AGA・薄毛

生え際の後退で薄毛に!その原因と対策を解説

生え際の後退は放置すると悪化する?原因と対処法について AGA・薄毛

生え際の後退が一度はじまってしまうと、原因によっては頭頂部まで薄毛が広がってしまうことも。

また治療の場合でも、生え際は髪をふたたび生やすのが簡単ではない部位と言われているため、早めの対処が望ましいと言えるでしょう。

このページでは生え際後退のサインや考えられる原因、さらに対処方法などについても詳しく解説していきます。

「生え際が後退したかも…」と思った際に疑われるのがAGA(男性型脱毛症)ですが、AGAは進行するため、早期にAGA治療することが肝心です。
AGA治療について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

生え際が後退しているサイン

他人や過去の自分と比較して、生え際が後退してきたかどうかの判断は何を基準にすれば良いのか困るところですよね。

明らかに後退していれば判断もつきやすいですが、単に勘違いということもあるだけに判断は難しいところです。

ここからは生え際が後退しているサインをいくつかご紹介します。
疑わしいと感じた時には医師に診てもらうことも検討してみてください。

おでこが広くなった

生え際の後退のもっともわかりやすい確認方法は、おでこ(額)の広がりを確認することです。

  1. 鏡の前で眉毛を思いっきり上げる
  2. 一番上にあるシワと、生え際の深い部分との間に指を置く
  3. 指が3本以上入るのであれば、黄色信号

もともと生まれつきおでこが広い人もいるので、必ず指3本以上とは言い切れないこともあります。

ただそうであっても、4本、5本と間隔が空いてくるようであれば生え際後退のサインと捉えるようにしましょう。

生え際の髪の毛が細くなった

前髪をあげた時に、ピンッと飛び出る細く短いアホ毛のような髪が増えてきたら生え際後退のサインかもしれません。

というのも薄毛は、うまく成長できていない髪が増えることが1つの症状としてあげられるからです。

こうした症状を専門的には軟毛化と表現しますが、これは栄養不足やヘアサイクルが乱れてきているサインです。

そのため軟毛化した髪が増えていないか、周囲の髪と見比べてみてください。

頭皮が硬い

「薄毛=髪の状態」となりがちですが、髪を支えている頭皮の状態も生え際の後退チェックには有効な方法となっています。

やり方は簡単で、指を使って頭皮を動かしてみてください。

もしあまり動かない、あるいは弾力がないと感じれば、髪が育つためのライフラインである血流が滞っている可能性が考えられます。

もともと額周りは頭頂部などに比べると硬く、血流量もそれほど多くはありません。

それゆえ血流不足が進んでしまうと、生え際の後退を加速させる可能性が高いので要注意です。

抜け毛が増えた

生え際後退の最後のチェック項目として、1日の抜け毛量をチェックしてみましょう。

一般的な抜け毛量:50〜100本 / 日

薄毛:150本以上 / 日

1つ注意したいのが、10月、11月の秋口は、動物と同じように人間も生え変わりの時期として抜け毛量が一時的に増えます。

そのため時期によっては抜け毛が増えることもあるので、上記はあくまでも目安として捉えてください。

またもともとの毛量によっても個人差が考えられるので、抜け毛の中に成長不十分な軟毛化した髪がないかも1つの目安にしてみてください。

生え際が後退する原因

生え際が後退する原因として、主に以下のものが考えられます。

上記内容のほか、髪型などといった日常生活が影響していることもあります。

毎日の生活を振り返り、思い当たる節はないかを原因と照らし合わせながら確認してみてください。

AGA(男性型脱毛症)

生え際の後退は、AGA発症のサインである可能性が高いです。

AGA(男性型脱毛症)とは、男性ホルモンの1つであるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響で起こる脱毛症です。

AGAが起こるしくみは以下のとおりです。

  1. テストステロンと、頭皮に存在する5αリダクターゼが結合する
  2. DHT(ジヒドロテストステロン)が生成される
  3. 毛乳頭にある男性ホルモン受容体とDHTが結合する
  4. 毛乳頭に脱毛の指令が出され、抜け毛が起こる

生え際の後退は、5αリダクターゼの中でも前頭部に位置するものがテストステロンと結合することで、抜け毛が起こる場合が多いです。

また、5αリダクターゼは活性度が高いほどテストステロンと結合しやすくなります。

5αリダクターゼの活性度は遺伝するケースが多いため、父または母方の家族が薄毛の場合は注意が必要です。

生活習慣の乱れ

生え際の後退を引き起こす良くない生活習慣として、代表的なものはこちらです。

  • 乱れた食生活
  • 睡眠不足
  • 飲酒や喫煙習慣

これを見て、ドキったした人もいるのではないでしょうか。

特に食生活の影響は大きく、高糖質・高脂質の食べ物や飲料ばかりを口にしていると、身体の中に「AGE(終末糖化産物)」という物質が増えていきます。

AGEとは、身体にさまざまな悪影響を及ぼす老化物質です。

髪も例外ではなく、頭皮の血管をもろくしたり、髪細胞の働きをサビつかせたりすることで抜け毛を助長することもあります。

また睡眠不足は髪を育てるために必要な成長ホルモンの分泌を低下させてしまいます。

さらに飲酒や喫煙は髪の栄養を壊すことに繋がる行為です。

最近の研究からはAGAの原因であるDHTを増やすこともわかりつつあります。

生活習慣の乱れは健康を損なうことはもちろん、髪の成長・維持にも深く関わっていることは覚えておきましょう。

頭皮環境の悪化

生え際を後退させる原因として、頭皮環境の悪化も見過ごせません。

頭皮は顔の皮膚と同じように、28日周期でターンオーバー(生まれ変わり)を繰り返しています。
これによりバリア機能を維持し、紫外線や雑菌から頭皮や髪を守ってくれています。

しかしターンオーバーが乱れていくと、バリア機能の低下によって頭皮内部にまでダメージが及んでいきます。

すると炎症やフケ、乾燥、皮脂の過剰分泌などの頭皮トラブルを起こし、抜け毛を起こす原因に。

また頭皮は皮脂の分泌量が他の部位にくらべて多いです。

そのため頭皮のターンオーバーを乱れさせないよう、清潔な状態を保つことが大切です。

ストレス

現代社会は、誰しもがストレスを抱えやすい環境です。

しかしストレスの蓄積は、生え際後退の赤信号とも言えるでしょう。

ストレスが髪に影響することとして考えられるのが、自律神経の乱れです。

自律神経の乱れ

まず自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、日常生活でスイッチを切り替える役割を持っています。

交感神経

⇒ 心身共に活動的にする神経

副交感神経

⇒ リラックスさせる神経

このことから活動している時に活発になる交感神経は「昼の神経」、逆に身体を休める時間帯に活発になる副交感神経は「夜の神経」とも呼ばれています。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れていくと、緊張状態を作る交感神経が活発な状態が続きます。

アクセルを踏み続けているような状態になるので、身体は必要以上に覚醒した状態(過覚醒)に。

すると血行不良や寝不足、さらには内臓機能の働きの低下を引き起こし、頭皮まで栄養が行き渡らずに髪がうまく成長できなくなります

その結果、髪は次第に弱っていき、やがて抜け毛となって生え際を後退させる原因になってしまいます。

生え際の後退を放置すると

生え際の後退は、自身の力だけではどうすることもできないホルモンや遺伝、さらには身近な生活習慣や環境が原因になっていることが多いです。

一番避けたいのは、「いずれ治る」と考えて何もしないことです。

むしろ放置すると生え際の後退が悪化することもあるため、気になったら原因に合わせた早めの対処をオススメします。

中には、少し意識を変えることで改善できるケースもあります。

原因に合わせた対策をしていきましょう。

生え際の後退への対策

生え際の後退への対策としてあげられるのは、主に以下の4つです。

対策のスタートが早ければ早いほど毛根も回復しやすいため、改善スピードも上がります。

生え際後退の原因に思い当たる節があれば、ぜひ今日から始めてみてください。

AGA治療をする

AGAによる生え際後退の場合は、治療薬を使うのが改善への近道です。

原因となっている悪玉男性ホルモン(DHT)を抑えるお薬として、以下のいずれかを治療に用います。

プロペシア(フィナステリド) 5αリダクターゼⅡ型を抑制
ザガーロ(デュタステリド) 5αリダクターゼⅠ・Ⅱ型を抑制

どちらもDHTの発生を抑えることでヘアサイクルを正常にし、生え際がそれ以上後退するのを抑えてくれる予防薬になっています。

補足 5αリダクターゼⅠ・Ⅱ型の違いは?

5αリダクターゼⅠ・Ⅱ型は、それぞれ存在する場所が異なります。

5αリダクターゼⅠ型 側頭部・後頭部のほか全身
5αリダクターゼⅡ型 前頭部・頭頂部など

このため、生え際の後退に強く関係するのは「5αリダクターゼⅡ型」です。

Ⅱ型の場合、頭部では脱毛、脇やひげは発毛を促すため、体毛が濃いことが多いです。

またAGAは、脱毛を起こしている周囲の血流が悪くなっている状態です。

そのため生え際後退の度合いによっては、ミノキシジル(内服・外用)と呼ばれる発毛薬を併用処方しながら治療経過を確認していくこともあります。

抜け毛を抑えるプロペシア・ザガーロと、発毛を促進するミノキシジルは、当院でも処方を行っております。

来院・オンラインのどちらでも診療可能なため、気になる方はお気軽にご相談ください。

生活習慣の改善

トータルで健康的な生活習慣を送るのが理想的ではありますが、忙しい場合はそう簡単なことではないでしょう。

そこでまずは、特に重要な以下のものから着実に改善していくのがオススメです。

食生活

⇒ 好きなものばかりではなく、ビタミンB群を含む野菜やミネラル豊富な魚介類などバランス良く摂る

睡眠

⇒ できれば22時には就寝し、睡眠の質を高めるためにも夕食は就寝時間の3時間前までには済ませる

禁酒・禁煙

⇒ 無理な禁酒・禁煙はかえってストレスになることがあるので、減酒・減煙からはじめてみる

またこの他にも有酸素運動や筋トレを取り入れると、代謝をあげたり、夜もぐっすり眠りやすくなったりします。

さらにストレス発散にも運動は有効なので、1回20〜30分・週2〜3回を目安に取り入れてみてください。

頭皮環境の改善

生え際後退の原因のひとつとして頭皮環境の悪化が考えられるとお伝えしましたが、たった1日でも頭皮には皮脂や汚れが思っている以上に溜まります。

頭皮のターンオーバーを乱さないためにも、1日1回のヘアケアとして正しいシャンプー選びと洗髪が大切になってきます。

シャンプー選び

シャンプーは、自分の肌質にあったものを選ぶのが大切です。

脂っぽい

⇒ 高級アルコール系・石けん系

乾燥

⇒ アミノ酸系・ベタイン系など

気づかずに肌質に合わないシャンプーを使っていると、汚れが落ちきらなかったり、乾燥を悪化させてしまったりすることも。

また高級アルコール系や石けん系は洗浄力が強いので、毎日ではなく週1〜2回を目安に使用して、低刺激のシャンプーと使い分けてみてください。

洗髪

①予洗い

お湯だけで洗うことで汚れを浮かせ、シャンプー時に力を入れなくても汚れが落ちやすくなります。

②泡立て&洗髪

シャンプーの原液は水分を含ませることでちょうど良い塩梅になるよう作られています。
いきなり髪に原液は付けず、一度手のひらで泡立てるようにしましょう。
できた泡を使って、髪と頭皮を泡で洗うイメージを忘れずに。

③すすぎ

耳の裏などはシャンプーが残りやすいため、入念に流していきます。
すすぎは洗髪の約3倍の時間を目安にすると良いでしょう。

④タオルドライ&ドライヤー

髪に水分が残っているままだと、雑菌が繁殖しやすくなります。
タオルで余分な水気をとって、ドライヤーで残りの水分を取ってあげてください。

ストレス解消法を身につける

ストレスは髪にも影響しますが、精神的に塞ぎ込んでしまうと心の病気にもかかりやすくなります。

「必ずこれが良い!」という方法はないので、自分に合ったストレス発散方法を探してみてください。

おすすめは以下の4つです。

  • 趣味に打ち込む
  • 適度な運動をする
  • 十分に睡眠をとる
  • マッサージを受ける

など

またストレスの原因に思い当たるものがある場合は、その原因と可能な限り距離を取ってみるのも1つです。

「ストレスゼロ」が理想ですが、現代社会ではなかなか難しいこと。

適度に発散しながら、上手に付き合っていきましょう。

よくある質問

Q120代でも生え際は後退しますか?
A120代でも生え際が後退する可能性は十分あります。原因によって適切な対処法は変わりますが、対処は早いほど改善もしやすいです。まずはクリニックなどの専門機関に相談してみましょう。
Q2父も祖父も薄毛です。自分も生え際が後退していて、はげるのではと怖いです。
A2AGAは遺伝するため、親や親せきが薄毛の場合は自分も薄毛になる可能性が高いです。早めに対処を始めることである程度予防することができます。
Q3髪型は生え際の薄毛に関係ありますか?
A3関係する場合があります。特に後ろで髪を束ねたりするヘアスタイルは髪や頭皮に強い負担をかけます。これによって起こる生え際の脱毛が牽引性(けんいんせい)脱毛症です。ヘアスタイルを変えて負担を減らすよう心がけましょう。

まとめ

生え際の後退は目につきやすいことから、老け見えの原因にもなってきます。

さらに見た目の変化がストレスになることで、さらなる抜け毛が起こるという悪循環に陥ってしまうことも。

人によってはQOL(生活の質)まで低下させてしまうこともあるため、生え際後退の原因を知って早めの対処を検討してみてください。