皮膚科のニキビ治療で処方される塗り薬と飲み薬の効果・副作用を解説

更新日:2024/12/17
ニキビ治療で使用される塗り薬と飲み薬の効果・副作用・使用方法を解説

赤く炎症したニキビを鎮める薬を探して困っていますか?
何度も繰り返してしまうニキビを改善する薬を探して悩んでいますか?
ニキビの症状は人それぞれで選ぶべき薬も異なります。ニキビの治療では自分にあった薬を使用することが重要です。

「まだできたてのコメド(初期ニキビ)」であればドラッグストアの市販薬が効く場合もあります。
しかし「炎症した赤・黄・紫色の中程度~重症のニキビ」「ドラッグストアの市販薬を使っても中々治らないニキビ」「一度治ったと思っても何度も繰り返してしまうニキビ」には、医療機関で処方される薬を使うことを推奨します。

皮膚科のニキビ治療薬では、医師管理のもとでしか処方されない薬や、市販薬と有効成分の種類や成分量が異なる薬を処方することができます。

ニキビができたばかりで1日でも早く治したい方も、これ以上悪化させたくない方も、この記事を読んでニキビ治療薬の参考にしてください。

ニキビ治療について

目次

ニキビの進行度で薬を選ぶ

色で見分ける│ニキビの原因・種類・症状

どのニキビ治療薬が自分に適しているかは、自分のニキビの進行度(重症度)を知ることが大切です。
ニキビは、皮脂分泌が過剰になり、毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が皮脂を栄養として増殖することで発症・悪化していきます。
ニキビ発症後の悪化の進行度は「ニキビの色」で見分けることができます。
ニキビは始め、目に見えない「マイクロコメド」として皮脂が詰まり、「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」「紫ニキビ」と段階を経て進行していきます。

マイクロコメド 毛穴の出口が狭くなり、皮脂が少しずつ詰まり始める
白ニキビ 皮脂や角質が毛穴を塞ぎ、アクネ菌が少しずつ増殖していく
黒ニキビ 毛穴に詰まった皮脂が空気に触れて酸化する
赤ニキビ アクネ菌が毛穴の中で増殖し、炎症を引き起こす
黄ニキビ 赤ニキビが悪化し、毛穴に黄色い膿がたまる
紫ニキビ 黄ニキビが悪化し、血や膿などがたまる

ニキビが悪化するごとにニキビ跡として残るリスクも高まるため、できるだけ早い段階で医療機関を受診することが大切です。

清潔にしているのにニキビが悪化してしまう方は、スキンケアが間違っているか、生活習慣の乱れ、自分にあっていない薬が影響している可能性があります。

皮膚科のニキビ治療薬の特徴

皮膚科で処方されるニキビ治療薬には、「外用薬(塗り薬)」と「内服薬(飲み薬)」の2種類があります。
皮膚科の処方薬では、有効性が十分に確認されてから厚生労働省の承認を得ている薬だけではなく、国内で未承認でも海外では認可を受けている薬の処方も受けられます。
例えば、1982年に米国食品医薬品局(FDA)から認可を受けている「イソトレチノイン」は国内未承認薬ですが、重症ニキビの薬として医師の管理のもと使用できる内服薬です。

【皮膚科のニキビ治療薬】
  • 外用薬(塗り薬):肌に直接塗ってアクネ菌の繁殖や毛穴の詰まり、炎症を改善します。
  • 内服薬(飲み薬):抗生剤、ビタミン剤、漢方などを服用し、身体の内側からアクネ菌の繁殖や毛穴の詰まり、炎症を改善します。

ドラッグストアのニキビ市販薬の特徴

ドラッグストアなどで市販されているニキビの薬や化粧品は白ニキビや黒ニキビなどのコメド(初期のニキビ)の症状を和らげることができる場合があります。
しかし、用法・用量を間違えてしまったり、自分の症状や身体・肌にあっていない薬や化粧品を使用した場合はニキビが悪化し跡になるリスクも高まります。
また、ドラッグストアの薬の有効成分と医療機関の処方薬の有効成分では、同じ成分でも処方薬の方が配合量を多いものを処方できます。
自分に適した薬を使用し、悪化のリスクを抑え、ニキビ跡をできるだけ残さないためにも、医療機関で専門の医師による診察を受けてニキビの処方薬を使用することを推奨します。

皮膚科のニキビ治療の外用薬(塗り薬)

皮膚科のニキビ治療の外用薬(塗り薬)には、毛穴の詰まりを改善する薬や、アクネ菌と黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用や抗炎症作用を持つものなどがあります。
またクリームやゲル、ローションなどのタイプがあるため、塗る範囲が広い、塗りやすい、乾燥しやすいなどの症状や希望に合わせて使い分けることができます。

ディフェリンゲル・アダパレンゲル(アダパレン)

ディフェリンゲル・アダパレンゲル(アダパレン)
名称/有効成分 ディフェリンゲル/アダパレン(レチノイド様作用を有するナフトエ酸誘導体)
効果・
特徴
ビタミンA誘導体と似た成分で、抗炎症作用や、毛穴の詰まりの改善、皮膚のターンオーバーを促進する効果があります。

アダパレンゲルはディフェリンゲルの後発薬です。
副作用・注意点 乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、皮むけなどの副作用があります。

服用した約8割の方に副作用が現れますが、十分な保湿や使用量の調整で副作用を少なくすることができます。
使用方法 就寝前に1日1回、患部に適量を塗布します。

ベピオゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)

ベピオゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)
名称/有効成分 ベピオゲル・ローション/過酸化ベンゾイル
効果・
特徴
アクネ菌や黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用でニキビの増殖を抑え、ピーリング作用により毛穴のつまりを改善します。

炎症性皮疹および非炎症性皮疹に対して効果があります。
副作用・注意点 乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、皮むけなどの副作用があります。

妊娠・授乳中の方でも使用可能な場合がありますが、医師・薬剤師に相談の上使用してください。
使用方法 洗顔後に1日1回、患部に適量を塗布します。

エピデュオゲル(アダパレン・過酸化ベンゾイル)

エピデュオゲル(アダパレン・過酸化ベンゾイル)
名称/有効成分 エピデュオゲル/アダパレン・過酸化ベンゾイル
効果・
特徴
アダパレンと過酸化ベンゾイル(BPO)の2つの成分を配合した治療薬です。

過酸化ベンゾイルの殺菌作用により、ニキビの原因菌を殺菌し、ピーリング作用で毛穴のつまりを改善します。

アダパレンの抗炎症作用で炎症の強いニキビになることを抑え、赤ニキビの数を減らします。
副作用・注意点 乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、皮むけなどの副作用があります。
使用方法 夕方から就寝前の洗顔後に1日1回、患部に適量を塗布します。

デュアックゲル(過酸化ベンゾイル・クリンダマイシン)

名称/有効成分 デュアックゲル/過酸化ベンゾイル・クリンダマイシン
効果・
特徴
過酸化ベンゾイル(BPO)とクリンダマイシン(ダラシン)の2つの成分を配合した治療薬です。

2つの有効成分により、抗菌作用でニキビの原因菌を殺菌し、抗炎症作用によりニキビの炎症を抑え、ピーリング作用で毛穴のつまりを改善します。

有効成分クリンダマイシンのみを含む、ダラシンTローションという広範囲に塗りやすいローションタイプの治療薬もあります。
副作用・注意点 乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、皮むけなどの副作用があります。
使用方法 洗顔後に1日1回、患部に適量を塗布します。

ゼビアックスクリーム・ローション(オゼノキサシン)

名称/有効成分 ゼビアックスクリーム・ローション/オゼノキサシン
効果・
特徴
キノロン系の外用抗菌薬でアクネ菌や黄色ブドウ球菌に対して抗菌作用を発揮し、炎症しているニキビを改善します。

クリームとローションの2種類があるため、乾燥を抑えたい場合や塗りやすさで選ぶことができます。

キノロン系の塗り薬として、アクアチム(ナジフロキサシン)もニキビの原因菌を殺菌する治療薬として使用されます。
副作用・注意点 乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、皮むけなどの副作用があります。
使用方法 洗顔後に1日1回、患部に適量を塗布します。

イベルメクチンクリーム(イベルメクチン)

名称/有効成分 イベルメクチンクリーム/イベルメクチン
効果・
特徴
2014年に米国食品医薬品局(FDA)から酒さ治療薬として認可を受けている治療薬です。

毛包内に生息するニキビダニに対して殺菌効果を発揮し、赤ら顔などの炎症を抑える作用があります。
副作用・注意点 赤み、ヒリヒリ感、かゆみなどの副作用があります。
使用方法 洗顔後に1日1回、患部に適量を塗布します。

イベルメクチンクリームの詳細

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)│抗生物質

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)には、ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌する抗生物質や炎症を抑えてニキビの改善を目指すものがあります。
長期間使用すると、耐性を持つ菌が発生する可能性があるため、注意が必要です。

ビブラマイシン(ドキシサイクリン)

名称/有効成分 ビブラマイシン/ドキシサイクリン
効果・
特徴
全身の幅広い細菌感染症に使用されるテトラサイクリン系の抗菌剤です。

アクネ菌の増殖を抑え、炎症している赤ニキビや、膿を持った黄ニキビがたくさんある場合に用いられます。

塗り薬の併用も行われる場合があります。
副作用・注意点 吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、口内炎、発疹などの副作用があります。

併用注意薬として、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄剤、経口避妊薬などがあります。
使用方法 初日:1日1回~2回、200mgを服用します。
2日目以降:1日1回、100mgを服用します。

ミノマイシン(ミノサイクリン)

名称/有効成分 ミノマイシン/ミノサイクリン
効果・
特徴
ビブラマイシン同様に、全身の幅広い細菌感染症に使用されるテトラサイクリン系の抗菌剤です。

アクネ菌を含む、細菌のタンパク質の合成を阻害し、増殖を抑えます。

また、抗菌作用だけではなく、抗炎症作用でニキビの炎症を抑えることも可能です。
副作用・注意点 吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、発疹、悪心などの副作用があります。

併用注意薬として、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄剤、経口避妊薬、外用剤を除くビタミンA製剤やレチノイド製剤などがあります。
使用方法 初回:100mg~200mgを服用します。
2回目以降(12時間あるいは24時間ごと):100mgを服用します。

ルリッド(ロキシスロマイシン)

名称/有効成分 ルリッド/ロキシスロマイシン
効果・
特徴
全身の幅広い細菌感染症に使用されますが、テトラサイクリン系ではなく、マクロライド系の抗菌剤です。

アクネ菌を含む、細菌のタンパク質の合成を阻害し、増殖を抑えます。

マイコプラズマやクラミジアなどの治療にも使用されるため、マクロライド系の抗菌剤に耐性ができてしまっている場合はテトラサイクリン系の抗菌薬が使用されます。
副作用・注意点 吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、発疹などの副作用があります。

併用禁忌薬として、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩などがあります。

併用注意薬として、テオフィリン、ワルファリンカリウムなどがあります。
使用方法 1日量300mgを2回に分割して服用します。

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)│ビタミン剤・サプリメント

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)には、ニキビの予防と改善を補助するビタミン剤やサプリメントがあります。
ビタミン剤はメラニン生成を抑制し、色素沈着を予防する作用があるものもあるため、ニキビ治療だけではなく、シミやそばかす、ニキビ跡の予防と改善にも効果が期待できます。

医療機関のビタミン剤とドラッグストアのビタミン剤では、配合されている有効成分の種類や成分量に違いがあり、処方薬の方がより成分が多いものを服用できます。
ビタミン剤は中長期的に服用する必要があるため、短期的に作用が感じられない場合でも、医師に決められた用法と用量を守り、過剰に摂取しないようにしましょう。

シナール(アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム)

シナール(アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム)
名称/有効成分 シナール/アスコルビン酸(ビタミンC)・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)
効果・
特徴
ビタミンCとビタミンB5が配合されたビタミン剤で、抗酸化作用と肌のバリア機能の改善によりニキビの炎症を改善し、新たなニキビの発症を予防します。
副作用・注意点 胃の不快感、嘔吐、下痢などの副作用があります。

水溶性ビタミンは体内に蓄積されないため、継続して摂取する必要があります。
使用方法 1日1回~3回、1錠~3錠を服用します。

ユベラ(トコフェロール酢酸エステル)

ユベラ(トコフェロール酢酸エステル)
名称/有効成分 ユベラ/トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)
効果・
特徴
ビタミンEの血行促進作用と抗酸化作用、抗炎症作用により、肌のターンオーバーの活発化やニキビ・ニキビ跡の改善と予防をします。
副作用・注意点 便秘、胃部不快感、下痢、過敏症、発疹などの副作用があります。
使用方法 1日2回~3回、1錠~2錠を服用します。

ハイチオール錠(L-システイン)

名称/有効成分 ハイチオール錠/L-システイン(アミノ酸)
効果・
特徴
肌のターンオーバーを正常化させる作用や、肌のバリア機能を強化する働きがあり、毛穴を詰まりづらくし、ニキビの改善と予防をします。
副作用・注意点 悪心、下痢、口渇、腹痛などの副作用があります。
使用方法 1日2回~3回、1錠~2錠を服用します。

Lypo-C(ビタミンC)

Lypo-C(ビタミンC)
名称/有効成分 Lypo-C(リポ・カプセル ビタミンC)/ビタミンC
効果・
特徴
甘味料・着色料・香料・防腐剤などの添加物を使用せずに製造された液状のビタミンCサプリメントです。

ビタミンCには、抗酸化作用や皮脂の過剰分泌を抑制する作用があるため、ニキビの改善や予防をします。
副作用・注意点 水溶性ビタミンのため、体内で余った場合は尿中に排出されるので副作用はほとんどありません。
場合によっては、下痢や吐き気などを起こす可能性があります。
使用方法 1日1~3包を目安にいつでも摂取できます。(食前推奨)

リポシーの詳細

スキンマリア(美容5合剤内服)

名称/有効成分 スキンマリア(トラネキサム酸、アスコルビン酸(ビタミンC)+パントテン酸カルシウム、ビタミンE、L-システイン、グルタチオン)
効果・
特徴
5種類の美容内服薬の成分が1錠に配合され、ニキビ・シミやニキビ跡の予防・改善や美白の効果に期待ができる医薬品です。
日々の食事や生活で足りていない栄養素を効率よく補給できます。
副作用・注意点 食欲不振、悪心、胸やけ、胃の不快感、胃痛、下痢などの副作用があります。
使用方法 朝と夜に2錠ずつ服用します。

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)│漢方

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)には、血流を整えたり、炎症や化膿したニキビの改善に効果のある漢方があります。
漢方も医療機関の処方薬とドラッグストアの市販薬では、有効成分の種類や配合量に違いがあるため、市販薬よりも効果的にニキビを治療することが期待できます。
ビタミン剤同様に、医師に決められた用法と用量を守って服用することが大切です。

桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)

名称/有効成分 桂枝茯苓丸料加薏苡仁/薏苡仁(ヨクイニン)・桂枝(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・桃仁(トウニン)・茯苓(ブクリョウ)・牡丹皮(ボタンピ)
効果・
特徴
6種類の生薬を配合した顆粒状の漢方で、血流や肌のターンオーバーの促進をし、ニキビの改善をします。

特に女性の月経周期に伴う肌トラブルの改善に効果があります。
副作用・注意点 発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹、食欲不振などの副作用があります。
使用方法 1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に服用します。
※ツムラ桂枝茯苓丸料加薏苡仁エキス顆粒(医療用)

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

名称/有効成分 十味敗毒湯/桔梗(キキョウ)・柴胡(サイコ)・川芎(センキュウ)・茯苓(ブクリョウ)・樸樕(ボクソク)・独活(ドクカツ)・防風(ボウフウ)・甘草(カンゾウ)・荊芥(ケイガイ)・生姜(ショウキョウ)
効果・
特徴
10種類の生薬を配合した顆粒状の漢方で、炎症や化膿したニキビの初期治療として用いられます。
副作用・注意点 発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹、食欲不振などの副作用があります。
使用方法 1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に服用します。
※ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

名称/有効成分 清上防風湯/黄芩(オウゴン)・桔梗(キキョウ)・山梔子(サンシシ)・川芎(センキュウ)・浜防風(ハマボウフウ)・白芷(ビャクシ)・連翹(レンギョウ)・黄連(オウレン)・甘草(カンゾウ)・枳実(キジツ)・荊芥(ケイガイ)・薄荷(ハッカ)
効果・
特徴
12種類の生薬を配合した顆粒状の漢方で、顔や頭皮に急性期の炎症や化膿したニキビの治療として用いられます。
副作用・注意点 発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹、食欲不振などの副作用があります。
使用方法 1日7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に服用します。
※ツムラ清上防風湯エキス顆粒(医療用)

皮膚科のニキビ治療の内服薬(飲み薬)│イソトレチノイン

イソトレチノインは、1982年にFDA(米国食品医薬品局)から認可を受け、1983年に欧州委員会CEマークを取得しているニキビの治療薬です。

中等症から重症のニキビ治療での使用が推奨されますが、一度治ってもまた繰り返しできてしまうニキビや、皮膚科の保険内の治療薬で効果が感じられなかった場合でも使用できる場合があります。

イソトレチノイン10mg/20mg
名称/有効成分 イソトレチノイン(ビタミンA誘導体)
効果・
特徴
皮脂腺を小さくし、アクネ菌増殖の原因となる皮脂の分泌量を減少させ、角化や毛穴の詰まりを抑制することにより、ニキビの原因を根本から取り除きます。
炎症しているニキビの改善だけではなく、内服終了後に新しく発症するニキビを予防することもできます。
また、酒さ(赤ら顔)の治療にも使用され、ニキビダニを減らす効果も期待できます。
治療期間中の乾燥が強い場合は、ヒルドイドローションなども併用し、保湿をしっかりとする必要があります。
副作用・注意点 発疹、唇や肌の乾燥、頭痛、視覚障害、嘔吐、鼻出血、うつ病などの副作用があります。

流産や胎児奇形のリスクがあるため、服用期間中と前後1ヵ月間は避妊が必要です。
使用方法 1日20mg~40mgを服用します。
※症状や体重により用量は異なります。

イソトレチノインの詳細

まとめ:皮膚科の処方薬を使用して1日でも早くニキビを治療しましょう

ドラッグストアなどで市販されているニキビ治療薬と医療機関で処方される薬では有効成分の種類や配合量が異なる場合があるため、医療機関ではより効果的に改善を目指すことができます。

しかし、用法や用量を守る必要や、副作用などのリスクもあるため、医療機関で専門の医師による診察を受け、決められた計画に沿って治療を進めることが大切です。

悪化するリスクを抑え、ニキビ跡を残さないためにも医療機関を受診しましょう。

よくある質問

  • Q
    ニキビ治療薬はどれを選べばいいですか?
    A
    ニキビの種類や重症度によって使用する治療薬は異なります。医療機関で相談し、自分に合った薬を選ぶことが大切です。
  • Q
    ニキビ治療薬の副作用はありますか?
    A
    使用する治療薬によって副作用は異なります。治療薬を使用して現れた副作用が気になる場合は、速やかに医師に相談してください。
  • Q
    ニキビ治療薬はどのくらい続けたら効果が出ますか?
    A
    ニキビの症状や治療薬の種類によって異なります。どの治療薬を使用する場合もそうですが、特に抗生物質を使用する場合は、耐性菌が現れる可能性もあるため、必ず決められた用法・用量を守ってください。
  • Q
    ニキビ治療薬と市販薬の違いは何ですか?
    A
    処方薬は、配合されている有効成分の量が多く、より効果が期待できる場合があります。一方、市販薬は比較的軽度のニキビの改善・予防目的で使用されます。

    軽症のニキビで、まずは市販薬で様子を見たい場合は、「サリチル酸」「イオウ」「レゾルシン」「イソプロピルメチルフェノール」「グリチルリチン酸ジカリウム」などの殺菌や抗炎症作用のある医薬部外品を選ぶのがよいでしょう。
    「炎症がひどい」「市販薬が効かない」「ニキビ跡を残したくない」「繰り返しできてしまう」などのお悩みがある場合は、できるだけ早く医療機関の医薬品を処方してもらうことを推奨します。
  • Q
    ニキビ治療中に気を付けることはありますか?
    A
    飲酒や喫煙はニキビを悪化させる可能性があるため、できるだけ控えましょう。
    また、治療薬によっては、他の薬との飲み合わせに注意が必要な場合があるため、医師に相談しましょう。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
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