ED・勃起不全

カフェインで勃起改善できるって本当?カフェインと勃起の関係とは

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
ED・勃起不全

カフェインは血管や神経といった勃起に必要な器官に対する作用があるため、毎日の摂取がED予防に繋がる可能性があります。

ただ残念ながらすでにEDを発症している場合、食品成分にすぎないカフェインだけで治すことは難しいです。

このページではカフェインは勃起にどういった影響があるのか、その仕組みについて詳しくお伝えしていきます。

カフェインとEDの関係

「カフェインでEDの予防が期待できる」なんて、多くの男性にとってにわかには信じがたい話かもしれません。

しかし、テキサス大学健康科学センターが3,700人の男性を対象に行った実験でカフェインとEDについての関連性を調査した際、"1日2〜3杯のコーヒー(1日170〜375 mgのカフェイン)を摂取していた人のEDの可能性が減少した"という結果が得られています。

またこの結果はEDのハイリスク群である肥満や高血圧の人に顕著に現れたものの、EDのリスクが特に高い糖尿病には同じような効果は現れなかったようです。

ただ、この調査でカフェインと勃起を直接関連づける詳しいデータは見られませんでした。

しかし、毎日のコーヒーがED予防の観点でプラスになる可能性は、日常的にコーヒーなどのカフェイン飲料を飲む人にとっては興味深い内容なのではないでしょうか。

カフェインが勃起に良いとされる理由

カフェインが勃起に良いとされる理由は、主に以下の3つと考えられています。

いずれも勃起までのプロセスに関連してくる作用となっています。

ここからそれぞれの作用について、もう少し詳しく見てみましょう。

末梢血管の拡張作用

カフェインには末梢血管を拡張させる作用があるため、勃起に必要な血液の流入に良い影響を与えます。

特に加齢による動脈硬化は勃起力を低下させる原因になりやすく、悪化すればED(勃起不全)を引き起こすことも。

そのため定期的なカフェインによって末梢血管を拡げメンテナンスすることで、血管の健康を保ち、血液がスムーズに全身へと巡るようになります。

その結果、もっとも細い動脈が通っている陰茎への血流が良くなり、勃起力の維持にもつながります。

興奮作用

「カフェインを摂ると眠気が覚める」なんていいますが、これはカフェインのもつ興奮作用によるものです。

カフェインは神経を落ち着かせるアデノシン(図1)という物質と構造が似ており、この物質の働きを抑えることで神経を興奮させます(図2)

図1 アデノシンがアデノシン受容体と結合することで神経が落ち着き、眠気を感じる

図2 カフェインがアデノシン受容体と結合することでアデノシンの結合を阻害し、神経が興奮・覚醒する

正常な勃起をする過程において、性的な興奮・刺激を陰茎に伝える神経の働きはとても重要です。

カフェインによって性的興奮を起こしやすくし、性欲の低下による勃起力の低下を防ぎます。

疲労やストレスの緩和作用

"ストレスは万病のもと"とよく言いますが、これは勃起についても例外ではありません。

会社での嫌なことや疲労を理由にパートナーの誘いを断った経験がある男性もいるでしょう。

こうしたストレスや疲労といった精神的・肉体的な負荷がかかった状態では、頭が別のことに取られてしまい勃起に影響を及ぼすことがあります。

この問題について、米国科学アカデミー紀要(PNAS) で発表された論文では「カフェインには慢性的なストレスを緩和する作用がある」と明らかにされました。

カフェイン摂取によって気分や意欲の低下を防ぐことで、性行為に臨みやすいメンタルを整えてくれます。

肉体の影響に目が行きがちですが、勃起には精神状態も影響するため、ちょっとした一息にコーヒーなどのカフェイン飲料で気持ちを落ち着かせてみてください。

カフェインの推奨摂取量

欧州食品安全機関(EFSA)ではカフェイン推奨摂取量を以下のように発表しています。

習慣的なカフェイン摂取量 400mg / 日以下
一回の摂取量 200mg以下 / 日以下

※健康な成人の目安

また最近ではカフェインを含んだ飲料も数多くあり、知らず知らずのうちに口にしていることもあるので摂りすぎには注意してください。

勃起に好影響なのはコーヒー2,3杯

カフェインを含む飲料として代表的なコーヒーの場合、どのくらい飲めば勃起に良い影響が期待できるか気になるところでしょう。

これは冒頭でも言及した実験の結果 において、カフェイン170~375㎎を摂取したグループが勃起に対して一番良い影響があったことからわかる適切な摂取量です。

もしコーヒーが苦手という人でも、カフェイン量を意識すれば他の飲料からでも摂取することができます。

勃起力の低下を防ぐためにも、日々意識的にカフェインを摂取してみてください。

カフェインが含まれる飲み物

カフェインが含まれる飲み物はコーヒーだけではなく、お茶やエナジードリンクにも含まれています。

それぞれ100ml中にどれくらいのカフェインが含まれているのか、飲む際の目安に使ってみてください。

「カフェイン=コーヒー」のイメージが強いですが、日本では高級茶とされる玉露には意外にもコーヒーの約2.5倍のカフェインが含まれています(100mlあたり160mg)。

ただ市販される「玉露入り」という表記のものは、茶葉から淹れたものよりもカフェイン量は減るので、パッケージに書かれた成分表をもとに計算してみてください。

カフェインの注意事項

カフェインを摂る際の注意事項として知っておきたいのが、以下の3点です。

  • 摂取しすぎによる中毒症状
  • 亜鉛の吸収の阻害作用
  • 空腹時の摂取による胃の不調

神経や消化器官がカフェインによって必要以上に刺激されてしまうと、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、さらには下痢、吐き気、嘔吐を起こすことも。

カフェインは勃起力を高める可能性を秘めているものの、過剰に摂取してしまうと身体にとって毒にもなり得ることは覚えておきましょう。

またエナジードリンク類は若者を中心に人気ですが、カフェインと同時に糖質を摂りすぎる可能性があります。

肥満や生活習慣病はEDのハイリスク群とされているため、1日に何本も飲むのは控えるのが望ましいです。

EDを治すならED治療薬が有効

カフェインは食品中に含まれる成分にすぎないため確実な効果はなく、機能しても個人差が大きい物質です。

そのためカフェイン摂取については、予防や健康促進くらいに考えておきましょう。

もしすでにEDの症状に悩んでいるのであれば、ED治療薬による改善が有効な手立てとなります。

性行為前に服用すれば、勃起できない、またはそれを維持できないといった症状を改善し、性行為のパフォーマンスを向上させてくれます。

なお、EDを疑う初期症状については以下で紹介しています。

ED治療薬の仕組み

ED治療薬は、「PDE5阻害薬」とも呼ばれます。

「PDE5」とは?

PDE5は、陰茎の血管を拡張させる「cGMP」という物質を壊す酵素。
PDE5がcGMPより優勢になると、勃起がおさまる。

EDは何かしらの原因でPDE5の働きが強くなりすぎてしまうことで起こる症状です。

ED治療薬はPDE5の働きを阻害することで、性的な興奮や刺激を受けることで陰茎に血流が集まりやすい状態を作り出します。

つまりED治療薬はカフェインと同じように、血管拡張作用によって勃起を促す仕組みとなっています。

もちろん服用したら勃起がおさまらないといった心配もなく、射精後は性的刺激がない限り普段と変わらずもとに戻ります。

ED治療薬の種類

ED治療薬といっても種類がいくつかあるので、特徴からお好みによって使い分けることが可能です。

以下の内容をぜひ参考にしてみてください。

メジャーな薬を使いたい方はバイアグラ

バイアグラは1番最初に開発されたED治療薬です。

もっとも知名度が高く、多くの人に愛され続けています。

名称 価格 特徴
バイアグラ 25㎎ 1,300円/1錠
50㎎ 1,600円/1錠
勃起力は強く、副作用がでやすい。
効果の持続時間は3時間~5時間。
バイアグラジェネリック
25mg 270円/1錠

※お問い合わせください


50mg 700円/1錠
100mg 1,000円/1錠

急なチャンス!が多い方はレビトラ

即効性の高いレビトラは、性行為直前の服用でも高い効果を発揮します。

予定外の性行為がある場合にも使いやすいED治療薬です。

名称 価格 特徴
レビトラ
20㎎ ※お問い合わせください 服用後15~30分で効果が出始める。
勃起力が特に強い。
レビトラジェネリック
10/11mg 900円/1錠
20mg 1,200円/1錠

週末を長く楽しみたい方はシアリス

効果の持続時間が長いシアリスは、「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。

金曜日の夕食前に服用すれば、日曜の朝まで楽しめます。

名称 価格 特徴
シアリス
シアリスジェネリック
10㎎ 1,500円/1錠
20㎎ 1,600円/1錠
効果が最長36時間の持続時間。
作用はゆるやかで副作用は少なめ。
シアリスジェネリック
シアリスジェネリック
10/11㎎ 700円/1錠
20㎎ 1,200円/1錠

当院では、先発薬と同じ成分でコストが抑えられるジェネリック薬を推奨しています。

さらに通院しなくてもオンライン処方による郵送も承っていますので、お忙しい方、通院が難しい方などもお気軽にご相談ください。

まとめ

カフェインと勃起力の関連性について解説してきましたが、カフェインはED予防には有効であると言えます。

日常的に摂取しやすいため、量に注意してカフェインを適切に摂取しましょう。

ただすでにEDに悩まれている方は、カフェインだけで症状を改善するのは難しいです。

必要に応じてED治療薬を用いつつ、悪化させないためには生活習慣なども同時にに見直していきましょう。

よくある質問

カフェインでEDは治りますか?
カフェインでEDが治ることはありません。
あくまでも健康増進の一環として、血管の健康維持によってED予防につながるにとどまります。
EDの改善を目指すのであれば、悪化させないためにもED治療薬の服用をお勧めします。
毎日カフェインを摂取するのは身体に悪いですか?
健康な成人の場合、推奨量の範囲であれば毎日カフェインを摂取しても問題ありません。
ただし飲料の種類によって濃度も異なり、摂取量を超えてしまうと好ましくない症状が現れるので注意してください。
またあくまでも食品の一成分になるため、すぐに変化を感じられるものではないことは覚えておきましょう。
妊活中の男性はカフェインを摂っても問題ないでしょうか?
カフェインが精子に影響するという報告は少ないものの、研究結果の中には妊娠率の低下を示すデータもあります。
パートナーの意見も考慮した上でカフェイン摂取は判断するようにしてください。