか、3つの効果について解説していきます。

運動による身体的、精神的メリットを理解し、積極的に日常生活に運動を取り入れてみてください。

離脱症状や喫煙欲求の抑制

運動が禁煙にもたらす効果として注目されているのが、離脱症状や喫煙欲求の軽減です。

喫煙中は脳がニコチンに依存してしまい、それによってドーパミンやセロトニンといった神経物質を分泌しにくい身体になってしまいます。

しかし、運動にはニコチンと似たような働きがあると言われており、身体を動かすことで神経物質の分泌を促すことができます。

その結果、喫煙によって得られる一時的な満足感を生み出し、ニコチン不足による離脱症状や喫煙欲求の軽減につながると考えられています。

また運動はストレスや不安の管理にも役立つとされているので、禁煙を行うにあたって運動を取り入れることが推奨されています。

離脱症状で禁煙失敗する人は多い

Q1 禁煙に失敗した理由は何ですか?(複数回答可) 1位:周りの喫煙者の影響(55.5%) 2位:離脱症状に耐えられなかった(44.0%) 3位:本気ではなかった(20.5%) 4位:代わりになるものが無かった(18.0%)

禁煙を試みた喫煙者のほとんどが経験する離脱症状は、禁煙成功の大きな壁として立ちふさがります。

実際、当院で行ったアンケートによると、離脱症状によって禁煙を断念した人が全体の44%にも上りました。

2人に1人に近い割合で禁煙に失敗しているので、この結果から離脱症状の管理が禁煙成功のために不可欠であることを示しています。

タバコをやめたいと考えるのであれば、離脱症状の軽減を最優先とすることが成果を分けると言えるでしょう。

ダイエット効果

運動は、禁煙後によく見られる体重の増加を抑える効果があります。

禁煙後の体重増加は、禁煙により味覚や嗅覚が正常に戻り、食べ物が以前よりもおいしく感じられることが原因の1つです。

また、ストレスや不安、口寂しさなども、食べ過ぎの原因につながりやすくなります。

その結果、禁煙すると通常プラス2〜4kgの体重増加がみられることが一般的です。

しかし、このような体重増加も運動によって効果的に管理できます。

定期的に身体を動かすことで脂肪の燃焼を促し、同時に筋力を向上させることで基礎代謝アップも見込めます。

禁煙と運動の組み合わせは体重管理に効果的なだけでなく、健康的なライフスタイルへの転換にもつながるので積極的に取り入れるのがおすすめです。

プラシーボ効果

運動が禁煙に役立つかもしれないという期待感によって、禁煙成功につながる可能性があります(プラシーボ効果)。

運動と禁煙に関連する研究は数多く行われていますが、その効果についてはまだ結論が出ていません。

しかし、「運動することで禁煙できる」というポジティブな思い込みは、禁煙を後押しし、成功に結びつくことがあるとされています。

自ら禁煙に対するモチベーションを高めることは、禁煙をはじめる動機づけにもなります。

運動がもたらす効果は禁煙のみならず、心身のコンディションをトータルで整えるので、将来的な健康を考える上でも良い機会となるでしょう。

禁煙におすすめの運動は「有酸素運動」

禁煙におすすめの運動は、喫煙欲求や離脱症状を和らげる効果があると言われている「有酸素運動」です。

負荷としては中強度程度を目安に、少し汗ばむくらいで行えるのがベストです。

タバコを吸いたくなったら、これから紹介する運動を取り入れてみてください。

おすすめの運動①ウォーキング

禁煙をサポートする有酸素運動として非常に効果的なのが、ウォーキングです。

ある研究では、15分の早歩きを行ったことで、離脱症状や喫煙欲求を抑え、次にタバコを吸うまでの時間を延ばす助けになることがわかっています。

ウォーキングは特別な準備や高い技術を必要とせず、誰でも簡単にはじめられます。

長く歩く必要もないので、タバコを吸いたくなったら外に出て、気分転換もかねながら歩いてみてください。

おすすめの運動②ヨガ

ヨガは、心と身体に働きかけることで禁煙を助ける有酸素運動の1つとして取り入れやすいです。

瞑想やヨガの呼吸法は、セロトニンの分泌を促すという研究報告がいくつもあり、ニコチンの代わりに神経物質の分泌を促す効果が期待できます。

またヨガを実践している人は、喫煙への欲求やネガティブな感情が減少するなどの効果もみられています。

タバコを吸いたい気持ちや禁煙に伴うイライラを自然に軽減でき、心身が整うことで禁煙を続けることにポジティブにもなりやすいです。

マットなしでできるものもたくさんあるので、興味がある方には特にヨガをおすすめします。

禁煙が運動にもたらす効果

禁煙を行うと、運動のパフォーマンスも向上します。

具体的に改善される身体機能としては、以下のようなことがあげられます。

禁煙が改善する身体機能
  • 呼吸機能
  • 持久力
  • 瞬発力
  • 筋力
  • 回復力

こうした改善は運動中だけでなく、日常生活での疲れにくさなどからも実感できます。

あらゆる機能が正常に近づいていくので、あんなに手放せなかったタバコが、むしろ「ない方が良い」と感じられることも増えてきます。

運動による禁煙への直接的な効果はまだ明確になってはいないものの、禁煙によって運動能力が向上することは確かです。

より楽しく、より効率よく身体を使えるようになるので、運動が健康的なライフスタイルへの変化をサポートします。

禁煙補助薬で成功率UP

運動だけではタバコをやめられない時は、禁煙補助薬の使用を検討するのがおすすめです。

禁煙補助薬には以下のような種類があり、特に禁煙成功率が高いのがチャンピックスです。

禁煙補助薬の種類 ニコチンガム・ニコチンパッチ
⇨少量のニコチンを摂取して離脱症状をやわらげる薬

チャンピックス
⇨離脱症状にくわえ、喫煙欲求も抑える薬

チャンピックスは、離脱症状を抑えるだけでなく、タバコを吸った時の満足感を得られなくなるので禁煙により成功しやすくなります。

まとめ:運動して禁煙の成功率を上げよう

禁煙は運動や禁煙補助薬を用いることで、それに伴う離脱症状や喫煙欲求を管理して成功率を高めることが可能です。

多くの喫煙者にとって禁煙する姿のイメージは付きにくいかもしれませんが、うまくコントロールできさえすれば難しいことではありません。

当院でもチャンピックスジェネリックによるサポートが可能なので、より禁煙を確実なものにしたい方はぜひご相談ください。

よくある質問

運動は禁煙に対してどのような効果がありますか?
運動は禁煙に対して、喫煙欲求や離脱症状の緩和、ストレスや不安の管理に効果的な可能性があると知られています。
また、禁煙に伴う体重増加の防止にも効果的です。
禁煙におすすめの運動はなんですか?
禁煙をサポートする運動として特におすすめしたいのが、有酸素運動です。
具体的には、ウォーキングやヨガなどがあげられ、心身の健康を向上させるとともに、喫煙欲求を抑えるのにも役立ちます。
禁煙すると運動にはどのような変化が見られますか?
禁煙すると、運動時に以下のような変化が実感できます。

  • 呼吸機能の改善
  • 持久力の改善
  • 瞬発力の改善
  • 筋力の改善
  • 回復力の改善
体力や動きが改善するだけでなく、運動後のリカバリーも早まり、全体としてパフォーマンスが向上します。
運動以外に禁煙しやすくなる方法はなんですか?
運動以外に禁煙しやすくなる方法としては、禁煙補助薬の使用があります。
特に医師の処方によるチャンピックスであれば、喫煙欲求と離脱症状を軽減する効果によって禁煙成功率を高めます。
運動と組み合わせると尚良いので、よりスムーズな禁煙を希望するのであれば医療機関にご相談ください。
禁煙の効果を実感しやすい運動を教えてください。
禁煙の効果は、ランニングをすると実感しやすいです。
禁煙すると心血管機能などが回復するので、肺活量や持久力が向上します。
肺活量・持久力が大切なランニングでは、特に禁煙の効果を実感しやすいはずです。