
ニキビは年代や肌質、性別などで様々な種類に分けられます。
またニキビの進行状況は、でき始めの白や黒、炎症している状態の赤など、色で種類と症状を見分けることができます。
自分のニキビの種類、症状を知って、できるだけニキビ跡を残さない対処をしましょう。
ニキビの種類を知ることが大切な理由
ニキビは進行段階や年代、性別などによって原因や症状が異なります。そのため、発症しているニキビの種類を把握することで治療薬と並行して、適切なスキンケアや生活習慣の改善に取り組めます。
ニキビの種類によっては市販薬で改善を目指せるものもあれば、間違ったケアや放置により悪化が進行し、治療後もニキビ跡として残るリスクが高まります。
ニキビの種類を把握し、原因や症状に合わせた効果的なケアと治療をしましょう。
ニキビの種類を色で見分ける
下記画像をクリックorタップで拡大できます。

ニキビは色によって進行度の区別ができます。
初期の段階では非炎症性皮疹(炎症していないニキビ)のマイクロコメドと白ニキビ、黒ニキビがあります。
進行が進むと炎症性皮疹として、赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビへと色が変わっていきます。
目に見えない「マイクロコメド(微小面皰)」
マイクロコメドは微小面皰(びしょうめんぽう)とも呼ばれ、間違ったスキンケアや生活習慣の乱れから引き起こされます。
毛穴の出口が少しずつ狭くなり、皮脂の分泌も増加していき、皮脂が徐々に詰まり始めてきている状態です。
まだこの段階では目に見えないため、気づくこともありませんが、対処を怠るとコメドへと変化します。
初期段階の「白ニキビ(閉鎖面疱)」
白ニキビはニキビの出来始めで、閉鎖面皰(へいさめんぽう)とも呼ばれる初期の状態です。
マイクロコメドができてからもスキンケアや生活習慣を改善しないと、毛包内の皮脂や角質が毛穴を塞いでいき、内側で白く膨れて白ニキビとなります。
この段階では、日常のケアや市販薬の使用でまだ改善を目指せる状態です。
酸化している「黒ニキビ(開放面皰)」
黒ニキビは開放面皰(かいほうめんぽう)とも呼ばれ、白ニキビの毛穴が開いた状態です。
毛穴に詰まった皮脂や角質が空気に触れて酸化すると黒くなります。
黒く炎症もないため、シミやホクロのように見える場合もありますが、放置はせずに角質のケアをする必要があります。
炎症を引き起こしている「赤ニキビ(丘疹)」
白ニキビや黒ニキビの状態で適切な対応ができていないと、毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こした赤ニキビへと進行します。
丘疹(きゅうしん)とも呼ばれ、赤みや腫れを伴うため、洗顔の際などに触れると痛みを感じることが多いです。
炎症を起こしたニキビに市販薬を使用しても、効かない場合や悪化を引き起こしてしまうこともあるため、医療機関の受診を推奨します。
化膿している「黄ニキビ(膿疱)」
黄ニキビは膿疱(のうほう)とも呼ばれ、赤ニキビが悪化して引き起こされます。
アクネ菌だけではなく、黄色ブドウ球菌も増殖し、毛穴に黄色い膿がたまっている状態です。
重度の炎症が起きているため、真皮層まで傷ついている場合が多く、治療後も赤みやクレーターなどのニキビ跡になりやすいため、できるだけ早い医療機関の受診を推奨します。
血や膿、老廃物がたまった「紫ニキビ(結節・嚢腫)」
赤ニキビや黄ニキビを間違ったケアや放置をしてしまうと進行が進み、血や膿、老廃物がたまり赤黒くなっていきます。
紫ニキビは真皮層まで達していて、触ると硬いのが特徴で、結節(けっせつ)や、嚢腫(のうしゅ)とも呼ばれます。
どの色のニキビよりもニキビ跡として残りやすく、赤く盛り上がるケロイド状の肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)や凹んだクレーター状の萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)として残りやすいです。
自己流で治すことは難しいため、できるだけ早い皮膚科の受診を推奨します。
ニキビの種類を年代で見分ける

ニキビは年代別に「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」に分けることができます。
どちらもニキビが発症するメカニズムは同じですが、原因や症状は異なります。
思春期ニキビ
小学校高学年から高校生の10代前後はホルモンの分泌が活性的でバランスを崩しやすく、この時期にできるニキビを思春期ニキビと呼びます。
ホルモンバランスが乱れると皮脂の過剰分泌を招き、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビを発症させる原因となります。
おでこや鼻など皮脂が多いTゾーンに症状が出やすい傾向にあり、年を重ねてホルモンバランスが安定してくると落ち着いてきます。
大人ニキビ(思春期後痤瘡)
大人になってもニキビが繰り返しできてしまう場合や、20歳以降になって初めてできるニキビを大人ニキビと呼びます。
比較的乾燥しやすいあごやフェイスライン、口周りなどのUゾーンに症状が出やすい傾向にあります。
ストレスを溜めすぎない、規則正しい生活習慣を心がける、自分にあったスキンケアをするなどの対処をしましょう。
ニキビの種類を肌質で見分ける
下記画像をクリックorタップで拡大できます。

肌質は分泌される汗(水分)と皮脂(油分)の量のバランスによって、5つに大きく分けられます。
肌質はニキビのできやすさに影響もするため、スキンケアを行う際は、自分の肌質を見極めましょう。自分にあった洗顔や化粧品を使用し、肌の水分と油分のバランスを整えて普通肌に近づけることが大切です。
乾燥肌(ドライスキン)
乾燥肌(ドライスキン)は水分と油分の両方とも少ない肌質のことで突っ張りを感じやすいです。
適切な保湿をしていないと、肌を保護するために皮脂が過剰に分泌されます。
ターンオーバーが乱れやすく、皮脂の過剰分泌による毛穴詰まりでニキビを引き起こしやすい肌質です。
脂性肌(オイリー肌)
脂性肌(オイリー肌)は水分と油分の両方が多い肌質で、肌にうるおいや弾力は感じるものの、脂っぽくべたつきやすいです。
皮脂の過剰分泌によるニキビができやすく、毛穴の黒ずみやテカリが目立ちやすい肌質です。
混合肌(インナードライ)
混合肌(インナードライ)は水分は少なく、油分が多い肌質で、TゾーンやUゾーンなど肌の部分ごとに突っ張りや脂っぽさを感じます。
乾燥・テカリのどちらのケースも水分が少ないため、部分的にニキビができやすい肌質です。
普通肌
普通肌は水分は適量~多く、油分が少ない~適量の肌質で、水分と油分のバランスが良いため、きめが整い、毛穴も目立ちにくいです。
肌トラブルの少ない肌質ですが、ストレスや睡眠不足、生理周期の影響などによるホルモンバランスの乱れによってニキビなどの肌トラブルを引き起こします。
敏感肌
敏感肌は明確な定義はありませんが、乾燥や加齢などにより肌バリアの機能が低下し、赤みやかゆみ、刺激を受けやすい肌質です。
生活習慣や間違ったスキンケアによってニキビができやすく、一度発症すると治りにくいのが特徴です。
ニキビの種類を性別で見分ける

ニキビができるメカニズムは男性も女性も変わりありませんが、性別によってニキビのできる原因が異なる場合があります。
男性ニキビ
男性の場合、男性ホルモン(アンドロゲン)により、女性と比較すると約3倍の皮脂が分泌されています。
そのため、男性の毛穴の方が皮脂が詰まりやすく、特に男性ホルモンの影響を受けるフェイスラインやあご、胸や背中にニキビができやすいです。
女性ニキビ
女性の場合、女性ホルモンの黄体ホルモン(プロゲステロン)が男性ホルモンと似た働きをし、皮脂の過剰な分泌を促します。
生理前や妊娠中などのホルモンバランスを崩しやすい時期に、口周りやあごにニキビができやすく、また悪化しやすい状態となります。
メイクが落としきれていない場合や洗顔後の十分でない保湿などでもニキビができてしまうため、適切なスキンケアが大切です。
ニキビの種類を特徴で見分ける
これまで説明してきた内容に当てはまらないニキビの特徴や症状もあります。
以下に当てはまるものがあれば、参考にしてください。
芯のあるニキビ
毛穴に皮脂や角質が溜まるとニキビの中央に芯のように硬いものができることがあります。
ニキビの芯は色によっても構成される物質が異なり、「白ニキビ」の場合は皮脂や角質の塊によって構成され、「黄ニキビ」の場合は膿などが含まれます。
無理に押し出そうとすると皮膚の組織が破壊されてニキビ跡になることもあるため、適切な処置をする必要があります。
しこりのあるニキビ
ニキビの炎症が悪化し、膿や血が皮膚の下に溜まって腫れあがると、しこりのように感じることがあります。
毛穴の深い場所で強い炎症を引き起こすと、内容物を排出できずに慢性的な炎症が続いて硬いしこりができます。
炎症が治まった後も皮膚組織が上手く修復できないとしこりとして残るため、できるだけ早いニキビの対処が必要です。
かゆみのあるニキビ
ニキビにかゆみを伴う場合、炎症時に分泌されるかゆみの成分が原因の場合や、顔ダニの増加が影響している可能性があります。
ニキビがかゆいときにしてはいけないNG行為もあるため、かゆみを感じた際には適切な処置をしましょう。
痛みのあるニキビ
ニキビの初期段階では痛みを感じないことが多いですが、「赤ニキビ」や「黄ニキビ」などの炎症を伴うニキビでは痛みを感じることがあります。
治療薬を使用しつつ、スキンケアや生活習慣の改善などに取り組み、症状を緩和しましょう。
重症のニキビ
日本皮膚科学会のガイドラインでは、片側の顔面にある炎症性皮疹の数が21個以上の場合に重症ニキビと分類しています。他にも化膿した「黄ニキビ」や血や膿が溜まった「紫ニキビ」は進行が進んだ状態になるため、できるだけ早い医療機関の受診を推奨します。
ニキビが重症化するとセルフケアや市販薬では効果が見られず、皮膚科の保険内の治療薬を使用した場合でも改善しないことがあります。自由診療では、保険診療で使用ができない治療薬も選択肢として含まれ、これまで中々改善が見られなかった重症ニキビにも効果的にアプローチができる可能性があります。
ニキビの種類を場所で見分ける

顔や体のそれぞれの場所によってもニキビの原因と対策が異なります。
例えば、おでこニキビができてしまう場合は、ホルモンバランスの乱れや、シャンプーの洗い残し、口周りにニキビができてしまう場合は胃腸の不具合やストレスが原因でなりやすいなど、場所ごとにニキビの原因となる特徴があります。
場所ごとのニキビの詳しい原因と対策については、以下の記事からご確認いただけます。
当院のニキビの治療
フィットクリニックでは、炎症を伴うニキビやこれまで色々な治療を試したけれど治らなかったという方に、イソトレチノインによるニキビ治療をご提供しています。
イソトレチノインは、皮脂腺の縮小・皮脂分泌の抑制効果を持った、ニキビの原因を根本から改善する薬です。
一度治ってもすぐ再発するニキビや、市販薬・皮膚科の保険診療の薬で効果が感じられなかった方はイソトレチノイン内服により改善効果が期待できます。
イソトレチノインの詳細な効果と副作用、服用方法については、以下のページからご確認いただけます。
まとめ:ニキビの種類や症状、自分の肌質や特徴を知ろう
ニキビは、色や年代、肌質や性別などによってそれぞれ特徴があり、ニキビの原因やできやすいニキビの場所が異なります。
ニキビの種類や症状を正しく理解し、自分の肌に合った適切なケアを行うことが大切です。
放置や間違った対処はニキビ跡が残ってしまうリスクが高まってしまうため、医療機関での早期の対策を推奨します。
ニキビ種類のよくある質問
-
- Q
ニキビの色で何がわかりますか?
- A
ニキビの色は、進行がどれくらい進んでいるのかを判断する重要な手がかりになります。
例えば、白く目立たないニキビは初期段階の「白ニキビ」で、黒く目立つニキビは空気に触れて酸化が進んだ「黒ニキビ」です。赤く腫れているニキビは炎症を起こしている「赤ニキビ」、黄色い膿を持っているニキビは「黄ニキビ」と呼ばれ、それぞれ適切な治療が必要です。
紫色のニキビは特に進行が進んだ状態で、治療後も跡として残る可能性が高いため、皮膚科で適切な処置を受けることを推奨します。
どんなニキビなら皮膚科に行くべきかを解説
- Q
-
- Q
思春期のニキビと大人のニキビって何が違いますか?
- A
ニキビは、思春期にできるものと大人になってからできるもので、原因やできやすい部位が異なります。
思春期ニキビは、ホルモンバランスの乱れが主な原因で、おでこや鼻など皮脂が多いTゾーンにできやすいのが特徴です。
一方、大人ニキビは、ストレスや睡眠不足など、生活習慣の乱れが原因となることが多く、あごやフェイスラインなど乾燥しやすいUゾーンにできやすい傾向があります。
また、思春期ニキビは成長とともに自然に治ることが多いですが、大人ニキビは繰り返しやすいのが特徴です。
思春期ニキビの原因と治し方の詳細 大人ニキビの原因と治し方の詳細
- Q
-
- Q
肌質によってニキビのでき方は変わりますか?
- A
肌質(水分と油分のバランス)によってニキビのでき方は大きく変わります。
乾燥肌は水分と油分のどちらも不足し、ターンオーバーが乱れることでニキビができやすくなります。
一方、脂性肌はどちらも多いことで毛穴が詰まりやすく、ニキビの原因となります。
自分の肌質を知り、それにあったスキンケアをすることが大切です。
自分の肌質を見る
- Q
-
- Q
男性と女性ではニキビのでき方が違うの?
- A
男性と女性ではニキビのでき方が異なります。
男性は女性よりも皮脂の分泌量が多く、男性ホルモンの影響でフェイスラインやあご、背中など特定の場所にニキビができやすい傾向があります。
一方、女性は女性ホルモンの影響で生理前や妊娠中にニキビが悪化しやすく、メイクによる肌への刺激もニキビの原因となることがあります。
このように、性別によってニキビのできる原因や症状が異なるため、それぞれに合った対処を行うことが大切です。
男性ニキビの原因と治し方の詳細
- Q
-
- Q
顔の赤みや炎症はニキビではないこともありますか?
- A
ニキビに近い症状で「酒さ(しゅさ)」というものがあります。
赤ら顔とも呼ばれ、特に鼻や頬に赤みやニキビのような症状が現れる皮膚の病気です。
適切な治療とケアを続けて症状をコントロールすることが大切です。
酒さの症状・原因の詳細
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
---|---|
未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
|
医薬品副作用被害救済制度について |
---|
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |