
こめかみは皮脂が多く分泌されるため、ニキビや吹き出物が発生しやすい部位です。
炎症を引き起こし、悪化すればニキビ跡やしこりニキビになる可能性もあるため、早めの治療を推奨します。
この記事では、こめかみにできるニキビの治し方や再発を防ぐための効果的なケア方法を解説しています。ぜひ参考にしてください。
こめかみニキビの原因。治らない・繰り返すのはなぜ?
こめかみニキビは、特に皮脂の分泌が活発な10代から20代前半の女性に多く見られます。
主な原因は、以下の通りです。
これらの原因が重なることで、皮脂や汗が毛穴に詰まり、こめかみニキビができやすくなります。
ただし、こめかみニキビは大人になってからも発生することがあり、放置するとニキビ跡になるため、年齢に関わらず注意が必要です。
ここからは、こめかみにニキビができるそれぞれの原因について詳しく解説していきます。
ターンオーバーの乱れ

ストレスや睡眠不足、不規則な生活は、ホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバー(新しい肌細胞に生まれ変わるサイクル)に影響を与えます。
本来、古い角質は約28日で自然に剥がれ落ちますが、ターンオーバーが遅れると古い角質が肌に残り、毛穴を詰まらせてしまいます。
これが原因でニキビ菌が増殖し、こめかみニキビができやすくなってしまいます。
髪の毛や帽子、ドライヤーの熱風などによる外部刺激

こめかみニキビの原因となる外部刺激には、以下のようなものがあります。
前髪やサイドの髪がこめかみに触れると、摩擦で毛穴が詰まりやすくなり、皮脂や汚れが移ることでニキビが悪化する
✖帽子の圧迫と蒸れ帽子を頻繁に被ると、こめかみ部分が圧迫され、摩擦や蒸れが生じてニキビの原因になる
✖ドライヤーの熱風ドライヤーの熱風が直接こめかみに当たると皮膚にダメージを与え、皮脂の分泌が増えてニキビができやすくなる
普段の何気ない行動が、実はこめかみニキビの原因になることがあるため、外部刺激には注意が必要です。
整髪料やシャンプーの洗い残し

整髪料やシャンプーがしっかり洗い流されていないと、やがて毛穴が詰まってしまい、こめかみニキビの原因となります。
刺激の強い成分が含まれる製品は、洗い残しがあると肌に負担がかかり、かゆみや炎症なども引き起こしやすくなります。
こめかみ部分は顔や髪の境目にあり、洗い残しが起こりやすいので注意が必要です。
整髪料やシャンプー、化粧品が体質に合っていない

整髪料やシャンプー、化粧品など、毎日使うアイテムが体質に合わない場合、こめかみニキビや肌トラブルの原因になることがあります。
たとえば、泡立ちが良く洗浄力が高い成分は、敏感肌や乾燥肌の方は肌に合わず、ニキビや肌荒れを引き起こすことがあります。
さらに、以下のような成分も刺激が強いため、アレルギーや肌トラブルを招くことがあります。
✖タール色素
✖防腐剤
✖石油系界面活性剤
これらの成分が含まれる製品は、肌質に合っていないとこめかみニキビの原因になる可能性があります。
汗による雑菌の繁殖

汗をかくと、肌表面に雑菌が増えやすくなり、毛穴が詰まる原因になります。
特にこめかみは皮脂腺が多く、汗と皮脂が混ざり合いやすいため、雑菌が繁殖しやすい環境です。
さらに、汗をかいたまま放置すると、皮膚の表面がアルカリ性に傾き、通常は弱酸性で抑えられているニキビ菌が繁殖しやすくなります。
ニキビ菌は皮脂をエサとし、酸素を嫌う嫌気性細菌です。
湿度が高く、蒸れやすい環境を好むため、汗や皮脂が溜まることで増えやすくなります。
こめかみニキビの治し方
こめかみニキビは、適切なケアと治療を行うことで改善が期待できます。
主な治し方は、以下の通りです。
こめかみニキビの主な治し方 | ||
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メリット | デメリット | |
市販薬 |
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処方薬 |
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施術治療 |
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市販薬は手軽ですが、こめかみニキビの原因を根本から解消するのは難しい場合があります。一方、処方薬は皮脂の過剰分泌や炎症を体の内側から改善するため効果が期待できます。
症状や肌質に合わせた治療を受けられるため、再発防止にもつながります。

こめかみニキビの主な治療薬・サプリメント
こめかみニキビの治療に使われる薬には、以下のようなものがあります。
【こめかみニキビの主な治療薬・サプリメント】
製品名 | 有効成分 | 効果・特徴 |
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ベピオゲル (塗り薬) |
過酸化ベンゾイル2.5% |
角質剥離作用で毛穴詰まりを予防 ニキビ菌も抑制 |
デフェリンゲル (塗り薬) |
アダパレン0.1% |
毛穴の閉塞を予防 炎症性、非炎症性どちらのニキビにも効果 |
イソトレチノイン (飲み薬) |
ビタミンA誘導体 |
皮脂の過剰分泌を抑制 ニキビの発生を根本的に抑制・再発予防 |
ハイチオール (飲み薬) |
L-システイン |
酸化ストレスの予防 ニキビ跡の色素沈着予防 |
シナール (飲み薬) |
アスコルビン酸(ビタミンC)、パントテン酸(ビタミンB5) |
肌のターンオーバーを整え活性酸素を抑制 ニキビ跡の色素沈着を予防・改善 |
Lypo-C Vitamin C Lypo-C Vitamin C+D (サプリメント) |
ビタミンC ビタミンD |
活性酸素を抑制してニキビの炎症を軽減 肌のバリア機能向上 |
内服薬は体の内側から皮脂の分泌を抑えたり、ニキビ菌を減少させたりすることで、炎症を和らげる効果が期待できます。
また、体質によってはサプリメントもニキビの予防をサポートする役割で用いられます。
なお、フィットクリニックでもイソトレチノインを用いたニキビ治療を行っております。オンライン診療のため、忙しい方でも通院の負担なく治療を開始できます。
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こめかみニキビの再発を防ぐケア方法
こめかみニキビを予防・改善するためには、普段の生活習慣やスキンケアの見直しが欠かせません。
日常的なケアを丁寧に行うことで、ニキビの発生を防ぎ、肌の調子を保つことが可能です。
それぞれのポイントについて、次の章で詳しく解説していきます。
生活習慣を見直す

こめかみニキビを改善するには、まず生活習慣を見直すことが大切です。
体の健康状態は肌にも反映されるため、生活習慣が乱れたサインとしてニキビや肌トラブルが現れることもあります。
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常に保ちましょう。
また、栄養バランスの補助として、サプリメントの活用も効果的です。
たとえば、Lypo-C(リポシー)のようなビタミンCサプリメントは抗炎症作用と抗酸化作用があり、肌の新陳代謝を促進します。
生活習慣の改善と併用することで、ニキビの予防や改善を効果的にサポートできます。
そのほか、見直したい生活習慣は以下の通りです。
- まとまった7時間前後の睡眠をとる
- 油物や甘いものは極力控える
- ストレス管理を徹底する
- 乾燥を防ぐ
日常生活のちょっとした改善が、ニキビの予防に繋がります。
健康な肌を維持するためにも、規則正しい生活習慣を大切にしましょう。
髪の毛や帽子の清潔を保つ

髪の毛が皮脂や汚れで不衛生な状態だと、こめかみに触れることでニキビができやすくなります。
特に、髪の長い方や前髪がこめかみに頻繁に触れる場合は、髪を常に清潔に保つことが大切です。
定期的にシャンプーを行い、頭皮ブラシを使ってしっかりと汚れを落とすよう心がけましょう。
さらに、汗をかいた後はこまめに拭き取ってください。
蒸れや汗がこもると、ニキビ菌が増殖しやすい環境が整ってしまうためです。
帽子を頻繁にかぶる方は、こまめに洗濯して清潔を保つことでニキビの予防につながります。
外部刺激を少なくする

こめかみニキビを予防・改善するためには、肌への外部刺激を減らすことが非常に重要です。
特に、ヘアケア製品やスタイリングの際の外部からの刺激が、肌に負担をかけていることがあります。
以下のポイントに注意することで、こめかみニキビを防ぐことができます。
整髪料やシャンプーには、刺激の強い成分が含まれている場合があります。肌に合わない成分は、炎症や肌トラブルを引き起こすことがあるため、低刺激で無香料の製品を選ぶことが推奨されます。
特に敏感肌の方は、ラウリル硫酸ナトリウムやアルコールが含まれていない製品を選ぶと良いでしょう。
ドライヤーの熱風は、こめかみにダメージを与えることがあります。高温の風は肌乾燥を招いてしまい、皮脂分泌が促進されることでニキビを発生させたり、悪化する原因になることがあります。
ドライヤーの温度を低めに設定し、できるだけ距離を保ちながら乾かすことで肌への負担を軽減できます。
前髪やサイドの髪がこめかみに触れると、摩擦が起き、毛穴が詰まりやすくなります。こめかみに直接髪が触れないようにヘアスタイルを工夫したり、定期的に髪を洗って清潔を保つことでニキビの発生を予防できます。
スキンケアの見直しをする

こめかみニキビの予防や改善には、スキンケア製品の見直しも重要です。
特に、ニキビを引き起こしにくい製品である「ノンコメドジェニック製品」を選ぶことが効果的です。
これらの製品は、毛穴を詰まらせにくいことがテストで確認されており、一般的なスキンケア用品に比べてニキビができにくいことが特徴です。
日常的に使用している化粧水や乳液、クリームを、ニキビ予防に特化したノンコメドジェニック製品に切り替えることで、ニキビの発生リスクを減らすことが期待できます。
肌に合った製品を選び、過剰な皮脂分泌や毛穴詰まりを防ぐことが、こめかみニキビを防ぐための一歩となります。
まとめ:こめかみニキビは諸要因から発生する。我慢せず医療機関へ相談を
こめかみニキビは、皮脂の分泌や外的な刺激、生活習慣の乱れなど、さまざまな原因が重なって発生します。
これまでの記事で紹介した要点を以下にまとめます。
- こめかみニキビの原因は、生活習慣の乱れや毛穴の詰まり、シャンプーの洗い残しなどがある
- ニキビ治療には内服薬や外用薬、施術治療などもある
- スキンケアや日々の過ごし方を少し意識するだけで予防につながる
こめかみニキビが悪化すると炎症や化膿を起こすだけでなく、誤ったケアによりニキビ跡が残るリスクもあります。
再発を繰り返したり、普段のケアだけでは一向に改善されない場合には、早めに医療機関にご相談ください。
肌の状態にあった適切な対処法で、健康で美しい肌を保ちましょう。

こめかみニキビのよくある質問
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- Qこめかみニキビが痛いのはどうしてですか?
- Aこめかみニキビが痛いのは、炎症を伴っているためです。
こめかみ部分は顔の他の部分に比べて皮膚が薄く神経が集まっているため、炎症が進むと痛みを感じやすくなります。腫れや赤みも生じやすくなります。
ニキビの種類(色での判別)
- Q
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- Qこめかみニキビで頭痛がするのは病気ですか?
- Aこめかみニキビによる頭痛は通常ありませんが、ニキビが深部で炎症を起こしたり、神経に影響を与えたりすると痛みが「頭痛」として感じられる場合もあります。
ただし、頭痛が頻繁に続く場合は、帯状疱疹などの別の病気が隠れている可能性があるため医療機関での診察が望ましいです。
- Q
-
- Qこめかみにしこりがありますが、ニキビですか?
- Aこめかみにしこりがある場合、ニキビ以外の可能性も考えられます。
しこりは深い炎症を伴う、しこりニキビの可能性がありますが、粉瘤などの皮膚疾患や、感染症の影響によるものもあります。
しこりが長期間続いたり、痛みがひどい場合は、皮膚科での診察を受けることをおすすめします。
皮膚科に行くべきニキビの特徴
- Q
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- Qこめかみのニキビや吹き出物は内臓疾患と関連していますか?
- Aこめかみニキビや吹き出物が内臓疾患と関連しているという医学的根拠はありません。
しかし、東洋医学では内臓の不調が皮膚に表れることがあるとされています。
特に、ストレスが消化器官にダメージを与え、間接的に肌荒れやニキビに影響すると考えられています。
ストレスによるニキビの原因と治し方 ホルモンバランスによるニキビの原因と治し方
- Q
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- Qこめかみニキビが治らないのはなぜですか?
- Aこめかみニキビが治らない理由には、生活習慣やスキンケアの見直し不足、外的刺激の継続などが考えられます。
また、慢性的なストレスやホルモンバランスの乱れも関係している場合があります。
自己ケアだけで改善が見られない場合には、皮膚科などの医療機関での治療を受けることが効果的です。
ニキビが治らない原因と対処法
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
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未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
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・FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。 ・胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。 ・妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。 |
医薬品副作用被害救済制度について |
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
特に夏場は汗をかきやすく、肌も蒸れやすいためこめかみニキビができやすくなる季節です。肌の清潔をより意識しましょう。