バイアグラはED治療に欠かせない薬ではあるものの、一部の男性からは「危険」や「心臓に悪い」といった誤解を招く場合がある薬です。
こちらのページでは、バイアグラは危ない薬だとイメージさせるきっかけとなった、バイアグラと心筋梗塞との関係について詳しく解説していきます。
すでに服用している方はもちろん、誤解からバイアグラを使ったED治療に踏み切れない方も是非参考にしてください。
バイアグラの基本的な効果などについては以下をご確認ください。
そもそも心筋梗塞とは
心筋梗塞とは血管が詰まり、心臓の筋肉(心筋)に、血液が届かなくなる(梗塞)病気です。
血管にコレステロールが蓄積すると、プラーク(動脈硬化巣)と呼ばれる塊が出現します。
プラークは破れやすく、その破れを補修するため血小板などが固まり血栓となり、血流を停滞させます。
血液の流れが停滞することで酸素不足に陥り、発症から20分ほどで心筋細胞の壊死がはじまります。
一度壊死してしまった心筋細胞が元の状態に戻ることはなく、場合によっては死に至るため、一刻を争う迅速な処置が必要です。
- 胸の痛みや圧迫感
- 不整脈
- 急な激しい動悸
- 脈拍が異常に速くなる
- 脈が飛ぶ感じがある
心筋梗塞は日本人の3大死因の1つとされ、男性は30代後半から増加し、60代がピークとされています。
多くは動脈硬化が原因となるため、肥満や喫煙、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)などの危険因子を持っている方は特に注意が必要です。
バイアグラで心筋梗塞になるって本当?
使用者の健康状態に問題がなければ、バイアグラの服用が直接の原因となり心筋梗塞を起こすことはありません。
ただし、以下の素因がある方は、バイアグラの服用が心筋梗塞の引き金になる恐れがあります。
- 心血管系障害がある
- 心筋梗塞の既往歴が6ヶ月以内にある
- 持病から性行為を止められている
また、薬の飲み合わせを誤ったため起きた、心肺停止による死亡例も報告されています。
そのため、一部の誤解から「バイアグラ=心臓に悪い薬」というマイナスイメージを持たれる方もいるようです。
バイアグラは、医師の診断・管理下であれば、安全に使用できる薬です。
しかし、条件に当てはまる一部の男性にとっては、健康を脅かす存在にもなり得ます。
心筋梗塞という疾患は、処置が遅れれば死に至る場合もあります。
これは服用前に医師の診察を受ければ未然に防げるリスクなので、自己判断によるバイアグラの個人使用は控えてください。
バイアグラ服用時の注意
バイアグラ服用時には、安全に使用するための注意点がいくつかあります。
診察時の際に、次のようなケースは必ず医師に相談してください。
- 健康状態の変化
- 他の病気の治療のために追加で薬が必要になる
ここからは参考までに、バイアグラ服用時の注意点について詳しく解説していきます。
バイアグラを服用してはいけない人
次のいずれか1つでも当てはまる方は、バイアグラの服用が健康を害する恐れがあるため服用できません。
- バイアグラの成分に対してアレルギー(過敏症)の既往歴がある方
- 硝酸剤またはNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど)を服用中の方
- 心血管系の障害を有するなど、性行為が不適当と考えられる方
- 重度の肝機能障害がある方
- 低血圧(特に最大血圧90mmHg未満、または最小血圧50mmHg未満)の方
- 治療によって管理されていない高血圧(最大血圧170mmHg以上、または最小血圧100mmHg)の方
- 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある方
- 網膜色質変性症(進行性の夜盲症)と診断された方
- アミオダロン塩酸塩(経口剤)を投与中の方
- 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の方
なお、未成年や女性については、安全性や治療の有効性が確認されていないため、基本的には処方はできません。
バイアグラの併用禁忌薬
併用禁忌薬とは、併用により身体に悪影響を及ぼす危険性のある薬を指します。
バイアグラの併用禁忌薬は、次のとおりです。
- 硝酸剤およびNO供与剤:ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど
- 抗不整脈薬(経口薬):アミオダロン塩酸塩(アンカロン)
- sGC刺激剤:リオシグアト(アデムパス)
いずれもバイアグラ同様、血管拡張作用のある薬のため、併用が禁忌とされています。
これらの中でも、硝酸剤については飲み薬だけに限らず、舌下錠、貼り薬、吸入薬、注射、塗り薬、スプレーなども併用できません。
種類も非常に多いため、剤形や種類を問わず使用中の薬があれば必ず医師に申し出てください。
バイアグラの併用注意薬
併用注意薬とは、治療効果を不安定にさせたり、副作用が出やすくなる薬を指します。
次の薬を服用中の場合、主治医の判断によってはバイアグラを服用できません。
-
CYP3A4阻害薬(薬の成分の代謝抑制作用)
リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等 -
CYP3A4誘導薬(薬の成分の代謝抑制作用)
ボセンタン、リファンピシンなど -
降圧剤(血管拡張作用)
アムロジピンなど -
α遮断剤(血管拡張作用)
ドキサゾシンなど -
カルペリチド(血管拡張作用)
バイアグラの副作用とは?
バイアグラはEDの改善という効果をもたらす一方で、その日の体調により副作用が出る場合があります。
特に出やすいとされるのが、次の副作用です。
- ほてり
- 潮紅
- 頭痛
これらの症状は、バイアグラによる血管拡張作用で起こります。
重症化する症状ではないため、効き始めのサインと捉えると症状と上手く付き合っていけるはずです。
また、血圧が下がることで「頭痛」「めまい」「立ちくらみ」や、「吐き気」や「嘔吐」、「消化不良」といった消化器系の症状を感じる方もいます。
いずれも一過性の症状のため、効き目が切れるとともに次第に症状も治るので、特に心配は要りません。
もし気になるようであれば、市販の頭痛薬や胃薬でも対処が可能です。
バイアグラの正しい服用方法
バイアグラは、1日1錠(上限100mg)まで服用が可能です。
一度に複数錠も服用するなど、用量を増やしても効果が高まることはないので、ご注意ください。
また、バイアグラの効果を最大限引き出すためには、服用前後で次のことを意識してください。
性行為の約1時間前に服用
効き目が約1時間でピークに達するため
空腹での服用
バイアグラは腸より吸収されるので、飲食によって吸収を妨げさせないため
アルコールは適量にする
飲み過ぎは副作用が出やすくなることや、神経を鈍らせて勃起そのものが難しくなることがあるため
アルコールは適量にする
飲み過ぎは副作用が出やすくなることや、神経を鈍らせて勃起そのものが難しくなることがあるため
飲料に注意する
グレープフルーツジュースや牛乳は成分の吸収の妨げになるので避ける
服用間隔を守る
用量を問わず、1錠服用したら次回服用は24時間以上空ける必要がある
バイアグラの服用方法を誤ると副作用が出やすくなるため、上記の注意点を守るよう心がけてください。
バイアグラは危険な薬ではない
バイアグラは持病や体質といった健康状態、服用中の薬に問題なければ、安全に服用できる薬です。
また、より安全を期すため、バイアグラは医療機関で処方されたものを服用してください。
個人輸入でバイアグラなどのED治療薬を、海外から購入する方がいるようです。
ただし個人輸入は、偽造品の流通量の割合が全体の40%にも上るため、安全面から購入はお勧めできません。
日本の薬事法に準拠していない品質の低い粗悪品も含めれば、その割合はさらに高まることが予想されます。
予期せぬ副作用や、重大な健康被害に遭う恐れもあるので、自ら危険に飛び込むような真似は避けてください。
バイアグラと心筋梗塞の関係性についてまとめ
- バイアグラが心筋梗塞の直接の原因ではない
- 健康状態や体質、服用中の薬によっては心血管系に有害事象を引き起こすリスクがある
- 医師の診察を受けてから服用すれば安全性の高い薬
- 偽造品が流通している海外通販の利用は控える
持病や服用している薬によりバイアグラを服用できない場合もありますが、健康な方であれば基本的には服用が可能な薬です。
心筋梗塞をはじめ、自己判断の服用による副作用のリスクを回避するためにも、医師の服薬指導に従った正しい服用を心がけてください。
よくある質問
ただし、心筋梗塞のリスク素因をもともと持っていると、服用が引き金になる可能性があります。
そのため医師の診察により、バイアグラを服用できる健康状態か確認する必要があります。
そのためには、必ず医師の判断に従い服用してください。
海外通販で安価な海外製品を購入する方も一部で見受けられますが、偽造品や品質の低い粗悪品だったというケースも珍しくありません。
フィットクリニックでもバイアグラの処方を行っています。
オンライン診療であれば、ご自宅までの郵送も可能でとても便利です。
是非ご検討ください。