身体つきをだらしなく見せてしまう皮下脂肪は、二の腕やお腹周り、もも裏といった、普段あまり使わない部位にじわじわと溜め込まれていく蓄積型の脂肪です。
その為ダイエットでは、内臓脂肪が優先的にエネルギーとして使われてしまい、手強い皮下脂肪に苦労させられることもあります。
また、女性はホルモンなどの影響により、皮下脂肪がつきやすい傾向にあります。
このページでは皮下脂肪が溜め込まれてしまう原因や、内臓脂肪との違い、また効率的に落とす方法についても詳しく解説しています。
気になる部位の脂肪がつまめるようであれば黄色信号なので、溜め込みすぎてしまう前にダイエットをはじめていきましょう。
皮下脂肪がついてしまう原因
皮下脂肪がついてしまう原因は、生活習慣の乱れにあります。
- 摂取カロリー過多
- 運動不足(筋肉量や運動量の減少)
- 栄養バランスの乱れ
長い時間をかけてじわじわと蓄積されていき、気づいた時にはつまめるほどに余分な脂肪がついてしまいます。
一度ついた皮下脂肪は、簡単には落ちません。
最後に落ちる体脂肪となるので、つかないよう心がけることが大切です。
皮下脂肪がつきやすい食べ物や生活習慣を確認しつつ、なぜ落ちにくいのかの理由も併せて詳しく見ていきましょう。
皮下脂肪になりやすい食べ物
皮下脂肪になりやすいのは、脂質や糖質を多く含んだ食べ物です。
<油脂類> |
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バター、マーガリン、ごま油、サラダ油、オリーブオイル など |
<肉類> |
霜降りの入った脂身が多い部位(サーロインやバラ) |
<炭水化物> |
米、パン、麺類 など |
<菓子類(砂糖)> |
チョコレート、スナック菓子、アイス、ケーキ、プリン、加糖飲料 など |
こうしたものばかりを好んで口にしていると、エネルギー不足を素早く補うためにさらに欲してしまいます。
つい食べすぎてしまう原因にもなり、自ら太るサイクルを作り出してしまうので注意です。
皮下脂肪を蓄えやすい生活習慣
消費カロリーが摂取カロリーを下回ってしまう生活習慣は、皮下脂肪を蓄えやすくします。
運動不足 |
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⇨ 筋肉量が減ることで消費カロリーが減る |
食べ過ぎ |
⇨ 摂ったカロリーを消費しきれず、体に蓄積されてしまう |
偏食 |
⇨ ビタミンやミネラルが不足すると、脂質や糖質をエネルギーに換えにくくなる |
早食い |
⇨ 満腹と気づく前に食べすぎてしまいカロリーオーバーする |
年を重ねるごとに体を動かす機会は減っていく傾向にあるため、生活リズムに合わせた食生活を意識できないと皮下脂肪が蓄えられてしまいます。
また、太らないために「何を食べるか」ばかりに目が向けられがちですが、「どう食べるか」でも皮下脂肪のつきやすさは変わることは覚えておきましょう。
皮下脂肪が落ちにくい理由
皮下脂肪が落ちにくい理由は2つあります。

- エネルギーに換わるまでのスピードが遅い
- いざという時にエネルギーとして使うために貯蔵されている
体脂肪の中でも最後のエネルギーとして消費されるという特徴があり、はじめに内臓脂肪が使われ、その後に皮下脂肪が燃焼されていきます。
なので落とすまでには時間がかかり、1〜2ヶ月ほどの短期間のダイエットでは簡単に落ちてくれません。
また、外からの衝撃をやわらげるクッションとしての役割や、体温をコントロールする働きもあるので、体を守る意味でも簡単に落ちないようになっています。
皮下脂肪と内臓脂肪の違い
<皮下脂肪> |
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・皮膚と筋肉の間に蓄積する脂肪 |
・女性につきやすい傾向がある |
・ゆっくりと蓄積され、落としにくい |
・下半身を中心に、普段あまり使われない部位(二の腕、もも裏、背中など)につきやすい |
・体つきやプロポーションに影響しやすい |
・柔らかいため手でつまめる |
<内臓脂肪> |
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・胃や腸といったお腹を中心に内臓まわりに蓄積する脂肪 |
・男性につきやすい傾向がある |
・短期間で蓄積され、落としやすい |
・ぽっこりお腹が目立つ |
・病気にかかるリスクが上がる |
・お腹だけが張り出すのでつまめない |
どちらも同じ体脂肪ではあるものの、蓄積される部位や性質に違いがあります。
また、体脂肪のつきやすさには性差もありますが、内臓脂肪については閉経後の女性も蓄積されやすくなるので注意です。
皮下脂肪を効率よく落とすコツ

しつこく残る皮下脂肪を効率よく落とすためには、「基礎代謝UP」と「カロリーコントロール」を平行して行うのがコツです。
無理なダイエットは皮下脂肪が逆につきやすくなって太る原因にもなるため、次でご紹介する方法を実践してみてください。
運動は有酸素運動と筋トレをする
有酸素運動と筋トレのどちらも運動ではあるものの、それぞれ行う目的が異なります。
筋トレ → 筋トレ後に脂肪が燃えやすい状態をつくるのが目的
行う順番としては「筋トレ→有酸素運動」となり、筋トレによって体脂肪がエネルギーとして使用されやすい状態にしてから有酸素運動を行うのが効果的です。
また、効率をより求めるのであれば、朝がチャンスです。
朝起きてすぐはグリコーゲン(糖質)が枯渇している状態になるため、脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。
食生活のポイント
食生活でポイントとなるのが、次の4つです。
- カロリーコントロール
- 栄養バランス
- 食事の時間
- よく噛む
カロリーを減らす目的で「食べない」を選んでしまう人もいますが、体脂肪だけでなく筋肉まで減ってしまうので、逆に太りやすくなり、リバウンドのリスクも高まります。
食べることもダイエットになるので、痩せる食べ方を意識するよう心がけていきましょう。
食事の時間は就寝の4時間前もしくは21時までにしましょう。
夜遅い時間の食事は脂肪になりやすく太る原因となります。
脂肪になりにくい食べもの
「〇〇さえ食べていれば痩せる」という食べ物はありませんが、定期的に摂取して体の中から調子を整えていくことで、次第に皮下脂肪も落ちやすくなっていきます。
次を参考に、毎日の食事に取り入れてみてください。
トマト | 「13オキソODA」には脂肪燃焼を促す作用がある |
玉ねぎ | 「ケルセチン」には脂肪燃焼を促す作用がある |
にんにく | 「アリシン」が糖の代謝を促し、老廃物の排出を促す |
黒酢 | 「酢酸」が脂肪の合成を抑え、運動と組み合わせるとエネルギー消費量がUPする |
納豆 | 「大豆タンパク(β-コングリシニン)」が脂肪の蓄積を防ぐ |
水 | 代謝をUPさせ、デトックス効果も期待できる |
ショウガ | 「ジンゲロール」がエネルギー消費量を増やす |
唐辛子 | 「カプサイシン」が脂肪の燃焼を促し、発汗作用によって老廃物を排出させる |
身体を冷やさない水分補給
身体が冷えてしまい体温が1度下がると、1日の基礎代謝が約12〜13%低下すると言われています。
一般成人女性:約1,200kcal → 144kcal前後の低下
基礎代謝は代謝の60%を占めているので、身体を冷やしてしまうと痩せにくくなってしまいます。
そのため、普段からあたたかいもの(白湯やお茶)を飲む習慣をつけてみてください。
白湯を飲むタイミングとしては、朝がベストです。
胃が空っぽの状態で飲むことで、もっとも効率的に内臓を温めることができます。
便秘の解消にも良いので、朝一番はあたたかい飲み物で水分補給しましょう。
薬局や通販で購入できる痩せる漢方
ダイエットのお供として、悩みに合わせた痩せる漢方を薬局や通販で購入してみるのも1つです。
<防風通聖散> (ぼうふうつうしょうさん) |
<大柴胡湯> (だいさいことう) |
<防已黄耆湯> (ぼういおうぎとう) |
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向いている人 | 食べ過ぎ・脂っこい食事が多い | 筋肉質で便秘がち・お腹の張りが気になる | 冷えが気になる・下半身太りが気になる |
製品名 | ナイシトールZa、ツムラ漢方、コッコアポEX など | ビスラットゴールド、ツムラ漢方、コッコアポG錠 など | ビスラットアクリアEX、ツムラ漢方、コッコアポL錠 など |
効果 | 食欲抑制 / 老廃物を出す / 脂肪の燃焼・吸収抑制 | 代謝の向上 / 脂質の代謝を促す / ストレスによる過食を防ぐ | むくみの改善 / 脂質の代謝を促す / 脂肪の分解・燃焼 |
クリニックや病院などで処方されるダイエット薬
クリニックや病院に併設されているダイエット外来では、肥満の解消・改善を目的としたダイエット薬が処方されています。
種類がいくつかあり、食欲そのものをコントロールしたり、食習慣から太る原因に直接アプローチする薬などもあります。
GLP-1受容体作動薬 | ⇨ 食後血糖値の上昇を抑えて脂肪を溜め込みにくくする |
SGLT2阻害薬 | ⇨ 糖の吸収を抑える |
膵リパーゼ阻害薬 | ⇨ 脂質の吸収を抑える |
食欲抑制剤 | ⇨ 食欲を抑えて食事量をコントロールする |
医療用漢方薬 | ⇨ 脂肪の分解・燃焼、代謝を促す、むくみ改善、便秘解消などが期待できる |
痩せやすい身体にする
痩せやすい身体づくりには、ベースとなる体内環境を整えることが大切です。
<食事> |
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バランスの取れた食事を3食きちんと食べるのが、痩せやすい身体づくりへの近道です。 |
食事を抜いて長時間にわたって空腹状態が続くと、血糖値が急激に上がってしまい脂肪を溜め込みやすくなります。 |
また、夜遅くの食事も脂肪が蓄積されやすくなります。 |
できることなら、21時までに済ませるのが理想的です。 |
<睡眠> |
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睡眠時間が短いと、食欲を高めてしまう「グレリン」というホルモンが分泌されやすくなります。 |
逆にしっかり睡眠が取れていれば、「レプチン」という食欲を抑えるホルモンや、脂肪の分解作用がある「成長ホルモン」の分泌も良くなります。 |
まとめて6〜7時間が理想の睡眠時間になり、質の高い睡眠(深い眠り)が取れていると、ホルモン分泌も良くなるので睡眠環境も整えてみてください。 |
根気良く続けることが大切
皮下脂肪はつきやすく・落ちにくい脂肪というだけでなく、身体を守ったり、熱を逃がさないための断熱材としても役割も果たしています。
なので簡単に落ちないようになっており、ダイエットをはじめて3〜6ヶ月目くらいからようやく落ちていきます。
体重は落ちはじめても皮下脂肪は残る状態がしばらくは続くので、ダイエットに失敗したとは捉えず、ペースを維持したまま根気強く続けていきましょう。
よくある質問
食事をコントロールするだけで皮下脂肪を落としきるのは難しいので、くわえて有酸素運動によって脂肪を燃焼させる習慣をつけていきましょう。
引き締めや筋肉の彫りを深くしたり、大きい筋肉を鍛えることで、基礎代謝の向上によって体重が落ちやすくなります。
また筋肉は脂肪よりも重いため、トレーニングを続けていくと体重は増加します。
脂肪が増えて体重が重くなっているわけではないので、気にせず続けてみてください。
- ドルフィンプッシュアップ
- クラッピングプッシュアップ
- パームカール
週2〜3回を目安に、適度に筋肉を休ませながら行ってみてください。
- 食事制限が不十分
- 姿勢が悪い(猫背や反り腰)
- 皮下脂肪や内臓脂肪が多い
- 腹筋ばかり行っている
腹直筋(シックスパック)という薄い筋肉が育つだけなので、インナーマッスル(腹横筋)や、下半身のトレーニングによって基礎代謝を上げる方法を取り入れてみてください。
- 服用前と変わらない食事量
- 運動を一切しない
治療後のリバウンドを避けるためにも、ダイエット薬の服用をきっかけにライフスタイルも見直していきましょう。
放置してしまうと、膝や股関節、背骨などの負担にもなり、人によっては骨盤にゆがみが生じることも。
また、女性は皮下脂肪が極端に蓄積されてしまうと、生理トラブルや不妊につながることもあるので注意です。