この記事では、以下の内容についてまとめています。
お腹だけ太る原因は、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類の体脂肪の蓄積が関係しています。
これらの脂肪がどのように影響するのか理解することで、お腹を凹ませるための具体的なアプローチがわかります。
過剰に脂肪が蓄えられてしまうと健康リスクも高まるので、ここでの内容を健康的な体づくりに役立ててみてください。
お腹周りにつく脂肪の種類
お腹周りにつく脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があります。
どちらも同じ体脂肪ですが、特徴や健康へのリスクが異なります。
それぞれの脂肪について、ここから詳しく解説していきます。
内臓脂肪
内臓脂肪は、内臓の周りに蓄積する脂肪で、主に腹腔内にある胃や腸、肝臓、すい臓などの臓器を取り囲むようにして蓄えられていきます。
そのため、内臓脂肪型肥満の方は、リンゴのように丸く張ったお腹が特徴です。
この脂肪は身体のエネルギー源として使われる役割があるため、脂肪がつきやすく落としやすいものです。
しかし、過剰に蓄積されてしまうと代謝異常を起こし、以下のような健康リスクを高めます。
- 糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病
- 心臓や血管の病気
ウエストや検査数値が基準値から外れてしまうと、メタボリックシンドロームなどの健康リスクがさらに高まるので注意が必要です。
男性は内臓脂肪症候群の割合が高い
男性は女性に比べて内臓脂肪が蓄積しやすく、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の割合が高いことで知られています。
40〜74歳までの男性の約2人に1人は、内臓脂肪症候群が強く疑われる、または予備軍です。
内臓脂肪症候群が強く疑われる・予備軍の割合】
- 男性:2人に1人
- 女性:5人に1人
このデータから、男性の方が約2倍も内臓脂肪症候群の割合が高いということです。
特に男性は20~30代から内臓脂肪が増え始め、40代以降になると男性ホルモンの低下などの影響からさらに蓄積しやすくなります。
皮下脂肪
皮下脂肪は体脂肪の一種で、皮膚と筋肉の間に蓄積する脂肪を指します。
皮膚の近いところに蓄えられる脂肪で、お腹やお尻、太ももなどの下半身に多く蓄積されやすいです。
また、皮下脂肪はやわらかいため、脂肪がつかめるという特徴もあります。
皮下脂肪は長い時間をかけて蓄積されていき、体型が洋ナシ型になることが多いです。
外からの衝撃から守るクッションの役割や、体温を維持する働きがあり、女性ホルモンの影響から女性に多くみられる傾向にあります。
健康リスクについては内臓脂肪に比べ低いものの、過剰な蓄積は膝や腰を痛めてしまうことも。
また、首周りでの蓄積が睡眠時無呼吸症候群を引き起こす場合もあります。
お腹太りの目安は?
ウエスト(おへその高さ)が、男性であれば85センチ以上、女性は90センチ以上である場合、内臓脂肪型肥満の可能性が高いです。
またウエストに加えて、以下の脂質・血圧・血糖の2つ以上が基準値を外れていると、内臓脂肪型症候群(メタボリックシンドローム)と診断されます。
項目 | 数値 |
---|---|
血中脂質 | 中性脂肪が150mg/dL以上、 またはHDLコレステロールが40mg/dL未満 |
血圧 | 収縮期血圧が130mmHg以上、 または拡張期血圧が85mmHg以上 |
血糖値 | 空腹時血糖値が110mg/dL以上 |
内臓脂肪は、体重増加や体型が変化するだけにとどまりません。
代謝異常により糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を引き起こし、動脈硬化を進行させてしまいます。
これにより心筋梗塞や虚血性心疾患、脳血管障害など、心臓や血管にも障害をきたすこともあるので注意が必要です。
お腹だけ太る原因
お腹だけ太る具体的な原因として考えられているのが、以下のようなことです。
お腹だけが太る原因は、食べ過ぎを真っ先に思い浮かべるかもしれませんがそれだけではありません。
生活習慣や体の変化、ホルモン、心理的なストレスなど多岐にわたり、お互いが影響し合うことでお腹が出てくるようになります。
暴飲暴食が多い
暴飲暴食が続いてしまうと、摂取カロリーが消費カロリーを上回った状態が続いてしまいます。
これにより、エネルギーとして消費しきれず余ったカロリーは脂肪となって蓄積されてしまいます。
また、暴飲暴食は消化器官への負担となり消化が滞ってしまうことも。
消化が滞ると代謝の効率が悪くなるため、身体が消費できるカロリーも減ってしまいます。
高カロリー・高糖質・塩分過多な食事や、甘い飲み物、アルコール類は、たまになら問題ありません。
しかし、こうした食事が中心になってしまうと、お腹が出る原因になってしまうので、意識的にコントロールしなければなりません。
女性ホルモンの分泌が減少している
女性ホルモンの分泌量は20代後半にピークを迎え、更年期に差し掛かる50歳前後でガクッと落ち込みます。
この影響から脂肪の蓄積を防ぐ働きのあるエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ってしまい、体質的に脂肪がつきやすくなります。
また妊娠・出産も似たようにホルモンバランスが急激に変化するため、産後太りなどを招きます。
女性は更年期あたりからは皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪も蓄積しやすくなる傾向にあります。
ホルモンバランスが減少する50歳前後は、体型の曲がり角なので特に注意が必要です。
筋肉量が減少している
筋肉量が減少してしまうと、以下のようなことが起こります。
- 内臓の位置が下がる
- 基礎代謝の低下
- 身体のシルエットが崩れる
筋肉量の減少に伴って内臓が下がってくることでお腹が出たり、身体にたるみが生じやすくなります。
また、代謝量の減少が身体を省エネモードに切り替えてしまい、結果として太りやすくなることも。
脂肪が気にしがちになりますが、筋肉量も見た目に大きく影響を与えてしまいます。
反り腰など姿勢が悪い
姿勢の悪さも、お腹が出ているように見えてしまう原因になります。
筋肉のバランスが崩れてしまい、特定の部位に負担がかかりやすくなるためです。
たとえば、反り腰であれば、腹部の筋肉が緊張して腹筋が弱まるため、お腹まわりの脂肪が目立ってしまいます。
反対に、猫背は胸郭(胸部)が狭くなり、内臓が圧迫されてしまうことで腹部が突出しているように見えてしまいます。
反り腰などの姿勢の悪さは、直接的に体脂肪の蓄積の原因にはなりません
しかし、お腹が出ているのを悪目立ちさせるなど、見た目に関わる原因になるので注意が必要です。
日常的にストレスが溜まっている
日頃からストレスが溜まっていると、体は対処するために脂肪をため込みやすくなります。
これは、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの過剰な分泌が原因です。
- 基礎代謝の低下
- 脂肪をため込みやすくなる
ストレスによってコルチゾールが増えすぎると、成長ホルモンの働きを邪魔し、基礎代謝が低下して脂肪が燃えにくくなります。
また、過剰に分泌されたコルチゾールは血糖値の上昇を招き、インスリンの分泌を増加させます。
これにより、体内に余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
ストレスは万病の元と言われるように、肥満も例外ではありません。
いわゆるストレス太りの状態に陥り、ストレスのはけ口が食に向いてしまうと、さらにお腹太りを助長する悪循環となってしまいます。
睡眠不足が続いている
睡眠不足は、「レプチン」と「グレリン」の2種類のホルモンバランスを崩します。
- レプチン:食欲を抑えるホルモン
- グレリン:食欲を増進させるホルモン
体が十分な休息を取れないことで、レプチンが減ってグレリンが増加するので、普段よりも空腹感を感じやすくなります。
夜遅くにお腹が空いてしまったり、間食が増えるなどカロリーオーバーが続くことでお腹まわりに脂肪が蓄積されてしまいます。
また睡眠不足が続くと代謝が落ちてしまいエネルギー消費の効率も悪くなります。
結果として、体重が増加しやすくなり、お腹太りを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
病気によるもの
お腹周りが急に太る場合、病気が原因である可能性も考えられます。
クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった内分泌系の病気は、体脂肪の分布に影響を与えます。
もし、太る原因に思い当たる節がなく、お腹周りの急激な太り方が気になる場合は、医療機関で医師の診察を受けることをおすすめします。
クッシング症候群
副腎皮質ホルモンの過剰分泌が原因で、体重増加や高血圧、糖尿病などの症状を引き起こします。
特にお腹周りや顔、首に脂肪が集中することが多いです。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの不足により代謝が低下し、体重増加や疲労感、寒がりなどの症状が現れます。
内臓脂肪の蓄積を引き起こしやすく、お腹が出てしまう原因になります。
子宮筋腫や子宮内膜症
女性の場合、子宮の病気もお腹まわりに影響を与えることがあります。
腹部の膨満感や下腹部の張りがみられるため、お腹が出ているように見えることがあります。
お腹太りの解消法
以下の対策でお腹太りを解消していきましょう。
- 有酸素運動
- 食生活の改善
有酸素運動はランニング、ウォーキング、サイクリング、スイミングなどを週に3〜5回、1回あたり30分以上行うことが推奨されます。
強度は中程度(軽く汗ばむ程度)を維持し、継続することで基礎代謝が向上し痩せやすい体質へと変化します。
また、栄養バランスの取れた食事を心がけ、過剰なカロリー摂取を避けることが重要です。
高タンパク質、低炭水化物、低脂肪の食事を意識し、野菜や果物を中心に摂取しましょう。
内臓脂肪は食事や運動の結果が伴いやすいですが、皮下脂肪は落ちるまでに時間がかかります。
短期的に一気に痩せようとするとリバウンドのリスクもあることから、長い目でみて計画的に取り組むのがおすすめです。
フィットクリニックのメディカルダイエット
一般的なダイエットは食事と運動が基本ですが、食事制限がストレスに感じたり、運動に身体がついていかず挫折してしまうことも珍しくありません。
ダイエットが難しい場合は、フィットクリニックのメディカルダイエットもご検討ください。
メディカルダイエットは医師のサポートのもとで行うダイエット法で、太る原因や生活習慣に合わせて適切なダイエット薬を用いてお腹まわりの脂肪を落としていきます。
無理なく続けられることが自己管理によるダイエットとは大きく異なり、あれこれと生活に制限を設ける必要はありません。
そのため、運動なし・食事制限なしでもダイエット効果が期待でき、お腹まわりの脂肪も着実にサイズダウンしていきます。
自己流ではお腹の脂肪を落としきれなかった方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
まとめ:お腹だけ太る原因を知り対策しよう
この記事のまとめは以下になります。
- 体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪の2種類がある
- 内臓脂肪は健康リスクが高い
- 内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)は心血管系疾患の予備軍
- 皮下脂肪は女性に多く見られ、落とすには時間がかかる
- お腹太りは食生活だけでなく、ホルモンや筋肉量、ストレス、姿勢なども影響する
- 急激にお腹が出ると病気の疑いもある
- お腹太り解消は食事と運動が基本
お腹が出てくると、かがむ、足の爪を切る、靴下を履くといった、今まで当たり前に出来たことが蓄積された脂肪により難しくもなります。
QOLの低下や過剰な脂肪の蓄積により健康リスクも高まるので、メディカルダイエットでサイズダウンを目指すことも選択肢のひとつです。
フィットクリニックでもダイエット薬を各種取り揃えておりますので、ぜひご相談ください。
よくある質問
特にお腹まわりだけが出始め、張っているようであれば、内臓脂肪型肥満の可能性が高いです。
食べ過ぎや過剰なアルコール摂取、加齢による筋肉量の低下などの影響から内臓脂肪が増えてしまいます。
クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった内分泌系疾患や、女性特有の病気としては子宮筋腫や子宮内膜症などがあげられます。