
混合性EDは、精神・身体疾患やそれに伴うストレス、服用中の薬の副作用など複数の原因が合わさって起こるEDです。
本記事では、特定が難しいとされる混合性EDについての具体的な説明や原因、治し方について解説しています。
混合性EDにお悩みの方や、EDだが原因がよくわからないという方、治療方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
なお、EDに関する情報は以下のページでご確認ください。
混合性EDとは

混合性EDとは、器質性ED(身体的な問題によるED)と心因性ED(精神的な問題によるED)、薬剤性EDの2つ以上が原因で発症するEDを指します。
混合性EDはEDの中でも比較的高い割合を占め、多くが50~60代の患者です。
その理由としては、生活習慣病やその他疾病が高齢になるにつれて発症しやすいことと関係します。
病気に関する精神的な負担や薬剤の服用が、結果として心因性ED、薬剤性EDと合わさり、混合性EDに発展するためです。
EDの種類についての説明は以下にまとめております。
【EDの引き起こす4つの原因について】
名称 | 原因 |
---|---|
混合性ED | 器質性ED、心因性ED、薬剤性EDの原因のいずれかが合わさったもの |
器質性ED | 動脈硬化や神経の損傷 |
心因性ED | 心理的、精神的なストレス、精神疾患 |
薬剤性ED | 特定の薬剤の服用や薬剤の過剰摂取 |
混合性EDの原因
混合性EDの多くは、神経性や血管性の障害によって器質性EDが発生し、その症状によってストレスを感じて心因性EDと合併するケースです。
また、ED発症に関わる特定の疾患と、服用中の薬剤によって引き起こされるということもあります。
こうした混合性EDの原因は主に4つに分類できます。
精神的なストレス・トラウマ
精神的なストレスや過去のトラウマによって、混合性EDを発症する可能性があります。
ストレスやトラウマが引き起こされる主な要因は以下です。
- 人間関係(職場・家族など)
- 性に関するコンプレックス
- 過去の性行為の失敗
- パートナーとの不仲
- 妊活など強制的な性行為に対するプレッシャー
- 経済的不安
過去の失敗から「今度も失敗したらどうしよう」と無自覚にプレッシャーがかかってしまうケースも、EDの症状を悪化させます。
また、本人が気づいていない潜在的なストレスが蓄積している可能性もあり、原因の自己判断は困難です。
医師に自分の心の状態を確かめてもらうことによって、EDの要因が判明する場合もあります。
精神的・身体的な疾患
以下のような精神疾患、身体疾患にかかると、混合性EDを発症する可能性が高まります。
- うつ病
- 不安神経症
- 統合失調症
- パニック障害
など
精神的な疾患がEDを引き起こす理由は、ストレスや不安、うつなどの精神疾患が性的な興奮や性的機能に影響を与えるからです。
精神的な不安がある状態は、性的な刺激に対する興奮や意欲を低下させる可能性があり、EDの発症を促進します。
- 動脈硬化など血管障害
- 糖尿病など神経障害
- 脳出血、脳挫傷
- パーキンソン病
- 前立腺肥大症
など
身体的な疾患がEDを引き起こす理由は、その疾患が性器の血流や神経機能に影響を与えることがあるからです。
心臓病、高血圧、糖尿病などの疾患は動脈硬化にもつながり、血管や神経にダメージを与え、正常な勃起を妨げる可能性があります。
疾患に付随する肉体的なストレスや精神症状(うつ・不安・無感動)で心因性EDとなり、最終的に混合性EDに発展するケースも目立ちます。
また、これらの精神疾患・身体疾患の治療に使用する薬剤により、EDが生じる事例を薬剤性EDと呼びます。
加齢による身体機能低下と男性ホルモンの減少
年齢を重ねるにつれ、身体機能は低下していきます。
身体機能の低下に比例して男性ホルモンの減少も進み、男性機能が衰えていくという仕組みです。
また、男性ホルモンの低下は「男性更年期障害」ともいわれています。
気分の落ち込みや、性欲の減退などが主な症状です。
特定の薬剤の影響
以下のような薬を服用している場合、EDの原因となっている場合があります。
- 降圧剤
- 精神安定剤
- 抗うつ剤
- 向精神薬
- 睡眠薬
- α遮断薬
- 5α還元酵素阻害薬
- 抗潰瘍薬
- 呼吸器官・アレルギー用剤
- 脂質異常症治療薬
など
なお、上記のすべての医薬品がEDと原因となるわけではないため、薬剤の影響が気になる方は医師に相談しましょう。
混合性EDの治し方
混合性EDは心因性EDと器質性ED、薬剤性EDのいずれかを合併していますが、その多くを即効性のあるED治療薬で治療することが可能です。
一方、ED治療薬と並行してそれぞれの原因にあった対策方法で時間をかけて改善も必要です。
- 心因性EDは要因である「精神的ストレスやプレッシャーなどの軽減」
- 器質性EDは要因である「病気や身体的な異常の治療」
- 薬剤性ED要因である「薬剤の休薬・減薬・薬剤の変更」
混合性EDの改善に対して具体的な治療・改善方法は以下で詳しく解説します。
ED治療薬を服用する
ED治療薬服用のメリットはどのタイプのEDにも一定の効果があることと、即効性があるため短期間でED改善の効果を得ることです。
またED治療薬にもさまざまなタイプがあるため、自身の原因や症状に合うED治療薬を選択することもできます。
ED治療薬の詳細に関しては、以下のリンク先を参照ください。
生活習慣を改善する
混合性EDの方に多い原因として「肥満」や「生活習慣病」などがあります。
このような症状を予防あるいは改善するためには、食生活の改善と運動による改善の、両方を行っていくことが望ましいです。
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 糖分や塩分を控える
- 間食を控える
- 過度のアルコール摂取は控える
など
- ジョギング
- ウォーキング
- ラジオ体操
- その他有酸素運動
など
身体活動量が多くなることでエネルギー消費量が増加し、内臓脂肪の燃焼が見込めます。
内臓の働きも活発となり、糖や脂質の代謝、血流や血管壁の伸縮性も改善可能です。
運動を行うことで体力・持久力が向上し、身体活動量を確保しやすくなります。
加えて、筋肉量が増えることで代謝が良くなることで、EDを引き起こす生活習慣病の予防も期待できます。
ストレスやトラウマを解消する
ストレスを解消するための第一歩として、人間関係、仕事、疲れ、緊張などといったストレスの原因を特定することが大切です。
誰かに相談したり、向き合い方を変えることでストレスがこれ以上かからないようにしましょう。
以下の行動や習慣も、ストレスの解消に有効です。
- 適度な運動をする
- バランスの良い食事をとる
- 質の良い睡眠をとる
- コーヒーなど「カフェイン」を摂取する(リラックス効果が期待できるため)
など
性行為の失敗など過去のトラウマの中には自分で忘れている記憶や深層心理に根付いている場合もあります。
こうした場合は心療内科や専門家のカウンセリングを受けるといった方法で時間をかけてトラウマを取り除く方法を取ることもあります。
服用中の薬の変更を行う
特定の薬剤がEDも関係している場合は、以下の方法で解消します。
- EDの副作用の無い薬に変更する
- 減薬日・休薬日を設ける
混合性EDについてまとめ
ここまで、混合性EDのメカニズムや改善方法について説明してきました。
最後に、記事の内容をまとめてお伝えます。
- 混合性EDとは「精神的な要因と身体的な要因、服用中の医薬品の副作用、などの要因が2つ以上合わさったED」のこと
- 混合性EDの原因の多くは、病気(糖尿病、動脈硬化その他生活習慣病)や日常生活での精神的ストレス、加齢によるもの
- 混合性EDは、ED治療薬の服用や生活習慣の改善により治る可能性がある
フィットクリニックでは混合性EDにも有効なED治療薬を処方しております。
オンライン診療を利用すれば必要な診察もスマホやPCで受診できます。
自宅にいながら他の患者と顔を合わせる必要もなく、手軽にED治療薬を入手できます。
ぜひお気軽にご相談ください。
まずはご予約から!お急ぎの場合は
ください
混合性EDに関するよくある質問
-
- Q
混合性EDになりやすい人はどんな人ですか?
- A
40代以上(特に50~60代)の方や、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方に多く見られます。
加えて、精神的ストレスの多い方や肥満の方、喫煙者、アルコールを頻繁に摂取する方、生活習慣の乱れがある方も混合性EDとなるリスクが高いです。
- Q
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- Q
混合性EDの治し方はなんですか?
- A
元となる疾患の治療やED治療薬の服用、ストレス・トラウマの軽減が有効です。
混合性EDは病気によるストレスやその他人間関係のストレスなどが複雑に絡み合って発症するからです。
また、改善のためには健康的な生活習慣を確立しましょう。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などは、身体の機能を正常に保つのに役立ちます。
併せて、医師の指示に従い適切なED治療薬を処方してもらうことで、混合性EDの症状を和らげることができます。
- Q
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- Q
混合性EDは自然に治りますか?
- A
混合性EDの自然治癒は難しいとされています。
病気やストレスなど複数の要因が合わさって発症するEDのため、自分で原因を探ることが難しいからです。
医師の指導のもと、適切な治療法を選択する必要があります。また、医療機関での治療に加え、生活習慣を改善することで症状の緩和は可能です。
早めの対処と継続的なケアが、症状の改善や健康な生活の維持につながります。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
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この記事の監修

(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務