混合肌(インナードライ)ニキビの原因と治し方!スキンケア方法も解説

更新日:2025/01/16
思春期ニキビの原因と治し方│再発や悪化を予防する方法も解説

混合肌とは、Tゾーン(おでこや鼻)に皮脂が多く、Uゾーン(頬や口周り)に水分が少ない肌質のことです。

混合肌とは、Tゾーン(おでこや鼻)に皮脂が多く、Uゾーン(頬や口周り)に水分が少ない肌質のことです。

おでこや小鼻はテカり、頬は乾燥しやすいという複雑な特徴を持つことから「インナードライ肌」とも呼ばれます。

この記事では、混合肌ニキビを改善するための具体的なスキンケア方法や、肌に優しいメイク方法を解説します。さらに効果的な処方薬・サプリメントについても触れていますので、混合肌特有の肌トラブル軽減にお役立てください。

ニキビの症状や種類について

混合肌(インナードライ)の特徴(チェックリスト付き)

混合肌は脂性肌や乾燥肌と比べて、症状が複雑で自己判断が難しい肌質です。 次の項目にいくつ当てはまるかチェックして、まずは自分の肌質を確認してみましょう。

混合肌(インナードライ) チェックリスト
肌がごわつき手触りがよくない、または肌が硬いと感じる
季節によって肌の状態が大きく変わる(夏はベタつき、冬は乾燥)
Tゾーン(おでこや鼻)は脂っぽいが、頬や口周りはカサつく
メイクがTゾーンでは崩れやすいが、頬は粉っぽくなることが多い
脂性肌用のケアをすると頬が乾燥し、乾燥肌用だとTゾーンがベタつく
洗顔後、部分的に肌の突っ張りを感じる

混合肌(インナードライ)によるニキビの原因

混合肌(インナードライ)によるニキビは、皮脂の過剰分泌と肌の乾燥が同時に存在するために起こります。
具体的には、以下のような原因が挙げられます。

Tゾーンの皮脂過剰分泌

混合肌では特にTゾーン(おでこや鼻)で皮脂分泌が活発になり、毛穴に皮脂や古い角質が詰まりやすい状態です。この毛穴詰まりがアクネ菌を増殖させ、ニキビの原因となります。

肌内部の乾燥

肌内部が乾燥していると肌のバリア機能が弱まり、外部刺激に敏感になります。炎症が起こりやすく、乾燥した頬や顎にニキビができる原因となります。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや月経周期の影響でホルモンバランスが乱れると、皮脂分泌を促すアンドロゲン(男性ホルモン)が増加し、保湿をサポートするエストロゲン(女性ホルモン)が低下します。この結果、乾燥と皮脂過剰が同時に起こりニキビが悪化しやすくなります。

不適切なスキンケア

洗浄力の強いクレンジングや洗顔料は、必要な皮脂を取りすぎて肌を乾燥させる一方、Tゾーンの皮脂分泌をさらに促進します。この不均衡が毛穴の詰まりや炎症を引き起こします。

環境によるもの

エアコンや紫外線、気温の変化は肌の水分を奪います。その結果肌は自己防衛のために皮脂を過剰に分泌し、毛穴が詰まってニキビができやすくなります。

混合肌ニキビを治すスキンケア方法

混合肌ニキビを治すには、パーツごとに適切なスキンケアを取り入れることが大切です。 具体的には、以下の方法が挙げられます。

TゾーンとUゾーンでスキンケアを分ける

混合肌の場合、TゾーンとUゾーンの特性に合わせたスキンケアを取り入れることが大切です。

TゾーンとUゾーンのスキンケア

◾️Tゾーン
Tゾーンは皮脂が多いため、余分な皮脂を取り除ける洗顔料やクレンジングを使いましょう。油分が多く含まれているとベタつきが増すため、さっぱりとしたテクスチャーのものがおすすめです。

◾️Uゾーン
Uゾーンは乾燥が進みやすいため、保湿力の高いスキンケアを選びましょう。洗顔後、すぐにアルコールフリーの化粧水や乳液で保湿して、肌にうるおいをとどめて乾燥から守ることが大切です。

TゾーンとUゾーンで異なるアプローチを取り入れることで、混合肌特有のニキビや肌トラブルを予防し健康な肌を維持できます。

保湿成分が多い洗顔料(クレンジング)・化粧水・乳液を選ぶ

混合肌のスキンケアでは、洗顔料・クレンジング、化粧水、乳液の選び方がポイントです。

スキンケア選びのポイント

◾️洗顔料・クレンジング
洗浄力の強い製品は乾燥を引き起こし、皮脂の過剰分泌につながります。アミノ酸系や弱酸性の洗顔料を選び、肌に優しいオイルフリーやミルクタイプのクレンジングを使用しましょう。

◾️化粧水
ヒアルロン酸やセラミドなど保湿効果が高い成分を含む化粧水を使うと、乾燥しやすいUゾーンの潤いをキープできます。アルコールフリーの製品を選ぶと、より刺激を抑えられます。

◾️乳液
乳液は水分を閉じ込めて乾燥を防ぐ役割があります。軽いテクスチャーで、混合肌でも使いやすい「ノンコメドジェニック処方(ニキビの元ができにくいとされる)」の製品がおすすめです。

適切なアイテムを使うことで、肌の乾燥と皮脂バランスを整え、トラブルを防ぐことができます。

柔らかく刺激の少ないタオルを使用する

硬いタオルや粗い素材は摩擦によって肌を傷つける可能性があるため、吸水性が高く柔らかい素材のタオルを選びましょう。
水分を拭き取る際はゴシゴシと擦らず、肌に優しく押し当てるようにしてください。
また、ニキビができている肌にはフェイシャルタオルの使用もおすすめです。

市販のフェイシャルタオル

使い捨てタイプは衛生的で摩擦刺激も少なく、肌への負担をさらに軽減できます。

医療機関で専門医の相談を受ける

混合肌は顔のパーツごとに水分と油分のバランスが異なるため、セルフケアが難しい肌質です。
セルフケアに自信が無い場合は、医療機関に相談しましょう。
適切な治療や薬の処方で、スキンケア製品を試行錯誤するよりも効率的に肌トラブルを改善できます。

特に以下の特徴に当てはまる方は、専門医のサポートを受けることを推奨します。

医療機関でのニキビ治療が向いている人
  • 肌質に合うスキンケア用品が見つからない
  • ニキビなどの肌トラブルの改善が見られない
  • 1日でも早く綺麗な素肌を取り戻したい
  • 肌質を理解して根本的な治療を目指したい

医師の診断のもと肌の状態を正しく把握することで、肌質に合った治療法を見つける手助けとなります。

医療機関での治療を検討しかねている方は、以下の記事もご参考ください。

どんなニキビなら皮膚科に行くべき?
服部院長

混合肌ニキビに効果的な処方薬・サプリメント

混合肌の方に向いているニキビ治療薬やサプリメントには、以下のような選択肢があります。

名称 有効成分 効果・特徴
イソトレチノイン
(内服薬)
ビタミンA誘導体 皮脂分泌を抑制しニキビの発生や炎症を予防
シナール
(内服薬)
アスコルビン酸(ビタミンC)・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) 肌のターンオーバーを整え活性酸素を抑制、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をサポート
ハイチオール
(内服薬)
L-システイン 酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート
ユベラ
(内服薬)
トコフェロール酢酸エステル 肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕を予防
Lypo-C Vitamin C
Lypo-C Vitamin C+D
(サプリメント)
ビタミンC
ビタミンC/D
肌のターンオーバー促進に加え、抗炎症作用によりニキビの悪化を予防
エピデュオゲル アダパレン/過酸化ベンゾイル コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用

抗菌作用
ゼビアックスクリーム・ローション オゼノキサシン 炎症性ニキビ全般に有効

ニキビの状態にもよりますが、これらの内服薬と外用薬を併用するのが一般的です。
症状が治っても、再発予防のために外用薬のみ使用を継続するケースもあります。

ニキビに効果的な治療薬について

混合肌ニキビをケアするメイクのポイント

ニキビがある状態でも適切なメイク方法を取り入れることで、TゾーンのテカリやUゾーンの乾燥を抑え、美しい仕上がりをキープできます。以下のポイントを実践してみましょう。

混合肌ニキビのメイクポイント
  1. 化粧下地は「皮脂コントロール」と「保湿」を使い分ける
    • Tゾーンは皮脂吸着効果のある下地を使用してテカリや化粧崩れを防ぐ
    • Uゾーンは保湿成分が配合された下地で乾燥をケアしながらしっとり仕上げる
    ポイント:下地をスポンジで均一に塗ると仕上がりがさらに良くなります。
  2. ファンデーションはリキッドとパウダーを使い分ける
    • 乾燥しやすい部分はリキッドタイプで潤いを与えながらカバー
    • Tゾーンは皮脂を抑えるパウダーを薄く重ねて化粧崩れを防ぐ
    ポイント: パウダーはブラシで軽くのせることでナチュラルに仕上がります。
  3. メイクの仕上げにフィックススプレーを使う
    • フィックススプレーを仕上げに使うことで皮脂分泌を抑えてメイク持ちがアップ
    ポイント:顔から30cm程度離してスプレーしてミストを均一に広げましょう。
  4. メイク直しはティッシュオフで優しく
    • あぶらとり紙は皮脂を取りすぎて逆効果になることも
    • ティッシュで軽く押さえるだけで余分な油分を取り除ける
    ポイント:必要に応じてフェイスパウダーを軽くのせるとテカリが抑制されメイクが整う

これらのポイントを実践することで、混合肌特有の悩みを解消しながらメイクをより楽しむことができます。

日常生活でできる混合肌ニキビのケア

日々の生活習慣を見直すことで、混合肌特有のニキビを予防しやすくなります。
特に意識したいポイントを以下にまとめました。

これらの習慣を取り入れることで肌の調子が整い、ニキビを軽減する一歩につながります。それぞれ詳しく解説していくので、できることから実践してみてください。

ニキビのケア方法

紫外線対策をする

紫外線は季節を問わず一年中降り注ぎ、肌へのダメージがニキビを発生させる原因となります。
日焼け止めを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

混合肌の日焼け止めの選び方
  • ノンコメドジェニック処方
  • 保湿成分配合
  • SPF・PAのバランス
    日常使いならSPF30〜50、PA++以上の製品が最適

日焼け止めは朝塗るだけでなく、数時間おきに塗り直すことで効果が持続します。
日差しが強い日だけでなく、冬や曇りの日でも紫外線対策を怠らないことがニキビトラブルを防ぐポイントです。

紫外線ニキビの原因と対策

食生活を改善する

食生活は肌の健康に直結します。混合肌のニキビをケアするためには、栄養バランスを意識した食事が欠かせません。特に以下の栄養素は、肌質を改善する手助けとなるため積極的に取り入れましょう。

積極的に取り入れたい栄養素
  • ビタミンA・C・E(エース)
    抗酸化作用のあるこれらのビタミンは、肌のターンオーバーを促進し炎症を抑える効果が期待できます。緑黄色野菜や果物、ナッツ類などを積極的に取り入れましょう。
  • ビタミンD
    ビタミンDは免疫機能をサポートし、肌のバリア機能を強化します。魚介類、きのこ類、卵などに豊富に含まれます。
  • オメガ3脂肪酸
    青魚やアボカド、亜麻仁油に含まれるオメガ3脂肪酸は、皮脂分泌を整え、肌の炎症を抑える働きがあります。

また、高糖質・高脂質の食事は皮脂分泌を活発にします。甘いものやスナック、揚げ物などの摂りすぎはお控えください。

ニキビに有効なビタミン成分について

生活習慣を整える

規則正しい生活習慣は混合肌ニキビを予防し、肌の健康を保つために欠かせません。
以下のポイントを意識してライフスタイルを見直してみましょう。

意識したい生活習慣
  • 十分な睡眠をとる
    肌の修復を助けるために、1日6〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。
  • ストレスを溜めない
    ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を活発にする要因のため、適度なリフレッシュが必要です。
  • 適度な運動を取り入れる
    血流を良くし新陳代謝を活性化することで、肌のターンオーバーをサポートします。

生活習慣の見直しは、ニキビの改善だけでなくその後の予防にも役立ちます。
長期的に続けられる習慣づくりを心がけましょう。

混合肌はケアが難しい肌質。症状を緩和したいなら医療機関への相談を推奨

混合肌は顔の部位ごとに異なる特性を持つため、ケアが難しい肌質です。
以下に、これまでの内容のポイントをまとめます。

混合肌ニキビのまとめ
  • 混合肌は油分と水分のバランスが顔のパーツごとで異なる
  • 混合肌ニキビには部位ごとに適したケアが必要
  • 日々のケアで肌質改善が期待できることもある
  • セルフケアが難しい場合には医療機関での相談も検討

ケアを続けても改善がみられない場合には、専門医の診断を受けることを推奨します。
肌質に合った治療やアドバイスが適切な肌管理につながり、ニキビトラブルの改善だけでなく予防にも役立ちます。ぜひ専門医のサポートを活用して、理想の肌を目指しましょう。

混合肌ニキビについてのよくある質問

  • Q
    混合肌は保湿しないほうがいいですか?
    A
    混合肌の方も保湿は必要です。特に、Uゾーンは乾燥を補おうと皮脂が過剰に分泌されることがあります。
    また、肌表面は油っぽくても内部で乾燥が進んでいる「インナードライ」の状態であるため、適切な保湿が欠かせません。
  • Q
    混合肌のニキビの原因は何ですか?
    A
    混合肌のニキビは、以下が原因としてあげられます。
    • 皮脂の過剰分泌
    • 肌内部の乾燥
    • ホルモンバランスの影響
    • 環境要因
    • 不適切なスキンケア
    通常のニキビと同じ原因ですが、顔のパーツごとに異なる肌状態が影響しやすいのが特徴です。
  • Q
    混合肌のおすすめのスキンケア方法は?
    A
    混合肌には、部位ごとにケアを分けるのがおすすめです。
    皮脂分泌の多いTゾーンは皮脂を抑えるケアを、Uゾーンは保湿力の高いケアを取り入れて肌バランスを整えましょう。
  • Q
    混合肌になるのはどんな人ですか?
    A
    混合肌は生まれつき肌の特性として持つ場合もありますが、スキンケア選びの思い込みや不適切なケア、偏った食習慣、ストレスの多い生活環境などが原因となることもあります。
    これらの要因が肌の水分と油分のバランスを乱し、混合肌を引き起こすことがあります。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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