
ポルノ依存症は、アダルトコンテンツ(AVなど)に過度に依存してしまう症状です。依存の程度により、日常生活にも悪影響を及ぼします。
克服には時間はかかりますが、改善できる疾患です。
本記事ではポルノ依存症の症状や改善方法、原因などについて解説します。
ポルノ依存症に悩んでいる方や、自分がポルノ依存症ではないか、と不安に感じている方は、是非参考にしてください。
なお、ポルノ依存症により「ED」を発症する場合があります。
EDに関する情報は以下のページでご確認ください。
ポルノ依存症(中毒)とは
ポルノ依存症とは、ポルノコンテンツ(AVや成人向けアニメなど)に過剰に依存した結果、日常生活にも支障が出てしまう疾患です。
「強迫的性行動症」という精神疾患の一つとしてWHO(世界保健機関)に認定され、欧米でも多くの研究が進んでいます。
近年はスマホの普及で年齢問わずポルノコンテンツに触れられることから、ポルノ依存症患者は10〜20代の若い男性にも多いのが特徴です。
- AVの視聴がやめられなくなる(日常生活に支障が出るレベルで)
- AVの視聴をやめると、余計に見たくなる
- 楽しいと感じていなくても、AVを見てしまう
- 現実の女性や性行為に興奮できない
など
ポルノ依存症は、脳の報酬系に過度の刺激を与え、程度によっては他の依存症と同様に治療が必要です。
麻薬やギャンブルに並ぶ有害性
ポルノ依存症の有害性は、麻薬やギャンブルに匹敵します。
高い中毒性により「やめたいがやめられない」人が増えるなど、社会問題に発展するほどです。
ポルノコンテンツは自慰行為を誘発し、脳内で依存性のある物質(具体的にはオピオイドやドーパミン)を生成します。
- オピオイドはモルヒネに似た作用をおこす内因性の化合物
- ドーパミンは快楽や意欲に関わる脳内物質(ホルモン)で神経伝達物質としても機能
- ヘロインなどの薬物と異なり直接体内で生成される
- オピオイドとドーパミンは特有の依存性がある
ギャンブル依存症も、快楽を感じるホルモンであるドーパミンの過剰な分泌を求める点で、ポルノ依存症と似ています。
そのため、ポルノ依存症はギャンブル依存症や薬物依存症と同じくらい、あるいはそれ以上に回復が難しいのです。
ポルノ依存症で現れる症状
ポルノ依存症には明確な診断基準はありませんが、以下の症状に悩まされる場合があります。
強い刺激が無いと興奮しなくなる
刺激への慣れにより、より過激で刺激の強いポルノコンテンツや自慰行為でないと興奮・射精出来なくなります。
脳が求める快感のレベルが上がってしまうためです。
依存が進行するにつれ個人の性的健康や人間関係にも深刻な影響を及ぼします。
そのため、ポルノ依存症は早期の治療が必要です。
遅漏やED(勃起不全)になる
ポルノコンテンツへの慣れにより、自慰行為はできても実際の女性と性行為をすると遅漏やEDの症状が現れる場合があります。
遅漏やEDはパートナーへの負担にもなるため、根本の原因であるポルノ依存症を治すことが先決です。
実際の女性に勃起しない、興奮できない症状は「心因性ED」のひとつでもあります。
また、遅漏が進行すると、そもそも勃起することが困難となるため、進行を食い止めるためにも早めの治療が必要です。
遅漏、心因性EDどちらも治療効果に即効性のあるED治療薬の服用が有効です。
日常生活への影響
ポルノ依存症は日常生活にも支障をきたします。
ネットでポルノコンテンツを長時間探してしまったり、仕事や勉強に集中できなくなったりなど、スムーズな日常生活を送れず悩んでいる方は少なくありません。
- 人との約束を断ってまでもポルノコンテンツに夢中になってしまう
- ポルノコンテンツを見たいあまり、学校や会社を欠席、欠勤してしまう
など
ポルノ依存症の改善方法
ポルノ依存症の改善方法は、以下の3つです。
以下、順に解説していきます。
性行為時にED治療薬を服用する
ポルノ依存症は、ED治療薬の服用で改善に期待できます。
- ノーマルな性行為が増えることで、脳が新しく健全な報酬回路を覚える
- 性行為時のパフォーマンスが上がる
- パートナーとの性行為に自信がつく
⇒こうして成功体験が増え、ポルノコンテンツに頼る必要がなくなる
こうした改善の過程において、ED治療薬は大きな助けとなります。
治療効果に即効性がある点も優れています。
遅漏についても同様です。
ポルノ依存症が原因で遅漏の症状が現れている場合も、ED治療薬を使用することで女性との性行為への自信を取り戻すことができます。
ED治療薬によって遅漏やEDの症状が緩和されれば、パートナーとの性行為に満足感が増し、ポルノコンテンツへの依存から離脱することができます。
ポルノコンテンツの視聴をやめる
ポルノコンテンツの視聴を強制的にやめることで、依存心を和らげることが可能です。
- スマートフォンの設定でアダルトコンテンツをブロック(非表示)する
- アダルト関係の広告表示をオフにする
- 有害サイトのフィルタリングソフトを利用する
- 想像のみで自慰行為を試みる
以上のような対策を取り、日常的にポルノコンテンツを利用できない環境を作りましょう。
自慰行為を控える
自慰行為自体を控える方法も有効です。
「性欲の原因(ポルノコンテンツ)」を避けることで身体を「ポルノコンテンツや自慰行為を必要としてない状態」に慣らしていくことが改善への第一歩となります。
スマートフォンやPCなどでインターネットに接続しないよう、他の趣味に打ち込むことも自慰行為の制限に有効です。
- 映画やアートなど芸術に触れる趣味
- マインドフルネス(瞑想)など心身をリラックスさせる行動
- プラモデル製作など集中力を要する趣味
- スポーツなど身体を使った趣味
程よい疲れと爽快感が得られる活動は性的な衝動を起こさせないためにも有効です。
ポルノ依存症に陥る原因
ポルノ依存症になる主な原因は以下の2つとされます。
時代的な背景
昨今では年齢問わずインターネットで気軽に、いつどこでもアダルトコンテンツやAVが見られるようになりました。
こうした時代背景により、ポルノ依存症は蔓延しています。
精神的な疾患
ポルノ依存症の人は、不安や憂鬱感を紛らわすためにアダルトコンテンツを利用している傾向があります。
日常的に不安感を抱いていたり、抑うつ状態に陥っていたりするため、精神疾患に起因するポルノ依存症の事例も多いのです。
そもそもポルノ依存症自体が「強迫的性行動症」のひとつで、分類は精神疾患となります。
興奮が得られやすく強い依存・中毒性があり、自分で性的な欲求をコントロールできない状態が続きます。
そのため一度発症してしまうと克服には時間が必要です。
まとめ:ポルノ依存症は時間がかかるが克服できる症状
ここまで、ポルノ依存症の原因や改善方法について解説してきました。
最後に、記事の内容をまとめてお伝えします。
- ポルノ依存症(ポルノ中毒)とは、性的コンテンツに(日常生活に支障が出るレベルで)依存してしまう症状のこと
- 強い刺激が無いと興奮できない、遅漏、勃起不全(ED)の症状があらわれることがある
- ポルノ依存症は、自慰行為の抑制やED治療薬の服用により改善の見込みがある
- ポルノ依存症の蔓延には、時代背景や現代の精神疾患者の増加が関係している
ポルノ依存症は改善が困難で時間がかかります。
一方、パートナーがいる方はED治療薬を服用することで通常の性行為に自信が生まれ、ポルノコンテンツ依存から離れ日常生活を送れる可能性があります。
当院ではED治療薬の処方を行っており、通院の煩わしさを解消したオンライン診療も行っております。
診察料は0円、初診からオンライン対応可能です。
是非お気軽にご相談ください。
ポルノ依存症(中毒)に関するよくある質問
-
- Q
自慰行為の回数を減らせばポルノ依存症は改善できますか?
- A
自慰行為の回数を減らす行為は大変有効ですが、減らすだけでは不十分な場合があります。ポルノ依存症は性的行動だけでなく、精神的な依存や行動パターンにも深く根ざしており、総合的なアプローチが必要だからです。 以下の方法が効果的とされています。
- スマホやPCでアダルトコンテンツを閲覧できないようにする
- ED治療薬を服用する
- 運動や趣味、社交活動に注力する
- ポルノコンテンツに触れられない環境を作る
- Q
-
- Q
ポルノ依存症が原因で中折れする場合はある?
- A
はい、あります。ポルノ依存症の患者は、ポルノコンテンツの刺激に慣れてしまっており通常の性行為では中折れの症状があらわれるケースが多いです。
中折れを改善するためには根本の原因であるポルノ依存症の治療が有効ですが、並行してED治療薬の服用を推奨します。ED治療薬は性機能に直接働きかけるため、中折れにも有効です。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
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この記事の監修

(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務