カフェインで勃起改善できるのは本当か - カフェインとEDの関係

更新日:2026/10/29
カフェインで勃起改善できるのは本当か - カフェインとEDの関係

コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインには、中枢神経に働きかける覚醒作用があり、血管の拡張や収縮にも影響することがあります。

こうした作用から、カフェインと勃起機能の関係について研究が行われ、カフェインの摂取量とEDの有病率の低さに関連がみられたと報告されています。

しかし、関連が確認されなかった研究もあり、カフェインを摂取することで勃起力が改善するという医学的根拠は確立されていません。

このページでは、カフェインが勃起に与える影響や研究結果、摂取量の目安、カフェインを含む飲み物、摂取する際の注意点について解説します。

なお、EDの治し方について詳しくは以下のページで解説しています。 EDの治し方について

このページの要点

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カフェインとEDの関係|研究結果・摂取量・注意点

カフェインとEDの関係とは

カフェインとEDの関係とは、コーヒーなどに含まれるカフェインの興奮・覚醒作用や血管、神経への作用が、勃起に良い影響を与える可能性があると考えられていることを指します。米国男性を対象とした観察研究では、1日170〜375mgのカフェインを摂取していた人でEDの可能性が減少したと報告されています。ただし因果関係は明らかになっておらず、EDの予防・改善効果は確立されていません。

カフェインと勃起に関する要点

血管拡張作用と陰茎への血流
カフェインは末梢血管を拡張することがありますが、勃起力の改善効果は確立されていません。
覚醒作用と勃起機能の関係
アデノシンの働きを抑えて神経を刺激しますが、勃起機能に直接作用するものではありません。
米国の観察研究で示されたED減少の傾向
1日170〜375mgのカフェインを摂取していた人でEDの可能性が減少したと報告されていますが、因果関係は不明です。
カフェイン摂取量の安全な目安
EFSAは健康な成人で習慣的に1日400mg以下、1回200mg以下なら安全性上の懸念なしとしています。
過剰摂取による中毒症状と身体への影響
摂りすぎは中毒症状や亜鉛などの吸収への影響、空腹時の胃の不調を招く可能性があります。
カフェインのみでのED改善の限界
すでにEDで悩む場合、カフェインのみでの改善は難しく、原因に合わせた治療が必要です。

カフェインとEDに関するよくある疑問

カフェインとEDの関連を調べた研究では、1日どのくらいのカフェイン量でEDが少なかったのですか?
米国男性を対象とした観察研究では、1日2〜3杯のコーヒー(1日170〜375mgのカフェイン)を摂取していた人でEDの可能性が減少したと報告されています。ただしこの調査では因果関係までは明らかになっておらず、この量はED予防の推奨量ではありません。
糖尿病があってもカフェインでEDのリスクは下がりますか?
米国男性の観察研究では、EDの可能性が減少した結果は、ハイリスク群である肥満や高血圧の人で顕著でした。一方、糖尿病の方では同じような効果は確認されていません。糖尿病とEDが気になる場合は、医師にご相談ください。
玉露にはコーヒーよりカフェインが多く含まれていますか?
玉露にはコーヒーの約2.5倍のカフェインが含まれ、100mlあたり160mgです。ただし市販の「玉露入り」と表記された飲料は、茶葉から淹れたものよりカフェイン量が減ります。パッケージの成分表をもとに計算してください。
カフェインで目が覚めるのはどんな仕組みですか?
カフェインは神経を落ち着かせるアデノシンと構造が似ており、その働きを抑えることで中枢神経を刺激し、交感神経の働きを高めることがあります。ただし、これは勃起機能に直接作用するものではありません。摂りすぎると動悸や不安、緊張で交感神経が過度に優位になり、かえって勃起しにくくなる可能性もあります。
カフェインがストレスを和らげるという研究は人にも当てはまりますか?
米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究では、カフェインが慢性ストレスによる気分や記憶への影響を抑える可能性が報告されています。ただしこれはマウスを対象とした動物実験で、人でも同様の効果が得られるとは限りません。
カフェインで神経や消化器官が刺激されすぎると、どんな症状が出ますか?
神経や消化器官がカフェインで必要以上に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、さらには下痢、吐き気、嘔吐を起こす場合があります。1日に何本ものエナジードリンクや大量のお茶・コーヒーを飲む生活は控えるのが望ましいとされています。

カフェインが勃起機能に与える影響

カフェインには、血管や神経の働きに影響する作用があり、勃起機能との関係が研究されています。
カフェインの主な作用は以下の3つです。

いずれも勃起までのプロセスに関連してくる作用となっています。
ここからそれぞれの作用について、もう少し詳しく見てみましょう。

血管や血流への作用

カフェインは血管に作用し、血管の拡張や収縮に影響することがあります。
特にカフェインの含まれるコーヒーは継続的な飲用により、血管をしなやかにする働きがあると報告されています。

一方、加齢や生活習慣などによって動脈硬化が進むと血流が悪くなり、ED(勃起不全)の原因となることがあります。
また、カフェインは脳の血管を収縮させたり、血圧を一時的に上昇させたりすることもあり、血管への作用は一様ではありません。

そのため、カフェインが陰茎への血流に良い影響を与える可能性はあるものの、勃起力を改善する効果は確立されていません。

なお、ED(勃起不全)については、以下のページで詳しく解説しています。 ED(勃起不全)とは

脳の覚醒作用

カフェインには、眠気に関係するアデノシンの働きを抑え、覚醒状態を維持する作用があります。

アデノシンは、受容体と結合することで神経活動を抑制し、眠気を促す物質です(図1)。カフェインはアデノシンと構造が似ており、アデノシン受容体に結合してその働きを妨げることで、中枢神経を刺激します(図2)。

アデノシンとアデノシン受容体の結合

図1 アデノシンがアデノシン受容体と結合することで神経が落ち着き、眠気を感じる

カフェインとアデノシン受容体の結合

図2 カフェインがアデノシン受容体と結合することでアデノシンの結合を阻害し、神経が興奮・覚醒する

正常な勃起をする過程において、性的な興奮・刺激を陰茎に伝える神経の働きはとても重要です。

ただし、これは勃起機能に直接作用するものではありません。
カフェインを摂りすぎると、動悸や不安、緊張によって交感神経が過度に優位になり、かえって勃起しにくくなる可能性もあります。

疲労やストレスの緩和作用

カフェイン摂取によって気分や意欲の低下を防ぐことで、性行為に臨みやすいメンタルを整えてくれます。

ストレスや疲労といった精神的・肉体的な負荷がかかった状態では、頭が別のことに取られてしまい勃起に影響を及ぼすことがあります。
米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された動物実験では、カフェインが慢性ストレスによる気分や記憶への影響を抑える可能性が報告されています。
この研究はマウスを対象としたものであり、人でも同様の効果が得られるとは限りませんが、カフェインとストレス反応の関係を示す研究のひとつです。

カフェインとEDの関係

カフェインとEDの関係については、複数の研究が行われています。

2015年に発表された米国男性を対象とする観察研究では、カフェイン摂取量とEDの割合の低さに関連があることが報告されました。

カフェイン摂取とEDの関連性の
調査結果(2015年)
対象
米国の成人男性3,724人
比較内容
カフェイン摂取量が1日171~303mg(コーヒー2~3杯相当)の男性と、1日0~7mgの男性を比較。
結果

EDに該当するオッズが39%低かった(OR=0.61)。

※肥満や高血圧の男性では同様の関連がみられた一方、糖尿病の男性では確認されませんでした。

一方、2024年に発表された約5万人を対象とする、4つのコホート研究のメタアナリシスでは、コーヒーの摂取量とEDのリスクに統計的に有意な関連は認められませんでした。

コーヒーの摂取量とEDリスクの
関連性の研究結果(2024年)
対象
成人男性51,665人を含む4つのコホート研究
解析結果
コーヒー摂取とEDリスクの相対リスク:0.94
(95%信頼区間:0.86~1.03)
結果

統計的に有意な関連は認められなかった。

このように研究結果は一致しておらず、現時点では、カフェインの摂取によるEDの改善効果を裏付ける十分な医学的根拠はありません。

また、EDには血流や神経の働きだけでなく、テストステロン(男性ホルモン)の低下が関係している場合もあります。

テストステロンとEDの関係や、男性ホルモンが低下する原因については、以下のページで詳しく解説しています。 EDとテストステロン(男性ホルモン)

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カフェインの摂取量の目安

欧州食品安全機関(EFSA)では、以下のカフェイン摂取量までは安全性上の懸念がないとしています。

習慣的なカフェイン摂取量 400mg / 日以下
一回の摂取量 200mg以下

※健康な成人の目安

また最近ではカフェインを含んだ飲料も数多くあり、知らず知らずのうちに口にしていることもあるので摂りすぎには注意してください。

勃起に影響があると考えられる量はコーヒー2~3杯

カフェインを含む飲料として代表的なコーヒーの場合、約2〜3杯を飲んでいた方にEDの割合が低い傾向が報告されています。

勃起に良い影響を与えるコーヒーの摂取量

これは冒頭でも言及した実験の結果において、1日170〜375mg程度のカフェインを摂取していた男性で、EDを報告する割合が低い傾向がみられたためです。
もしコーヒーが苦手という人でも、カフェイン量を意識すれば他の飲料からでも摂取することができます。

カフェインが含まれる飲み物

カフェインが含まれる飲み物はコーヒーだけではなく、お茶やエナジードリンクにも含まれています。

それぞれ100ml中にどれくらいのカフェインが含まれているのか、飲む際の目安に使ってみてください。

カフェインが含まれる飲み物の100mlあたりのカフェイン量

※タップで拡大できます。

「カフェイン=コーヒー」のイメージが強いですが、日本では高級茶とされる玉露には意外にもコーヒーの約2.5倍のカフェインが含まれています(100mlあたり160mg)。

ただ市販される「玉露入り」という表記のものは、茶葉から淹れたものよりもカフェイン量は減るので、パッケージに書かれた成分表をもとに計算してみてください。

カフェインを摂取する際の注意点

カフェインを摂取する際の注意点として知っておきたいのが、以下の3点です。

カフェインを摂る際の注意事項
  • エナジードリンクによる糖質の摂りすぎ
    エナジードリンク類は、カフェインと同時に糖質を摂りすぎる可能性があり、肥満や生活習慣病はEDのハイリスク群とされている
  • ミネラルの吸収への影響
    コーヒーなどに含まれるカフェインは、一部のミネラルの吸収に影響する可能性がある
  • 空腹時の摂取による胃の不調
    神経や消化器官がカフェインで必要以上に刺激されてしまうと、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、さらには下痢、吐き気、嘔吐を起こす場合がある

1日に何本もエナジードリンクを飲んだり、大量のお茶やコーヒーを飲む生活は控えるのが望ましいです。

カフェインだけではEDの改善に繋がらない場合がある

最後にカフェインとEDの関係についてまとめてお伝えします。

カフェインとEDの関係についてのまとめ
  • EDとの関連を示した研究はあるが、予防・治療効果は確立していない
  • 覚醒作用や血管・神経への作用が、勃起に影響する可能性がある
  • すでにEDの症状に悩んでいる場合、カフェインだけでの改善は難しい
  • EDが続く場合は、原因に合わせた治療や生活習慣の改善が必要

EDはさまざまな原因で起こるため、症状が続く場合はカフェインだけに頼らず、原因に合わせたED治療や生活習慣の見直し、運動などを検討することが大切です。

特に、適度な有酸素運動は血管の健康維持に役立ち、マッサージはリラックス作用があるため、EDの改善につながる可能性があります。

それぞれの方法については、以下のページで詳しく解説しています。 EDと運動・筋トレ EDとマッサージ

EDの症状に合った治し方は以下のページで解説しています。当ページと合わせてぜひご覧ください。

カフェインとEDの関係に関するよくある質問

  • Q
    カフェインでEDは治りますか?
    A
    カフェインによるEDの治療効果は確立されていません。
    カフェイン摂取とEDの関連を示す研究はありますが、研究結果は一致しておらず、カフェインによってEDが改善するとは断定できません。
    EDの症状が続く場合は、医師に相談して原因に応じた治療を検討してください 。
  • Q
    毎日カフェインを摂取するのは身体に悪いですか?
    A
    健康な成人の場合、摂取量の目安の範囲であれば毎日カフェインを摂取しても問題ありません。
    ただし飲料の種類によって濃度も異なり、摂取量を超えてしまうと好ましくない症状が現れるので注意してください。
  • Q
    妊活中の男性はカフェインを摂っても問題ないでしょうか?
    A
    通常のカフェイン摂取が男性の生殖機能や精子の状態に与える影響については、研究結果が一致していません。
    現時点では、カフェインの摂取によって男性の生殖機能が低下すると断定できませんが、過剰摂取は避けましょう。
    摂取量に不安がある場合は、パートナーとも相談した上で、必要に応じて医師へご相談ください。
  • Q
    セックス前にコーヒーを飲むと勃起しやすくなる?
    A
    カフェインによって勃起しやすくなるとは限りません。
    コーヒーには眠気や疲労感を一時的に和らげる作用がありますが、性欲や陰茎への血流を高める効果は確立されていません。飲みすぎると動悸や不安、緊張が強まり、かえって性行為に影響する場合があります。
  • Q
    エナジードリンクで勃起力は上がる?
    A
    エナジードリンクによる勃起力の改善効果は確認されていません。
    カフェインの覚醒作用で元気になったように感じることはありますが、EDを改善するものではありません。製品によってはカフェインや糖質が多いため、過剰摂取を避け、含有量を確認して飲みましょう。
  • Q
    玉露とお茶、コーヒーでカフェイン含有量に違いはありますか?
    A
    飲料によってカフェイン含有量は異なります。茶葉から淹れた玉露は100mlあたり160mgで、コーヒーの約2.5倍とされています。市販の『玉露入り』飲料は含有量が異なるため、パッケージの成分表示を確認してください。
  • Q
    研究で示されたEDリスク減少に関わるカフェインの摂取量はどの程度ですか?
    A
    2015年の米国の観察研究では、1日170〜375mgのカフェインを摂取していた男性は、摂取量が最も少ない男性と比べて、EDに該当するオッズが39%低いと報告されました。
    ただし、2024年のメタアナリシスでは、コーヒーの摂取量とEDリスクに統計的に有意な関連は認められませんでした。
    これらはED改善に効果的なカフェイン摂取量を示すものではありません。
  • Q
    糖尿病がある場合、カフェインとEDには関係がありますか?
    A
    米国の調査では、肥満や高血圧の方にはEDリスク減少の傾向がみられたものの、糖尿病の方に対しては同様の関連性が確認されませんでした。
  • Q
    カフェインが神経を覚醒させる仕組みはどのようなものですか?
    A
    カフェインは、眠気に関係する「アデノシン」の働きを抑えることで中枢神経を刺激し、覚醒を促します。
    ただし、カフェインの覚醒作用が直接勃起を促すわけではありません。摂りすぎると交感神経が優位になり、不安や緊張、動悸などによって、かえって勃起しにくくなる場合があります。
  • Q
    カフェインの過剰摂取が男性機能に与えるマイナスの影響は何ですか?
    A
    カフェインの摂りすぎは動悸や不安、緊張によって性行為時の心理状態や体調に影響し、勃起しにくくなる可能性があります。ただし、カフェインの過剰摂取がEDを直接引き起こすと断定できる十分な根拠はありません。

この記事の監修

フィットクリニック院長 服部圭太
フィットクリニック院長
服部 圭太
(はっとり けいた)

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務

参考サイト