出産後のダイエットは、体の回復状況に合わせて無理なく始めましょう。
期限を気にしなくてもポイントを抑えれば、十分に体型管理を目指せます。
このページでは産後ダイエットにおすすめの運動や成功に導くポイント、産後になかなか痩せない理由とその対策について詳しく解説します。
産後に限らない太る原因と痩せる方法については以下のページをご覧ください。 太る原因と痩せる方法
産後ダイエットはいつから始めていつまでが効果的か
一般的に、ダイエットは産後2〜3ヶ月ごろからスタートするのが良いとされています。
また、効果的なのは産後6ヶ月までとされます。
時期による体の変化
-
産後1ヶ月(6~8週間)
産褥期(さんじょくき)とも呼ばれる。
大けがに例えられる出産後の体が回復に向かう時期なので、減量より治癒を優先すること。 -
産後2〜6ヶ月(ボディリターン期)
この時期のホルモンバランスがダイエットに好影響を与えるとされる。
体が出産のために蓄えていた脂肪や水分を減らそうとする。
骨盤の位置も元に戻りやすい。
授乳でも消費エネルギーが増大する。 -
産後6ヶ月以降
女性ホルモンが通常に戻るため、産後抜け毛といった症状も回復に向かう。
骨盤に関連するじん帯も硬く戻り始めるため、インナーマッスル強化のダイエットも可能。
体重を戻すのに効果的な時期を過ぎても、その時期に合った食事と運動、トレーニングでダイエットは可能です。
また、更に時間が経過し授乳期を過ぎればメディカルダイエットを利用して効率的に痩身する選択もできます。
メディカルダイエットについて詳しく見る
ダイエットの開始時期は体の回復状態に合わせる
ダイエットの開始時期は体の回復状態に合わせることを最優先で考えてください。
帝王切開をした場合は、傷口の状態が落ち着き、医師から問題なしと診断されるまでは、時期に関わらず体を安静にすることが最も重要です。
回復状態の目安
-
産後1ヶ月月健診
産後1ヶ月健診で医師から運動できるか判断してもらい、許可を得たうえで開始する。 -
産後3ヶ月(ボディリターン期)
産後2ヶ月程度からダイエットに向く時期とされるが、産後3ヶ月あたりで体力が妊娠前に戻るため、この時期をダイエットの強度を上げる開始時期とする。 ※ただし産後の体の負担になるメニューは取り入れないこと
少しでも早く体型を戻したいと、はやる気持ちもありますが、実は産後1ヶ月の産褥期(さんじょくき)にしっかりと安静にできた人のほうが、その後のダイエットで痩せやすいと言われています。
安静にすることでダイエットにつながる骨盤やホルモンバランスを整える準備ができやすいため、母体の健康のためにもしっかりと休んでください。
産後になかなか痩せない原因
産後になかなか痩せない主な原因として、以下の4つがあげられます。
-
ホルモンバランスの変化
妊娠・出産に伴うホルモンバランスの変化が、体重の減少を妨げる -
骨盤のゆがみ
妊娠・出産による骨盤の歪みが、血流やリンパの流れを悪化させ、新陳代謝を低下させる -
生活習慣の乱れ
出産後のストレスや疲れから食べすぎたり、不規則な生活習慣が続いたりすると太りやすくなる -
運動不足
育児に追われて運動不足が続くと筋肉が落ちてしまい、基礎代謝も低下するので痩せにくくなる
産後に痩せない原因は、身近なライフスタイルに潜んでいることが多いです。
しかし、自分ではどうにもできない、出産の影響やホルモンバランスの乱れが痩せにくさの原因になっていることもあります。
生活習慣の改善などできるところから、気長に続けてみるようにしましょう。
おすすめの産後ダイエット方法
ここからはおすすめの産後ダイエット方法を具体的なやり方やそれぞれに向いた時期を踏まえて解説していきます。
いくつか重複して負荷をかけるのは、通常のダイエットでは効果的ですが、産後ダイエットは体の回復を優先し、無理をしないことを心掛けてください。
骨盤ケアとトレーニング
出産後は骨盤が緩んでいるため、骨盤底筋を鍛えるトレーニングが効果的です。
骨盤を安定させ、内臓機能を回復させることで、代謝を上げていきます。
ケーゲル運動
骨盤底筋(PC筋)を引き締める運動です。
- 肛門をぎゅっと締めて3〜5秒キープ
- 3〜5秒かけてゆっくりと緩める
- ①②を10回繰り返す
ケーゲル運動は、尿失禁予防にも役立ちます。
1日3セット行うのが理想的です。
骨盤ケアは産後2ヶ月以降を目安に開始し、産後6ヶ月ごろには骨盤が徐々に安定するため、スクワットや腹筋を取り入れても構いません。
ただし産後の回復には個人差があるものです。
ご自身の体調を優先することを忘れず、医師と相談の上、負荷を上げていくことをおすすめします。
無理のない運動
妊娠前の体型に戻すためには、少しずつできる範囲から運動を取り入れていくことが大切です。
ハードな運動を行う必要はまったくないので、体づくりも兼ねて以下のような運動を積極的に取り入れてみてください。
ウォーキング
外に出る時間を作れるなら、ウォーキングがおすすめです。
ベビーカーを押しながらでもできるうえ、外出で気分転換にもなるので、メンタル面にも良い影響が期待できます。
ポイント
- 開始時期は産後1ヶ月健診で許可が出てから
- 最初は5~10分からはじめる
- 産後3ヶ月ごろからは15~20分程度
- 産後6ヶ月ごろからは30分程度
- 肘は直角に曲げて、ベビーカーのハンドルを持つ
- 手首はまっすぐ伸ばす
- 肘と体があまり離れない状態を保つ
ヨガやピラティス
ヨガやピラティスは、筋力をつけながらリラックス効果も得られるため、産後のダイエットに適しています。
産後2ヶ月以降からの開始を目安とし、帝王切開や、回復の遅れているお母さんは、産後2〜3ヶ月以降から体調を見て開始しましょう。
特に、骨盤周りを整えられる以下のポーズがおすすめです。
キャットカウポーズ
背中や腹筋を柔軟にし、
骨盤周りをほぐします。
- 四つん這いになり、肩の真下に手を置く。足は腰幅に開く
- 息を吐きながら背骨を1つ1つ意識して丸める
- 反対に、息を吸いながら背骨を1つ1つ反らせる
- ②③を5セットほど繰り返す
ブリッジポーズ
腹筋や背筋を鍛え、
体幹を安定させます。
- 仰向けになり、膝を曲げて足を床につける
- お尻を持ち上げ、手を組む
- 数秒間保持して呼吸した後、息を吐きながらお尻をゆっくり下ろす
骨盤周りのインナーマッスルを整えることは、出産で開いた骨盤を元に戻すという意味でも大切です。
無理のない範囲で日常的に行いましょう。
栄養バランスを考えた食事
産後の食事は、しっかり3食、バランスよく食べることが大切です。
産後に必要な食事を時期に分けてわかりやすくまとめたものが以下の表です。
ポイント
-
出産後~産後2ヶ月ごろまでは体の回復を優先した食事
必要な炭水化物、タンパク質をしっかり摂る。母乳を作るための食事も重要。
野菜、キノコ類、海藻類、果物は体の調子を整えるのに有効。
貧血対策の鉄分や、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどでカルシウムも摂る。 -
産後2ヶ月以降は体重管理を意識した食事だが筋力低下に注意
主食と副菜のバランスの取れた食事を摂る。
大豆製品は女性ホルモンを整えるのに有効。 -
産後6ヶ月以降は離乳食がはじまるため、忙しい中でもバランスの取れた食事を摂る
主食、主菜、副菜のバランスの取れた食事が理想。
大変忙しくなるため理想通りの食事が難しくなるが、タンパク質、鉄分、カルシウムが不足しがちになる点を踏まえて、作り置きする。
授乳中の食事
授乳中は授乳による消費エネルギーを補うため、赤ちゃんが摂る栄養や水分も加えて摂ることが推奨されます。
ダイエットと真逆とは考えず、必要な栄養素を意識してしっかりと摂取してください。
-
授乳中に余分に摂取するべき栄養素
タンパク質、ビタミンA、ビタミンC、ナイアシン、葉酸 -
水分補給もしっかりと行う
水のほか、麦茶、ルイボスティーなど味を変えると飲みやすい。 -
控えたほうが良い食材
カフェイン、アルコール、脂質や糖質の高いメニュー(ファストフードなど)
なお、授乳中は母乳分泌により消費エネルギーが増大するため、ダイエットしやすくなっています。
赤ちゃんは1日平均約800mlの母乳を飲み、授乳で約480kcalのエネルギーが消費されています。
無理なダイエットでエネルギー摂取量が1500kcal/日以下になると、母乳が止まりやすくなる傾向にあるため、3食バランスの良い食事を摂りましょう。
メディカルダイエットは授乳期が終わっても痩せない場合の選択肢
自己流のダイエットで痩せない場合、授乳期が終わってからのダイエットの選択肢としてメディカルダイエットも有効な選択肢のひとつです。
- 医師の指導のもとで行う痩身治療
- 過度な食事制限や運動をしなくても減量が可能
- GLP-1受容体作動薬などは授乳中は禁忌
- メトホルミンを服用する場合は授乳を中止する
- ゼニカルを服用する場合は授乳を中止する
- 防風通聖散の服用は授乳を避けるか医師に相談する
メディカルダイエットの主な治療薬・漢方について、授乳期間中の使用は基本的にNGですが、授乳を終え、その後の健康状態に問題なければ使用が可能となります。
以下は、メディカルダイエットに用いられる一般的な治療方法です。
| メディカル ダイエットの種類 |
使用する薬・ マシン |
概要 | |
|---|---|---|---|
| 飲み薬 | ゼニカル、メトホルミン、リベルサス、フォシーガなど |
|
食欲のコントロール、摂り過ぎた脂質や糖質の体外への排泄、血糖値の降下など |
| 漢方・ サプリメント |
防風通聖散など | ダイエットをサポート | |
| 自己注射薬 | サクセンダ、オゼンピックなど |
|
体内にあるホルモンを補い食欲をコントロール |
| 医療施術 | クールスカルプティング®など | 脂肪を冷却して脂肪細胞を体外に排泄 | |
| 注射剤 | 脂肪溶解注射 | 脂肪細胞を溶かして老廃物として体外に排泄 | |
| 外科手術 | 脂肪吸引 | 皮下脂肪を手術で除去する |
産後ダイエットを成功に導くポイント
産後ダイエットを成功に導くポイントは、以下のとおりです。
育児をしながら産後ダイエットも頑張るというのは簡単ではないため、その日の体調とも相談しながらスローペースを心がけることが成功への近道です。
過度な食事制限をしない
過度な食事制限は、一時的に体重が減少するものの、体重が落ちるスピードが速いと筋肉もいっしょに落ちてしまいます。
- 産後の体力回復を妨げる
- 体がたるみやすくなる
- 食べられないストレスの反動が過食につながる場合がある
- 授乳中なら母乳の質や量にも悪影響を及ぼすおそれがある
産後ダイエットは特に「食べずに痩せる」のは母子ともにメリットがないため、食事内容をコントロールして健康的に痩せることを目指しましょう。 ダイエット中の食事
しっかり睡眠する日をつくる
産後ダイエットを成功させるためには、十分な睡眠時間が欠かせません。
産後にまとまった睡眠をとるのはとても難しいものですが、疲弊してしまわないためにも、家族やパートナーの協力を得て、しっかりと睡眠する休息時間を確保しましょう。
-
食欲が増大する
食欲を抑えるホルモン(レプチン)の減少と、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の増加を引き起こし過食に陥りやすくなる。 -
授乳による睡眠の細切れ化
気分の落ち込みなどは睡眠障害につながる。ただし、細切れでも睡眠をとるほうが良い。
「子供がかわいいと思えなくなっている」「無意識に涙が出る」といった症状は、睡眠障害が原因の場合があります。
2週間以上持続する場合は、一人で悩まず保健センターや医師に相談しましょう。
産後ダイエットは適切な開始時期とダイエット方法が大事
産後の体重と体型を戻す目安は産後6ヶ月までが「ゴールデンタイム」と言われます。
ただし産後の体調や育児、生活による個人差もあります。
ダイエット開始時期は産後1ヶ月からとされていますが、帝王切開で出産した場合は、傷や体力の回復を優先させましょう。
いずれの場合も無理をせず、ご自身に合うペースで計画的なダイエットに取り組むことが大切です。
また、授乳期が終わり、育児に追われ、忙しくてエステやジムに通うことが難しい場合は、医師のサポートを受けながらメディカルダイエットもご検討ください。
よくある質問
-
- Q
母乳で育てているのに痩せないです。
- A
授乳は1日の授乳量を約800ml/日とすると、約480kcalほどのエネルギーが消費されると考えられます。
そのため母乳で育てていても痩せない場合、個人差はありますが、それ以上の食事量や高カロリーな食生活が続いてしまっている可能性が考えられます。
身体の回復が大切なので、無理のない範囲で食事の見直しをしてみましょう。
- Q
-
- Q
産後ダイエットはいつまでが勝負ですか?
- A
一般的にはもっとも体重を戻しやすいのは産後6ヶ月までと言われています。
この期間は妊娠前の状態に体が戻ろうとするので、出産のために蓄えていた脂肪や水分を減らそうとするためです。
ただし、体力がどの程度回復しているかや、母乳育児の状況などにもよるので、楽しめる範囲で無理なくダイエットを行うようにしましょう。
- Q
-
- Q
産後忙しくてジムに行けません。すぐできるダイエットはありますか?
- A
産後の育児に追われてジムにいくのが難しいのであれば、すぐにできる選択肢としてメディカルダイエットがあげられます。
お薬を使って、太る原因に直接アプローチして体重管理・維持を実現できるため、産後の体型戻しにも効果的な痩身治療です。
ただし、授乳中の場合はダイエット薬は基本的に使えないため、状況に合わせて利用してみてください。
- Q
関連記事
参考サイト
この記事の監修
(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務

