思春期ニキビの原因と治し方│再発や悪化を予防する方法も解説

更新日:2024/10/24
思春期ニキビの原因と治し方│再発や悪化を予防する方法も解説

思春期ニキビは、成長期に差し掛かった男女の多くが経験する悩みのひとつです。
Tゾーンと呼ばれる、額やこめかみ、鼻、頬など、皮脂の分泌量が多いところに吹き出物が目立つようになります。

この時期は異性を意識しはじめる時期でもあるため、外見の変化に敏感になることが少なくありません。
そのため思春期ニキビが増えてくると、外見に対する悩みが深まり、それがライフスタイルや人間関係にも影響を与えることがあります。

本記事では、思春期ニキビの原因や治し方に加え、ニキビができにくい肌環境を保つための予防法についても詳しく解説します。
ニキビのない健康的な肌を取り戻し、自信を持って毎日を過ごしましょう。

ニキビ種類・症状

思春期ニキビとは

思春期ニキビとは

思春期ニキビは、体の成長に伴って起こるホルモンバランスの変化により、特に顔まわりに現れる肌トラブルの一種です。
皮脂分泌が特に活発になるため、皮脂の多いTゾーンをはじめ顔まわりにニキビができやすくなります。
早い人では小学校高学年からニキビが目立ちはじめ、中学生や高校生になっていきなり増えるケースも少なくありません。

10代に見られるニキビは、成長期ならでは肌の変化と言えますが、反抗期やストレスも複雑に絡んでくるため「仕方ない」と割り切るのが難しい時期でもあります。
単に肌トラブルだけでなくメンタルの負担につながることもあるので、適切なケアと対処を実践することも重要です。

思春期ニキビの特徴│いつからいつまで?

思春期ニキビの特徴│いつからいつまで?

思春期ニキビは、皮脂の分泌を増加させる成長ホルモンや性ホルモンの分泌が活発な「二次性徴期」に現れます。
一般的には10歳ごろからニキビ症状が目立ちはじめ、18歳前後でピークを迎えることが多いです。

ただし、時期については個人差も大きいです。
思春期ニキビができやすい方がいる一方で、体質的にまったくできない方もいます。
また、ピークの時期を過ぎて、20代に入ってもニキビの症状に悩まされてしまうこともあります。

思春期ニキビの特徴│発症しやすい場所は?

思春期ニキビの特徴│発症しやすい場所は?

思春期ニキビは、皮脂の分泌が特に多い部分に発生しやすいのが特徴です。
おでこやこめかみ、鼻周辺、そして頬といったTゾーンにニキビが集中します。
これらの部位は皮脂腺が活発で、毛穴が詰まりやすく、顔の中でもニキビができやすいエリアです。

年齢を重ねて皮脂分泌が落ち着いてくると、自然にニキビも減少します。
しかし、ケアなどを怠った場合、ニキビは以下のように症状が悪化していきます。

【ニキビの進行度】
  • 白ニキビ(初期症状)
  • 黒ニキビ(酸化)
  • 赤ニキビ(炎症)
  • 黄ニキビ(化膿)

症状が悪化してしまうと、ニキビができにくくなった後でも、ニキビの後遺症が残ってしまうこともあります。
顔の目立つところに凹凸のあるクレーターや瘢痕(傷跡)、色素沈着が残るリスクがあるので放置は禁物です。

思春期ニキビの特徴│大人ニキビとの違いは?

思春期ニキビの特徴│大人ニキビとの違いは?

思春期ニキビと大人ニキビの発症メカニズムは同じです。
皮脂の過剰分泌が原因で毛穴詰まりを引き起こし、その中でアクネ菌が増殖することでニキビとなって現れます。

しかし、その発症原因やニキビができやすいエリアに違いがあります。

  思春期ニキビ 大人ニキビ
原因 成長期におけるホルモンバランスの変化 ストレス、不規則な生活(睡眠不足や偏食など)、誤ったスキンケアなど
できやすいエリア Tゾーン
(額、頬、鼻など)
Uゾーン
(フェイスライン)

他にも大人ニキビは肌質も関係してきます。
思春期に比べて肌の乾燥が目立ってくるため、水分量を保とうと皮脂分泌が過剰になってしまうケースもあります。
また、ホルモン異常(多嚢胞性卵巣症候群)がニキビの引き金になっていることもあります。

思春期ニキビの原因

思春期ニキビの原因は、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が活発になることによって引き起こされます。
ホルモンの変化は肌環境を以下のように変えてしまい、ニキビの発生を助けてしまいます。

【ホルモンの影響による肌環境の変化】

■皮脂分泌の増加
ホルモンの影響で皮脂腺が刺激され、皮脂の過剰分泌により肌がベトつきやすくなる

■毛穴詰まり
ターンオーバーがうまく行われず、皮脂が毛穴の外に出られずに角栓となって詰まる

■アクネ菌の増殖
詰まった毛穴の中でアクネ菌が増え、ニキビができたり悪化する

また思春期は、勉強や人間関係、将来など思春期ならではの悩みやストレスを誰もが抱えています。
複雑な時期でもあるので、こうした心の変化・成長が思春期ニキビを悪化させる原因のひとつになることもあります。

思春期ニキビの治し方

思春期ニキビは、時間とともに自然に落ち着くこともありますが、適切な治療を行えば回復を早め、悪化を防ぐことができます。
市販薬やセルフケアで対処できる軽い症状もありますが、即効性を期待するなら医療機関への相談が推奨されます。

ただし、保険診療では限られた治療しか受けられないため、中等度から重度のニキビは十分に改善しないこともあります。
その場合は、自由診療のクリニックで専門的な治療を受けるのもひとつです。
放置したり、誤ったケアはニキビ跡が残るリスクがあるため、早めに対処するよう心がけましょう。

外用薬(塗り薬)を使用する

外用薬(塗り薬)は、抗菌・抗炎症作用のある成分や肌のターンオーバーを促進する薬を使用します。

名称 有効成分 効果・特徴 副作用
デュアックゲル クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル 抗炎症作用・抗菌作用
炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効
乾燥、皮膚剥脱、紅斑、かゆみなど
エピデュオゲル アダパレン/過酸化ベンゾイル コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用
炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効
皮膚刺激、皮膚疼痛、アレルギー性皮膚炎など
ゼビアックスクリーム・ローション オゼノキサシン 抗菌作用
炎症性ニキビ全般に有効
乾燥、刺激感、かゆみなど

外用薬はニキビ治療の標準的な治療方法となり、ニキビの数や状態によっては以下でご紹介する内服薬と併用するケースもあります。

内服薬(飲み薬)・サプリメントを服用する

内服薬(飲み薬)はアクネ菌に効く抗生物質だけでなく、重度のニキビにも高い効果が期待される薬の服用が推奨されることもあります。
また、ニキビができにくい肌質に導くために、ビタミン剤などを組み合わせることもあります。

名称 有効成分 効果・特徴 副作用
イソトレチノイン(内服薬) ビタミンA誘導体 皮脂分泌を抑えてニキビの発生や炎症を防ぐ。
重度のニキビに用いられる。
全身の皮膚や粘膜の乾燥、頭痛、など
ビブラマイシン(内服薬) ドキシサイクリン 抗菌作用でアクネ菌を増殖を抑える 吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢など
シナール(内服薬) アスコルビン酸(ビタミンC)、パントレン酸(ビタミンB5) 肌のターンオーバーを整えて活性酸素を抑制する、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をサポート 胃の不快感、吐き気・嘔吐、下痢など
ハイチオール(内服薬) L-システイン 酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート 吐き気、下痢など
ユベラ(内服薬) トコフェロール酢酸エステル 肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕が薄くなる効果が期待できる 便秘、胃の不快感、下痢、発疹

この他にも体質改善やケア・予防を目的として、美容サプリメントの処方が行われることもあります。
「マルチビタミン」や「Lypo-C(リポシー)」など、食事でカバーできない必要な栄養素を補うことで肌回復をサポートします。

思春期ニキビの再発・悪化の予防方法

思春期ニキビの再発・悪化の予防方法

思春期ニキビは一度治っても、ニキビが再発しやすいです。
しかし、適切なケアを続ければ再発しにくくなり、できてしまったニキビの悪化も防げます。
ここからは、日常的な注意点や洗顔・スキンケアの方法を変えるポイント、さらに食生活や生活習慣の見直しについてなど、ニキビ予防に役立つ具体的な方法をご紹介します。
ニキビができにくい肌環境を作るために、できることから実践していきましょう。

できるだけ顔を触らない

顔にできたニキビは目立つため、気になってしまうと無意識に触ってしまうものです。
しかし、むやみに触ってしまうと、ニキビの悪化につながります。
手に付着した雑菌や汚れの付着や、直接的な摩擦や刺激により炎症ニキビへと悪化させてしまう可能性があります。

また、ニキビを潰した方が治りが早いと言われていますが、自分で潰すのはNGです。
毛穴の中にたまった皮脂や膿を排出させられても、茶色に色素沈着したり、凹凸が肌に残るなど後遺症のリスクがあります。

基本的にニキビを触ることは避け、肌への負担や刺激を最小限に抑えることが、予防や悪化を防ぐ基本であることは覚えておいてください。

洗顔・化粧水・乳液など化粧品を変える

思春期ニキビの治りが悪い場合、使っている洗顔料や化粧水、乳液などのケア製品が肌に合っていない可能性があります。

■洗浄力が強い製品
皮脂は落ちやすくなりますが、落とし過ぎれば逆効果になります。乾燥が皮脂の過剰分泌を招くので低刺激な製品に切り替えましょう。

■油分の多い化粧水や乳液
油分が多い化粧水や乳液は、肌質によっては毛穴詰まりの原因になることがあります。一定の水分量を保つことがポイントなので、オイルフリーや無添加、低刺激などの製品を選ぶようにしましょう。

ニキビは汚れが原因ではないため、「成分の強い製品=ニキビが治る」という訳ではありません。
肌に負担をかけないアイテム選びが、健康できれいな肌を保つためには大切です。

スキンケアの方法を変える

ニキビを1日でも早く治すためのスキンケアの基本は、洗顔と保湿です。
いろいろと試したくなるかもしれませんが、シンプルなケアの方が肌のコンディションが整いやすく、肌への余計な負担も避けやすくなります。

■洗顔は朝晩の1日2回
洗顔のやりすぎは乾燥を招き、逆に放置しすぎると酸化してニキビが発生しやすくなります。
朝と晩の2回の洗顔で余計な皮脂を取り除き、体温と同じくらいのぬるま湯で優しく洗うのがポイントです。
また、いきなり洗顔料を顔につけるのではなく、お湯で予洗いした後に、泡立てネットで泡だてた泡を使うのがおすすめです。
洗顔後の顔についた水分も、顔を包み込むようにしてタオルに吸収させるイメージで行うと肌の負担を減らせます。

■保湿
洗顔後は皮脂が減るので、肌が乾燥しやすくなります。
バリア機能も低下し、ちょっとした刺激に対しても敏感になるので、化粧水で肌にうるおいを与えて、水分が蒸発しないよう乳液などでパックしてあげましょう。

食生活や生活習慣の見直し

思春期ニキビを予防・改善するためには、目に見える症状に対してだけでなく、インナーケアにも目を向けることが大切です。
肌の健康は体の内側からのケアも重要なため、以下の方法を実践してニキビができにくい環境を作りましょう。

■栄養バランスの摂れた食生活
ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む食事を心がけましょう。
特に、ビタミンA・C・E(エース)は肌の健康を保つのに効果的です。
また、糖分や脂質を多く含む食品を摂りすぎると皮脂の過剰分泌を引き起こし、ニキビの原因になることがあるため食事内容に注意しましょう。

■睡眠時間の確保
睡眠は肌の再生を助け、ホルモンバランスを整えるため、ニキビ予防には欠かせません。
1日7〜8時間のまとまった睡眠を心がけ、肌に休息を与えるようにしましょう。
勉強、部活、遊び、etc…、何かと忙しいかもしれませんが、できる限り規則正しい睡眠習慣を身につけてみてください。

■ストレスのケア
ストレスはホルモンバランスを乱すため、溜め込んでしまうとニキビができやすくなることがあります。
悩みを誰かに打ち明けたり、部活や遊びなど好きなことに意識を向けていくと、生活からストレスを切り離しやすくもなります。
自分なりの心身リラックス方法を見つけ、心の健康も整えていくようにしましょう。

ドラッグストアの市販薬で治らない場合は医療機関へ

ドラッグストアにはセルフケア専用の市販薬が多く揃っています。
しかし、いずれの製品も幅広い人が使用できるように作られているので、肌質や体質の違いから、必ずしも自分の肌に合うとは限りません。
効果には個人差があり、使用してもニキビが治らない、あるいは悪化してしまうこともあります。

市販薬で思うような効果が得られない場合、早めに医療機関に受診することが大切です。
肌の状態を見極めながら適切な治療が受けられ、ニキビの悪化や再発を防ぐことができます。
ニキビに悩まされ続けたり、跡になって後々後悔しないためにも、セルフケアでどうにかしようとせずに医師に相談してみてください。

まとめ:ニキビに悩んでいる方は早めに専門家のアドバイスを受けましょう

思春期ニキビは多くの10代が経験する肌トラブルですが、正しいケアを行うことで改善し、再発や悪化を防ぐことが可能です。
毎日のスキンケアの見直しやバランスの取れた食生活、十分な睡眠といったライフスタイルを見直すことも大切なポイントです。
また色々試すのではなく、シンプルなケアを続けることがニキビ予防への第一歩です。

しかし、セルフケアや市販薬の使用だけでは改善が難しい場合もあります。
ニキビを早く治したい、あるいはニキビ跡を残さないようにしたい場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。
専門的な治療を受けることで、肌に合った適切なケアが行われ、ニキビの悪化を防ぎながら健康な肌を取り戻すことができます。
ニキビに悩んでいる方は早めに専門家のアドバイスを受け、後悔しない選択をしましょう。

思春期ニキビに関するよくある質問

  • Q
    思春期ニキビの治し方は?
    A
    思春期ニキビを治すためには、まず正しいスキンケアが基本です。
    1日2回朝晩の洗顔と保湿を行い、肌の健康を整えましょう。
    またセルフケアで効果が見られない場合は、市販薬や皮膚科での治療を検討することも重要です。
    特に医療機関での治療は、早期改善やニキビ跡の予防に役立ちます。
  • Q
    思春期ニキビのNG行動は?
    A
    思春期ニキビのNG行動は、顔を頻繁に触ったり、ニキビを自分で潰すことです。
    こうした刺激が肌の負担になり、炎症が悪化したり、ニキビ跡や色素沈着などが将来的に残るリスクにもつながります。
    また、刺激が強い成分を含んだスキンケアも、逆に皮脂を過剰分泌させてニキビを悪化させる原因になるので注意です。
  • Q
    思春期ニキビができやすい人の特徴は?
    A
    思春期ニキビができやすい人の特徴としては、成長に伴うホルモンバランスの変化から皮脂分泌が多く、特にTゾーンに油っぽさを感じることが多いです。
    また、生活習慣の乱れや寝不足、栄養バランスが崩れ、ストレスなどがあると、ニキビが悪化しやすくなります。
  • Q
    思春期ニキビによく効く市販薬や洗顔料は?
    A
    ニキビのセルフケアとして注目を集める市販薬や洗顔料ですが、必ずしもすべてのニキビに効果があるわけではありません。
    肌質やニキビの状態によっては、期待していた効果が得られないこともあります。
    特に長引くニキビや重度のニキビに対しては、市販薬や洗顔料だけでは改善は非常に難しいです。
    ニキビの再発を繰り返さないためにも、できるだけ早く医療機関で医師に相談することが大切です。
  • Q
    保険診療で皮膚科を受診しましたが、治らない場合、他に方法はありますか?
    A
    保険診療で処方される治療薬が効かない場合、自由診療を検討するのもおすすめです。
    健康保険の範囲でカバーされない海外の最新の治療法や、個々の肌の状態に合わせたより専門的な治療を受けることが可能です。
    例えば、ピーリングやレーザー治療、特別な処方薬など、ニキビやニキビ後遺症(クレーターや色素沈着など)に対して効果的なアプローチがいくつもあります。
    美容皮膚科であれば治療の提案を受けられるので、専門の医師と相談して自分に合った治療法を見つけてください。

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