
敏感肌の場合常に肌のバリア機能が弱っているため、ちょっとした刺激でもニキビや炎症が悪化します。また、肌に合わないメイクやスキンケアが肌トラブルを招くことも少なくありません。
本記事では、敏感肌でニキビができる詳しい原因や有効な薬、おすすめのスキンケア方法について解説しています。是非ご参考ください。
「敏感肌」とはどんな肌質?
「敏感肌」に医学的な定義はありませんが、少しの刺激でも赤みやかゆみを起こしやすく、バリア機能が弱い不安定な肌を一般的に「敏感肌」と呼びます。
具体的には、以下のような特徴が肌にあると敏感肌である可能性が高いです。
- 肌がひりひりする
- 赤みやかゆみがある
- 乾燥によるつっぱり感や粉吹きがある
- 少しの刺激で炎症を起こす
紫外線や花粉、摩擦といった外的要因や、ストレス・睡眠不足などの内的要因でも肌状態が悪化します。詳しい原因は次の章をご覧ください。
敏感肌でニキビができる原因
敏感肌でニキビができる要因として、皮膚のバリア機能の低下、肌に合わないスキンケア・メイク用品の使用などが挙げられます。主な原因は以下のとおりです。
次の章で、それぞれの原因についてより詳しく解説します。
皮膚のバリア機能の低下

肌の表面(角質層)と皮脂膜には、乾燥や外部からの汚れ・細菌の侵入を防ぎ、肌内部の水分が逃げるのを防ぐ「バリア機能」があります。敏感肌の場合、このバリア機能が弱まっているため、毛穴に汚れや菌が入り込みやすく炎症を起こしやすい状態です。
バリア機能が弱まると乾燥により皮脂が過剰分泌され、毛穴詰まりが悪化します。このため、敏感肌はニキビができやすく、治りにくいという悪循環に陥ってしまいます。
外部刺激による炎症
敏感肌は、紫外線や気温の変化、花粉・ほこりなど、さまざまな外部刺激に対して肌の免疫が過剰に反応します。この肌状態が炎症を起こし、ニキビの原因となっています。
また、炎症を繰り返していると肌の自己修復能力が低下しやすくなり、ニキビなどの肌トラブルが慢性化します。
慢性化するとセルフケアでは改善が難しくなるため、早めに医療機関での治療を受けましょう。
間違ったスキンケア
クレンジングや洗顔が足りないとメイク汚れや皮脂が毛穴にとどまり、雑菌が繁殖しやすくなります。その結果、炎症を起こしてニキビができやすくなります。
必要以上に洗いすぎても肌表面のうるおいが失われ、乾燥を防ごうと皮脂の分泌量が増加しニキビの原因となるため、敏感肌は「洗い残しによる汚れの蓄積」と「洗いすぎによる皮脂過剰分泌」の両方のリスクを減らす必要があります。バランスの取れたスキンケアを行うことが大切です。
肌に合わないメイク用品の使用

敏感肌は外部刺激や肌に合わない成分に反応しやすく、メイク用品が炎症やニキビの原因となる場合があります。
また、ラメ・パール入りコスメの使用は強いクレンジングが必要となり、肌への負担が増大します。さらに、摩擦や成分刺激が重なると炎症が悪化しやすくなるため、負担を最小限に抑えるケアが重要です。
敏感肌のニキビにおすすめのスキンケア方法
敏感肌のニキビは「肌への刺激を極力抑えること」を意識すると、悪化を防げます。
推奨されるスキンケア方法は、以下のとおりです。
次の章で、日々のスキンケアで特に大切な3つのポイントをご紹介していきます。
洗顔・メイクオフは優しく行う

顔を洗う際に強くこすったり、洗浄力の高いアイテムを使ったりすると、肌のうるおいが奪われバリア機能が弱まる原因となります。
敏感肌の場合は、低刺激タイプの洗顔料をよく泡立て、ぬるま湯を使ってやさしく汚れを落としましょう。クレンジングも同様に、刺激の少ないアイテムを選び、肌をこすらずになじませてから丁寧にすすぎます。シャワーを直接あてると刺激が強くなりやすいので、手のひらでのすすぎ洗いがおすすめです。
フェイシャルタオルを使う
洗顔後のふき取りには、肌への摩擦を最小限に抑えられる「使い捨てのフェイシャルタオル」を推奨します。
顔に載せるだけでも十分に水分が吸収できるため肌への負担が少なく、タオルの雑菌や洗剤カスの影響も減らせる点がメリットです。
拭き取る際は肌をこするのではなく、軽く押さえるようにして水分をオフすると、敏感肌への負担を最小限に抑えられます。
敏感肌用のスキンケア用品を選び、工程を増やさない
アルコールや香料、防腐剤など刺激の強い成分を含まない、敏感肌向けのスキンケア用品を選ぶとニキビの原因となる炎症を防げます。特にセラミドなどの保湿成分は、弱ったバリア機能を強めてくれるため意識的に取り入れましょう。
ただし、アイテムを重ね塗りすると肌への刺激がかえって増えてしまいます。基本はシンプルに洗顔と保湿、必要に応じた日焼け止め程度にとどめ、肌の調子を見ながら必要なものをプラスしていきましょう。
セルフケアが難しいと感じたら、医療機関で専門医の相談を受ける
敏感肌はちょっとした刺激でもトラブルを起こしやすく、セルフケアだけではなかなか改善が見られない場合もあります。自己流でスキンケアを試すうちに費用や時間がかさみ、逆に肌ダメージを広げてニキビを長引かせるケースも珍しくありません。
ご自身の肌状態に限界を感じたら、迷わず医療機関へ足を運んでみてください。
医療機関で処方される敏感肌ニキビの薬・サプリメント
医療機関で処方される敏感肌ニキビの薬・サプリメントは、以下のとおりです。
名称 | 効果・特徴 |
---|---|
イソトレチノイン (内服薬) |
皮脂分泌を抑制しニキビの発生や炎症を予防 |
シナール (内服薬) |
肌のターンオーバーを整え活性酸素を抑制、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をサポート |
ハイチオール (内服薬) |
酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート |
ユベラ (内服薬) |
肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕を予防 |
Lypo-C Vitamin C Lypo-C Vitamin C+D (サプリメント) |
肌のターンオーバー促進に加え、抗炎症作用によりニキビの悪化を予防 |
エピデュオゲル (外用薬) |
コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用 抗菌作用 |
ゼビアックスクリーム・ローション (外用薬) |
炎症性ニキビ全般に有効 |
サプリメントはニキビに直接効くことはありませんが、間接的に肌の調子を整える働きが期待できます。インナーケアの一環として薬と併用することがニキビ予防に効果的です。
日常生活でできる敏感肌のニキビケア
敏感肌の方は、日常生活の習慣や環境のわずかな変化によってもニキビができやすいです。
治療とあわせて、以下のようなニキビ対策も習慣化しましょう。
外部刺激対策をする
敏感肌はちょっとしたホコリや花粉、乾燥などにも反応しやすいため、まずは生活環境から「不要な刺激を減らす」意識が大切です。
部屋の換気をこまめに行い、空気清浄機や加湿器を適度に利用してホコリや乾燥を防ぎましょう。
紫外線も大きな刺激となるので、外出時はアルコールや香料、紫外線吸収剤を含まない優しい成分の日焼け止めを塗るのもおすすめです。
衣類や寝具用の洗剤は低刺激タイプを選び、洗い残しがないようにすすぎ回数を増やしましょう。
寝具を肌にやさしい素材に変える
コットンやシルクなど、通気性がよくて肌にやさしく、摩擦の起きにくい素材を選ぶと汗や皮脂がこもりにくくなり刺激を抑えられます。
枕カバーやシーツは定期的に交換し、ダニやホコリなどのアレルゲンが肌に触れないように清潔を保ちましょう。特に顔に触れる枕カバーは、週に何度か交換すると安心です。
生活習慣を整える
敏感肌の肌環境は生活習慣で整います。以下の点を意識しましょう。
- 十分な睡眠
肌のターンオーバー(生まれ変わり)が整い、敏感肌が受けたダメージの回復が早まります。 - 栄養バランスが整った食事
タンパク質やビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることを意識しましょう。特にビタミンは美容に関係する栄養素になることから、足りない分は「Lypo-C Vitamin C+D」「Lypo-C Vitamin C」などのサプリで補うのもおすすめです。また糖分や脂質、刺激の強い香辛料などは極力控えましょう。 - ストレスの解消
ストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビが悪化しやすくなります。マインドフルネス(瞑想)や運動などを適度に取り入れることも有効です。
まとめ:敏感肌もニキビも気になるなら医療機関への相談を推奨
敏感肌は外部刺激やスキンケアの影響を受けやすく、ニキビができやすい肌質です。
適切な対策をとることで症状の改善が期待できますが、以下のポイントを意識することが重要です。
- 敏感肌は、外部刺激や誤ったスキンケアが原因でニキビができる
- 適切なスキンケアで敏感肌ニキビの悪化を防ぐことが可能
- 医療機関での治療が必要な場合もある
- 敏感肌ニキビには内外からのケアが必要
敏感肌ニキビについてのよくある質問
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- Q敏感肌ニキビはドラッグストアの化粧水でも治りますか?
- Aドラッグストアの化粧水でも、敏感肌向けで刺激の少ない商品を選べば、敏感肌ニキビに一定の効果が期待できます。
ただし、化粧水だけでニキビを治すのは難しいため、適切なスキンケアと生活習慣の改善を行うことが大切です。もし悪化が見られる場合、専門医に相談することもご検討ください。
- Q
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- Q敏感肌によるニキビの洗顔で意識することは?
- A敏感肌の洗顔では、肌に負担をかけないことが最も重要です。
低刺激の洗顔料を使用し、十分に泡立てた泡で優しく汚れを落としましょう。洗浄力の強すぎるアイテムを使うと肌のバリア機能がさらに弱まり、ニキビの悪化につながります。
洗顔時はぬるま湯で丁寧にすすぎ、タオルやフェイシャルタオルなどで押さえるように水分を取りましょう。
- Q
-
- Q敏感肌でニキビができるのはスキンケアに原因がありますか?
- A敏感肌のニキビは、スキンケアが原因である場合もあります。
刺激の強いクレンジングや化粧水、肌に合わないメイク用品を使い続けていると、肌のバリア機能がさらに低下しニキビができやすくなるためです。
敏感肌用の低刺激なスキンケア製品を選び、肌に負担をかけない方法でお手入れを行いましょう。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
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未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
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医薬品副作用被害救済制度について |
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
セルフケアだけでは限界がある場合もあります。症状を繰り返したり、悪化したりするようなら、早めに医療機関へご相談ください。