メディカルダイエット

隠れ肥満とは?普通体型に隠れる高体脂肪のリスク!肥満解消の方法もご紹介

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
隠れ肥満とは?普通体型に隠れる高体脂肪のリスク!肥満解消の方法もご紹介 メディカルダイエット

「隠れ肥満ってなに?」

「隠れ肥満の原因ってなに?」

「隠れ肥満の場合どう改善したらいい?」

こうした疑問に答えるために、本記事では隠れ肥満の基本情報として、定義や原因、健康への影響、具体的な解消方法について詳しく解説していきます。

隠れ肥満は外見からは判断しづらく、気づかないうちに健康リスクが高まっていることもあります。

ページ後半では、隠れ肥満の対処法や減量方法の一つとしてメディカルダイエットについても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

隠れ肥満とは

隠れ肥満とは、見た目は太っていないものの、体内に多くの内臓脂肪を蓄積している状態を指します。

お腹が出るといった見た目の変化を伴わず、BMI(ボディマス指数)だけでの判断が難しいため自他ともに肥満であることを自覚しにくいのが特徴です。

体脂肪率が高くても体重自体は正常範囲に収まっていることもあり、隠れ肥満は健康診断などで発覚することも珍しくありません。

また、隠れ肥満は「サルコペニア肥満」とも呼ばれ、筋肉の減少と内臓脂肪の増加が進行していることを意味します。

内臓脂肪が多い場合、糖尿尿や高血圧といった生活習慣病や心疾患などのリスクが高まるため、水面下で健康に大きな影響を及ぼすことがあります。

隠れ肥満の原因

隠れ肥満の原因は、主に食生活の偏りや運動不足といった生活習慣にあります。

現代社会では、手軽に高カロリーな食事を摂取できる環境が整っている一方で、仕事や家事などで忙しく、運動する時間を確保するのが難しい人も多いです。

またストレスや睡眠不足、さらに遺伝的要因や年齢による代謝の低下など、様々な原因が隠れ肥満を引き起こします。

筋肉量が減り、内臓脂肪が増えやすい体質になることで隠れ肥満のリスクが高まります。

ここからは、隠れ肥満の具体的な原因として、偏った食生活と運動不足について詳しく解説していきます。

偏った食生活

偏った食生活は内臓脂肪の蓄積を増やすことから、隠れ肥満の主要な原因の1つです。

偏った食生活の例は以下の通りです。

糖質や脂質が多く含まれる食事の過剰摂取 ファストフードやスナック菓子、甘い飲み物などはカロリーが高く、栄養価は低いため、内臓脂肪の増加を促進します。
食物繊維やタンパク質の不足 食物繊維やタンパク質を十分に摂取しないことも、満腹感を得にくくし、結果として過食を招きやすくなります。
不規則な食事時間や食事を抜くこと 不規則な食事時間や食事を抜くことも、体内のエネルギーバランスを崩し内臓脂肪の蓄積を引き起こします。
極端なダイエットや偏った食事法 短期間で体重を減らす極端なカロリー制限や特定の食品のみを摂取するダイエットは、筋肉量を減少させる一方で、内臓脂肪の蓄積を促進する可能性があります。

このような偏った食生活が隠れ肥満の原因となります。

運動不足

運動不足は筋肉量や筋力の低下を引き起こし、隠れ肥満になりやすくなります。

筋肉量の減少 運動量が少ないと筋肉量が減少します。
筋肉は基礎代謝を支える重要な役割を果たしているため、筋肉量が減れば基礎代謝も低下します。
基礎代謝の低下 基礎代謝が低下すると、体がエネルギーを消費する効率が悪くなります。
その結果、脂肪が燃やされにくくなり、内臓脂肪が蓄積しやすくなります。

このように運動不足による筋肉量の減少は基礎代謝の低下をさせ、太りやすい体質に変わってしまうことで隠れ肥満のリスクを高めるのです。

隠れ肥満が体に及ぼす影響

隠れ肥満は見た目は太っていないものの、内臓脂肪が蓄積されている状態です。

健康そうに見えるため、気づかれにくいことがありますが、内臓脂肪が過剰に蓄積されてしまうとさまざまな健康リスクを引き起こすことがわかっています。

隠れ肥満が体に及ぼす影響はさまざまあり、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 基礎代謝が減少する
  • 免疫力が低下する
  • ホルモン量の低下の可能性
  • 病気の罹患のリスク

以下で、これらの影響について詳しく解説します。

基礎代謝が減少する

隠れ肥満は基礎代謝が低くなる原因となり、病気にかかるリスクが高まります。

隠れ肥満の方は筋肉量が少ないため、それに伴い基礎代謝も低くなります

基礎代謝は生命維持に必要な最低限のエネルギー消費を指し、筋肉が多いほどこの消費量が多いです。

基礎代謝が低いと、消費されるエネルギーが少なくなります。

その結果、食事から摂取したカロリーを効率よく消費できず、体内に脂肪として蓄積されやすくなります。

これにより内臓脂肪はさらに増加する悪循環を引き起こし、さまざまな健康リスクを高めてしまいます。

免疫力が低下する

隠れ肥満は筋肉量が少ないため、それに伴い免疫力が低下します。

筋肉には免疫をつかさどるリンパ球などが多く蓄えられており、筋肉量が多いほど免疫機能も高くなります。

しかし、筋肉量が少ない隠れ肥満の人は免疫力が低いため、感染症や病気にかかりやすくなる傾向にあります。

免疫力が低いと、身体が病原体に対して効果的に対抗できなくなるのです。

風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなり、病気の重症化や回復の遅れが見られます。

ホルモン量の低下の可能性

隠れ肥満は、筋肉量が減り、それに従ってホルモン量も低下することで引き起こる可能性があります。

主に骨格筋(運動によって増やせる筋肉)は、以下のような働きに関わるさまざまなホルモンを生成します。

  • 筋肉や骨の形成や再生
  • 抗炎症作用
  • 糖質や脂質の代謝
  • 心筋細胞や血管内皮細胞の保護 など

筋肉量が減少すると、これらのホルモン生成も減少し、代謝の低下やエネルギー消費の減少が引き起こされます。

そのため、体重の増加や肥満のリスクが高まり、筋肉や骨の強度低下、免疫機能の低下など、さまざまな全身の健康に問題を引き起こす可能性があります。

病気の罹患のリスク

隠れ肥満は、内臓脂肪の蓄積によって病気にかかるリスクを高めます。

見た目以上に内臓脂肪が多く蓄積しているため、内臓脂肪が引き起こす健康問題がみられる可能性があります。

内臓脂肪の蓄積に関連する代表的な病気は以下のとおりです。

  • 2型糖尿病
  • 内臓脂肪がインスリン抵抗性を高め、血糖値のコントロールが難しくなります。

  • 高血圧
  • 内臓脂肪が増えることで血管の弾力性が失われ、血圧が上昇しやすくなります。

  • 脂質異常症
  • 血中の脂質バランスが崩れ、動脈硬化のリスクが高まります。

  • 心血管疾患
  • 高血圧や脂質異常症が原因で、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが増加します。

  • がん
  • 内臓脂肪は大腸や食道、胃、肝臓など、特定のがんのリスクが増加します。

  • 肝疾患
  • 内臓脂肪が肝臓に蓄積し、脂肪肝や肝硬変のリスクを高めます。

このように、隠れ肥満は内臓脂肪の蓄積によってさまざまな病気の罹患リスクを高めてしまいます。

隠れ肥満への対処法

隠れ肥満は、体重が正常範囲であっても内臓脂肪が蓄積されているので、自覚しにくい上にさまざまな健康リスクが潜んでいます。

内臓脂肪が蓄積されている状態を改善するには、「食事」と「運動」を基本に実践していくことがポイントです。

以下では、バランスの良い食事方法や筋肉に負荷をかけるトレーニングの2つの対処法について詳しく解説します。

バランスのよい食事

隠れ肥満の対処法は、バランスのよい食事を心がけることです。

1日1食にしたり、炭水化物を抜いたりする極端なダイエットは、内臓脂肪がつきやすくなる可能性があります。

そのため、以下のポイントを意識してバランスのよい食事をとるようにしてください。

適切な糖質の摂取:主食としてパンやご飯は食べるようにする

質の良いタンパク質を摂る:お肉や魚、大豆製品などを摂取する

豊富な野菜と果物:ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜と果物をバランスよく取り入れる。

良質な脂質を適度に摂取:オリーブオイルやアボカドなどの良質な脂質を選ぶ

食事の回数とタイミングを調整:1日3回の食事が基本

十分な水分補給:十分な水分補給を心がけ、甘い飲み物やアルコールを控える。

糖質や脂質といった炭水化物は太る原因と見なされがちです。

しかし、炭水化物は身体のエネルギー源になるだけでなく、食物繊維も含まれているので腸内環境を整えたり、血糖値やコレステロール値などの上昇を防いだりする役割があります。

健康のためにも、なにかを食べないではなく、バランスよく・どれだけの量を食べるかをコントロールしてみてください。

筋肉に負荷をかけるトレーニング

隠れ肥満を解消するためには、筋肉量の低下を防ぐために、筋肉に一定の負荷がかかるレジスタンス運動が推奨されます。

特に、インナーマッスルを鍛えるのが効果的なので、以下の方法でトレーニングを行っていきましょう。

レジスタンス運動の例
  • スクワット:自重を使った運動で、下半身を鍛える
  • 腕立て伏せ(プッシュアップ):自重を使い、上半身の筋肉を強化
  • ダンベル体操:ダンベルを使い、特定の筋肉に抵抗をかける
  • プランク:腹筋や体幹を強化する
  • レッグレイズ:仰向けに寝て脚を垂直に上げ下げすることで腹筋を強化
頻度
  • 週に数回、10分程度からはじめ、徐々に運動量を増やす
  • 1回のトレーニングで10-15回の動作を1〜3セットを無理のない範囲で繰り返す

筋肉をつけるには、疲労の回復時間が必要です。

レジスタンス運動は特定の筋肉に対して集中的に負荷をかけるため、トレーニング間隔をあける必要があります。

そのため、 2〜3日に1回ほどを目安に、週に2〜3回の頻度で行うことが推奨されます。

これらのトレーニングだけでなく、食事療法と組み合わせることで、隠れ肥満をより効果的に解消することが期待できます。

【運動・食事制限なし】楽に痩せるならメディカルダイエットの検討も

隠れ肥満は外見上からは太っているように見えないため、痩せるためにダイエットしようというモチベーションにつながりづらいです。

しかし、筋力量の低下や内臓脂肪の蓄積が続くと、健康に影響を及ぼす可能性があります。

もし楽に痩せる方法を検討するのであれば、医師のサポートを受けながら取り組めるメディカルダイエットを推奨します。

メディカルダイエットは、運動や食事制限といった自己管理が苦手な人にとって非常に有効な選択肢です。

医師が処方するダイエット薬を使用し、慣れない食事制限や運動をせずに、健康的かつ効率的に体重を減らして内臓脂肪の減少も期待できます。

無理なく続けるだけで隠れ肥満を解消できるので、メディカルダイエットを体型管理の選択肢の1つとしてぜひ検討してみてください。

隠れ肥満に関するまとめ

これまでの隠れ肥満について、要点を以下にまとめます。

  • 筋肉量や筋力が低下し、内臓脂肪が過剰に蓄積されている状態
  • 内臓脂肪の過剰な蓄積は健康障害のリスクがある
  • バランスのよい食事とレジスタンス運動で改善するのが基本
  • 自己管理が難しい場合はメディカルダイエットを選択肢の1つ

隠れ肥満はぽっこり出たお腹など、わかりやすい体型変化が表面化していないため、知らずに健康リスクを高めてしまうこともあります。

ダイエットによる自己管理は難しい、慣れないという場合には、メディカルダイエットも検討してみてください。

隠れ肥満に関するよくある質問

隠れ肥満とはどういう意味ですか?
隠れ肥満とは、見た目は太っていなくても、体脂肪が増えている状態を指します。
最近では若い女性の隠れ肥満が深刻化しているともいわれています。
隠れ肥満の原因は何ですか?
隠れ肥満の原因には、運動不足や不規則な食生活が挙げられます。
特に、筋肉量が少ないため基礎代謝が低く、摂取したカロリーがうまく消費されずに内臓脂肪として蓄積されやすい状態です。
隠れ肥満をどうやってチェックできますか?
隠れ肥満をチェックするためには、体脂肪率を測定するのが一般的です。
体重は正常範囲なことも珍しくはないので、体脂肪計を使って体脂肪率を確認することで隠れ肥満かどうかを判断できます。
隠れ肥満が健康に与える影響は何ですか?
隠れ肥満は見た目は太っていないため気づきにくいですが、内臓脂肪が増えることで糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクが高まります。
隠れ肥満を解消するためにはどうすれば良いですか?
隠れ肥満を解消するためには、バランスの取れた食事と適度な運動が重要です。
筋肉量を増やし、お腹にたまった内臓脂肪を燃焼させるには、レジスタンス運動を週2〜3回取り入れるのが効果的です。